ノノさんの映画レビュー・感想・評価

ノノ

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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.0

どうしようもないアル中の父親と別居中の母親、性虐待をする母の彼氏からの逃避行。ざらざらしたモノクロフィルム、子どもたちの顔がクロースアップで撮られる。たまに色付く世界が驚くほど美しく、特に水中の映像は>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.9

圧倒的なグザヴィエ・ドランの映像美。人間の醜いところも美しいところも生々しく撮ってくれる。
1:1の珍しく変なアスペクト比は真ん中に映る人の表情により集中させる。wonderwallが流れるシーンでス
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

3.7

初っ端から妻の妹が好きとかいうキショい男のモノローグに笑ってしまう。『インテリア』と似た家族構成、ウディ・アレンは三姉妹の物語が好きなのか。登場人物が揃いも揃ってみんなダメ。姉妹に借金をしまくる夢みが>>続きを読む

チャップリンの給料日(1922年製作の映画)

3.5

下から投げ込まれるレンガの逆再生
妻の尻に敷かれる哀れな男
ソーセージを持って逃げる黒猫
チャップリンの世界の人間は何があっても気にしなそうで羨ましい

愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像(1998年製作の映画)

4.0

フランシス・ベーコンは知っていたが、同性愛者だったのは全く知らなかった。彼の絵の大胆さ、恐怖、孤独感は生活と直結している。家に盗みに入ったことからベーコンの恋人になったジョージ。引き裂かれるような心の>>続きを読む

銀座化粧(1951年製作の映画)

3.9

銀座で女給として働く中年シングルマザーの生活と恋。とっても切ないのに重苦しくなくて笑えるシーンも多い。
職場のバーで歌が下手くそなのに自覚してない客にカラオケ歌わせてその間に休憩してタバコをばかすか吸
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2000年代のイーストウッド2本くらいしか見てなかったんだけどやっぱちゃんと見なきゃダメだ!
ヒーローだと言われ賞賛されても人を殺していることに果てしない罪悪感を感じている主人公。直前までくだけた会話
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.7

U-NEXTで見たら字幕と吹き替えで40分くらい差があった。tv放送のためにつけた吹き替えなのか、削られまくってる。
ベトナム戦争映画少しずつ見てるけど、これはかなり心がやられる。序盤1時間ほどで楽し
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この庭に死す(1956年製作の映画)

3.8

ブニュエルと言ったらブルジョアとか貴族ドラマのイメージがあるから新鮮だった。序盤はまあまあだったけど、船に乗って逃亡してからはブニュエルらしい面白さ。極限状態に陥った人間の本性と神の不在。
密林でのサ
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(1963年製作の映画)

3.6

オープニング、クレジットの鳥の演出かっこよ!頭にフンを落とされたことが3回もあるから元々鳥類苦手だけどこれ見たら大嫌いになった。ガソリンにマッチの火が引火したときに鳥目線で空から嘲笑ってるようなショッ>>続きを読む

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

4.0

40すぎても加賀まりこは美しい!あとやっぱりめちゃくちゃ麻雀手慣れててかっけえ。
アカギ的な話かと思ったらもっと人間模様を描いた群像劇だった。戦後の貧しさと鬱々とした雰囲気、気怠げな男たちがギャンブル
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第三世代(1979年製作の映画)

3.9

彼らの合言葉は「意志と表象としての世界」
かっこいいオープニングから数分でぼけーっと見てたら置いてかれ、誰が誰なのかすら分からなくなったが、まあいい。
理念なき行動だけのテロリストたちは他人の思うまま
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袋小路(1965年製作の映画)

4.0

逃げてきた強盗をかくまう羽目になった孤島に住む中年の夫と若い妻。夫のヘタレ具合に嫌気が差して強盗と少し仲を深めてしまう妻だったり、予期せぬ訪問者とのいざこざ…悲劇だけど笑ってしまう。風に吹かれるフラン>>続きを読む

汚名(1946年製作の映画)

3.8

スパイ容疑をかけられた男の娘アリシアがナチを探る職についていたデブリンに利用されるが2人は恋に落ちてしまう。珍しくメロドラマが軸でサスペンス要素は薄い。
デブリンがとにかくはっきりしない男でイライラす
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夢二(1991年製作の映画)

4.0

ロマン三部作の中では一番分かりやすかった。画家の夢二のまわりにはいつも女がいる。個人的には彦乃でも巴代でもなくお葉が小悪魔のようにかわいくて一番好き。セリフを喋る時、舞台のようにみんな正面を向いた位置>>続きを読む

ベイビーティース(2019年製作の映画)

3.8

クラブのシーンでTune-Yardsのbiznessがかかっていて、スクリーンと顔に花火が投影されているショットがすごく美しかった。
病気を患う少女の漫画のような不良青年との出会い。こんな男をいきなり
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わたしたち(2016年製作の映画)

3.8

女子小学生特有の暴力的ではないけど無視したり仲間外れにする陰湿ないじめの感じリアルだな〜いじめっ子が可愛いのも分かる。大人の監督がここまで小学生の女の子を精密に描けることが素晴らしい。
クロースアップ
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.0

