chinechanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

大変お久しぶりの投稿です。
ガンが疑われて怯えて過ごす2時間の心理を描く作品というのが決め手で見に行きました。
自分はこんなに苦悩しているのに、周りの人たちは全然シリアスに受け止めてくれない、みたいな
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こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)

4.0

国境の街。移民の待合室。

何も語らぬ難民。争うのがクリスチャンとムスリムなのか、クルドとトルコなのか。誰にも分からない。

この街を流れる空気感が素晴らしい。
閉塞的で、空気は冷たく尖っていて、永遠
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ブーベの恋人(1963年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

関係のない子供を頭に血が上って考えられなくなっていた、という理由で撃ち殺した挙句に、逃がしてくれた友達のこともこっぴどく貶し、ムショ入りして弱音を吐く男性。
元カノに品がないとこき下ろした上で、犬食い
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.2

ワールドミュージックギークなおじさまが、これ良かったよぉ、って仰ってたので借りました。
激シブでした。ジャームッシュの穴あき感、選曲、何だかんだでやっぱり好きなんですよ。RZAってこんなにかっこよかっ
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

あまりに凄すぎて絶句するほど素晴らしい空気感。夏の蒸し暑い日に、風の吹く木陰にいるような、昼から夜になったときに空気がすっと冷たくなって、乾いたシャツが心地よく感じるような。
そして、ヒリヒリとした痛
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終電車(1980年製作の映画)

4.4

戦時中、ナチに包囲されたフランスで、地下に隠れて暮らすユダヤの旦那と、旦那の劇場を継いで気高く生きる妻。カトリーヌ・ドヌーヴは、このくらいの時がかなり美しいですね。

終電車で帰らなければいけなかった
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フェリーニのローマ(1972年製作の映画)

4.5

ローマの大地の上には、今日も何万人という人がへばりつき、食べ飲み笑い、どうでもいい話をして暇つぶしをし、欲を満たす。年月を経て街もテクノロジーも変われど、人はそうそう変わらない。

ただローマをいろん
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アジアの嵐(1928年製作の映画)

4.5

いや~素晴らしい〇
モンゴルの草原と、なによりトライバルなラマ教の祭典が最高です。
お面をつけた人たちが踊って、周りを見たことない楽器を使う人々が囲む。

パパから譲り受けた一級品の銀狐の毛皮を英国人
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オルフェ(1950年製作の映画)

4.1

愛すべき作品。

これの元ネタはギリシャ神話ですけど、古事記にも似た話がありましたよね。黄泉の国へ向かうドキドキ感が、小さい頃大好きだったのを思い出した。

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.6

いい体をしているからといってすぐ恋に落ちたり、出会ったばかりの男に金を貸すのは危険だから気をつけましょう。。

わが青春のフロレンス(1970年製作の映画)

3.5

労働者階級の抵抗運動、恋愛、家族、生きざまを描いた作品。どんよりと曇った空と、灰色の街と、そこに住む生活に苦しむ労働者たちの繰り返される悲哀。

ストーカー(1979年製作の映画)

5.0

これは完全に映画をネクストレベルに引き上げていますね。映画というよりも、映像による体験。

隕石が堕ちて出来た区域、ゾーンの最深部には、神聖な部屋があり、そこへいくと1番大事な願いが必ず叶うという。そ
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女性上位時代(1968年製作の映画)

4.2

コメディなんだけど、なかなか良かったです。いろんな男性がカトリーヌ・スパークとくんづほぐれつします。
少々ギークで、達観してるように見せて、フロイトの引用なんかすぐしちゃう、古代遺跡好きの大学講師兼技
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女の都(1980年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高!!!
感服いたしました。

エキセントリックで、悪趣味なんだけど、引き出しの多さは、きっと老年のフェリーニだからこそ出来た作品と思われる。
ニーノロータを失っても、私にはフェリーニは新しい道を開
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第七の封印(1956年製作の映画)

4.5

このジャケ写には惹かれていたのに、なんとなく手に取るのが遅くなりました。でも見てよかった。

かなり多くの名言が発される映画でした。『恐れが形となったもの、それを人は神と呼ぶ。』

生きるということの
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.7

本当に優しい。純粋で真っ直ぐで。マレーシアという他民族国家で、しがらみもあるけれど、最終的には愛で乗り越えるという。男女の愛だけじゃなくて人間愛。素直で優しい人が出てきすぎて、ナナメな私にはそのひたむ>>続きを読む

三月生れ(1958年製作の映画)

