95分というコンパクトな上映時間の中に、日本版ポスターに描かれているように多種多様な人間が登場するのですが、それぞれのキャラがしっかりと生かされているので、群像劇コメディとしてとても面白かった。そうい>>続きを読む
愚かな行いを起こすのは、必ずしも最初から愚かな人間だけではないということを忘れないために、そしてこの先の人々に人間の“愚かさ”と“脆さ”を伝えていくためにも、こうやってフィクションという形で映画が作ら>>続きを読む
169分という長尺だけど、この夏の「ワイスピ」や「ミッション・インポッシブル」みたいに2部作になってもおかしくないほどの大ボリュームだったので、一本でこんなに楽しませてもらっても良いのかと恐縮してしま>>続きを読む
現実と上手く折り合いをつけられず、生きづらさを抱えた主人公が、現実から逃げるのではなく、人生をつまらなくしている原因に自ら気づき、自分の力で打破していくところがとても良かった。現実を打ち破るためには、>>続きを読む
“Teenage”ならではの陽気な青春コメディ、“Mutant”として虐げられる者たちの切ないメッセージ、“Ninja”ならではのキレのあるヒーローアクション、そして“Turtles”のキャラクターの>>続きを読む
2時間以上も全く観客を飽きさせることなく、映画を面白く見せるためには、“編集”という作業がいかに重要なのかを教えてくれる、ハリウッド映画のお手本のようなエンタメ作品。テロップの入れ方やテンポ感はもちろ>>続きを読む
IMAX版で鑑賞すると暗い夜のシーンでも隅々までクリアに見えるのと、現実か幻聴か分からないくらいのボリュームの声までちゃんと聴こえるのが良かった。前作では「愛の数だけ秘密がある」というコピーを作ったけ>>続きを読む
変わりたくても変われない“焦り”と“諦め”、どこかに行きたくてもどこにも行けない“閉塞感”と“無力感”。自分も中学生の頃に抱いていた感情が、そのままアニメという形で結晶化させたような作品だった。そして>>続きを読む
母娘の絆と呼ぶには、あまりにも脆くて、稚拙で、自分勝手で、不安定な“つながり”だけど、その危うさが故に、嘘みたいな(実話を元にした)物語なのに全く嘘くさくないところが良かった。そして、それを演じる二人>>続きを読む
ときとして映画は言葉にならない感情を映し出すものだけど、本作ではそれと同時に、言葉に出したら終わってしまうような、夫婦、恋人、親子、友人といった、人と人との繊細かつ微妙な関係を、美しく丁寧に、そして、>>続きを読む
冒頭の何気ない東京の風景が映っただけで、小津安二郎監督の時代から続く“松竹映画”としての風格が感じられてワクワクしつつ、映画が終わって(ほぼシニアの観客が)口々に「面白かったね」ってニコニコしているの>>続きを読む
予告編の印象からコメディ作品なのかと思っていたけど、鳥山明作品ならではの細かいガジェット描写や格闘バトルが満載のアクション活劇として、とても満足度が高くて面白かった。これは映画館で観ないと、もったいな>>続きを読む
劇中でリフレインされる“起きたいなら眠れ”と言うセリフの通り、真夏の昼間にみる白昼夢のように、目が覚めてもまだ夢の続きにいるみたいな映画だった。そして、その夢の中で、マヤ・ホークだけが現実の世界から迷>>続きを読む
自分が子供の頃に「ゴーストバスターズ」や「グレムリン」を観て、“怖いけど(から)面白い”という感覚を初めて体験したことを思い出した。ホラーとコメディのバランスが絶妙なので、アトラクションが好きな方はも>>続きを読む
絶体絶命のバリエーションが前作以上にバラエティにあふれていた(IMAX3Dも見やすくて良かった)のと、悪人たちが「ジュラシック・パーク」のように、きっちりと因果応報的にやられるところが面白かった。そし>>続きを読む
13歳の少年と16歳の少女による、避暑地の湖での“ひと夏”の物語。青春とは、1%の美しい思い出と、99%の後悔でできている。二度と取り戻すことも、やり直すこともできない“後悔の瞬間”を、スタンダードサ>>続きを読む
未来でも過去でもない架空の街のような渋谷を舞台にした、二組のガール・ミーツ・ガールを中心とした物語は、夏の終わりに食べるアイスクリームのように切ない余韻が心地よかった。そして、過ぎて行く季節の中で、時>>続きを読む
10代の頃に初めて観たときよりも、びっくりするほど切実で、痛々しいほど切なくて、そしてどこまでも登場人物たちが愛おしくなる作品だった。ちょうど本作が公開された頃に、小沢健二が「いつだって可笑しいほど誰>>続きを読む
