「それで勝ったつもりかよ」
有名じゃない監督の100分の映画、
飽きたらすぐやめようと思ったんだけど、飽きなかった、魅せられた、凄い。
序盤からずっと鳴り響く不協和音。イヤホンでも遮れない、逃避>>続きを読む
このジャケットとか予告が良くて、プロデュースは流石、格式ありそうな予感がしたのに…私、上手く騙された、悲しい。
モキュメンタルとしてすごく粗い、これなら他にもっと面白いのがある。まだまだ発展途上ってこ>>続きを読む
体温と痛み、それ以外は錯覚。
12年前、自分の恋人に起こった未解決事件を調べる為に里帰りする話。長崎。
トンネルを抜けた先は…って感じ。
冒頭のノスタルジックな始まりも、美しく悲しい終焉も良>>続きを読む
「行かないで、この時間の先に、ここに残ってもいいのよ」
死んだ日の朝が、あんなに清々しく美しいのは反則だと思う。
もう終わりにしたいと思っている恋人同士に降る雪がとんでもなくロマンティックなのも>>続きを読む
夏、目映く白い日傘をさした祖母と孫が、海に向かって駆け出したシーンから、胸にどうしようもなくこみあげてくるものがあった。
ふいに、昔、大人になる手前に母と手を繋いで一緒に眠ったことを思い出した。も>>続きを読む
土砂降りの雨の日にカレーを煮込むリリーさんの話。
味のある役者で色んなパターンやって欲しい。雨の日に料理する人が好き。カレーって作る過程の方が好き。
内容は、どこにでもある、平凡でごくありふれた夫>>続きを読む
ついに、人は空にも住めるように進化する。
タワマンに多部ちゃんが住む話。
生物は土から離れて生きていけない、少しずつどこか狂っていく、飼っていた猫があっという間に弱っていったみたいに、そこに大枚は>>続きを読む
役所広司と柄本明、共演で、しかも密室劇。
それだけで観る意味がある、のでそれ以外は何も期待していなかったのに、凄すぎ。
淀みを正すとか、歪んで成長したものを元通りにするとか、鬱積したものを解放するよ>>続きを読む
ネットゲームのアバターがチャット欄で会話しているだけの短編アニメ。
現在の拓かれたネット世界でなく。2007年のネット世界というのが今からみて混沌としてて良かった。
ネットでちょっと遊んだだけの人間>>続きを読む
親の無償の愛はもう信じていないけど、子供が親を無償に愛して求めているということは、知っている。それが例え生物的なものだったとしても。
忘れることで愛してもらえるのなら何度だって忘れようとするのだろう。>>続きを読む
潜水服とボンベを背負わなければ日常を生きられない少女。一人の部屋に戻ってようやく身軽に呼吸ができる。
彼女が潜水服なら自分なら何だろうと思った、ツギハギ、透明、仮面を被ったり、とんでもなく幼かった>>続きを読む
記憶は、脳だけではなく、心臓にも、腸、臓器、舌、匂い、習慣、すべてに宿る。
久々に隅々まで幸せな映画を観たって気持ち。
映画の中に、光がずっとさしている。二人が暮らす家の窓からが特に美しい、早朝も、寒>>続きを読む
「覚醒する、目を覚ます」
人が寝食を忘れ何かに没頭する姿、盤上に向かい合い、思考以外何一つ必要なくなる姿が美しい。
同じような相手に出会って心が動いてただ高揚して、それでも勝敗だけで決まっていく厳し>>続きを読む
洞窟を潜ったらループ世界。
カリフォルニア、パーム・スプリングス
リゾート地の砂漠、遺跡、青い空にプールでプカプカ無限ループ。
最高な状況だから何千回ループしても楽しい、と思ったんだけど、やっぱ人には>>続きを読む
現代の遊牧民。
ロマンを感じて観始めたけど、現実は困窮した高齢者が日雇いの仕事を求めて車上生活で全米各地を転々とする映画。
専門職であったのに職を追われることになり、夫も亡くなり、家も失った女性が旅>>続きを読む
時々発作のように、この溜息がでるほど美しいダンスシーンが観たくてしょうがなくなる。
DVDを引っ張り出しては数えきれないほどみた、もう何百回も観ているはずなのに、初めて観た時と同じ、それ以上に涙が勝手>>続きを読む
幻想にゆだね、普通になった人間には、もう聞こえない風鈴の音。
妻を殺されて酒浸りになった刑事が北海道苫小牧での連続猟奇殺人の捜査に駆り出される。
始まった瞬間からもう既に好き。
寂れた民宿、不気味>>続きを読む
続編を連続で観るって贅沢だと思う。
最高潮の気分で臨んだんだけど、これは…続けて観た私が悪かったのかも、しれない。2年待った人達にはサービスカットばかりだろうし。
映像も美しいし、丁寧だし、子供の時の>>続きを読む
ピエロの瞳が青すぎる。
