adabanaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

3.6

巨大な石像の前でのマークとカルロの引きのアングルは印象的。
通りから向かいのカフェが夜に浮かび上がり美しかった。
殺され方が凄惨で血の気が引くが、ジャンナとのやりとりがコミカルで和む。
BGMのクセが
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

空港の自動ドアが開く瞬間と、土砂降りの夜のバレエ学校の赤い壁にドキッとする。
インテリアや壁紙などのセットやライティングも凝っていて極彩色がとても気になる。
天井から蛆虫はギャーッではあるが、奇妙なサ
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RRR(2022年製作の映画)

3.8

ビームとラーマは実在した独立運動の英雄であるが、もしもこの2人が出会っていたらのお話
冒頭、アイコンタクト一瞬で通じ合ってしまうのが凄すぎて笑う
水のビームと火のラーマ、エネルギッシュな2人
少女の救
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.5

余命宣告された青年が元親友の運転で、ラジオDJだった亡き父親のカセットテープを流しながら元カノに忘れ物を返しに行く。
薄味だと思っていたらそれらは前フリで、テープもB面に切り替わる。
病気にならなかっ
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ランチはもちろんグリルドチーズサンド!
簡単、だけど背徳の味わいだ。
料理×旅は最高の組み合わせ。
中でもテキサスBBQが超絶そそる。
相棒のマーティンが陽気でイイヤツ。
宣伝部長の息子くんのおかげで
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

おせっかいな隣人に掻き乱される。
カビ臭いタニスのネックレス、土壁味のチョコムース、薬草沈殿ドリンク、お腹の痛みとかもうたまりません。
電話ボックスのシーンはドキドキです。
ホッとしたのも束の間、連れ
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.8

11万ページにも及ぶ資料の山
証拠探しと書類整理はたった1人の忍耐の日々
テフロンの製造過程から発生するPFAS(PFOA/C-8)の毒性に辿り着く
巨大企業を敵に回す恐怖と住民からのプレッシャー、体
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

妹を巻き込んでの撮影は楽しくて笑顔でいっぱい、素晴らしい子ども時代。
ところがベニーとの三角関係に伴う両親の不仲、差別やいじめ、悩み多き憂鬱な思春期を過ごす。
映画作りは支柱であり、没頭は必然だろう。
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.6

被害者の声を上げる勇気とジャーナリストの強い信念と覚悟。
衝撃的な演出をしなくても会話だけでその恐怖や緊張感はどんよりと伝わってきた。
性暴力と口封じの悪しき慣習。
怒りが沸々と込み上げる。
ハーヴェ
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悲しみよさようなら(1990年製作の映画)

3.4

スター女優ロキシーの凱旋に沸く地元
自分の生みの母親はロキシーだと思い込み空想を膨らませていくディンキー
ロキシーにはフィルターを掛けファンタジーに見せる
ひとりぼっちを憂う思春期だけど、先生に恵まれ
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招かれざる客(1967年製作の映画)

3.7

1960年代はまだ白人と黒人の結婚は違法の州もあったというのだからかなりの挑戦作です
Guess Who's Coming to Dinner
リベラル派の両親でも娘の結婚となると話は別だ
それぞれの
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今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

3.2

キラキラしているね
透との記憶は一瞬の儚い宝物
この日々が続くわけもなさそうだけど、突然すぎるよ透くん
影の主役は泉ちゃん、優しく見守り支える役目はかなりの負担だろう
自分の気持ちをグッと抑える彼女に
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苦役列車(2012年製作の映画)

3.0

この愛すべき、ろくでナシ?
かわいげなんか見当たらなかったよ
巨大なコンプレックスとプライドが屹立し捩れて自滅する
読書家だったのが救いかな
でも一体何の本を読んでいたんだ?
不器用すぎて悲しいよ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

invisibleという言葉が引っかかるな。
家政婦は裏方の仕事ではあるけれど。
ミセスハリスは実直でチャーミングな人情派。
パリ生活は充実していて、もしかしてこのままメゾンのお針子に転職しちゃうの?
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オートクチュール(2021年製作の映画)

3.3

エステルが手先の器用さを見込んだのはひったくり犯、こんなド素人をDiorのアトリエに入れるってなかなか理解しがたい
では、ジャドがどんな素晴らしい手仕事をするのかを期待するが、その手元にクローズアップ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.6

妻の浮気を知っても動じない主人公の佇まいがドライブマイカーに似ているが、茂巳と稲垣吾郎がピタッと重なり、女子高生作家に転がされたりして退屈しない
荒川と対峙するのは窓辺ではない席、一瞬言葉に詰まり感情
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.6

無心でパイを頬張るMの深い悲しみ
出て行くMを窓から見つめるゴーストCの姿は泣けた
ついて行けないのか
家が取り壊されても新しいビルが建っても過去に遡っても彷徨うだけ
とどまる意味さえわからなくなりた
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スマイル(2022年製作の映画)

3.4

アバンタイトルまでは完璧、心を掴まれる。
精神科医のローズ、スキルを活かすのかと思いきや、立ち回りが下手くそでヤキモキさせられた。
けれど、それにつきまとわれ、追い詰められ孤立し疲弊していく姿は辛かっ
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