舞台が1994年ということもあり、最新のCG技術を駆使したSF大作だけど、大掛かりな設定やカーチェイスや爆発など全体的に懐かしい感じがするのが良かった。遺跡での冒険が「インディ」っぽいなあと思ってたら>>続きを読む
離婚をきっかけに人生を楽しめなくなった主人公が、大自然でのハイキングキャンプを体験しながら、本当に大切なことに気づき自分自身を見つめ直すという、ロマコメの王道的な安心&安定感を堪能。旅を通して、ヒロイ>>続きを読む
完璧な世界など存在しないと気づいたとき、すべてのバービー&ケンたち、すなわち映画を観ている全観客に、この過酷すぎる現実の世界で“君たちはどう生きるか”と問いかけてくる作品だった。また、“バーベンハイマ>>続きを読む
現代社会の問題や大人社会への風刺的なメッセージというのは、過去の劇場版でも何度か描かれてきたけど、本作ではこれまで以上にメッセージ性が強く押し出されているのが印象的だった。ただ、風刺映画だからこそ、も>>続きを読む
差別や分断を乗り越えるために、人々に必要なのは“理解”ではなく“愛”なのだ。心を震わせる力強いメッセージ、感動的なストーリー、ユニークな世界観、そして何よりアニメーションならではの美しさと楽しさが融合>>続きを読む
100人vs.2万人の決戦に、300人の軍勢で100万のペルシア軍と戦った「300」を思い出しつつ、三分割されていたティーザーポスターのように3話分の連続ドラマの総集編を観ているような構成だったのが面>>続きを読む
コロナ禍の香港を舞台に、貧困と生きづらさを抱えながら生きていく母娘を中心とした物語。どんなときも決して悲観的にならずに逞しく生きていく決意のようなものが、アンジェラ・ユンのカラフルなファッションと、彼>>続きを読む
インポッシブルな悪魔祓いミッションにイーサン・ハントばりに自ら身体を張って挑みつつ、インディ・ジョーンズばりに謎解きもこなすラッセル・クロウのチャーミングな魅力にあふれていた。予告編で印象的なスクータ>>続きを読む
5分間のタイムループに陥った高校生を主人公にした青春映画を通じて、二度と“戻らない”時間の“愛おしさ”と同時に、どれだけ後悔しても“戻せない”時間の“残酷さ”を描いているところが、藤子・F・不二雄先生>>続きを読む
「#ミッションインポッシブル /デッドレコニング PART ONE」
アクション映画の王道である“追う/追われる”の関係と、本シリーズならではの“騙す/騙される”の関係が次々と入れ替わるので、追って>>続きを読む
観客が見たいものを見せるのでも、監督が見せたいものを見せるのでもなく、最初から最後まで監督が見たいものを見せるというところが、とても贅沢であり、何より幸せな映画体験だった。そして、自分がジブリで最も好>>続きを読む
建築家としての仕事と恋に行き詰まった主人公が、LAから故郷のマウイ島に戻り、自分らしさを取り戻していく王道のロマコメなんですが、ハワイのロケーションがとにかく素敵なのと、最後のサプライズ的な“魔法のよ>>続きを読む
「昔々あるところに…」から始まる、ステレオタイプなおとぎ話のイメージを、大胆かつ爽快にアップデートさせた、最高に楽しくて、最高に美しいアニメーション映画でした。“本当のモンスター”を知ることで、人間の>>続きを読む
愛する彼女のために“見守る”存在から、愛する仲間のために“見張る”存在へ。“ウォッチマン”としてのタケミチの活躍は始まったばかりなので、この先の展開が楽しみ。とくに、磯村勇斗さん推しとしましては、アッ>>続きを読む
本シリーズ最大の魅力は、まだ見ぬ世界への“ロマン”であり、このロマンこそ、CG技術によって“ありえないこと”が次々と可能になった近年のハリウッド映画が失ったものだと思う。そういう意味で、最後にインディ>>続きを読む
ジーナ・ローランズの「私が私でなくなった。昔は私だったのに」という悲痛な叫びが、劇中劇を超えて、そして映画という枠を超えて、さらに時代を超えて観客の心を激しく揺さぶる。老いるということへの恐怖とともに>>続きを読む
今年上半期は「エブエブ」「フラッシュ」「スパイダーバース」と重厚長大なマルチバースの世界にあふれていたけど、「この瞬間がずっと続けばいいのに」という小さな願いから始まった“2分間のタイムループの世界”>>続きを読む
ハリウッドの光と闇、愛と欲望、金と麻薬、そしてハードボイルドな探偵とファム・ファタール…。10年くらい前にプレステで出た「L.A.ノワール」のように、“あの頃”へのノスタルジーと憧憬がつまった作品だっ>>続きを読む