最初から度肝抜かれた。出てくるだろうなーって思ったとこから出てきただけなのに…悪意とか恐怖の塊みたいなのがあんな綺麗な瞳をして誘うのはずるい。私が子供でもあれは殺される。
人>>続きを読む
「家が2つ、それでええやんか」
離婚する両親と少女の話。京都が舞台。
こんなに面白いとは思わなかった。特に台詞がいちいち素敵。
元の生活を返せ!と立て籠ったり、沢山我慢したのにとつめ寄ったり、自分>>続きを読む
異国のラビリンス。
神戸と姉妹都市、ラトビアの首都、世界遺産にも登録されているリガ旧市街が舞台。
阪神大震災で大事な人を喪い、時が止まったままの女。有り触れた、どこにでもいる夫婦の話。私は、この二>>続きを読む
自分の身を守る為に、背を向け、耳を塞ぐ。
疑い、悪意を向けるのも人なら、厳しい生活の中、自身を割いて気遣い、共に喜び、泣いて笑って、手を差し伸べてくれるのも、同じ人。
西川監督の映画でいつも描かれてい>>続きを読む
1994年、日本。
15万人の日系外国人労働者の一人と、9万人のやくざの一人が出会って伊豆で墓参りしたり、温泉で豪遊したり、銃撃戦したり、タクシーで復讐劇を繰り広げるロードムービー。
若い頃の高橋和>>続きを読む
死は幻。
ダゲレオタイプという撮影法。
長時間、拷問器具のようなもので人を固定して銀板に姿を焼き付ける。
魂そのものがそこに存在しているような迫力。
憑りつかれたようにその技法に拘り続けている写真家>>続きを読む
み空と薄桃色のまじる夜明けの海と飛ぶ鳥よ。
自分を虐げるものからは逃げるべきだと思う。
期待に応えないと罵る者や、身代わりにしようとする者、人を人と扱わない者、自分が自分らしく在れないのなら、心が悲>>続きを読む
みんな半世界。
片田舎と世界、自分と他人、生と死、自然と人。
観客の予想通りに転ばないシナリオ。
変わってるな~と思ったけれど、監督の他の作品を思い出したら納得してしまった。全然ちゃんとしている方だ>>続きを読む
「愛と精霊の棲む家」
メリル・ストリープという人が誰なのかも知らないくらい、
映画について何も知らない頃に深夜番組でこの映画を初めて見た。
それからずっと記憶に残り続けている。
人が出会って、生き>>続きを読む
青く柔らかい月光が降り注ぐ、優しいキッチン。
元気を出したい時のカツ丼、思いやりのおかゆ、色鮮やかな果物と魔法のジューサー、深夜の夢見るラーメン。和洋中なんでもござれ、夢のように美味しい食事をつくっ>>続きを読む
頭をぶち抜け。
とにかく少女が撃ちまくるのが観たくて、すっかり油断してたらまんまと思惑通り騙されて爽快で良かった。それどころか銃なんて使うまでもないぜ、という格好良さだった。
キム・ダミがおいしい。>>続きを読む
「私が愛する人はみな死人である」
200万部以上発行している佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』
前半は絵本の思い出を持っている女性たち、後半は逝去した佐野洋子さんの故郷北京や愛した軽井沢の風>>続きを読む
「自分の光を失った星たち」
結婚詐欺をする夫婦の話。
西川監督の映画の中で一番分かりやすくてコミカル。
浮気が秒でバレて壁ゴン、不細工な顔でパンを頬張るシーンとか特に好き。
女を騙す話なので色んな女>>続きを読む
「人を殺した人のまごころ」
本当に美しいタイトル。
白昼夢のように気が付いたら物語の中にいる。
モノクロの行雲、走る汽車、土砂降りの中の閉ざされたバス。
雨に濡れた小嶺麗奈の無垢な瞳と、
漆黒のコー>>続きを読む
「何でもあんたが思うのが、一番正しいんでしょう」
蛇苺、如何にも毒がありそうな見た目と名前なのに、無毒な植物。
正しい妹と嘘つきの兄と家族の話。
西川監督の新作がもうすぐなので全部観返そうと思った>>続きを読む
キルシュヴァッサーというサクランボの蒸留酒を染み込ませたココアスポンジ、雪のようなミルク色のクリームに森の落ち葉に見立て刻んだチョコレートと可愛らしくならんだ真っ赤なチェリー。
シュヴァルツヴァルト、>>続きを読む
オーバールック・ホテル。
タイプライター音が反響する絢爛豪華なロビー。
氷雪と蔦の這う巨大迷路。
鮮血の海がひろがるエレベーターホール。
気が狂うオレンジと赤の絨毯を走る三輪車。
陽気な幽霊が集うバ>>続きを読む
「一人前になるのにざっと百年はかかる」
林業のおじさんと、その地に映画を撮りにきた心の弱い若監督の交流のお話。
何度も観ている映画なんだけど、観るたびにこんなに良い映画だったっけと、優しい気持ちにな>>続きを読む