スニフさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

スニフ

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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

カメラ位置が固定され淡々とした生活をひたすらに見せられ続けてこの家の何処に何があるかも覚えてしまった
その後の衝撃はもはや説明出来ないし言葉にならない
ただ凄いものを観たという消化できない感情だけ
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.8

アケルマンのポートレートと言われるこの作品は台詞も少なく自身の空虚をさらけ出すかのような空間をモノクロで映し出す
マットレス、砂糖、時にパンとワインと少しのビール、これだけあれば十分
砂糖をスプーンで
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ヴィクとフロ、熊に会う(2013年製作の映画)

3.2

森の奥で暮らす元受刑者の中年レズビアンカップルとふたりに降りかかる罠
熊は出てこないが人間の罠はある
何とも後味の悪い良い映画だった(褒めてます)
ロマーヌ・ボーランジェ、昔の可愛い頃しか知らなかった
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

観終わって気付いたらパンフを買いに走ってた
パリっぽくない高層ビルの多い街並みだけどいろんな人種の偶然の繋がりはやっぱりパリっぽい
三角関係どころじゃない赤裸々な恋愛事情が入り乱れたのに見事にきれいに
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スウィーティー(1989年製作の映画)

3.9

VHSにて鑑賞
今でいう適応障害なのだろうか。かなりエキセントリックな姉に振り回され続けてきた妹と両親 というか妹もだいぶ風変わりだし両親も少しズレてる
一癖も二癖もある家族が家族だけでは解決出来なか
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

4.0

クレール・ドゥニ監督
移民の多いパリ18区を舞台にリトアニアから女優を目指しやってきた娘、安ホテルで暮らすゲイカップル、その兄夫婦たちとある連続殺人事件を通した群像劇
ポーラXの時のそれとはまた違うカ
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

モノクロで綴られた優しい世界
ジェシーに読み聞かせる本の内容も素晴らしくジョニーが思わず声に出してしまったように私にも刺さりまくった
叔父と甥のロードムービーと同時に兄妹の物語でもあり少しずつわだかま
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なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.8

憧れの女の子に近づきたくて背伸びして最後は自分の居場所に気付く

思春期のあるあるはこの映画から教えてもらったようなもの
シャルロットって名前にも憧れたしバスクシャツとデニムの着こなしもこの映画から教
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.5

予告でも気になってたし、北欧のガーリーな雰囲気が可愛くてつい観てしまったけれどまさかの急降下に震えた
「そんな子に育てた覚えはありません」て言いたい
ママの恋人はまともだったね
なんか凄い映画だった(
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日曜日のピュ(1994年製作の映画)

3.5

イングマール・ベルイマンが自身の幼少時代を脚本化したものを息子のダニエルが映画化
1920年代のスウェーデンの美しい田園風景と少年のひと夏の物語
日曜日生まれは特別な力を持つ幸運の子というスウェーデン
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

デリケートな宗教問題もすんなりと観れる脚本力も素晴らしいし、ケネスブラナーの故郷ベルファストへの強い想いがそのまま伝わってくる素晴らしい映画だった
バディ少年のスクリーンを観るキラキラした瞳はきっとそ
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太陽と月に背いて(1995年製作の映画)

4.2

若き天才詩人ランボーとヴェルレーヌの破滅的な愛の行方を描く
無邪気で残酷なまだ少年の美しきランボーに翻弄されていくヴェルレーヌ
そしてこれでもかというほどのディカプリオの美しさが全開
ロマーヌ・ボーラ
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ルイーズとケリー(1986年製作の映画)

3.0

ジェーン・カンピオンの初期作品
疎遠になってしまったかつては親友だったふたりの女の子
環境の違いだけで2人の未来は真っ二つに分かれてしまう
時系列が遡るラスト、まだすぐ先の未来を知らないふたりの笑顔が
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サラ・ムーンのミシシッピー・ワン(1991年製作の映画)

4.7

まどろみながら、少女は恋をするー

ずっとずっと観たかったサラ・ムーンのセピア色の世界
崇高で繊細で泣けるほど美しい映像
誘拐から始まった2人の逃避行は互いの孤独を埋めるかのようにいつしか心が通い合う
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.3

音の正体と記憶の謎
静かで神秘的な世界観にSF要素が含まれた絶妙なバランスの映画だった
密林と雷雨、コロンビアの雨季はアジアのそれと似ているのだろうか
湿気が伝わるような雨音が響き渡り深い眠りに誘われ
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

4.0

控えめに言って最高でした
エドガー・ライトがスパークスを愛して止まないのが痛いほど分かるしこれはスパークスへのラブレター
まさかこんなに泣けるなんて
これを観たらスパークスが好きになると思うから知らな
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ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

3.5

マイケルジャクソンの物真似で生計を立ててる主人公
自分ではない誰かになる事でしか価値を見出せない人々とそれとは別に進んでいくシスターたちの不思議な信仰の力
山での優しい時間と残酷な現実

チャップ
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マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)

3.5

パリで暮らす母娘
壊れてしまった大好きな母とマチルドの元にやってきたフクロウ
フクロウはマチルドに寄り添いマチルドの心の拠り所となる
フクロウと会話をするのはもしかしたらマチルドの幻想だったのかもしれ
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メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

