夫婦が死をもって逃したズナイラに託されたのは、未来のカブールに芸術や文化、学問の燈を残し繋でいことであり、その平和への願いが、ズナイラと恩師が再開する最後のシーンに込められていた。
水彩画のようなタッ>>続きを読む
ドキュメンタリーを見ているような、リアリティーに終始震えが止まらなかった。
苦しい。そんな言葉では片付けられない出来事の悲惨さが、家族をどうにか必死で守ろうとするアイダの姿によって助長されていた。
こ>>続きを読む
ミヒャエルハネケの愛アムールを見た時のような閉塞感に襲われる。
幻を見続けることへの安堵と恐怖、その二重感情が、最後のシーンで、目的からズレながら、しかしその方向に走っていく主人公の姿に現れている気が>>続きを読む
圧巻、人が作り出す映像美
冒頭の破壊のシーンによって引き込まれる。
夜
「聖火は太陽へと帰った。
4年に1度人類は夢を見る
このつくられた平和を夢で終わらせて良いのだろうか。」
ただ、国とか都のやり方を批判するためとか、皮肉るとかそういう映画じゃない気がした。
記憶を記録としてアーカイブしておくための、そこに住む高齢者の方々の気持ちを思って苦しくなる場面もあるけれど、淡々とし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「この世には、2種類の人間がいる。いじめるやつか、いじめられるやつだ。」その言葉が、そのどちらでもない無関心であることに向けられてるんじゃないかって。でも、みんな自分を守るために必死でその狭間を揺れ動>>続きを読む
シャネルを通してみる社会的ドキュメンタリー。
革新的から保守的へ変遷してゆく姿は、時代の流れに常に逆行していて、価値観が変化し続けても、その人間性は一貫していた。そこに彼女のブレない軸があった。
武満徹の織りなす讃美歌の旋律が、空気を纏ってた。
引きの構図が印象的で、そこに生まれる余白が、三國連太郎が演じる利休の荘厳さを助長させていて、その世界観に吸い込まれた。
コラージュ多用した映像の構成とナレーションのテンポ感も良かったし、伏線回収も上手く機能してて、最後のオチからずっと号泣してた。苦悩を笑いによってまとめることで、押し売り感なく、感情に働きかけてくれる。>>続きを読む
彼女に囚われているのではなく
自分に囚われている。
彼女を縛っているのでなく
自分を縛っている。
「私が怖いの?私の不在が怖いの?」
「どっちも」と答えたけど、
本当はどちらでもない。
自分自身への>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
call me by your nameと比較するのはナンセンスかと思うけど、でも比べちゃうけど、私はsummer of 85のほうが好みだった。
call meは世界観としての美しさはあったけど、そ>>続きを読む
認知症であるアンソニーの視点で描かれる構成。受け止める足掛かりに。
入れ替わり、立ち替わり、差し代わり、繰り返される断片。抜け落ちていく記憶、後にも前に進めない。何かがおかしいとわかるからこそ、投げか>>続きを読む
時間の痕跡が潜む風景から浮かび上がる個人の記憶。
ハイゼ家100年の歴史が、過去から現在に向かい、最後にトーマスハイゼ自身の記録が語られることで、その文脈上で生きる彼の存在が意識された。また、今日の人>>続きを読む