ひな子さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ひな子

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アマンダと僕(2018年製作の映画)

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喪失をテーマとし、心理的描写を繊細に描いた作品。主人公とアマンダが泣くタイミングのズレがとてもリアルで、ああ彼女(姉、或いは母)は死んでしまったのだと、死をじわじわと感じさせる描写だった。また自転車を>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

5.0

初めて観たのは二年前の新文芸坐のオールナイト上映。初めてのオールナイト4本目で寝てしまって、ほとんど覚えておらず、断片的な映像が少し頭に残っているくらいだった。だから私にとって『レネットとミラベル』は>>続きを読む

7月の物語(2017年製作の映画)

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原題は<contes de juillet >
夏物語を思い出すものの、ギョームブラックの作風はロメールとは明らかに異なる。
ユーモアがあり映画館でつい笑ってしまうシーンもあるのだが、正直映画作品とし
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クレールの膝(1970年製作の映画)

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少し前まではロメールの映画を観るとき、美しい風景は私にとってただの背景のようなもので、彼らの会話に夢中だった。
けれどロメール漬けのこの頃、明らかに風景がロメール作品にとって大事なモチーフであることが
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

5.0

ブレッソンは映画(シネマトグラフ)は映像と音響の総体であるとし、演劇的な効果やレトリックを否定する。
この映画を分けるとしたら三つ(車のシーン、収容所での脱走の準備のシーン、脱獄のシーン)に分けられ、
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夏物語(1996年製作の映画)

5.0

ロメールの伏線術がとても面白い。
邦画のあからさまさに比べて、とても自然で納得がいく。一度見ても気づかないことが多く、全体的にはシンプルに見えてもそこには熟練の技がある。

ギャスパールが主人公ではあ
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

5.0

事実に基づく物語 ではなく事実の物語。
その事実 とは、人それぞれ捉え方が違うし、視点も違う。事実は一つだけど、それぞれの方向からみると異なる形をしているようなものなのかもしれない。
そういったメッセ
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

5.0

素晴らしかった。
オープニングからエンドロールまで、映像や音響に見入ってしまった。
玄関口の床を水拭きするシーン、陽が映ってまるで波打ち際のように美しく、水やブラシ、鳥の鳴き声などがクレーム外から聞こ
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

5.0

トリコロールを観なおしたことをきっかけに、私はキェシロフスキが好きなことに気づいた。彼の仕掛けを考えることがとてもワクワクする。また、主人公(本作はイレーヌ・ジャコブ)への思いの強さというか、とても丁>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

5.0

この作品が過去のと比べてサンティモスの毒が薄くなったのは、明らかにエマ・ストーンの力。アビゲイルがどんなに嘘つきでクソ女だとしても、見ていて楽しい。
(ロブスターや鹿殺しには、好感持てる登場人物なんて
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

5.0

私はこの映画を観て、これは愛娘の死というトラウマを抱えたニール(というある一人の男)の話だと感じた。鑑賞後にパンフレットを読むと、ニールを演じたゴズリングも本作のテーマを喪失と捉えていることが分かった>>続きを読む