ただのすずさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ただのすず

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二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)

2.8


ミシュラン3つ星、85歳、現役寿司職人、と騒いでいるのは周囲だけで本人様は黙々と日々の仕事を丁寧にこなしていただけだった。
私も美味しそうな鮨が観たかっただけ。
心地よいリズムと音で火に炙られる海苔
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パッセンジャーズ(2008年製作の映画)

2.7

アン・ハサウェイ以外どうでも良い扱いのこのジャケットが嘘偽りなくて良かった。
カウンセラーのアン・ハサウェイだ!って飛びついた人は怒れない。私もアン・ハサウェイが心配して泣いてくれたり、
恋に臆病で戸
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Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011年製作の映画)

4.6


「自らを失わないために、踊る」

土にまみれ、髪や呼気が乱れるまで踊り、
体温と汗でやがて泥になり衣装を汚す、激しく上下する胸、踊る前には二度と戻ることはできない。

いつも長い髪を結わえ、観客に美
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.7

住処も社会的地位も何もかも吹っ飛んだ後に、所詮物は物だろ?なんてことない。
って本気で笑ってくれる奴がいたら最高に惚れる。

哲学とか美学って友との間だけでこっそり交わすから格好良い。
女も金も同志も
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ジャーマン+雨(2006年製作の映画)

3.4

「四つ葉のクローバ探してるの」「だっせぇ」

人のトラウマを聞いて曲を作り歌手を目指す天涯孤独不細工貧乏、林よし子。
野嵜好美が演じるこのよし子が何よりも魅力的。
道徳の授業で使う安いドラマみたいな仕
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.4

「あの人のためならなんでもしてあげたいと思う」

湯を沸かすほどの熱い愛、真紅の花、体内を巡る赤い血、
観終わった後ものぼせたみたいに心が温かい。

常識的に考えたら過激だなと思える内容も多かったのだ
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さようなら(2015年製作の映画)

3.7

詩をうたうアンドロイド。

生と死とアンドロイド、ということ以外何も知らずに鑑賞。
アンドロイド役の女優かと思ったら、
本物のジェミノイドFというロボットが演じているとのことで吃驚。
元は15分の舞台
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脳男(2013年製作の映画)

3.5

ご都合主義で美しすぎたけど、良かった。
信じたいと思っていたものがすべて覆される瞬間も好き。

生田斗真と松雪泰子がどこからどう映っても隙がなくてうっとりする。
痛みや感情がないとされる人間、さらっと
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後妻業の女(2016年製作の映画)

3.6

大竹しのぶと尾野真千子の取っ組み合いのけんか!
鶴瓶の斜め上にかっとんだキャラクター
いつもよりも金に汚そうな永瀬正敏探偵。
お馴染みの役者が観たくて鑑賞、とんでもない安定感。

本当に欲しいものから
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.5

ノルマのある正義の味方。

北海道警察で実際に起こった警察官の不祥事。原作あり。

そんなにうまくいくものなのかと思うけど、
人もあっという間に死ぬし堕落するし裏切る。
脚色はあれど、実際にあった事件
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ピンクとグレー(2016年製作の映画)

2.5

ピンクとグレー、白でも黒でないもの。

芸能界、友、恋、青春、ピントが合わせられずにぼやぁーっと観続けた。ミュージックビデオみたいに綺麗なシーンが多い。
まあ、やっぱり友情かな?と定めた途端、どんでん
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.9

世界ではじめて性別適合手術を受けたリリー・エルベとその妻ゲルダの物語。

男、女とは一体何をもってそう決まるのだろう、容姿、顔つき、着飾った服、化粧、美しい仕草、リリーとゲルダがいたずらっ子のようにそ
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.3

ふぅ~痺れる!なんだ、この生き物。

映画館で予告を観たときから惹かれていたけど
どうせただ暴力を振るうだけの映画だろうって背けてた
その通り、寝て起きて食って歩行者に殴りかかるだけの映画で、でも最高
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.4

みんなみんなラララいっていたので、
簡単に喜んでなんてやらないぞ!という気持ちで望んで、オープニングであっけなく打ち砕かれた。

ボンネットによじ登り天に向かって喜びを歌い踊る色鮮やかな人たち、
この
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愛おしき隣人(2007年製作の映画)

3.7


北欧のちいさな町の愛おしき隣人の愛おしき日常。

昨日、夢を見た。
うん、どんな夢?
思わず聞いてしまいそうな距離感。
目線があう、あうと恥ずかしそうにそらして持ち場に戻っていく隣人たち。
演出がと
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さや侍(2011年製作の映画)

3.9

久々に観てぼろ泣きしてしまった。

投げ捨てた振りをしていた何かに少しずつ追いつめられていくような思い、
その何かに立ち向かおうと思えるようになるのは、子を産み育てることや、人を愛すること。
親の愛を
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メランコリア(2011年製作の映画)

4.0

鬱病患者と地球滅亡。

惑星メランコリアが地球に衝突するまでの
静かな滅びの物語。

監督自身が鬱病を患ったことがあり、
この作品も含めた鬱三部作があるということにまず笑った。
学生の時、授業が憂鬱な
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ミネハハ 秘密の森の少女たち(2005年製作の映画)

2.0

くだらなさすぎて本当に悲しい。

勉強不足だったのだけれど、
『ミネハハ』という小説を元にして、
この監督とルシール・アザリロヴィック監督が映像化した『エコール』があるとのこと。
原作未読なので何とも
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コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.2

「真実の世界に残ることが勇敢とはかぎらない」

すごい映画だった、初っ端から、映画はもう古いから撮らない!と言い出した。
俳優は3D、効果スタッフ、脚本家諸々も全ていらない。
そもそも映画なんて必要な
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団地(2015年製作の映画)

3.5

団地+SF!?