母の体を案じて思いついたアレックスの小芝居は、周りを巻き込んで次第に大ががりに
バカバカしいけど大真面目、職場の同僚デニスがノリノリで最高
いつのまにか自分の理想オスタルギーな祖国を作り上げていった
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.5

ノースカロライナの美しい湿地。
周りと同じように完全にカイアの虜になっていたから騙されました。
自然に善悪はない、すべて生きるための知恵。
ザリガニの鳴くところは誰も追ってこれない場所、心の奥底の秘密
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.5

ブラックウィドウと呼ばれた強欲なパトリツィア
だが、この作品ではやや悲劇のヒロイン的
よそ者扱いでも放漫経営を立て直そうと奮闘、裏切られ捨てられ、憎悪に満ちる
きっと彼女が登場しなくてもあのままでは崩
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.6

愛を知ってしまったが故の孤独感
膨大な衣服はもはやただの抜殻
妻の残像に苦しめられる
衣服やレコード同様、彼もまた遺されたモノだった
空っぽの衣装部屋の喪失感
今度こそ、本当に独りぼっちになった
ぽっ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

クリスマスイブに取り上げた風変わりな羊の子。
この子が邪悪かと思いきや、アダはとてもかわいかった。
穏やかな生活がいつまでも続くわけないし。
終わりの予感にビクビクしていると、ヤツがやってきた。
アダ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.6

このタイムループはテンポが良くてコンパクト。
同じ仕事を繰り返すことにより仕事の質が上がるし、同僚との関係が深まったり仕事の楽しさが伝わってきた。
でも地獄だ。
みんな忍耐強い。放り出してしまう人がい
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BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

3.2

人里離れた邸宅、ハリケーンパーティで人狼ゲーム
やがて雷で停電、スマホも使えず、車もバッテリー切れ、お決まりのパターンだ
でもスラッシャーではないよ
協調性なし、上辺だけの友人関係でみな疑心暗鬼
人物
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野球部に花束を(2022年製作の映画)

3.2

高校生の1、2歳差はデカい
野球部は未だに軍隊観を引きずっているのが時代錯誤だけど
2年生になる頃にはすっかり変な風習に染まる野球部の一生懸命な日常だ
普段の生活からキャッチャーであれ
響かないけど耳
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異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

この無茶な左遷もパワハラ人事じゃない?
とか思ってみたり
不自然にひた隠しする県警名が気になってしまう
真夏のミュージックフェスタがショボい
捕物劇は映画なのに間抜けでちょっと悲しかった
しかしながら
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.2

夢を掴みにいく飽くなき情熱が眩しい。
なんてかけがえのない青春の思い出よ。
ロケットボーイズ最高です。
頑固親父の生き方だって逞しくて優しくてカッコいいです。
スプートニクが光る夜空を見上げながら、地
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.4

澄んだ青空の下、陽光に晒されながら行われる異様な儀式
牧歌的な景色とは対照的な狂気に頭がぐらぐらしてくる
出来レースよね
ダニーの表情は解放感に満ちていたが、夏至祭はまだ途中だ
この後何が待ち受けてる
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.4

青天の霹靂、理想とかけ離れた配属先にも関わらず、いつの間にか溶け込み適応能力の高さに感心する。
自分ならうろたえて辞めてしまうだろう。
とんでもないミスだとしてもペナルティは見てて辛いし、懸命に頑張っ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

バス停のベンチに腰掛けるガンプ、ジェニーからもらったコルテッツを大事に履き続けてるのが愛しくて切ない
運がいい、でも努力も間違いなく半端ない
人々に種を蒔きながら真っ直ぐに駆け抜ける姿は爽快だ
ザッと
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.6

オープニングはサスペリア2
UFOからどんな宇宙人が飛び出してくるのか期待する
乗り物ではなくそれ自体が生物で、連れ去るのではなく喰うのだからびっくり
そのもったいぶったGジャンはイカだかクラゲだか凧
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.6

恋人の実家への訪問、招かざる客か
白人の応対は覚悟はしていたけど、妙に歓迎されているようで違和感が
そして使用人の様子がとっても不気味
ティースプーンくるくる催眠術のおかしみ
後半のたたみかけは呆気に
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キツツキと雨(2011年製作の映画)

3.8

妻の3回忌を忘れるほど映画制作の現場にのめり込む克彦さん。
逃げた若手スタッフのニット帽をかぶって張りきっちゃってかわいい。
映画監督と息子、2人のコウイチを重ね合わせて見ていたね。
心を通い合わせて
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

私はこんなもんじゃない
移り気なユリアだけど、ちゃんと行動力があって逞しいじゃないか
体調が悪いアクセルにキツめの告白はやめてあげてよと思ったけど、妊娠や身近な人の死は冷静に見つめ直すきっかけに
それ
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インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

3.6

アパルトヘイトの悲惨さ、ぶっ壊したマンデラの偉業やラグビーチームがどう団結し強くなっていったのかの描写が乏しい
おかげでマンデラとフランソワの爽やか友情物語になった
ロベン島の収容所、採掘場でフランソ
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