アベ二ティKazumaAbeさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.7

伝染病が蔓延する時代を舞台に据えた点がまずイケてると思った。
「日常に絶望を感じている村娘が家族を皆殺しにし、自身の解放に向かって手を伸ばす」物語が決して他人事に思えないのは、この舞台設定の上手さにも
>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

元より状況説明が多い作劇の漫画作品が原作であることもあってか、ある程度の台詞・演出過多には目を瞑ることはできた。

好きなテレビドラマ劇場版をぼんやり眺める感じで観れれば、ボチボチな満足度はある。ただ
>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

2.9

映像作品として光るところはあれ、ノイズが多くて物語にノれなかった。
一番しんどかったのは、クリードがかつての兄貴分から「お前、ボクシングで俺を越えたんだな」と言われた際、彼の口から師匠格のロッキーにつ
>>続きを読む

ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊(2011年製作の映画)

5.0

シリアスな場面が少なくないが、「歌ではなく、タップダンスでもペンギンは愛を伝えられる!」という前作の設定がそのまま人命ならぬペン命救助になっていくご機嫌な作品。

少なくとも3〜4種の生物が(時には図
>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.3

兎にも角にもプロレス興行的売り方を予感させるフェーズはあったものの、キャスト陣のSNSレスバ(みみっちい!)に収まっていた…が、最終三部作でついに爆発してしまった感。ミッドクレジットで姿を見せる彼に一>>続きを読む

クロニクル(2012年製作の映画)

4.5

思春期の少年たちの目線で綴られるSFとして、ここまで真に迫ったものは無い気がする。クライマックス"POVであることを忘れ始めるカメラワーク"含めて好きだ。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

3.9

小〜中学生くらいの時に劇場で鑑賞。
当時は堂々とした画作りとウェルメイドな雰囲気にグッと魅せられた。オカルトに見せ掛けてガッツリSFな物語に心動かされもしたし、まるで『キング・コング』な原住民の佇まい
>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.8

高水準な歴史アクション。
女性が受けた性暴力の話を軸に、各々のプライドを懸けて男たちがみっともなく命を賭す。
登場人物、マルグリットを除いてほぼほぼクズばっかなのが良い。が、本作の時代から700年以上
>>続きを読む

ザ・タウン(2010年製作の映画)

4.7

(ベン監督初期作というのもあり)ややBGM過多なところはあれ、硬派な画作り・寡黙かつ手に汗握るサスペンスに唆られる。

ベンアフ、自らをクールに撮りすぎな気もするがしっかりいい感じの佇まいで、一味の犯
>>続きを読む

アルゴ(2012年製作の映画)

4.4

ここぞ!というところでアツい展開を魅せる一作で手堅い印象がある。

中年男性が、自らと仲間の命を守るために暗記した語句を必死に紡ぐシーンのカタルシス、瞬間風速的にスピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ
>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.3

キノコ嫌いの彼女と一緒に鑑賞。大変楽しんだ。
スーパーマリオはいかに愛されるキャラクター足り得たか?という問いに対し、ゲームをプレイする人が共に駆け、戦いに挑み、辛酸を舐めて一緒に成長するからだ!とい
>>続きを読む

五条霊戦記//GOJOE(2000年製作の映画)

2.7

それなりに楽しく観れた気がするものの、鑑賞後は「浅野忠信がバッサバッサと草原を切りながら前進する」シーンしか記憶に残っていなかった。思えば全体の7割程度はずっと眠かった。冗長な場面の多さに心が折れかけ>>続きを読む

デアデビル(2003年製作の映画)

4.1

いろいろスットンキョーな作品であることは間違いないのだけど、ラストの戦いに主人公のステータスから飛躍しすぎないレベルの勝機を持ってくるところ、信用できる。

本作が果敢にアクション表現や物語展開に挑戦
>>続きを読む

特攻野郎Aチーム THE MOVIE(2010年製作の映画)

4.5

カラッとした空気感で繰り広げられる冒険が痛快!原作シリーズは未見だが、かなり盛り上がって観た。
見せ場はあっさりながら、さりげにこだわりが光るVFX処理とか素敵だし、キャストそれぞれ違う方向性で魅力的
>>続きを読む

フェノミナ(1985年製作の映画)

5.0

超面白い!とにかく多種多様なショック演出とシーンのかっこよさで魅せてくれる一作。時にスイスの絶景を拝めるのもお得感ある。

(中盤のアイドル映画っぽさはさておき)冒頭の画のキマリっぷり、後半怒涛のジャ
>>続きを読む

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)

4.5

天文学者と交際していた女性の物語。学者が死んでからも、彼の生前の希望で彼女の元へ続々と手紙やプレゼントが届く。

既婚者である学者と教え子という関係性からも若干危うい色を帯びる物語ながら、常軌を逸した
>>続きを読む

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part 1(2011年製作の映画)

3.3

最終回の前段ということで"溜め"のお話的な印象が強めだが、過去最高に金がかかったであろうVFXシークエンスはいよいよもって伝奇ロマコメの域を出ている。俳優陣の演技も皆安定感が素晴らしい。

にしてもハ
>>続きを読む

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

4.7

情熱的でチャーミングな一作。作品を支配するテンションがノットフォーミーな感じではあったけど、のめり込んで観ました。

若き日のニコケイをセクシーで可愛く活写出来ており、傍に至るまで俳優を魅力的に演出す
>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.4

