バジリコさんの映画レビュー・感想・評価

バジリコ

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ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

3.7

面白いが、前作と比べると見劣りする。
スケールを大きくしてストーリーを複雑にし、主人公以外の人物にスポットライトを当てるという、続編らしいつくり。前作はシャープで緊張感があったが、今作はだいぶテイスト
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娘・妻・母(1960年製作の映画)

4.3

胸がギュッと締め付けられる終わり方。余韻が凄い。

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.3

名作。

ダメ男達のせいで散々な目に遭うバーの雇われママ。でも最後は階段を駆け足で上る。

以下はそのときのト書き。
『なんのためらいもなく上って行く。上りきって、髪を直し、襟のあたりをつくろうと、サ
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銀座化粧(1951年製作の映画)

4.2

物語が動き出すのは後半から。前半は当時の銀座とそこに暮らす市井の人々の紹介ムービーみたいなもの。

主人公が恋をして別人のようにぱぁっと明るくなるのが微笑ましい。現実は残酷だが、そんなものだろう。
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陪審員2番(2024年製作の映画)

3.5

思っていた終わり方じゃなかった。イーストウッド監督なりの警鐘なのだろうか。

荒唐無稽な話もこれだけ丁寧に作られると重厚なドラマになる。

トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.0

みんな大好きバンブルビーが活躍したから満足。

頑張って人間の役割をねじ込んでいるけど、邪魔。今までみたいに添え物でいい。

と思っていたら、続編でG.Iジョーとクロスオーバーすることが発表されていた
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.9

映像は迫力満点。一方でストーリーは少しおざなりに感じた。

続編というか完結編としての側面が大きい。グラディエーター(剣闘士)というタイトルを冠しているのであれば、タイマンで熱い展開を観たかった。それ
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デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

3.5

X-メンネタがさっぱり分からなかった。でも悪ノリは毒気が増してて面白かった。散々マルチバースを擦ってきたマーベルなのに「過去の修正なんか必要ない」というシンプルな正論が出るなんて。

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

3.9

自分らしさを獲得するって難しい。

前作は画期的なアイデアと最高水準の脚本により傑作だった。今作は思春期という、一番オイシイ題材。前作よりも「感情」をより複雑に、より理屈的に描写していて続編としてのハ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

睡眠を大事にする、完璧主義で神経質な殺し屋が自分のミスの後始末をする話。

淡々とした主人公がカッコ良い。どんなにカッコ良いモノローグでも初っ端ミスってるからどこか滑稽にみえる。

尺はちゃんと120
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

大抵の名作はいつまでも色褪せないものだが、本作はどこか古臭く感じてしまった。

脚本は良く出来ている。運命共同体となった2人の女の逃避行劇。

折り返し地点でグッと面白くなる。テルマが強盗をして覚醒し
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赤ひげ(1965年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの1本。

「人間の一生で、臨終ほど荘厳なものはない、それをよく見ておけ」

物凄く重たい題材なのに、最高のエンタメ作品に昇華されている。脚本がとにかく素晴らしい。服を着替えるだけで
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

この手のシチュエーション映画ではドンデン返しがつきものだが、ちゃんと意味のある意外な展開だった。ただビックリするだけでは無く、主人公の葛藤に突き刺さるものだった。

本日休診(1952年製作の映画)

4.8

日本名作シナリオ選に収録されている1本。


医は仁術。

『明日は「本日休診」の札をかけてゆっくり休みたい』という冒頭のナレーションからすでに面白い。ドタバタ劇ですよというフリになっている。

よく
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.2

ゾンビがいない終末世界のような世界観。

「記録するだけ」を主眼に置いた作品なので余計な説明描写がない。何故内戦が始まったのか、内戦後はどうしたいのかという「思想」も出てこない。唯一挙げるとしたら、大
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少年(1969年製作の映画)

3.5

ひたすら少年が歩く。ロードムービーと言われればそうだが、こんな旅は嫌だ。

少年と母の心の距離が縮まっていく感じが微笑ましかった。

あと画が良い。撮影は吉岡康弘・仙元誠三の2人がクレジットされている
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

心温まる優しい喜劇映画。物語の筋がシンプルでとても観やすい。

ロードムービーのお手本みたいな脚本で、道中で色々なエピソードを織り交ぜながらも、ずっとメイン2人から目を離させないような作りになっている
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(2023年製作の映画)

