ニャーすけさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ニャーすけ

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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.0

本作は大学時代に観たっきりで、なんとなくの名作イメージで長らく記憶されていたから、デ・ニーロ扮するジェイク・ラモッタを見て(えっ、この人こんなにキモかったっけ⁉︎)と驚愕。嫉妬深くDV気質で品性下劣、>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

3.2

チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』に代表される、10年代後半の韓国フェミニズム文学の流れを汲む作品。
物語後半で描かれる、94年に起こった実在のある事件を除き、劇的なことはまったく起こらない
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

作り手が「ニコケイにニコケイ自身を演じさせたらウケるんじゃね?」という発想だけで勝手に満足して、脚本の推敲を放棄したとしか思えない凡作。
今やミームと化したケイジのオーバーアクティングを本人が意識的な
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.8

これをアヴァンギャルドな芸術と取るか、支離滅裂で荒唐無稽なマスターベーションと取るか。正直自分には後者のようにしか思えなかったが、先のアカデミー賞を席巻したミシェル・ヨーやキー・ホイ・クァンらの芝居は>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

1.0

明確なストーリーラインが存在しない「スライス・オブ・ライフ」の作劇にも拘らず、監督の独りよがりな思想がただ垂れ流されるダイアローグや人物造形にはまったく共感できないし、そもそも台詞の一つひとつが単純に>>続きを読む

フェイク(1997年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

潜入捜査という題材はサスペンスの鉄板で、近年でも『新しき世界』や『ブラック・クランズマン』と傑作揃いだが、本作はこれらとはまた一味違った「侘しさ」が良い。
97年の時点でアル・パチーノがもうすでに相当
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キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

2.9

登場人物の関係性の掘り下げがもう一つ足りないが、女性のエンパワーメント映画としては今観ても充分グッと来る。
『ブックスマート』のオリヴィア・ワイルドがリメイクしたらとんでもない傑作になりそう。

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

主演: 松岡茉優、助演: 松坂桃李、監督: 石川慶……と、今考えると傑作にならないはずがなかった座組みの大傑作。
劇場公開時にリアルタイムで観たときも年間ベストに推していたが、今回改めて観直して(あれ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.6

『キャプテン・フィリップス』や『ブリッジ・オブ・スパイ』など、辛気臭い顔してるときのトム・ハンクスが好きな人には堪らない作品。
凡百の監督なら絶対ドロッドロの感動押し売り映画にしたはずの題材を、こんな
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FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

3.6

凡人が圧倒的な天才に打ちのめされ、志を捨てるに至るまでを描いたキツすぎる映画。
誰もが自分の才能の無さに折り合いをつけるため、天才には天才たる必然があるのだと思いたがるが、凡人と天才を隔てるのは「“持
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

2.0

成田凌のキャラがウザすぎて前半は観るのが苦痛だった(演出と芝居が良いってことではあるんだけど生理的に無理)けど、そのクソ男がほとんど出なくなる後半は優れた俳優陣による会話の面白さを楽しめた。
特に若葉
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.2

『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』からの引用は露骨すぎてダサいし、監督がインタビューで裏設定を勿体ぶって匂わせてドヤってるのも鼻につくし、何よりジョーカーという象徴的なヴィランを同情す>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

1.3

このレビューはネタバレを含みます

核ミサイルの被弾を免れたとしても、着弾後のキノコ雲が目前で発生してるような状況で「助かった!」じゃねぇんだよ。お前ら“放射能”って知ってる?

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.3

昔はとにかくハビエル・バルデムの怪演に圧倒されたが、今見返すと辛気臭い顔した登場人物の中で唯一トーンの違うウディ・ハレルソンの芝居の良さに気づく。ああいう軽薄で飄々とした役柄がハレルソンは本当に巧い。

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

これぞTHEシャマランと言うべき胡散臭すぎる形而上スリラー。
世界の真理に気づいてしまった「訪問者」たちから強いられる「犠牲」を主人公たちが拒否する度に、世界中で大災害やパンデミックがリアルタイムで起
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

4.7

チャドウィック・ボーズマンの最高傑作といえば、考えるまでもなく本作を挙げる。
彼が演じる主人公は、メジャーリーグ史上初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソン。本来は激情型で、日常的な人種隔離への憤りを
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

今になって心底思うのが、真の意味でスピルバーグの自伝的作品は『フェイブルマンズ』よりも本作のほうだということ。
完全にスピルバーグ本人の生き写しであるハリデーの「私のゲームを遊んでくれてありがとう」と
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ランゴ(2011年製作の映画)

