このレビューはネタバレを含みます
こんな映画が観たかった!予告も前評判もちっとも知らず、この頃海外のアニメーションに注目しているからという理由のみで観に行ったが、若い方がわりと多くてちょっと嬉しくなった。
3Dの技術を駆使しながらも>>続きを読む
原典は江戸後期に書かれたものであるが、「古典作品を現代風にアレンジ」ではなく、作品世界をそのままに映像化したという印象。とはいえ歌舞伎のように当時のセリフを使うわけではなく、今の言葉でつむがれており、>>続きを読む
「頼むから殺さないで」「せめてこの子だけは…」実際に飛び交ったであろう言葉を無視して起こった凄惨な虐殺事件の背景には、何があったのか。
時は1923年。朝鮮総督府があった朝鮮では独立運動が起こってい>>続きを読む
いいドキュメンタリー映画だった。2時間40分、無駄に思える演出や話はなかったように思う。深刻なテーマだが、冷静に観続けられた良作だった。
1992年に福岡県飯塚市で起こった「飯塚事件」の発生から今日>>続きを読む
いくら母親の罪滅ぼしのためとはいえ、またいくら父親の思い出のためとはいえ、ストライキという人々の大事な期間くらい、我慢させられないものなのか(ストライキに迷惑をこうむる善良な市民、という構図にも見えた>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
昔聞いた話では、「うちの子は『となりのトトロ』が大好きで、何度も観るんですよ」という親御さんがいると、宮崎駿監督は「それじゃダメなんです、お子さんを本当の森で遊ばせてあげてください」と言ったとか。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
地方から若者が上京し、東京で仲間を見つけ、ぶつかり合い困難を乗り越えながら成功し、次は世界を目指すーーこのスタンダードとも言えるストーリーに大きな力を与えているのは、なんといっても一流のジャズプレイヤ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
とてもいい映画だった。庵野秀明氏の話し方も、優秀だけど不器用な二郎の雰囲気に合って、悪くなかった。
風は目には見えないものなので、風を表現するためのものが多く登場する。帽子、傘、髪の毛、草原、旗、工>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「最初はガラガラだった食堂が最後にはお客さんで一杯に。そんな上手く行くわけない」と仰る向きも。それはそうだろう、これはファンタジーなのだから。ではなぜこの映画に魅了されるか、それはストーリーや展開だけ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
主人公の二人が出会うのはロシアの避暑地、ヤルタ。「ヤルタ会談」の場所として名前を聞いたくらいの知識だったが、ロシアによる侵略という酷い歴史を持つ土地であると、この映画をきっかけに知った。
ところでロ>>続きを読む
蔦枝(つたえ)と義治(よしじ)という情けない男女が、終始他人の善意にすがりながら身勝手に生きていく話に思えた。他の登場人物たちも強さや成長がなかった。パラダイスと銘打たれた、特に女性にとっては救いのな>>続きを読む
名医として尊敬され患者さんから慕われる山本昌知医師は、引退し、認知症を患った彼の伴侶・芳子さんとともに歩むことを決めた。
ドキュメンタリーであるが、監督のインタビューや語りはほとんど(全く、だったか>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
善意と笑顔と家族愛、というと聞こえはいいかもしれないが、全体として「私的なホームビデオ」を見ているような印象。
認知症になってから、自分がもともと女優として生きてきた、と信じきってしまった母親(原田>>続きを読む
監督のヤン・ヨンヒ氏の、北朝鮮ピョンヤンで暮らす兄たちと、その姪っ子ソナとのドキュメンタリー。この映画でまず感じたのは「街が綺麗」「マンションの生活もひどくない」ということだ。人は協力し、工夫しながら>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『こわれゆく女』の原題は"A Woman Under The Influences"。under the influencesとは「何かの影響下にある」という意味だが、辞典を参照するとunder t>>続きを読む
初ゴダール。途中までは「なんやこの人々」と思いつつも楽しく観ていたが、文明化について(?)の長い長いセリフのあたりから、「この残虐で血生臭くて狂った出来事の数々は、宗主国が植民地でやってきたことのメタ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「9・11」日本では「同時多発テロ」と銘打たれた事件の直後に、米国政府は遺族および被害者に賠償することを決定する。これは訴訟をさせないための「示談金」であったが、徐々に人の信頼を得ていくことになる。そ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
