マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

2.8

中年BL系のささやかな日常は、劇場版だからか取って付けたような京都旅行などはあるが、シュチュエーションが乏しく、作品と大スクリーンのサイズ間のズレを感じる。TVドラマ未鑑賞。原作未読。

同性愛の境遇
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ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

3.1

基本的にホラー映画は苦手なので、ドラマパートが多いことは好感だが、マイケル・マイヤーズを掘り起こすほど、オカルト要素が入るような感じがして、リアルな恐怖が欠けるは如何なものか。新3部作の2作目、前作鑑>>続きを読む

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.3

主演の永野芽郁が魅力的で、鮮やか語り口を丁寧に積み重ねて好感だが、それに反するような、終盤の真相を明らかになる〈どんでん返し〉的な要素にエモーションを取り入れる構成が惜しい。トータル的には没入感も高く>>続きを読む

ひらいて(2021年製作の映画)

3.8

ジャニタレが出演しているからか、テイストがシネフィルムで驚く。淀んだ天気に包まれた、閉鎖的な地方での進路を決断しないといけない不安定な思春期の情動。繊細な心のひだが加速していくように拡がった、突拍子も>>続きを読む

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

2.5

当時は斬新でセンスを感じる、ソリッド・ワンシチュエーション映画だが、大スクリーンサイズに見合わない限定される狭いシチュエーションで、手垢の付きまくった設定をリメイクする企画に疑問。それらを十分理解した>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.5

中世のレイプ事件を3人の視点から描き、羅生門効果のような次第に露になる、男の野獣性やエゴの醜さ。オムニバス形式なので、シーンの〈重複〉や〈思わせぶり〉や〈揺さぶり〉でモタつくことが長尺の原因だが、男社>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.1

壮大な砂漠とスケールの大きさとのマッチさは良いが、荒涼とした背景はトーンが一緒で、壮大な音楽だが曲調は似たりで、リフレインする思わせぶりな伏線やテクニカルタームの乱用は諄い。テイスト・トーンが一辺倒で>>続きを読む

劇場版 ルパンの娘(2021年製作の映画)

2.7

B級テイストの意図は、コミカルの効きが悪いことと抑え処のアクションがチープなCGで見所が薄いので、狙いきれていない。会話やナレーションが多いのに女優陣の滑舌が気になることも。ドラマ未見。

ポイント的
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キャンディマン(2021年製作の映画)

3.1

感性や意欲を失った芸術家が、刺激を受けてドンドン創作意欲が湧くことが興味深い。BLMをモチーフとし、影絵の陰影や鏡で反転させるメッセージも効果的で、終盤までは概ね好感。だが、肝心な纏め方が綺麗ではなく>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.6

新選組副長・土方歳三を描きながら、時代の移り変わりによる人々の〈価値観〉の違い、〈思想〉や〈志〉が変貌する時代背景を捉えることも抜かりない。子供の頃に不思議だった、将軍が敵前逃亡して大義名分が無くなっ>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.2

オムニバス的な反復や重複する妙は、波の押し引きのようで、ジワジワとしたヒロインの内面のようにも。只、シュチュエーションが乏しい会話劇は、字幕だと伝わりにくいこともあり、退屈なことも。ズームイン・ズーム>>続きを読む

ルパンは今も燃えているか?(2018年製作の映画)

3.0

懐かしの敵キャラが複数登場するファン向けの作品でもあり、配信作品のプロモーションも兼ねていのだろう。画面のスタンダードサイズなことも、映画への尊重は高くはない。
遊び心はあるし、背景画像もキレイだし、
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神在月のこども(2021年製作の映画)

2.9

キャラ達の造形はアニメや何やらのパブリックイメージを髣髴させるが、悪くなく、俳優と声優の配置に感心も。背景もキャラとマッチした抑えた丁寧さに好感で、監督は有名作品の作画をしていたのも納得。

〈因果と
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.6

冒頭から雑多感ある中での札束に振り回されるシーンが、その後を暗示する前ぶりが良い。TVで何度も鑑賞したが、映画館のスクリーンでは初鑑賞(4K版)。

エンタメ作品としてのアクションの抑え所や、映画とし
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メインストリーム(2021年製作の映画)

2.7

主人公のYouTuberに全く感情移入できなく、その動画の面白さが理解できないし、これといった目新しいこともないので、置いてけぼりに。

いじり芸を否定した者がいじり芸をし、被害者がでて炎上する。〈リ
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.3

バイオレンス・アクションならではの、スタイリッシュに時間軸を交錯させ、玉ねぎの皮を剥くように徐々に人物とエピソードを露わになるプロセスは興味深い。運命の経緯を丁寧に描き、弛緩しない的確なカット構成に感>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

ハードボイルドやシリアスさをベースにするが、ユーモアの効きの良さが抑揚になり、164分の長尺でも飽きがこないことに好感。前作では上半身の裸を披露しなかったダニエル・クレイグだが、今作の絞った体には最後>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

2.7

未来や現在や過去に波及するタイムパラドックスは生じるのに、未来と現在と過去が鉢合せしない、多世界解釈のような設定の矛盾は、序盤から一貫した大きな問題に。周囲の人たちのライトさがテイストの抑揚になり、タ>>続きを読む

いざなぎ暮れた。(2019年製作の映画)

