バジリコさんの映画レビュー・感想・評価

バジリコ

バジリコ

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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.4

睡眠を大事にする完璧主義で神経質な殺し屋が自分のミスの後始末をする話。

淡々とした主人公がカッコ良い。どんなにカッコ良いモノローグでも初っ端ミスってるからどこか滑稽にみえる。

尺はちゃんと120分
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

大抵の名作はいつまでも色褪せないものだが、本作はどこか古臭く感じてしまった。

脚本は良く出来ている。運命共同体となった2人の女の逃避行劇。

折り返し地点でグッと面白くなる。テルマが強盗をして覚醒し
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赤ひげ(1965年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの1本。

物凄く重たい題材なのに、最高のエンタメ作品に昇華されている。脚本がとにかく素晴らしい。服を着替えるだけでキャラの心情の変化を見事に描写している。台詞の掛け合いはどれも良い
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

この手のシチュエーション映画ではドンデン返しがつきものだが、ちゃんと意味のある意外な展開だった。ただビックリするだけでは無く、主人公の葛藤に突き刺さるものだった。

本日休診(1952年製作の映画)

4.8

日本名作シナリオ選に収録されている1本。


医は仁術。

『明日は「本日休診」の札をかけてゆっくり休みたい』という冒頭のナレーションからすでに面白い。ドタバタ劇ですよというフリになっている。

よく
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.2

ゾンビがいない終末世界のような世界観。

「記録するだけ」を主眼に置いた作品なので余計な説明描写がない。何故内戦が始まったのか、内戦後はどうしたいのかという「思想」も出てこない。唯一挙げるとしたら、大
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少年(1969年製作の映画)

3.5

ひたすら少年が歩く。ロードムービーと言われればそうだが、こんな旅は嫌だ。

少年と母の心の距離が縮まっていく感じが微笑ましかった。

あと画が良い。撮影は吉岡康弘・仙元誠三の2人がクレジットされている
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

心温まる優しい喜劇映画。物語の筋がシンプルでとても観やすい。

ロードムービーのお手本みたいな脚本で、道中で色々なエピソードを織り交ぜながらも、ずっとメイン2人から目を離させないような作りになっている
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(2023年製作の映画)

3.3

アウトレイジに恋愛模様を入れ込んだ怪作。役者陣の芝居がコント風なので気軽に観られる。首が沢山飛ぶのはご愛嬌。

山猫(1963年製作の映画)

4.3

時代の変革期、主人公は新しい時代に居場所がない「古い人間」として、自ら身を引くことを選ぶ。
豪華絢爛な舞踏会はその迫力に圧倒されるが、一方で老いと死を纏って孤独を感じる主人公を執拗にあぶり出す。その対
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夫婦善哉(1955年製作の映画)

4.0

日本名作シナリオ選 鑑賞シリーズ

割と本編と掲載シナリオに違いがみられる。シナリオより本編の方が親切になっている。例えば、柳吉の嫁が死んだあと、蝶子が縁結びの神社にお参りする際、本編では「おおきに」
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.2

タランティーノ作品で一番お気に入り。

「監督がこの映画に込めたメッセージ」史上、最も心に刺さった。

ただ、あの事件を知らない人が観るとなんのこっちゃとなる。アメリカ人ならともかく、今の日本人は知ら
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.0

ディナー作戦、決行!

20年ぶりに観たら思い出補正が強くてかなり面白かった。気持ち良く終わるが、この後主人公達がどんな目にあうかを考えたら恐ろしい。CIA長官のサインを偽造して架空の作戦を実行するな
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キネマの天地(1986年製作の映画)

3.2

この映画は本編よりも、制作に至る経緯、登場人物のモデル、スターのカメオ出演、当時の蒲田撮影所の雰囲気等々の裏話の方が興味深い。


主人公が誰なのかピンと来なかった。物語は小春を追っているが、最後はお
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.4

今までのジブリ作品を1つの鍋で煮詰めたような作品だった。

そのなかで青サギという新しいスパイスが良い仕事をしていた。

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

2.4

観たら頭が悪くなりそうなバカ映画。思っていたよりは楽しめた。

冒頭、現代の高校生達が戦国時代の野武士に蹂躙されていくシーンはショッキングで絶望感があった。凄惨な描写も多く、ツカミとしてはかなり良い感
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ある男(2022年製作の映画)