3.3

アウトレイジに恋愛模様を入れ込んだ怪作。役者陣の芝居がコント風なので気軽に観られる。首が沢山飛ぶのはご愛嬌。

山猫(1963年製作の映画)

4.3

時代の変革期、主人公は新しい時代に居場所がない「古い人間」として、自ら身を引くことを選ぶ。
豪華絢爛な舞踏会はその迫力に圧倒されるが、一方で老いと死を纏って孤独を感じる主人公を執拗にあぶり出す。その対
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夫婦善哉(1955年製作の映画)

4.0

日本名作シナリオ選 鑑賞シリーズ

割と本編と掲載シナリオに違いがみられる。シナリオより本編の方が親切になっている。例えば、柳吉の嫁が死んだあと、蝶子が縁結びの神社にお参りする際、本編では「おおきに」
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.2

タランティーノ作品で一番お気に入り。

「監督がこの映画に込めたメッセージ」史上、最も心に刺さった。

ただ、あの事件を知らない人が観るとなんのこっちゃとなる。アメリカ人ならともかく、今の日本人は知ら
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.0

ディナー作戦、決行!

20年ぶりに観たら思い出補正が強くてかなり面白かった。気持ち良く終わるが、この後主人公達がどんな目にあうかを考えたら恐ろしい。CIA長官のサインを偽造して架空の作戦を実行するな
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キネマの天地(1986年製作の映画)

3.2

この映画は本編よりも、制作に至る経緯、登場人物のモデル、スターのカメオ出演、当時の蒲田撮影所の雰囲気等々の裏話の方が興味深い。


主人公が誰なのかピンと来なかった。物語は小春を追っているが、最後はお
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.4

今までのジブリ作品を1つの鍋で煮詰めたような作品だった。

そのなかで青サギという新しいスパイスが良い仕事をしていた。

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

2.4

観たら頭が悪くなりそうなバカ映画。思っていたよりは楽しめた。

冒頭、現代の高校生達が戦国時代の野武士に蹂躙されていくシーンはショッキングで絶望感があった。凄惨な描写も多く、ツカミとしてはかなり良い感
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ある男(2022年製作の映画)

3.0

ミステリー要素はおまけでヒューマンドラマに比重を置いている。この題材ならそうなるだろう。丁寧な描写の積み重ねのおかげで見応えがあった。


自分の人生が嫌で他人になりたいって思うのは、多くの人が共感出
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青べか物語(1962年製作の映画)

4.7

ロケーションが最高。すでに失われた、あの時代のあの時しかない瞬間を切り取っている。

登場人物が多くて様々な物語が綴られるが、よくある群像劇のように、あの話がこの話の伏線となって繋がって最終的にクライ
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.4

あまりにもソツがない作品。

本作のように、結末が分かっている伝記ものはどういう切り口で語るかが勝負だ。本作は変な小細工を入れずに、誰もが知っている物語をそのまま語っている。もはや絵本のお伽話に近い。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

ヘンテコな作品だが、ストーリーに求心力がある。脚本の力だろう。多次元宇宙という、作り手の想像力が試される壮大な設定と現実世界の身近な葛藤を上手く融合させている。

仕事、反抗する娘、夫婦仲、父親との確
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「善処する」

たった一言で全部ひっくり返してご都合主義的なハッピーエンドを迎えているが、この力技は嫌いじゃない。アリだと思う。

「実は時代が違っていた」的な話について、『君の名は。』ではかなりツッ
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

制作陣の仕事が素晴らしい。
『シベリア抑留というヘビーな題材を老若男女に向けた商業映画に』という発注に完璧に答えている。生々しい残酷描写を抑え、ヒューマンドラマに比重を置いた脚色は上手い。皆大好きペッ
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.6

きっと原作は面白いのだろうなと感じた。相変わらず安っぽいテレビ映画の作り。

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.3

春の湯温泉のお湯は『誰』も拒まない。


「え?本当に誰も?」と意地悪な映画制作陣が、主人公にとって最悪なオリジナルキャラクターを旅館に寄越す。
当然、ストーリーの構成上、主人公が受け入れなければ映画
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.6

前作同様、ドラマシリーズのファンへ向けた贅沢なおまけ程度の内容かと思っていたら…

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

中盤辺りで謎の飛行物体の真相が判明した瞬間、ジャンルが急旋回する。そこからは怒涛の伏線回収と目まぐるしい展開でラストまで一気に駆け抜ける。

意味深な描写が多いが、改めて観返すとシナリオに無駄がない。
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