前半はちょっと退屈だけど中盤、馬乗って銃ぶっ放す西部劇みたいになっててアツい。ウォレスが大活躍してるのも良かった。すぐ死ぬだろうなと思ってたらやっぱりその後すぐ死んで悲しい。所謂ギャング映画というより>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.7

あらゆる事象が起きて散らばったまま終わる系だったので初めて見た時はピンとこなかったけど改めて見たらわりと良かった。
現代美術館のキュレーターという立場で真っ当な人間である主人公は、ホームレスにお金を恵
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パターソン(2016年製作の映画)

3.7

アダム・ドライバーって基本的に膨れっ面してるから何考えてんのか分かんなくて好き。ちょっとした違いのほとんど同じ毎日の繰り返し。同じ毎日の中にも少しずつ出会いや事件があって生活は広がっていく。頭の中をぐ>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.9

チャーリー・カウフマンの頭の中どうなってんだ。こんな変で尖った脚本をちゃんと映像化してるスパイク・ジョーンズもすごい。マルコヴィッチという器を通してクレイグ、ロッテ、マキシンの三角関係を描いてしまう展>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

3.6

正義を貫くヒッピー私服警官が警察内部の汚職告発のために奮闘する。ずっと暗い顔して苦しんでいるアルパチーノもかっこいい。女にすぐ叫ぶのはやめてほしい。
裏金を貰わずに汚職に手を染めないのは正義だけどみん
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ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

3.6

喧嘩した夫婦が互いに浮気して元に戻るだけの話。ストーリーは普通だけど、とにかく街のセットが面白い。あからさまなセット感、空はイクスピアリみたいに作られた空、繁華街のギャンギャンに光るネオンライトが流れ>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ久しぶりに見た!!
大雨の羅生門から始まり、光に満ちた羅生門で終わる。人間のエゴイズムをこれでもかと追及し、最後にはちゃんと希望を持たせる。京マチ子演じる真砂が狂ったように笑うシーンが本当
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.1

ケリー・ライカート見てると自然の音が心地よくて高確率で寝て巻き戻してを3回くらい繰り返す。何もない砂漠をただひたすら一日中歩く移民。流れる水の音、足音、馬の鳴き声、風や火の音…ランプしか見えない暗闇の>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.7

ウディ・アレンってこういう可愛くてロマンティックな作品撮る時もあればシリアスな作品撮る時もあってテイストの振れ幅がすごい。
劇中劇の世界の登場人物がいなくなってみんなでぐだぐだしてる様子を映した映画も
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キッド(1921年製作の映画)

4.0

窓割りチビかわいい〜と思ってジャッキー・クーガンのwiki見たらめちゃくちゃ顔怖いおじさん出てきて笑った。無理矢理離された時の演技が素晴らしすぎる( ; ; )
ただドタバタ喜劇だけを映すチャップリン
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チャップリンのゴルフ狂時代/のらくら(1921年製作の映画)

3.5

妻のお父さん太りすぎててちょいちょいパンツ見えちゃってるのかわいい

ファブリック(2018年製作の映画)

3.6

全然期待してなかったんだけど普通に面白かった。赤いドレスを手にした者は呪われる的なストーリーで、きみの悪いブティックとドレスを手にした人に降りかかる災難がアートっぽく撮られていた。悪い行いをした人間が>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.4

この監督いろんなテイストの映画を撮ってるなという印象。『クリシャ』が今のところ一番好き。
最近の心理ホラーって最後まで説明なく、なんとなく怖いことが連続して結局人間の疑心暗鬼が一番怖いのです的な脚本増
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

4.3

かれこれ5回くらい見てるかもしれない。
木の根っこを本物の赤ちゃんとして育てていたら本当に動き出し全てを喰らい尽くすバケモノと化していく。木の赤ちゃんもやばいし、育てる両親も変だし、ませた少女も不気味
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ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

3.7

やっと見れた!U-NEXTありがと(;_;)
『サタンタンゴ』ではあまり感じなかったけどこの作品はカサヴェテス作品と通ずるものがあった。食卓でのリアルな会話とその人々を執拗にクロースアップで映すカメラ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

気合い入ってるゴジラのCGはかっこいいなー!!!溶岩みたいなゴッツゴツの皮膚、放射熱線を放つ時の青く光る背びれのギミックも面白かった。壊されていく船や電車、銀座の街並みも作り込まれていて映像技術は素晴>>続きを読む

茶飲友達(2022年製作の映画)

3.8

岡本玲がすごく良い。久しぶりに見たら綺麗になってた。捕まった後の態度の豹変ぶりはそれまで必死に隠して取り繕っていた彼女の本性の部分が出た良い演技だった。
死にたくなるほどの孤独感に苛まれている老人がた
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

犬神家みたいな閉塞的な旧家のドロドロと戦争、人間の醜さを描いた鬼太郎誕生前のエピソード0的な物語。
グロいと聞いていたけどそうでもなかった。
戦闘シーンで絵のタッチがかわるのがすんごい良い。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.1

9年前に燃え上がった2人感を出すのがうますぎる。ふたりが会話に挟む冗談やそれに笑う間の取り方、タバコをもらって相手のタバコで火をつける動作とか本当に演技してる?ってくらい自然で驚く。『ビフォアサンライ>>続きを読む

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