ShinTakeuchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ShinTakeuchi

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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

檻の中の自由は、真の自由ではない
この映画のことは、昔から何かとランキングに上がっていて題名だけ知っていた。そして僕は、この題名に惹かれていた。ところが何かで「この映画は市街戦の映画ではない」と知り、
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彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

愛した人の謎

複層的なテーマを持ち、飽きさせない。
ドイツ、ベルリンの菓子職人トーマスは、店に来たイスラエルからの出張者のオーレンと恋人となる。しかしオーレンにはイスラエルに妻子がいた。そしてオーレ
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

3.5

人はひどい環境よりも孤独のほうがキツい

実は、ある途上国に住んでいたことがある。
転勤で住んだので、渡航前に会社で研修があり、そこで言われたこと。海外で法に触れるようなことは絶対にしてはいけない。日
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.0

全斗煥による軍事政権下の韓国。民主化を求める市民や学生の活動を当局は押さえ込もうとしていたが、行き過ぎた取り調べの結果、1人の大学生を拷問の末に殺してしまう。
政府や警察は、その真相を隠蔽しようとする
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.5

133分と長いのだが飽きない。
引きこもりの末自殺した長男(加瀬亮)、その父親に岸部一徳、母親が原日出子。父親の妹に岸本加世子、母親の弟に大森南朋。
ベテラン、個性ある役者を配する中でも存在感を放つの
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

評価が難しい。

一軒家に住む若い夫婦。しかし、夫が死に、彼はゴーストになる。
予告編の触れ込みでは、夫のゴーストが残された妻を見守る、「ゴースト、ニューヨークの幻」のような話かと思ってたら違っていた
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

3.5

両親を亡くした少女(小1と思われる)フリダが叔父夫婦のもとに引き取られる。叔父夫婦にはさらに幼い女の子アナがいて、4人での暮らしが始まった夏の始まりぐらいから新学期が始まる前までを描く。

フリダとア
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souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~(2018年製作の映画)

3.5

竹内まりやはライヴを一度観てみたいアーティストの1人だ。
ところが彼女、滅多にライヴをしない。
何しろ結婚後は2000年、2010年、2014年しかしていない。本作は、2000年のツアーはライヴアルバ
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アンクル・ドリュー(2018年製作の映画)

3.5

主人公ダックスはストリートバスケのコーチ。
ニューヨーク、ハーレムで行われるストリートバスケの大会での優勝を目指していたが、チームの選手がいなくなってしまう。
ダックスが選手を探し歩いていると、若者と
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.5

本作の原作は、かなり気に入っている本の1冊だ。
さて、映画化はどうだったか。
本の中の武田先生(主人公の師匠)は、樹木希林のイメージではなかった。
しかし、本作は単なる“茶道よもやま話”ではなく、主人
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、タイトルバックにマヤ文明の神様のようなレリーフが映る。原題はSorcerer。ニュアンスが難しいのだが、単なる魔法使い(wizard、女性形がwitch)よりも不吉なイメージ、そして占い師のよう>>続きを読む

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.5

奇妙なテイストの恋愛映画と位置付けていいだろう。姿が見えない男の子エンジェルと目の見えない女の子マドレーヌのラヴストーリー。

姿が見えない者と目が見えない者との交流は、声のほか、触れることや匂いに頼
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

生まれて初めて行ったライヴはクイーンの西武球場での公演。中2だった。それ以降、クイーンの来日公演にはすべて行った(ただしフレディ・マーキュリーがいたときの)。

以下は映画と曲とサントラと、ボヘミアン
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.0

害獣の駆逐などを目的とするハンターのコリーが、雪原の奥深くで若い女性の死体を発見することから物語は始まる。

季節は冬、断続的に雪嵐が吹き荒れ、気候は過酷。そして、事件の起こった土地はネイティヴ・アメ
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

門脇麦に尽きる。
ただし、破天荒な青春群像劇となり得たところが、門脇演じるめぐみをメインに据えたために、良くも悪くも物語が浄化されてしまったように思える。
だって、あの頃のポルノ映画の独立プロが、果た
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦後のニューヨークが舞台。1982年作品で作品の舞台は47年。
アウシュヴィッツを生き延びたポーランド人のソフィー(メリル・ストリープ)と同棲するユダヤ人ネイサンの住むアパートに、南部の田
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LBJ ケネディの意志を継いだ男(2016年製作の映画)

3.5

「スタンド・バイ・ミー」などで知られるロブ・ライナー監督の最新作。

昨年の「ジャッキー」など、ケネディ暗殺の「周辺」を描く映画というのは、たびたび出て来る。
本作はケネディ大統領のもとで副大統領を務
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