3.0

ミステリー要素はおまけでヒューマンドラマに比重を置いている。この題材ならそうなるだろう。丁寧な描写の積み重ねのおかげで見応えがあった。


自分の人生が嫌で他人になりたいって思うのは、多くの人が共感出
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青べか物語(1962年製作の映画)

4.7

ロケーションが最高。すでに失われた、あの時代のあの時しかない瞬間を切り取っている。

登場人物が多くて様々な物語が綴られるが、よくある群像劇のように、あの話がこの話の伏線となって繋がって最終的にクライ
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.4

あまりにもソツがない作品。

本作のように、結末が分かっている伝記ものはどういう切り口で語るかが勝負だ。本作は変な小細工を入れずに、誰もが知っている物語をそのまま語っている。もはや絵本のお伽話に近い。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

ヘンテコな作品だが、ストーリーに求心力がある。脚本の力だろう。多次元宇宙という、作り手の想像力が試される壮大な設定と現実世界の身近な葛藤を上手く融合させている。

仕事、反抗する娘、夫婦仲、父親との確
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「善処する」

たった一言で全部ひっくり返してご都合主義的なハッピーエンドを迎えているが、この力技は嫌いじゃない。アリだと思う。

「実は時代が違っていた」的な話について、『君の名は。』ではかなりツッ
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

制作陣の仕事が素晴らしい。
『シベリア抑留というヘビーな題材を老若男女に向けた商業映画に』という発注に完璧に答えている。生々しい残酷描写を抑え、ヒューマンドラマに比重を置いた脚色は上手い。皆大好きペッ
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.6

きっと原作は面白いのだろうなと感じた。相変わらず安っぽいテレビ映画の作り。

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.3

春の湯温泉のお湯は『誰』も拒まない。


「え?本当に誰も?」と意地悪な映画制作陣が、主人公にとって最悪なオリジナルキャラクターを旅館に寄越す。
当然、ストーリーの構成上、主人公が受け入れなければ映画
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.6

前作同様、ドラマシリーズのファンへ向けた贅沢なおまけ程度の内容かと思っていたら…

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

中盤辺りで謎の飛行物体の真相が判明した瞬間、ジャンルが急旋回する。そこからは怒涛の伏線回収と目まぐるしい展開でラストまで一気に駆け抜ける。

意味深な描写が多いが、改めて観返すとシナリオに無駄がない。
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

どこぞの辺境の地で暮らす部族のドキュメンタリーを4Kテレビの超美麗映像で見た気分。ただし、その辺境の地も部族も現実には存在しない。

・ドルビーシネマ
・ハイフレームレート
・3D
・吹き替え
で鑑賞
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鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)

1.6

杏が下手過ぎる。

何故負け戦と分かっていて「鹿の王」の映像化に挑んだのか。原作の魅力を1%も引き出せていない。駄作。

SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.5

前作同様、日本語吹き替え陣が素晴らしい仕事をしている。

クレイ・キャロウェイのパートはもう本当にベタベタな王道で予定調和でひねりも工夫もないが、ステージに登場した瞬間、鳥肌が立ち、作中で一番感動した
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

ワンアイディアの勝利。
コンサートのあの演出が、この作品を特別なものにしている。オリジナル版のフランス映画「エール!」でも同じ演出だったので、きっとここがリメイクの決め手になったに違いない。それだけ、
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

3.9

戦争✕歌✕仏教という取り合わせ。
親和性が高く、上手くブラッシュアップされている。

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.5

宗教上の理由で武器を持つことを拒否した兵士の英雄譚。

プロットがシンプルで面白い。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年製作の映画)

3.8

冒頭、主人公の晴れ舞台から始まるが、妙な違和感を覚える。それは主人公の表情だ。
そして、ラストに全く同じシーンが出てくる。そこでは観客はすでに主人公の表情の意味を知っている。

実話を基にした伝記映画
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兵隊やくざ(1965年製作の映画)

4.3

「大宮は絶対に脱走しない。俺はあいつを見捨てても、あいつは俺を見捨てない」

最高のバディ映画。ラストの有言実行ぶりが痛快。