ギーツ本編を見ているときに不満だった「結局英寿が全部解決するんでしょ」といった感じのチート感が脱臭され、「1人じゃなんにもできないギーツ」が誕生する作りは本編の流れを逆手に取っていて新鮮だなと思ったが>>続きを読む
とにかく走る映画だった。その足並みで距離感を捉えている。言葉の代わりにその運動が心情を描写しまくっていた。季節が巡り、喪失を経て再生する花畑を以前と同じように、しかしまったく違う存在になって駆けるクラ>>続きを読む
とにかくラストショットのなんと切ないことか。全てを葬ってもなお届かないガラスの天井があることを知ってしまった彼女が、それでも絞り出した笑み。長くその表情を保ち続けることで、その運命に対して腹を決めたよ>>続きを読む
引き上げることで均衡を保とうとする勢力に対し、死と隣り合わせだとしても落ちる/堕ちることを自身で選択すること。この対比にアガらないワケがなくないですか……?ただこれ風呂敷広げすぎじゃない??次作でちゃ>>続きを読む
撮る者、撮られる者、その角度とピントの移り変わって行く様がなによりも雄弁。語られることは少なくとも、ラストの大名曲も不要なくらい画面が心の動きを伝えている。けどさすがに匂わせがあれもこれも抽象的すぎな>>続きを読む
IMAX 3Dにて鑑賞。
好きだけどシリーズで1番歪だし、1番シンドい作品だったかもしれない。あまりに「俺たちと俺たちの居場所を守る」ことに終始した結果、他者のことがわからなくても手を伸ばしていた過去>>続きを読む
結末は決して許容してはならないが、4号のデザインは秀逸。繰り返しと忘却により洗練されていく兵器としての4号(およびスカイサイクロン)。この敵に立ち向かうなら555の自己犠牲は否定されなければならないの>>続きを読む
清濁合わせ呑む(この言葉もあからさまな二項対立なので用いたくはないが、あくまで言い回しとして)覚悟もない奴が優しさの名の下に踏みつけているものがあまりに多すぎる。彼らがやっているのはあくまでシンパシー>>続きを読む
続編におけるジャンルずらしは直近で観たものでいうと『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』を思い起こさせるが、スリラーにおけるそれは思いの外ハードルが高いな、と思わせる1作。
前作で脅威として存在したエス>>続きを読む
それが当然、という温度感で談笑と惨殺が繰り返される。あまりにテンポがいいものだから、凄惨な場面であっても「まあこの後は楽しい場面になるっしょ!」という気持ちにさせられてしまう。映画は暴力とも言えるけど>>続きを読む
アクションものの続編にありがちな強さのインフレ問題を巧みにかわし、互いに「戦いの中で成長する」構図にしたのは上手い。映画のジャンルもバディ感を強調したことにより前作とは多少ずれていて、いくらでも続編を>>続きを読む
アラなんてあってナンボの良いジャンル映画!とは思うものの、やはりどうしても気になる部分もあって。
その最たるものはやはり、後半明らかになる事実。それによってエスターの正体が明かされるワケだが、それは観>>続きを読む
Twitterミームの乱発が目立つけどそれ伝わる人そんないなくない?という印象。そうしたネタが全編に散りばめられるため、ちさととまひろのキャラの違いすらボヤけるところは残念。アクションパートは冒頭とラ>>続きを読む
いや、人生そういうモンですけど?と言わんばかりのドライな語り口で最悪が更新されていくシンドさよ……ダルデンヌ兄弟の作品は初めて触れるんだけど、いつもこんなあっさりした風合いなのかしら
オタクとしては面白いけど、映画として面白いとは言えないよな……。オタク的な要素のパッチワークなのでぱっと見『仮面ライダー論』をやりたいようにも見えるが、別にそういう建て付けにもなっていない。
人にナイスにすること。それは「家族」という枠に収まる仕草ではないということ。
スケールは大きい(むしろ過去最小?)ものの主題は全くブレない。それは「今よりマシな自分になりたい」という願い。アクションの単調さも、ここではテーマを支えるために機能してる。彼らは愚直なまでに突っ込み、>>続きを読む
身内自慢にも映画讃歌にもなり切らず、むしろ撮ること、切り取ること、その欠片を恣意的に繋ぎ合わせることの負の側面を強調するクライマックスが真摯。映像によってその後の関係性が(主に悪いほうへ)変わっていく>>続きを読む
スマホを活用する、およびそれを映した映画としてめちゃくちゃ興味深かったな……画面映えするスマホのアクションだいたいやってたんちゃう?まあこんなのテーマとあまり関係ない観点なんですが……
内戦と個人間の諍いを往復しながら描き出すのは、100年後にも優しさは残るということ。ただそこに至るまでにここまでの犠牲を払わねばならないのかと思うと、胸は痛む。
固い手触りの映画である。牛歩よりも遅い被害者との関係構築、うず高く積み上がる妨害の手、繰り返される「話せない、協力できない」のワンフレーズ。だからこそ幕切れの鮮やかさが強く印象に残る。ここから世界が少>>続きを読む
コンパクトかつ景気のいいものを!と思いこのドキュメンタリー映画を選んだのだが内容的には全くそんな話ではなく、往年の香港アクション映画における重症必至の転倒シーンが引用されまくるものだから95分も長く感>>続きを読む
タイトルと裏腹にずっと耳を使う映画だった。パンチの痛さ、ペンを走らせるか細い筆致、「はい」。そのすべてがちゃんと生きている
ミクロとマクロを接続するのでなく、ミクロこそがマクロなのだと言わんばかりのスケール感
今年トップクラスに話にノレない作品やったな……浮き足だった主人公が良心の呵責以上の動機を持たないまま全国を行脚し、いつの間にか恋慕の情すら同伴者に抱いている構図、怖すぎた。
そのロマンスいらなくない?とか主題をクライマックスで説明しすぎじゃない?とか結局そこに落ち着くの?とか色々古臭いが、人種や障がいを越えたコミュニケーションの積み重ねを描きたかったんだろうと納得はした。>>続きを読む
私が2022年の音楽に感じている「前向きに事態が進むことへの後ろめたさ」がバッチリ詰まった作品じゃないっすか……
やっぱセレーヌ・シアマ苦手かもしれんな……と『燃ゆる女の肖像』に続き前半寝こけて思った。本作はロケーションがほぼ家と森のみなので画に変化がなく、おまけに『燃ゆる〜』同様劇伴もないのでめちゃくちゃ静かな>>続きを読む
「見ているだけ」でいることの暴力と、それでも抗い難い快楽との拮抗。文化の残骸を「咀嚼できない」と吐き捨てるアレに対し、そいつが飲み込んだものより数段階上のロストテクノロジーで対抗する構図が印象的。最高>>続きを読む
まったくもって間違ってばかりで踏ん切りがつかないながらも、彼が初めて未来のための選択と発言をしたその1点において、過去の清算をただただナンセンスなギャグで塗りつぶしただけの『バトルロイヤル』より5億倍>>続きを読む