3.2

島根の海沿いの小さい町には場違いな、ホスト崩れとキャバ嬢の主役2人とアメ車が良い味を出しているし、狙っていることも後に分かる。カメラワークやディテールに甘さもあるが、時折、地元の気質や土地の匂いや空気>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

2.9

兎に角、実話なことに驚く。ホラーをベースにミステリーとオカルトを取り入れたことは興味深いし、シュチュエーションの広がりも好感。只、今までと同様のビックリさせるホラー演出だからか、実話の良さやリアルさの>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.7

大きな傷跡を残す東日本大震災、次第に深刻な生活保護受給のモチーフが浮かび・絡ませることが巧みに。重厚なテイストだが、群像劇としての捌き方が巧いので、高い位置でバランスを保つような表現スタイルが好みに。>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.2

水俣病患者とその家族の翻弄された人々と接するにつれてジャーナリズム精神が喚起されること。少しずつ交流を重ねて患者と家族との絆が生まれて水俣病患者の全貌をさらけ出し、世間に発信する写真が撮れたことなど、>>続きを読む

灯せ(2021年製作の映画)

3.4

コロナ禍の今を描き、緊急事態宣言直後の渋谷スクランブル交差点や新宿のビルが一斉に消灯し、雨に滴れる街並みの情景にハッとさせられる。

過去作同様にバイタリティを感じる演出だけでなく、今作はタガが外れた
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.5

一介のセールスマンがスパイになることが興味深く、統合失調症のような周りが敵に見えるスパイの心理の経緯。家族や国の為に覚悟を決めたスパイ活動に反する、スパイ故に家族にも打ち明けられなことから軋轢が生じる>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.6

父子家庭で娘と向き合わないのに、事件には執拗に執着し、全方位にモンペのようなクレームをするモンスター級な父親。娘を失ったことは悲劇だが、それ以外は中々同情できない。別れた妻も、こんな父親に子供を預けた>>続きを読む

劇場版 Free!-the Final Stroke- 前編(2021年製作の映画)

3.0

ニアBLまでいかないが、男同士の距離が近いフェチ系の漂わせ。シュッとした顔立ちにバキバキ筋肉のアンバランス(?)さ。テイストとセリフとビジュアルから喚起し、このジャンルが好きなら妄想も膨らみそうで、観>>続きを読む

総理の夫(2021年製作の映画)

3.0

自民党の総裁選に女性2人が立候補している、タイムリーな時期に鑑賞。時世や政策は少しは抑えているが政治色は薄く、TVドラマ風なエンタメ的ヒューマンコメディに。思いのほかコメディよりもヒューマン要素がある>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.3

近未来的で水没都市のシュールなシュチュエーション。ミステリー風味でトーンがレトロなフィルムノワール調。大人のボーイ・ミーツ・ガールで、ヒロインがファムファタールと、何だかゴチャゴチャしそうだが、凝った>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.2

前作同様にホテルロビーの豪華なセットが良く、豪華さに反するようなホテルや人々の表裏だけでなく、行き交う客の仰々しさも効果的。原作未読。

ドラマ俳優の配置、沢村一樹の思わせぶり・諄さが空回りしていこと
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.5

〈漫画 in 映画〉の入れ子構造が効果的で、私漫画のようなリアルさの中に、〈浮気〉・〈フィクション〉・〈先生〉などの様々な揺さぶりが良い。不倫をモチーフとし、見る側面によりライトなブラックコメディだっ>>続きを読む

科捜研の女 -劇場版-(2021年製作の映画)

2.6

主役・沢口靖子がフラットの演技だからか、大仰な役者の配置やBGMで補うことは、如何にもTVドラマ仕様の劇場版に。前半の揺さぶりを暗示するようなシンメトリーな建造物の背景は興味深かったが。TVドラマ未見>>続きを読む

ジオラマボーイ・パノラマガール(2020年製作の映画)

3.3

共通点の相違点とすれ違う感情、悶々とした鬱憤、背伸びする行動、根拠のない自信、ふわふわと地に足が着かない浮遊感など、大人と子供の狭間で揺れ動く普遍的なJKの〈ガール・ミーツ・ボーイ〉。シュチュエーショ>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.3

ワンシチュエーション・タイムスリラーのサスペンス演出が冴えて、〈老い〉や〈人生〉について考えさせる設定に感心する。年老いることではなく、身体が急激に成長・老化することへの弊害が興味深く、シュチュエーシ>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.2

ヒロインの過去の悔恨やPTSD、子供との喪失の共鳴が事件に対する原動力になる導入部は良いが、山岳レスキュー隊やパラシュート部隊の設定が上手く活かされていないのが惜しい。匂わせる割には凶悪な背後の組織が>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.1

マーベル・シリーズでヒーローの葛藤で停滞する所を、今作は過去の修行シーンの回想を挟んで、画面が停止しないことに好感。主人公のキャラの確立は妹や父親と比べると甘いが、新章突入の過渡期だからか、逆に新鮮味>>続きを読む

岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

2.7

前半で集中力を切らして見落とした箇所も多いと思う。
震災をモチーフにしているが、ディテイールが疎かなので肝心なことが伝わってこなく、全体的にもバランスが悪い。昔話を挟んでストーリーが飛躍する雑さ、被災
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