ShinichiAndoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

渇水(2023年製作の映画)

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社会から孤立し追い詰められていく姉妹を、“水道”という文字通り命に関わる“ライフライン”を通して描くことで、自助、共助、公助の理想と現実、そして限界と可能性について考えさせられた。心が本当に渇いてしま>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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“本当の幸い”を探しにどこまでも一緒に旅に出た、「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカンパネルラを思い起こさせる、ふたりの子役がとにかく素晴らしくて、そして切なかった。大切なものを守るための言動が、ときとし>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

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6500万年前の地球を舞台に、アダム・ドライバー&少女(MCUでガモーラの少女時代を演じたアリアナ・グリーンブラット)に、恐竜や隕石をはじめ次々とピンチが襲いかかる、SFディザスター&サバイバルスリラ>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

とにかく大好きな作品なんですが、どうして好きなのか上手く説明できなくて、またそれを説明してしまったら、好きな気持ちが台無しになってしまいそうな……まさに本作はそんな作品でした。そして、その魅力がすべて>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

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強くなるには弱点を隠すのではなく、自らの弱さと向き合い、弱点を認め、それを強化することこそ重要なのだ。それはボクシングだけでなく、人生においても同じことが言えるのだろうけど、人生はボクシングに比べて戦>>続きを読む

おやすみ オポチュニティ(2022年製作の映画)

5.0

NASAが開発した火星探査車(ローバー)、スピリットとオポチュニティを描いたドキュメンタリー。ピクサーのウォーリーのような愛くるしさ(R2-D2なような声もかわいい!)と、NASAの技術者たちの夢と情>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

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土星人の目を通して、“家族とは何か?”というテーマを描いたSFホームコメディ。その答えが最もよく表されていた、何度も繰り返し描かれる朝食シーンが良かった。1つのお椀の中にある4人分の納豆を、それぞれ順>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

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かつて「スター・トレック」で“人類最大の弱点は、愛だ”というコピーがあったけど、本作では最大の武器だった“度を超えたファミリーの絆”が、彼らを脅かす最大の弱点となるところが、まさにシリーズ最終章っぽか>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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不安や孤独を抱えた家族が、ある家出少女との出会いによって、それぞれの“居場所”をみつける物語。少女にとって“仮の居場所”となる彼らの家が、本作の舞台である80年代のロマンチックなパリの中で、何よりも魅>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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劇中のある人物による“音楽とは動きであり、その動きこそが言葉を超えた感情を与えてくれるのだ”というセリフが象徴するように、まさに“言葉を超えた感情”にあふれた凄まじい映画だった。

気がつくと時間の感
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ゴーステッド Ghosted(2023年製作の映画)

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真面目すぎる男(クリス・エヴァンス)が恋に落ちた謎めいた女性(アナ・デ・アルマス)の正体は……という、「ナイト&デイ 」「Mr.&Mrs.スミス」「ツーリスト」あたりの、ロマコメ&アクション好きにとっ>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

一作目が母を失うシーンから始まったように、シリーズを通して愛する人との別れと喪失を描きながらも、家族を越えた仲間たちとの美しい絆、そして、どんな人にも“セカンドチャンス”は必要だというポジティブなメッ>>続きを読む

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

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文字通りビギニング的な星矢が小宇宙を覚醒するまでの修行シーンが、ルークがヨーダやオビワンにフォースを学ぶシーンのようで面白かった。また、マーク・ダカスコスが(頼りになる最強執事的な)キャラ的にも、(ひ>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

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“人生とは旅であり、旅とは人生である”なんて言葉があるけど、たった半日のパリをめぐるタクシーの旅の風景に、92年にも及ぶ女性の壮絶な人生が、(まさに原題の「美しき旅路」の通り)見事に溶け合っていく。こ>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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とても面白かったのと同時に、思っていた以上に気持ちの良い映画だった。ニューヨークの街並を“Bダッシュ”で駆け抜けるパルクール的な面白さと、横スクロールゲームの快楽が見事に融合した、冒頭のアクションシー>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

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前作から5年経って、Siriやスマートウォッチなどデバイスやアプリの進化を生かした設定と、デジタルネイティブの主人公ならではの名探偵っぷりが面白かった。そして、Googleアカウントひとつであんなにい>>続きを読む

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

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かつて「HiGH&LOW」で回想シーンの中に、さらに過去の回想シーンが挿入されるという演出があったけど、本作(前編)でも過去の中で語られる、さらに過去の出来事の回想シーンが印象的だった。未来を変えるた>>続きを読む

ツーリスト・ガイド・トゥ・ラブ 恋のツアーガイド(2023年製作の映画)

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失恋をした主人公がベトナムを旅するうちに、美しい風景と新たな出会いによって自らの人生を見つめ直す……という、ロマコメの超王道的なストーリーなんですが、こういう映画を観たかったという気持ちを満たしてくれ>>続きを読む

