khさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.0

まさに妙な回り道、物語の面白さっていうのはどれだけ変な回り道をするか、ってこと

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.5

面白かった。こういう映画を何も考えずに見て何も考えずに楽しんでそしてしばらくしたら忘れていく、そんな人生で良いじゃない。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.5

よくここまでやるわ。そりゃ歴史に名を残すでしょうよ。冒頭の「人類の夜明け」のシークエンスは妙に訴えてくる。言葉に対する懐疑が強い私は、言葉を交わすより触れ合ったほうがずっと通じあえると思っているのだが>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

5.0

何事も終わり方は最も重要かつ最も難しく、好きな映画であってもなかなか終わり方に惚れる作品というのは少なく、気に入っている終わり方の映画を考えても直ぐには名前が浮かばないが、この映画、個人的ベストと言っ>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.7

この終わり方、、、しかし、、、内容は良かったが、、ラストシーンまで引き込まれていた。かなりシンプルでストレートな展開だったけど、それも良かったし、とにかく土と埃の絵面が凄まじく生理に訴えかけてくる。タ>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

3.5

いい映画。家族の中の話で映画になるのは小津安二郎の頃からの日本映画の系譜ですか?そう思うと小津安二郎を越えるのってほぼ不可能だ。なお鎌倉に住んでるけど衣張山くらいしかロケ地が分からなかった私は所詮外様>>続きを読む

ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

4.5

この写真家の写真を見たことによって、私は初めて人間の写っている写真を見た、という気がした。

ピナ・バウシュ 夢の教室(2010年製作の映画)

3.0

ラストシーンに感動。動いてるピナに感動。かっこよすぎ。

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.3

何かを切り拓くことは価値のあることとしても、ただし偽陽性の問題があって、そこに時間の精査を超えるだけの本物さがあるかどうか、この映画の良さは、わかるような気がしているものの、ただ時間の無駄だったかもし>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

面白かった。映画らしい面白さ。ベルトルッチって凄い。見終わった後、物語が終わってしまったことへの寂しさが去来する。ネットフリックスのシリーズものとか連続ドラマが終わった後のような寂しさを映画1本で味わ>>続きを読む

(1990年製作の映画)

4.0

1910年生まれの黒澤監督に自然回帰や原子力への警告を示唆されて思うのは、もう多分2021年なんて取り返しが付かないんだろうな、ということ。桃の木なんて切り倒し尽くして今更植樹して取り繕ってる。ゴッホ>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

4.5

多分3回目か4回目の。やっぱ、すごくいい。人生の明晰な一瞬感を、少しでも多く。喧嘩が途中で落ち着くのも、年取った大人の賢さと、また物足りなさと。孤独。それは避けられない。それでも生きていく。

凍った
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

4.8

良かった。名作。悲劇だからこそまるで何事もなかったかのように演出する。デルスの語彙は乏しいが、それは自然と言語がまだ近しいから。自然に根が付いている言葉だけが語られる。ロシア語の響きが心地よい。ロシア>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

3.7

不思議な余韻があった。良しとも悪しとも評価できないようなアンビエンス。特筆することのないストーリーを語る映画的な文体の魅力、だろうか。ヘイリー・ル・リチャードソンの表情がとても良かった。

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)

4.0

陰翳礼讃、淫翳礼讃。この美しさっていうのは、襖を閉て切った薄暗がりの底にひかる蒔絵のよう。着物の裏地の真っ赤な鮮やかさは闇の中でこそ映える漆器のよう。愛に進行方向があるとして、生活に向かうか、性欲に向>>続きを読む

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

4.0

シェルタリング・スカイ。もう満月の見えない空。
陶器のカケラの墓。砂。埃。熱。風。光。月。肌。性。そして声。手拍子。蝿。人間。これぞ映画と思わされる絵。そこからだんだんと言葉が消えていき、次第にプリミ
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