びっくり箱のような映画。怖い、というより、びっくりする。
音を立てたらエイリアン(だよね?)に殺される、という秀逸なワンアイディアの勝利。

ラスト、お母ちゃんのドヤ顔がカッコいいのだが。
いまいち、
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公サムは隣のアパートに住むサラに恋をするが、彼女との距離を縮めたと思った矢先、サラは忽然といなくなる。部屋の壁に書いた謎のサインだけを残して…。サムはサラを探し始めるが、舞台となっている街シルバー>>続きを読む

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

4.0

例えば「プリティ・ウーマン」、古くは「マイ・フェア・レディ」など。
ハリウッドにあまたある貧富や社会的地位の差を乗り越えるラヴ・コメディーを、アジア人の監督、主演で制作した作品。

上記の通りフォーマ
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世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

中国で長年ゴッホの複製画を描いてきた男を追ったドキュメンタリー。

前半は、複製画工房が集まる“油画村”大芬にカメラが入る。
アパートの一室でゴッホからモナリザまで、名画の複製画が作られている光景はも
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教誨師(2018年製作の映画)

3.5

教誨室の外側へ

この映画のキーワードを挙げるならば「霊性」だろう。
6人の死刑囚たちと、大杉漣演じる教誨師の佐伯との密室の会話劇。
ほぼ全編で本作の舞台となる教誨室には霊の気配が漂う。

大杉漣(エ
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バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

内容は「怪物はささやく」とまるかぶり。
巨人(怪物)の正体は母親の死への怖れ。さらに言えば、母を喪ったあとも、自分はちゃんと生きていけるのか、という不安だ。

異なるのは主人公が男の子か女の子か、とい
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

4.0

この映画、単純な不倫恋愛映画ではない。
脚本は巧緻。
複数の登場人物の人生が、17世紀オランダのチューリップ・バブルを背景に描かれ、恋愛模様とチューリップの相場の2つのサスペンスが交差するストーリーが
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

3.5

1998年のヴェンダースが監督した「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の続編。

バンドのメンバーも(さらに)年を取り、また鬼籍に入った者もいて、“最後のツアー(アディオス・ツアー)”に出ることになっ
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グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)

3.5

ゴダールの2番目の妻で、彼の映画「中国女」の主演を務めたアンヌ・ビアゼムスキーの自伝が原作。
2人の出会いから別れまでを描いており、ゆえに、ゴダールの描写は辛辣。
芸術家や作家の元妻、元恋人による手記
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2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これまで、僕はこの映画を3回観ている。
名作を片っ端から観ていた学生時代に初めてビデオで観たが、さっぱり解らなかった。
その後、リバイバル上映があって友達何人かで観た。何人かで観たら、解るようになるこ
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秋のソナタ(1978年製作の映画)

4.0

ベルイマン生誕100年ということでデジタルリマスター版の特集上映が各地で開かれているが。
さらに本作は国内での上映権が切れ、今後、映画館で観られる予定はない、とのことで観に行く。
バーグマンの遺作にし
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ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルの達者な演技を楽しめるサイコ・サスペンス。
と書くと一見、アンソニー・ホプキンスが悪役のように思えるけど、実際はコリン・ファレルが犯人役をねっとりと演じている。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

5.0

いい邦画を観ると、日本人に生まれてよかったな、と思う。
この映画、このセリフ、この演技を、母語で観られてしあわせだなあ、と。

初め、主人公の朝子(唐田えりか)の口数は少ないし、感情の起伏も見せない、
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.0

カンニングを題材としたクライム・ムービー。しかも、カンニング「するほう」ではなく、「いかにさせるか」に焦点があり、その点で「オーシャンズ・シリーズ」に似ている。

舞台は、いわゆる金持ち私立校。
主人
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

3.5

アート×ロードムービー。

映画監督のアニエス・バルダと現代アーティストのJRの2人が旅をしながら、その土地で出会った人々とアート作品を制作する様子を収めたドキュメンタリー。

制作する作品の多くは、
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リグレッション(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

原題「Regression」は心理学の退行療法のこと。
本作では退行療法が、「小道具」としてうまく使われている。

映画としては悪くはない。
父親による娘(エマ・ワトソン)の性虐待事件が起こり、刑事(
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

5.0

傑作。
といってもハリウッドの大作の5点とは違うんだけれどね。
小さな映画館で夜遅くに観るのがよい。
そういう、言ってみればマイナーポエットの良さ、ではあるんだけど。

言うまでもないが主演の3人の演
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運命は踊る(2017年製作の映画)

2.5

運命を描くとは、こういうことか。
そうなのか。

いかにドラマチックと思える人生も、現実には少しずつ時間は流れ、その時間も決して緊張感あるものではない。
でも、気付いたときには、どうしようもない淵に落
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジブリで宮崎駿の右腕として活躍した高坂希太郎監督作品。「ナウシカ」や「ラピュタ」では原画を、「もののけ姫」「千と千尋」、「風立ちぬ」では作画監督を務めたのだから、これはもう筋金入りである。

主人公は
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