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

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MCUのヘリキャリアやS.H.I.E.L.D.のインサイト計画を彷彿とさせる海洋施設を舞台に、(「コナン」ポスター史上最多?)18名のキャラそれぞれに、きちんと見せ場が用意されていて、ファンへのサービ>>続きを読む

ハンガー:飽くなき食への道(2023年製作の映画)

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面白かった。大衆食堂で働いていた主人公が、カリスマシェフの下で修行しながら料理人として成長していく姿を描くタイ映画。大衆料理と高級料理、それらを味わう人々の“食べ方”によって、グロテスクな階級社会を描>>続きを読む

世界の終わりから(2023年製作の映画)

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奇しくも同日公開だった「ノック 終末の訪問者」と同じように、“世界の終わり”を救うために主人公が決断を迫られる物語。シャマラン監督も紀里谷監督も、悪意に満ちた愚かな人間だらけの世界に絶望しつつ、それで>>続きを読む

テトリス(2023年製作の映画)

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80年代を舞台に“不可能と思われた契約”に挑んだ実話を元にした映画という点で、「AIR エア」と重なるところもあって面白かった。そして同じく、人の心を動かすのは、決して金だけではないと信じたくなるとこ>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

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劇中で物語が動き出すきっかけとなるキング牧師のエピソードのように、人の心を動かすことができるのは、そこに信じたくなる言葉があり、信じたくなる物語があり、そして信じたくなる人物がいるからなのだと教えてく>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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謎の訪問者が主人公に投げかける“自分を超えた何かを信じられるか?”という問いかけこそ、「シックス・センス」以来シャマラン監督が繰り返し観客に問い続けてきたことなのだと思う。はたして、自分はどっち側の人>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

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その昔、オリジナル版を観たときよりも、“もしも余命半年と言われたら?”という設定がリアルに感じられるようになったからか、生まれ変わって“立派に生きた”美談よりも、ビル・ナイが余命宣告に打ちのめされて酔>>続きを読む

わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

5.0

ただひたすらに効率や成長、利益や成功を追い求める人生というのは幸せなのだろうか? 主人公と同じように、いますぐ生き方は変えられなくても、自分の人生について考えたり、疑問を持ったりするきっかけになる。そ>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

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登場キャラクターのひとりひとりが、それぞれに痛みや悲しみを抱えているから、どんどん彼らが愛おしくなってくる! そして、“負け犬”だった彼らが旅を続ける中で、やがて家族を超えた仲間となっていく姿は、まさ>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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劇中でペドロ・パスカルが語っていたように、「(ニック・ケイジには)唯一無二の才能があり、その才能によって、この壊れゆく暗い世界に光と喜びをもたらす」。そのメッセージを言葉だけでなく、オープニングからエ>>続きを読む

長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

5.0

自分がアニメーションに求める魅力のすべてが、一つの作品として結実した、まさに夢のような作品でした。これはスクリーンで観なければ、本当にもったいない!

魅力、その1。本当の友情、そして家族とは何かを、
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

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藤子不二雄ファンには特別な意味を持つ“理想郷”(今年は「UTOPIA 最後の世界大戦」発売70周年!)をテーマに、華々しくユートピアを掲げる人の危うさ、そして無心になってユートピアを追い求める人々の恐>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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ヒーロー(超人)という人を超えた力を持つ特別な存在だからこそ、人を殴ったら血が流れるという痛みを知ることが大切であり、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でも描かれていたように、“b>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

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重厚長大になりがちな昨今のアメコミ映画の中で、フィラデルフィアという現実の街を舞台に、最初から最後まで明るく楽しめるところがとても良かった。「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」っぽいポスターだなあと思ってい>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

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実話を元にした作品を作る大きな意義は、その出来事を風化させないことであり、未だ同じような問題を抱えている現代社会に警鐘を鳴らすことなのだと改めて思った。そして、同じく実話を元にした「ソーシャル・ネット>>続きを読む

アイム・スティル・ア・バージン(2022年製作の映画)

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自分に自信がなかった26歳の繊細な主人公が中年男性(ジョン・バーンサル)との不倫をきっかけに、自らの生き方が大きく変化する。「タイニー・ファニチャー」以来となるレナ・ダナム監督の最新作は、可笑しくて、>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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映画は現実を忘れさせてくれたり人を癒したりするものだけど、ときとして現実を凌駕してしまうが故に、残酷で人を傷つける恐ろしいものになる……ということを、主人公が痛みとともに学んでいく物語であり、思ってい>>続きを読む

ブラックライト(2021年製作の映画)

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FBIの秘密捜査官を救うための極秘任務を担っているという、ちょっと複雑な設定だったけど、始まってみればいつものリーアム・ニーソン映画だったので安心して楽しめるし、また愛する家族が誘拐されるのでは…とい>>続きを読む