3.0

追いかけて、逃げて、探して、ストーリーが進むにつれて全ての登場人物が怪しくて混乱したけど もう途中から犯人が誰かなんてどうでもよくなり 幻想的で壮大な追いかけっこをただひたすら楽しむことにした
主演の
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

3.5

キャンディを舐めたら夢の世界へトリップ
何処からが夢なのか幻想なのか無限のループにまんまとハマっていっしょにトリップの世界へ
セリーヌとジュリーがキュートで可笑しくて2人が出会ったのは偶然ではなく必然
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クレールの膝(1970年製作の映画)

3.5

冒頭のアヌシー湖の美しさに目を奪われ、その後はただただ美しい景色と眩く輝く光合成と豊かな色彩に釘付けになりそこで繰り広げられる避暑地のアバンチュール
膝を舐め回すように映すカメラアングルも触り方もとて
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アネット(2021年製作の映画)

4.0

カラックス待望のミュージカル
シェルブールの雨傘並みのがっつりミュージカルだったけど紛れもないカラックスの映画になってる
それは冒頭のスパークスから最高で胸が高鳴る
幸せで平穏な生活に不穏な気配を感じ
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.1

何十年かぶりに観た
ハル・ハートリーの最高傑作だとは思っていたけどこんなにも愛おしくなるような映画だったとは
不器用な2人の恋と不器用な家族
手榴弾は心の安定剤
マリアがあのワンピースをずっと着続けた
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シンプルメン(1992年製作の映画)

3.8

何十年かぶりに観た
すっかりストーリーは忘れてたけどソニックユースで踊るダンスシーンは覚えてた
このシーンだけでも観る価値のある映画だと思う
そう「この世はトラブルと欲望」なんだ

エリカがとにかくキ
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櫻の園(1990年製作の映画)

4.0

創立記念祭の演劇部の舞台『櫻の園』の幕開けまでに繰り広げられる少女たちの出来事を瑞々しく繊細に描いている
いい意味で色褪せた甘酸っぱくノスタルジーな世界
この瞬間を永遠に閉じ込めておきたいと思わせてく
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ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

3.3

素性も名前も知らないまま逢瀬を重ね、あんなに知りたがってた男の素性を男が語りだした途端に冷める女
振り回す立場から逆転しラストにストーカー化したマーロン・ブランドの中年の哀愁が凄い

何かと曰く付きの
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東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

3.8

事故死した新人キャンペーンガールが死神を欺き地上に舞い降りて繰り広げるファンタジー映画
やり残した事を埋めるかのように時間を過ごす様子がキラキラと輝いていて余計切ない
牧瀬里穂が初々しくハツラツとして
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

カラックスの夢の中と幻想の世界を彷徨う
何人もを演じ分けるドニ・ラヴァンが素晴らしいのは言うまでもなく、この映画は奇妙で意味不明ながらも最高の映画です
サマリテーヌから見下ろすポンヌフ橋
アレックスと
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恋愛睡眠のすすめ(2006年製作の映画)

3.5

夢と現実と妄想がごちゃ混ぜになった不器用な主人公の恋愛ファンタジー
セロファンの海、フェルトの馬、ダンボールのテレビ『70歳になったら結婚しよう』チープな夢の世界はタイムマシーンの未来だったらいいのに
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ポーラX(1999年製作の映画)

4.0

アネット公開記念 ユーロスペースの『WE MEET LEOS CARAX !』でポーラXを観てきた

破滅的なラブストーリー
ギョーム・ドパルデューの壊れていく姿が狂気で凄まじく泣けてける
素晴らしい
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初恋(2006年製作の映画)

3.8

1968年、府中で起こった3億円強奪事件を背景に孤独な少女の初恋を描く
学生運動が盛んだった時代背景とともに社会への憤りをかかえる若者たちの群像劇
ただ時代を変えたかった青年と必要とされたかった少女
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.8

妻が事故で死んだのに悲しみが湧かなく、あらゆる物を解体して破壊していく主人公
ラストのメリーゴーランドとクリスからの粋なプレゼントがすごく良かった
ジェイク・ギレンホールの内に秘めた演技が素晴らしい
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王女メディア(1969年製作の映画)

3.5

アポロンの地獄の雰囲気と同じ匂いとともにここでも謎音楽が満載
そして最初はいったい何を見せられているんだろうと脳が付いて行かなかったけど、マリア・カラスの凄まじい迫力と進んで行く物語の内容が脳に追いつ
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

3.7

頭が良く全てが見えすぎてしまう自殺願望を持つ青年の埋められない虚無感と苦悩
環境破壊や公害、原爆、戦争、生き辛い世の中は70年代のそれもまた今とさほど変わらないかもしれない
コツコツと響き渡る足音にブ
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シューティング・スター(1997年製作の映画)

3.0

ふとした事から手に入れたコカインで大金を手に入れようとする男と取引に現れた女のバイオレンスな逃避行ムービー
当時恋人同士だったメルヴィル・プポーとロマーヌ・ボーランジェの共演
なんとなく途中で読めちゃ
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恋に焦がれて(1992年製作の映画)

3.5

10歳の少女から見る大人の世界は向かいの家の高校生の憧れのお姉さん
自分の部屋から盗み見るその彼女の世界でレコード、香水、同じ夢をみて眠りにつく

観ている途中で昔観たことがある映画だったことに気付い
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