1.6

ド派手なスラップスティック・アクションが盛り沢山なのになぜか印象としてはめちゃくちゃ平板というこの感じ、アニメ映画でも安定のヴァービンスキー節。

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

2.3

はっきり言って完全な失敗作だけど、世界の命運を握る細菌学者が一人で勝手にすっ転んで死ぬマヌケだったり、あのブラピがゾンビ相手に「だるまさんがころんだ」を全力でやったり、いろいろくだらなすぎて逆に面白い>>続きを読む

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

2.1

普通、こういう話って観客の倫理観に揺さぶりをかけるものであって、実際本作でもアメリカ南部的な銃への偏愛とリバタリアニズムが象徴的に描かれるのだが、クライマックスで突然主人公の自警行為が無批判に肯定され>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

劇場公開時に本作を観て、そのあまりのバカ映画っぷりに(これは絶対吹替でも観たい!)と思ってから早2年、ついに日本語吹替版を視聴。予想どおり、日本語のニュアンスでバカっぽさが更に助長されて最高だった。>>続きを読む

ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

4.2

全作品を観ているわけではないが、たぶんこれがドリームワークス・アニメーションの最高傑作。
めちゃくちゃ語弊がある言い方をすると、ドリームワークスってより普通にピクサーっぽいというか。

虚弱なヘタレモ
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モンスターVSエイリアン(2009年製作の映画)

1.5

テーマ的には「シュレック」に似ている部分もあるが、本作のほうは良くも悪くも子供向けで、毒にも薬にもならないアクションやギャグの比重が大きいため観てて退屈。
最後の戦いにしても、主人公たちは敵の宇宙船内
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シュレック2(2004年製作の映画)

3.6

「醜い怪物が妻の両親(しかも王族)に結婚の挨拶をしに行く」というメインプロットが面白すぎる。
ある意味、本作はシュレック以上にフィオナの父であるハロルド国王の物語。彼が「娘に与えてやりたい理想の幸せ」
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シュレック(2001年製作の映画)

3.1

「美醜」というテーマが本格的に掘り下げられるのは次作からだが、ドリームワークスがまだピクサーやディズニーのカウンター足り得ていた時代のパンクな作風が楽しい。
『マトリックス』などのパロディのつるべ打ち
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

1.5

劇中でナターシャ・マケルホーンが言及するように、基本設定そのものがリアリティの欠片も無いゴリゴリの人権侵害なので、本来ブラックコメディにしかならないものを感動げな寓話として撮っていることに無理がある。>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

2.7

真紅の照明の多用、本物の蛆虫を使ったショックシーン、ゴブリンの妖しい劇伴等々、アルジェント汁が濃厚な代表作。
今回久々に観て、下品なスラッシャーでありながら映像は完全にアートという本作の美学は、今で言
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

1.9

VFXは世界最高水準だと思うし、監督は高尚で哲学的なテーマを描こうとしているが、ぶっちゃけフジテレビの某人気オムニバスドラマを彷彿するような一発ネタでしかない。なんならエンドクレジットの前に、タモさん>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

2.6

歴史上初めてMtFの性別適合手術を受けた実在の画家、リリー・エルベをエディ・レッドメインが演じた伝記映画。

アイナー・ヴィーグナーとして男性に生まれたリリーが、生物学上の肉体と性自認との狭間で引き裂
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対峙(2021年製作の映画)

4.1

あるスクールシューティングの被害者生徒の両親が、セラピストの勧めで加害者(犯行後に自殺)の両親と対話を行う激重密室劇。

息子を奪われた側の夫婦は、あまりにも理不尽な悲劇にどうにか折り合いを付けようと
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ハッピーフライト(2008年製作の映画)

4.2

テレビ屋によるプロデュース作品だとしても、毎回ちゃんと丁寧で良質な映画を撮り続けている矢口史靖監督は日本映画界の良心だとつくづく思う。

本作も、国際線の旅客機が機体不良で緊急着陸する“だけ”という、
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

2.6

ノンフィクションが原作だからしょうがないんだけど、事前に想像していたよりも相当地味で平板な内容。
ただ、ラストの主人公と父親との和解には胸が熱くなるし、動物の可愛さを安売りしただけの御涙頂戴にはなって
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ザ・エージェント(1996年製作の映画)

1.8

キューバ・グッディング・ジュニアのキャラクターが良かっただけに、スポーツビジネスよりもトム・クルーズとレネー・ゼルウィガーとの恋愛がメインに描かれていたのは自分には期待外れだった。
その恋愛描写にして
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