粗筋は読まずに団地でのしゃべくり会話劇だと思って観たら、
奇想天外すぎた…。
脚本か演出か、何が原因なのか掴めなかったのだけれど
台詞の緩急、笑いのセンスに老いと若きがどちらも入り乱
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(2000年製作の映画)

3.9

藤山直美の逃亡劇。

「泳ぐのも、自転車に乗るのも嫌ならやらなくていいと言われた、でも泳げるもんなら泳げるようになりたかったし、自転車にも乗ってみたかった」

妹を殺したことによってひらけた世界、逃亡
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ソウル・キッチン(2009年製作の映画)

3.4

天才シェフをもっとだせよぉぉ!

個性的な奴らが最終的には団結して危機を乗り越えるみたいな王道が全くなくて笑えた。
物語なんて無い!うまい飯、酒、女、エロス!!

ドイツの俳優陣が最高にチャーミングだ
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4分間のピアニスト(2006年製作の映画)

3.8

「私は絶対誰にも、お辞儀はしない」

予告のモニカ・ブライプトロイがあまりにも色っぽく美しかったので観たのだけど、
途中でああなるほど、だから艶を感じたのかと納得。

ピアノの才能に愛された人間である
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タイピスト!(2012年製作の映画)

2.3

タイプ音が快感、指が踊って、紙が舞う。
全編熱血タイピングかと思ったら、違った、アム~ルだった。
さすがフランス映画。

彼女自身が世界一になりたいのではなく、
一番にこだわる奴らが愛する男をバカにす
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

第3次世界大戦後、廃墟と化したパリ、SF。
モノクロの写真の連続とナレーションのみ、30分ほどの短編映画。
ぎゅっと凝縮された美しさと世界観。

剥製の博物館。
エレーヌ・シャトランの緩んだ表情と白い
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お盆の弟(2015年製作の映画)

3.0

このジャケットのモノクロの写真が気になってたけど
『百円の恋』の足立紳脚本と知り鑑賞。
全編モノクロで味わいある。

やっぱり魅力のあるダメ人間が上手。
信心深いダメ人間ってなんだよ。
お嫁さんが啖呵
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その夜の侍(2012年製作の映画)

3.9

「君はほんとに、なんとなく生きてるよ」

随分昔、好きな俳優ばかりだったので借りて観たものの、
中盤、山田孝之が穴を掘りだした辺りで
やめろこいつら全員死んでくれと思って観止めていた。
葛城事件を観た
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葛城事件(2016年製作の映画)

3.9

お願いだから、人の話を聞いてよぉ。

目の前にいる人間の言葉に誰一人も耳を傾けていなかった。家族という形をとっているだけで、
理想や望みを一方的に自分語りしているだけの集団だった。これ家族じゃない。
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64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)

3.9

永瀬正敏の狂気と執念。
春夏秋冬電話ボックスのシーンと
佐藤浩市が時効間近の犯人をただひたすら追いかける映像が本当に良かった。
物語だとはわかっていても胸にきた。劇場で観たかった。

伏線や物語は美し
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64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

3.7

錚々たる顔ぶれ、俳優が観たくて鑑賞。
記者クラブと広報官の関係性、刑事部と警務部など
今まであまり注目したことがないテーマが多くて飽きない。
あれだけ大勢の登場人物がいたのに、
一人一人の思惑や目的な
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

2.5

ハチャメチャ!
クドカンと音楽ファンなら間違いなく最高にくだらなくて楽しい。みんな好き勝手でやりたい放題で詰め込んじゃった感、長いよ!
ゴリラに3回生まれなおしたところと、宮沢りえに執拗に腰振りする犬
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.7

交通事故で10年間昏睡状態になり、
目が覚めたら、家族も誰も会いに来ない。

映画的にはあり得ないことなのかもしれないけど、
現実では十分あり得ることだと思った。
人は皆自分の存在を証明するために生き
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スモーク(1995年製作の映画)

4.1

嘘も真実。

映画を観終わり、劇場をでても、
うんうん唸りながら何が嘘で真実なのかを悩み続けた私はまだ大人ではないのか。
でもこの話を良いと思えることが大人の証だと言われたら、
タバコと同様、薄汚れた
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ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

3.6

光を浴び、雨に濡れる喜びと自由。

1940年代、国内情勢が不安定だった頃のブラジルで
立場が弱く対話が成立しない精神患者をまず人として尊重し、環境を整え、
絵筆を握らせるまでが本当に大変なことなのだ
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

4.3

悪夢は数分で覚めるから耐えられるのであって、
80分も悪夢から抜け出すことができないのは本当に恐ろしかった。

美しい少年と女性しかいない孤島。
少年たちは母親に管理され生きている、何かの医療行為のた
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.1

人生でもっともついていない時に降り立った地が、いつしか最高の居場所になる。

空、空、空
とにかく画面いっぱいに広がる空が開放的だった。
ジャスミンとブレンダが出会う空、ブーメランが自由に舞う空。
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