シーンの感情と、音楽の感情が、相殺されて、悲しみと可笑しみの淡いが立ち昇る。老いても尚孤独ならば、どうして結婚して子どもをつくろうというのか。孤独を知るためにこそ結婚と出産を経るのか。人生は悲劇と形容>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.5

音楽の効果。演者の人(にん)。構図の美しさ。
悲しきは、戦争から既に時代は遠く、生も死もだるだるに弛んだ現代の私には、生命は手触りのある主題にならない。
しかしそれ故に見つけられる美しさがある、と思っ
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Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011年製作の映画)

5.0

魂が震えた。ピナも凄い。ヴィム・ヴェンダースも凄い。凄すぎる。ピナの作品はどこでもっと見られますか?

2022/05/04 2回目
物語ではない展開の仕方、それが成立する由縁、それを探る。言葉でも物
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.5

こういう映画が見たかった。完璧な映画。とまで言うと言い過ぎか。

過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

良い。これくらいが良い。ミニマルで。構成的で。くどい演出もなく。気取りもなく。喋ることがないなら、黙ってれば良いんだ。

ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

3.5

この世界の美しい部分を見つけ出してあるいは構成して提示すること、相変わらずの美しさ。

生きる(1952年製作の映画)

4.1

プロットや演技やシナリオや演出や構図やといった構成要素に分解できない映画のオーセンティシティみたいなものがあるとすれば、それはこの中にあるらしい。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.0

狂った地獄の混乱。ひっくり返った車の配置と農道の渋滞とドラムとポエトリーは良しとしてそれ以外は目ん玉に悪影響か良くて呆然をもたらすばかり。なんなら渋滞のシーンだけで100分見たいくらい。もはや毒入りの>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

子供の頃見たことなく自粛期間にアニメ旧劇新劇を一気通貫に視聴しただけなので内容について云々言えるほどの理解と感応をしていないのだろうけれど基本的な設定やシナリオは同じであってもアニメ旧劇新劇で異なる展>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

3.5

フランツが美男子なのと、ラスト近くのアンナ・カリーナの庭の木への寄りかかり方が、印象に残った。初見では良さがあまりわからなかったが、、、たまに思うけれど、見た後に読むと「あらすじ」に書かれているテキス>>続きを読む

野いちご(1957年製作の映画)

4.5

なぜなのか、涙が出た。冷たい優しさ。親と子。老い、そして残るもの、記憶。生きているのに死んでいる。しかばねなのに生きている。ここにあるあらゆる出来事が、人生の虚無と無為、記憶の欠落と再発に対して、救い>>続きを読む

僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

4.0

少年の圧倒的な美しさ。天井を見上げて煙突と井戸が繋がる。井戸の中は夜なので星はひかる。戦争後のゲッペルスと少女たちの遺体。

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.0

タルコフスキーらしい映像美が見られる一方、他の作品に比べると宇宙船セット内の絵が多いので余りハマらず。あとちょっと怖い。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.5

日常に埋もれていたものでも言葉で言い表せたとき再び輝き息を吹き返す。
二回見て漸く良さが見えてきた。

2016/07/23
2021/02/02

ストーカー(1979年製作の映画)

4.0

路傍のピクニック。をピクニックする。川を挟んだ工場街の塔からは煙。ゾーンは最後の場所、最後の存在なのか。取り残された人たちの。あるいははじめから違った人たちの。なにかを作るのも何かを願うのも幸福になり>>続きを読む

サクリファイス(1986年製作の映画)

5.0

最初に言葉があって。生け花。毎日同じことを続ける。しか方法はなく。秩序のもとに整形された庭の失われた美はどこへ行った?そのクライマックスの炎。と日本の木。かつてタルコフスキーが日本に見たものはまだある>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

3.5

アレックス三部作3。花火のシーンのBGMをシガーロスのHoppipollaにした動画がYouTubeにあるがそれが最高。映画を見るよりも前にそっちを見てめちゃくちゃ感動した。その後本編を見るとそこまで>>続きを読む