4.4

これはいい人生映画。若さゆえに男性をうまく立てれずにちょっとしたことでがなり立てる嫁と、それに買い言葉で乗っかってしまう包容力の足りない旦那。
これってどこにでもいる2人と思うのは私だけでしょうか。も
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ゴモラ(2008年製作の映画)

3.7

イタリアはナポリのカモッラという組織が題材。なかなかにビビッドな映画でした。今日の友も明日は敵。殺し合いは仕方ない。

すごく簡単に人が死ぬし、集合住宅のゲットー感も半端ないです。ナポリ、怖い。。笑

病院(1970年製作の映画)

4.4

医療職者は情報とるのがうまいなーと。
錠剤の色を言わせることや、かかりつけ医を親族から聞き出すのとか。

癌を疑ってポロポロと泣く健気なおじいちゃん応援したいし、公園でメスカリンと言われて貰った丸薬を
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マグノリア(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

初めにごめんなさいします。
私には良さがちょっと分からず。。
なので、お好きな方は以下無視してくださいませ。。

イントロはけっこう面白そうなのに、ラストのまとめ方はいきなりファンタジー状態で、私には
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ジンジャーとフレッド(1985年製作の映画)

5.0

泣けました。人生への愛を感じる映画。

往年の名ダンスコンビ、ジンジャーとフレッド。のモノマネ芸人、アメリア(ジュリエッタ・マシーナ)とピッポ(マストロヤンニ)が、公私共に別れを告げてから30年の時が
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愛の嵐(1973年製作の映画)

4.5

堕ちていくことしかない。明日すら見えない。見たくない。ただ、今この瞬間を忘れるための情事。本当に愛し合っているようにも見えず、過去に固執し、意地になっているように見えました。
ナチスとユダヤ、初めから
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激しい季節(1959年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1943年夏の、避暑地リッチョーネでの話。世間は戦争だというのに、党の指導者の父のおかげで兵役を免れているトランティニャンは毎日遊んで暮らします。でも、たまに戦争の片鱗が見えて、第二次世界大戦の真っ只>>続きを読む

鞄を持った女(1961年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

CCのプロモーションビデオ的作品でした。ジャック・ペランが大人しいというか、かなり感情抑えめな演技をするので、その対比は良かった。けれど、何年かたったらCCしか思い出せなさそう笑。

私は大人よ、と言
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汚れなき抱擁(1960年製作の映画)

4.8

傑作すぎて最後言葉を失いました…

これは男性にとってはタブーなのかもしれませんが、多かれ少なかれ、こういう苦悩を抱えた人って結構いると思います。
軽々しく笑えない深刻問題。
愛が深すぎると神聖で、高
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ムアラフ 改心(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

そこはかとなく優しい映画。一見ひねくれていても、みんな心に愛を持ってるんだな、生きるって素敵なことだな、って思わされる。

人に優しくありたいというのが、私のここ数年の行動目標なのだけど、本当に優しい
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プラハ!(2001年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

始まりのダンスホールシーン、歌も始まり方も良いです。Ginaって名曲がありますが、この世界感にドンピシャで、この古き良き感と刹那感に弱い私は、何故かここでジーンとくる。そして中盤以降までは、ひたすらキ>>続きを読む

サテリコン(1969年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

音楽で、各パートを1つずつ聴き、最後に全体を聴くととんでもない調和と個々の力を感じるという聴き方がありますが、その映画版をやれそうです。キリないのでやりませんが‥‥
そのくらい、画面上に映りこむ人達細
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甘い生活(1959年製作の映画)

4.4

長いですよね~。だから観るのためらってました。でもやっぱりいいんです、フェリーニの作品は長くても。

これまた名シーンのオンパレードです。
フェリーニ作品はほんと中毒になる。何にこんなに囚われてるのか
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

一件目の大量殺人シーンまで(たぶん15分くらい)が異様にかっこいい。音楽も含め。インダストリアル。

自然音でリズムが刻まれるという、実験的で、おもしろいシーンが続いた後、殺しに出かけるシーンのかっこ
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パリ、夜は眠らない。(1990年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

たまたまnetflixで見つけて、willey ninjaが出ているというので観ました。

『あたしはninjaだから、ハウスごと日本に連れていきたい、世界のどこに行っても知られている有名人になりたい
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カフカ 田舎医者(2007年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ぐにゃーんビョーンとしています。このタッチが好きかどうかは好みが別れるところ。
雪のしとしと感上手。

20分うじうじしている医者が不気味に描かれます。人のせいにばかりして、しけてますなー、と思ってた
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アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

4.1

どこまでが本当でどこからが虚構なのか分からない。

65年にインドネシアで起こった大虐殺について、死人に口なしというもので、生き残った、しかも加害者からの一方的な語りでは判断しきれないところもあります
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