何となく見始めたがすぐに引き込まれた。さすがエンターテインメント大国アメリカのコメディ、面白かった。強盗という犯罪を逃げおおせてしまう、という点に疑問を持つことはもちろんそうなのだが、一方で、多くの労>>続きを読む
ニューヨークの慢性神経病患者専門の病院に勤めるようになった医師セイヤーが、30年来難病に苦しむレナード、同じ症状の患者たちに新薬を投与し、それによって奇跡ともいえる効果が出始めるが・・・。実話に基づく>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アメリカの砂漠にあるカフェ兼ガソリンスタンド兼モーテル「バグダッド・カフェ」に、ひょんなきっかけで訪れたドイツ人女性・ジャスミンと、カフェのオーナーである女性・ブレンダ、そしてその周りの人たちの交流の>>続きを読む
ああ、こういうのが観たかったという、町の食堂の定食のような(?)一品!気負わずにニコニコ楽しめるのは、なによりも言葉選びのセンスと洗練された絵力あってこそだろう。
日本でトップのアニメーターのお一人と尊敬する、山村浩二監督のアニメーション作品。明確なストーリーがあるわけではなく、詩とそれにまつわるイメージの映像で紡がれていく。「文学のヴィジュアル化」という言葉が>>続きを読む
2017年10月、ニューヨークタイムズ紙で報じられた記事ーハリウッドの大物、ハーヴェイ・ワインスタインによる性暴力と、その被害者の女性たちの名前。その記事が公開されるまでの、二名の女性記者ジョディ・カ>>続きを読む
オクラホマ出身のクロード・ブコウスキーが、従軍の前に寄ったニューヨークで、ジョージ・バーガーをはじめとするヒッピーのグループと友達になり、その行動に巻き込まれていく話。
名曲「アクエリアス」そして「>>続きを読む
主人公の桜木花道が属する湘北(しょうほく)高校と、超強豪・山王(さんのう)工業高校とのインターハイでの対戦を軸に、同時進行で湘北のメンバー、宮城リョータのこれまでを描く物語。
まずは、私自身が原作『>>続きを読む
TBSロンドン支局の記者として、須賀川拓氏が各国の地域に出向き、見たもの・聞いたものと、その仕事に対する思いを綴るドキュメンタリー映画。
「戦場記者」とあるが、英語のサブタイトルはA Conflic>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
いくつかのレビューで「考えさせられた」「知るきっかけになった」という声が出ていたのは救い。私が日本の入国管理局の実態や、不法滞在とされるの外国人の状況について知ったのは、スリランカ人女性ウィシュマ・サ>>続きを読む
ロマンティックなタイトル、ピアノやハーモニカで時おり奏でられるクラシックの名曲。名優たちの笑顔に彩られ、牧歌的でのどかに見えるが、描かれるのは強者の論理に振り回される人々、プライバシーのなさなど、田舎>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
(2022/11/26追記)
破傷風にかかった子供、その家族の看病と疲労、病院スタッフの闘いの日々。
子供が「普段の食事ができない」というところから始まる。病院で診察を受けても、しつけによる心因性の>>続きを読む
私は、子供もいないし、教育関係者でもない。だからわからないことも多くあるだろうが、非常に疑問の残るところも多かった。
メインとして描かれる「きのくに子どもの村学園」では、週の授業のほとんどが体験学習>>続きを読む
ドキュメンタリー作品を観た時、「おお、そうだったのか」と学ぶことは多かったが、「やっぱりそうだったのか」と認識を新たにした作品はこれが初めてだろうか。「やっぱり」というのはチャールズ皇太子(現国王)が>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
役者の「目」が好きだ。優れた役者の目は、ときにセリフなしにこちらを射すくめる。心の中に入り込んでくる。この映画の場合、その目は演技ではなく、刑事としての経験からもたらされたものだった。
公式サイトの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「みんなのシネマレビュー」というレビューサイト(jtnews.jp)を眺めていたら、あろえりーなさんという方が、「この作品の良いなと思うところは、戦争というものを主軸にして描いてるのでなく、あくまでも>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
邦題にある「都」はワシントンD.C.であり、アメリカの政治の中心地である。子どもたちの熱烈な勧めを受けて、政治のお作法も知らずに上院議員に指名された青年ジェフ・スミスと、お金大好きじいさん議員たちの応>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
フィンランドは遠い国、通貨ひとつ馴染みがない。現地の人々には当然のことかもしれないが、見ていてよくわからない点はところどころあった。それでもこれはストーリーを追う映画ではなく、ヘレン・シャルフベックと>>続きを読む
よくも悪くも、アメリカ・アズ・ナンバーワンの意識を感じざるを得ない映画作品。「ならず者国家」の軍として、マーヴェリックたちが撃墜した戦闘機のパイロットにも家族があり人生がある。かつてはそれが日本の少年>>続きを読む