「実はこういう事情が裏にはあったんです」を何度も繰り返す、独特のリズムのストーリーテリングになかなか馴染めなかった。
多様な背景とそれぞれが抱える問題を受け入れたり拒んだり乗り越えたりする展開はダイ>>続きを読む
ロケーションと色彩と音楽がものすごく気持ちいい。半分まどろみながら見ていても、全然悪くない。
エンストする車、電話やSNSの着信音、逃げ出す鳥…象徴的な要素が多層的に組み合わされ、映画の中に「都市」>>続きを読む
ラストの歌の編集、野暮だなぁ…。あんなに説明的な泣かせの仕掛けって、馬鹿にされている気分になるし、せっかくのガガの歌も台無し。ひとつの伝説を身に纏うことになったスターの姿を描くのに、彼女の歌以上のもの>>続きを読む
「中身のなさ」という怪物との闘い。
すでにあちこちで言われているように『シン・ゴジラ』は大いに意識していると思うけど、最終的には『大日本人』になっちゃった。
「中身のなさ」と徹底的に向き合ってきた>>続きを読む
「.」にするか「!」にするかで迷うところなど、小ネタもよく効いていた。
全編モニター上で進む、という方が売りになるのはわかるけど、結構無理してるなぁとも思った。自ら「ルール」を破って、モニターを思い>>続きを読む
『2001年宇宙の旅』であり、『火の鳥』であり、ずっと家にいる『インターステラー』。
幽霊は、いつ上映が終わるともわからない映画の中に閉じ込められた観客のよう。
というか、観客がスクリーンに向ける>>続きを読む
かわいくて芯の通った映画だった。
仕事や恋愛、一緒にお茶を習ういとこ(途中退場して戻ってこない)やほかのお弟子さんにはあまりフォーカスしないけれど、それを物足りなく思うより、お茶と自分との関係とその>>続きを読む
いい顔の俳優が3人。
ピンマイクをつけるようなタイプの撮影なのか? と思ったら、うわーやられたな、この音、この演出のためのものだったんだ…!
生きていればいつでも鳴っているのに、いつもは聞こえな>>続きを読む
おもしろい!!!
えげつないところまで踏み込んでいくな…。
『寝ても覚めても』と共鳴する部分がたくさん。
『小早川家の秋』みたいな煙突だ…ってところからぐいぐい進む港のシーン、特にすごかった。船の汽>>続きを読む
群像劇だし国道沿いの景色も似てるし、『マグノリア』みたいなことをやってみてはいるけど、どうなんだ。うまく機能してる?
2004年のフジファブリックはあんな風に誰もが口ずさむようなバンドじゃなかったし>>続きを読む
なんなんだ、この奇妙な話は! 『たけしの挑戦状』×『羊をめぐる冒険』か…? なんにしろ、村上春樹の昔の小説を読んでるときの感覚が行ったり来たりした。
この部屋は臭い、おまえは臭う……ポップカルチャー>>続きを読む
かっこいいビジュアルと音に気合いを感じる…が、スレスレの部分を糖衣で包んでいるようにも思える。劇場の暗闇で見るからには、映画自体のバランスを失調するくらいのところまでを期待してしまう。
なにも起こらないけれど、なにかが確実に変わっていくさまを映すのって、たぶんいちばん難しい。その難しいのが目一杯映ってる。難しい顔せずに。
石橋静河が素晴らしすぎる。
自分にああいう青春はなかったし>>続きを読む
とにかく素晴らしかった。映画の中でしか通用しない嘘が、まるで白々しくならず、寓話として手堅くまとまってもしまわずに、あくまでリアリティを持って迫る。すごいとしか言いようがない。
「ここで終わったら傑>>続きを読む
驚きや揺さぶられるものはそれほどなかったけれど、こんな風に映画を追求している人たちがいること、その作品を満席の劇場で見られることには、どうしたって感じ入ってしまう。
初めて撮ったみたいな映画を、キャ>>続きを読む
8mmの画質はかなり粗い。見ていてきつい部分もあるが、画質の粗さはあらゆる拙さを有耶無耶にもしてくれる。
列車の中で辞書を読み上げるシーンは素晴らしかった。この映画はあそこで終わってほしいという気持>>続きを読む
わけても、夜明けの長回しとラストシーン。これはほんとうにすごい。映画を見る悦びに満ちている。何度も思い返してしまう。
映画内で2011年2月の日付が進むと、どうしても考えてしまうのは、そのあと3月に>>続きを読む