スニフさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

スニフ

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

中途半端な生き方でもそれはその時の最善の選択な訳で、人生の岐路には本当にいくつもの選択がありそれが正しかったのかなんてきっと死んだ後でもわからない
それでもいいんだと思わせてくれるラストが素敵
彼女の
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愛する者よ、列車に乗れ(1998年製作の映画)

3.8

ある画家の葬儀に参列する為にリモージュ行きの列車に乗り込む一行
それぞれの複雑な関係性が絡み合い葬儀の後に爆発する
パトリス・シェローの苦悩が見え隠れする痛々しくも美しい作品
トランスジェンダー役のヴ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.8

70年代のカリフォルニアの夏は眩しかった
ラストからのエンドロールが素晴らしすぎて帰りはサントラ聴きながら帰ってきた
ホフマン息子もアラナも美男美女じゃないけど可愛くって何より姉妹どころかハイム一家総
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パリはわれらのもの(1961年製作の映画)

3.5

ジャック・リヴェットの長編デビュー作
迷路のようなパリの街
難解でまさに迷路のような映画だった
メリーゴーラウンドはこの映画の要素も含まれてたのかな
おそらく何も解決されてないままのラストの湖の白鳥が
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エンジェル・アット・マイ・テーブル(1990年製作の映画)

4.2

ジャネット・フレイムの自伝をジェーン・カンピオンが映画化
誤診により精神病院に8年も入院させられ、理不尽な扱いを受けるも自らの道を切り開いたジャネットの半生を描く
内向的で不器用な一人の女性の人生にこ
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ひなぎく(1966年製作の映画)

4.0

90年代のオリーブ少女たちにとってはきっとバイブルのような映画だったと思う
このガーリーで狂った世界に酔いしれるだけで内容はあって無いようなものってずっと思っていたけど チェコという当時社会主義の情勢
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ベイビー・イッツ・ユー(1983年製作の映画)

3.7

ジョン・セイルズによる秀逸青春映画
舞台は60年代、ニュージャージー州からマイアミ、ニューヨークへ
格差のある2人の恋愛と別々に生きるハイスクールのその後
ハイスクールを卒業してももちろん人生は続き理
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ミスティック・ピザ(1988年製作の映画)

3.3

田舎のピザ屋を舞台に巻き起こる姉妹と親友の恋愛模様
なんて事ないストーリーだけど80年代の衣装や初々しくも美しすぎるジュリア・ロバーツ、大好きなリリ・テイラー、チョイ役のマット・デイモンなどが見れて楽
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男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

3.5

トランティニャンの訃報を受けて鑑賞
男と女からの53年後を描く
監督も主演2人も続投だし2人の子供も同じだったことに何より驚いた
公開当時の年齢は88歳と86歳
トランティニャンの色気とアヌーク・エー
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ベレニス(1954年製作の映画)

4.0


エドガー・アラン・ポーの同名小説をロメールが翻案した短編映画

去年Bunkamuraで観た時にもう好きってなった作品
改めて観てもやっぱり好き、とにかく映像が好き
モノクロなのに眩いばかりの光が眩
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紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

3.5

ロメール初期作品
僅か10分足らずのフィルム
雪の中を歩いて、雪で汚れるからと部屋の中までは入れてもらえずに女がステーキを焼いて食べてるのをただじっと見て待ってるゴダール

なかなかシュールだわ
若き
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ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

3.5

グレタ・ガーウィグ主演

ハンナはいつもアイされたい
なんでタイトル変えたのかな?

ドキュメンタリーのような自然すぎる会話にポラロイドカメラのような映像
音楽はほぼ生活音、そして20代女子の恋愛が生
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.2

飲み込む作業と排出する作業を繰り返すことで不安を取り除くハンター
原因を作った人物の言葉でやっと解放され ラストの鏡に映る彼女の顔はとても強く感じられた
エンドロールのただトイレを行き交う女性たちを映
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恋の秋(1998年製作の映画)

4.0

秋の柔らかい光と実り豊かな葡萄畑
南フランスのトロワ・シャトーを舞台にお節介な人々が繰り広げる恋の話
ありえない迷惑なお節介が実を結ぶ最後が嬉しいけどラストのイザベルの表情がまた先の波乱を予感させるの
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ジェラシー(2013年製作の映画)

3.5

父のモーリス・ガレルの若かりし頃を息子のルイ・ガレルが演じる
タイトルの嫉妬は全面に感じられず女々しい男と我儘な女の行く末がフィリップ・ガレルの描くモノクロの世界だと美しく空虚的に仕上がる
エンドロー
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パラノイドパーク(2007年製作の映画)

3.8

16歳の少年アレックスの記憶を辿りながら物語が綴られる
何気ない日常なのに終始不穏な空気が漂よう
罪の重圧、葛藤、不安、押し潰されそうな心は手紙とともに燃やしてしまったかのように淡々と日々を過ごす
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ブライトスター いちばん美しい恋の詩(2009年製作の映画)

3.3

ジェーン・カンピオン監督

1818年のロンドン郊外
25歳という若さでこの世を去った英国の詩人ジョン・キーツと恋人ファニーの儚い愛をファニー側から描いたキーツの伝記映画
美しい木々や花、光と影の
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ネネットとボニ(1996年製作の映画)

4.1

VHSで鑑賞

妄想癖のある奥手なボニの前に妊娠して現れた妹のネネット
両親の離婚によって離れ離れだった兄妹が少しづつ歩み寄る過程とボニの妄想とパン屋のヴィンセント・ギャロが好き