スター街道を駆け上がる女と腐っていく男。ブラッドリークーパーとレディーガガの歌声の説得力が凄まじく、彼女らの歌を聴くだけで物語へ深く没入できる。

お話としてはウェットかつ定型的な"業界悲恋もの"だが
>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

3.2

厨二病設定たっぷりな割にアッサリ進行しすぎる脚本がダブル主人公の魅力を削いでいる気がするも、このタイトルとジャケット(ポスター)から想像されるものは大体摂取できる感じ。

いかんせん主人公二人のインパ
>>続きを読む

ヒットマン(2007年製作の映画)

3.9

アクションのパターンが豊富で、サラーッと流し見する分にはかなり楽しい。オルガキュレリンコのエキゾチックな美しさ・人間離れした肢体はもはやゲームキャラクターそのもの。

すこぶる簡潔な作品であり、(お話
>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.8

『イングロリアスバスターズ』に続く、「クソな歴史には映画で復讐するぜ!!」な娯楽作。ジャンゴと歯科医の関係性が好きすぎる。

高校時代に映画館で鑑賞したが、タランティーノの作品をほとんど知らなかった目
>>続きを読む

リミットレス(2011年製作の映画)

4.3

スカヨハの『LUCY』とかもそうなんだけど、超絶知能指数を力技脚本で見せていく作品は楽しい。

ブラッドリー・クーパー演じる主人公総取り!みたいなラストが清々しくて好き。粗野な印象のライバル格が、主人
>>続きを読む

エクリプス トワイライト・サーガ(2010年製作の映画)

4.0

少女漫画感とダイナミックなアクションがいい塩梅で調合されており、全人類"気持ちよく胸キュンできる"エンタメとしての精度の高まりを感じた。

ジェイコブとエドワードの共闘のアツさはもう一歩…!という感じ
>>続きを読む

座頭市(2003年製作の映画)

4.3

たけしの独特のユーモアセンス及び美学が『座頭市』といったカルティックなヒーローと結びついて絶妙な味わいを醸している。

血生臭いアクションとオフビートギャグ、タップダンス盆踊り〜などがちょうど良いバラ
>>続きを読む

ニュームーン トワイライト・サーガ(2009年製作の映画)

3.6

人外からの需要半端ないヒロインが右往左往する続編。カッチョイイ狼男演出に胡散する不満もあるんだなぁと思う。

思えば、この手の伝奇ロマコメは(ハリポタや指輪と違って)あまり粗製濫造されなかった気がする
>>続きを読む

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(2013年製作の映画)

2.7

低予算で制作されているのが分かる出来で、観ていて「尺稼ぎ!」と類推してしまうシーン多数。

SF・ホラー演出にさしたる斬新性もなく、俳優陣のオーラ総量でなんとか作品の程を成してる感じあり。

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

3.4

薬師丸ひろ子さん可愛い〜!と言う印象に支配されてしまうせいか、作品自体の面白ポイントを思い出せない。穏やかな凪である。

あと、頑張ってラストシーンを思い浮かべようとすると松田優作がしゃしゃり出てしま
>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.7

事実への脚色に賛否はあるようだけど、日常/戦場のリアリズムと戯画化のバランス感覚が流石。

無音のエンドロール(ここに監督の主張が滲む、)までなかなか飽きさせないし、あの『硫黄島〜』を撮った男の戦争映
>>続きを読む

PARTY7(2000年製作の映画)

3.7

洗練と余剰の中間にあるようなオサレファッションと、珍妙ながら安定した演出が出色の一作。

奇人変人たちによるドタバタコメディは楽しいが、密室劇を交互に見せるのであればもう一越え飽きない工夫が欲しかった
>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ツイストが効いた物語におおっと思わされてワクワク観たけど、クライマックス…パパがああなってしまう場面の性急さは明らかにペース配分!と言った感じだし、「尺の都合で死んだ」みたいな感じで笑ってしまった。面>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

世界一の映画監督が送ったほろ苦くも豊かな青春が眩しい。

フェイブルマンズ少年を通じて、人間の不確かさと愛おしさ、芸術(ショーと同一視されてる気もしたけど)の在り方について雄弁に語られる様に驚かされた
>>続きを読む

13時間 ベンガジの秘密の兵士(2016年製作の映画)

4.4

ベイのギラギラドンパチ演出は、紛れもなく本作のような臨場感ある戦場を撮るためにあったのだと再認識。思えば『トランスフォーマー』のスコルポノック戦とか凄かったし

実話ベースながら、ここまでベイ味と緊張
>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.8

女性視点の「実害のある不愉快な男性」には際立った差異はなく、常にのっぺりとした顔にぎこちない表情を浮かべているのだ という主張を讃えた作品になっていることは確かなのだけど…ロリーキニアはよく某役をOK>>続きを読む

リベリオン(2002年製作の映画)

2.9

中学生時以来の再鑑賞。『26世紀青年』(原題: Idiocracy)の亜流かと思った。

ザル過ぎる国家戦略、バカ極まったレジスタンス基地の位置(←ガンカタを超えて一番の見所)、見せ方のせいでイマイチ
>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高に楽しかった。
画面に映る人物全て、なんだかキャラクターとして認識するのが難しいところまで来たなぁと思う。
故の寂しさや辛さがあれ、ここまで一本の作品として充実感を湛えているものもそうないのではな
>>続きを読む