クレール・ドゥニの
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ロザリンとライオン(1989年製作の映画)

4.0

ライオンの調教師を目指す若いふたりが困難を乗り越えて成長していく姿を素晴らしい映像美で奏でる
CGなしという調教シーンに息を飲む
クライマックスのサーカスでのショーは衣装も照明も豪華で主演のイザベル・
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浴室(1989年製作の映画)

3.4

浴室を憩いの場とする男の物語
バスルームから出ない訳ではなく外出もするし旅行にだって行くけど旅行先でもやっぱりホテルに引きこもる
優しい彼女との距離と存在
ラストのただ電球を変えただけなのに何かが吹っ
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溝の中の月(1982年製作の映画)

3.0

マルセイユの港町の薄汚れた雰囲気が何故か昭和の場末感を漂わせる何とも言えない不思議な景色
そこに真っ赤なドレスを身に纏い、真っ赤な口紅をつけて、真っ赤なフェラーリで波止場に登場するナスターシャ・キンス
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.1

前作は観ていたけど(もちろん大昔に)特に強い思い入れはなかったのに問答無用なトムのカッコ良さに痺れまくった有意義な時間だった
この映画にかけるトムをはじめ制作陣のただならぬ熱い想いをひしひしと感じて、
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春のソナタ(1989年製作の映画)

4.0

パーティーで出会った少女とパーティーを抜け出してそのまま同居、少女の父と父の恋人も含めた不思議な四角関係の始まりは美しい春の中で。

インテリアも衣装もまさに春
ナターシャの服が上下デニムにハンチング
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IP5/愛を探す旅人たち(1992年製作の映画)

3.0

撮影直後に心臓発作でこの世を去ったイヴ・モンタンの遺作
スプレーアーティストの青年と孤独な黒人少年、ひょんなことから出会った不思議な力を持つ老人と森を旅をするロードムービー
イヴ・モンタンがとにかく素
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秘密の子供(1979年製作の映画)

4.3

サイレント映画のような始まり 描写の荒い映像 研ぎ澄まされた音楽
モノクロの中の優しい光がまるで夢の中のように繊細で空虚な感覚を覚える
破滅していくふたりを観ているのに全てが美しくて溜息しかでない
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ソドムの市(1975年製作の映画)

2.5

もともとグロとかホラーが苦手なのでリモコン片手に挑んだけど(早送り用)使う事なく最後まで鑑賞
見事なまでのファシズムな世界
この狂った世界はまさに地獄絵図
オペラグラス越しの拷問シーンがいちばんきつか
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アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

4.8

日本公開時はギルバート・グレイプと同時期に公開していて私は断然アリゾナ・ドリームの方が好きだった(もちろんギルバート・グレイプも大好き)
ジョニー・デップをを始め、リリ・テイラー、ヴィンセント・ギャロ
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

4.0

ロマの集落で暮らす青年が後に悲惨な人生を辿る話だけど陽気で喜怒哀楽のはっきりしたロマの人々と音楽、エネルギーに満ち溢れた凄い映画だった
主役のベルハンは優しい青年の冒頭から裏社会に手を染めてしまったラ
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ショコラ(1988年製作の映画)

4.0

クレール・ドゥニの初監督作品
監督自身が幼少期をアフリカで過ごした半自伝的物語
1950年代 フランス統治下のカメルーンの小さな村に赴任してきた行政官一家の娘の目を通して描かれる
根底に人種差別がある
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ミナ(1993年製作の映画)

3.9

女同士の友情の複雑な心境を描く
全てが上手く行かないジレンマの後に出したほんの少しの勇気と希望で何もかも上手くいくと確信したのに直ぐにまた絶望する孤独なミナが悲しい
不器用なミナが最後に求めたエテルと
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.8

Webドラマ版も好きだったけど映画もとってもよかった
何にでも手をつけて何か違うとどれも中途半端になってしまう女子高生が青葉家に居候してきたことから始まる夏休み
相変わらずお料理は美味しそうだしインテ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

趣味が合いすぎるサブカル強めなふたりの恋愛は必然だったけど自由な生活から一変して仕事や現実に直面する
ジャックパーセルが革靴に変わり 選ぶ本が変わり少しずつ価値観もずれていく
悲しくもありリアル、で
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LETO -レト-(2018年製作の映画)

4.0

西側の文化が抑圧されていた80年代初頭のレニングラードが舞台
旧ソ連の伝説的バンドのヴォーカルだったヴィクトル・ツォイがまだ世に出る前の夏の出来事
西側の音楽に憧れ影響を受け窮窟な時代に自由を願う若者
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エデン、その後(1970年製作の映画)

3.8

アラン・ロブ=グリエの幻想の世界
一枚の絵を巡りモンドリアンなカフェからドラッグでトリップしたチュニジアの青い空と真っ赤にに染まる血
夢か幻覚か楽園はまだ遥か彼方に
これは何故こうなるのかとか意味を
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

3.8

ジャック・リヴェットによるバルザックの短編小説『知られざる傑作』を脚色した約4時間に渡る超大作
ほとんどの時間がデッサンのシーンに費やされる 画家とモデルの緊迫した時間、少しずつ変化する力関係とふたり
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.5

シンメトリーなきっちりとした構図が無機質な建物や部屋、車窓からの風景さえより一層物悲しくさせる
会う人々の話を聞き続けるために移動を続けているのか、何処かで安らぎを求めていたのか、行き着いた部屋の終わ
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