KSatさんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー(1974年製作の映画)

3.2

タランティーノの「デス・プルーフ」に影響を与えた映画として知られるが、想像以上に似た場面が多かった。

「ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー」というタイトルから、セックスとバイオレンスに彩られたド偉
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

2.9

手持ちで寄るあの撮り方は多分、カサヴェテスを意識してるんだろうが、そこまでリズムのあるカッティングではないし、微妙な表情の変化とかに欠ける。

いわゆる普遍的な噺にしたのだろうが(同じようなストーリー
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素晴らしき日曜日(1947年製作の映画)

4.0

黒澤明による、素晴らしき「ランデヴー」映画。

間延びする場面がいくつかあるのは確かだが、この映画では多くの場合、間延びした分、その後に美しい情景が展開されるため、意外と苦にはならない。
野球の場面や
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コッポラの胡蝶の夢(2007年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論あるだろうし、解りにくい噺だけど、これは凄いよ。

ティム・ロスという主役にするにはちょっとアレな俳優をあえて起用したり、全体的に安っぽいメロドラマのような作りではあるが、 まさに「胡蝶の夢」
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赤頭巾ちゃん気をつけて(1970年製作の映画)

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日比谷高のおぼっちゃまが、東大目指してダラダラしてる映画。
1970年という時代をそのまま描いているが、あまりにも臭すぎて途中で観る気が失せた。

ペギー・スーの結婚(1986年製作の映画)

2.2

だいぶ前に観た。

60年代にタイムスリップするっていう、アメグラやBTTF的なノスタルジーはあるが、まあつまらない。コッポラは当たり外れが激しいな、と思った。

ソフィア・コッポラはこの頃から既にブ
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.1

噂には聞いていたが、「想像してたんとちゃう」感は想像以上だった。

前半のテンポいいモンタージュとか楽しいし、ベイマックスが強くなってく過程とか面白いけど、後半が中途半端にアベンジャーズみたいで、「お
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ファール・プレイ(1978年製作の映画)

3.0

いかにもって感じのコメディ。
ヒッチコックのパロディに満ちた映画かと思ったら、割と後半はフツー。ゴールディ・ホーンが可愛い。ダドリー・ムーアがアホ。

パラサイト(1998年製作の映画)

4.0

確かにロドリゲスらしさはやや希薄だが、なかなか面白い!

まず、学園モノかと思いきや、途中からボディースナッチャーになっていくっていう、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」的な訳分からなさ。シナリオにロ
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ソフィア・コッポラは大嫌いだが、この映画は良かった。70年代が舞台だからか、いかにもな小道具やファッションをそこまで見なくて済むし、むしろ70年代の再現がかなりリアル。

キルスティン・ダンストも、流
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

4.1

恋人のために金策を練って、失敗する度にやり直しが効く、ゲームみたいな映画。トム・ティクヴァの出世作としても知られるが、やっぱりドイツ語って、神経に障る発音してるなー、という印象が強い(これはティクヴァ>>続きを読む

PicNic(1996年製作の映画)

1.5

黒いカラスみたいなCharaが塀の上を走り回るだけで、凄く映画になるはずなのに、ちょくちょく現れる「先生」とか、聖書やら神父やらのせいで、単なるクソキモい中二メルヘンになっている。浅野忠信もかなり微妙>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

4.5

西部劇というジャンルの集大成ともいえる、セルジオ・レオーネ渾身の一大叙事詩。

強き女カルディナーレ、それを護るチャールズ・ブロンソンとジェイソン・ロバーズ、彼らをつけ狙うまさかのヘンリー・フォンダの
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タンスと二人の男(1958年製作の映画)

4.2

ポランスキーの学生時代の作品。台詞なし。

海から出てくる男二人が衣装ダンスを運ぶだけで、ある種のドラマ性は希薄だが、鏡を使ったり、猫が出てきたり、幾何学模様が楽しかったり、理屈抜きに楽しい活劇として
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.1

完全なる管理下における恋愛と、自然界の下での自由な独り身。独身になった途端に現れる、二つの世界。

シュヴァンクマイエルの「ルナシー」をも髣髴とさせる、この極端に対立した世界を行き来する人々には、もは
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.7

冒頭の「駅馬車」のパロディのような一連の茶番を見ていると、会話の長ったらしさは、どうやら日本の歌舞伎もアメリカの昔話も変わらないらしい。国を問わず、昔の人はアホみたいに喋る。

そして期待を裏切らず、
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十五才 学校IV(2000年製作の映画)

3.3

中学の時、理科の時間で単元が予定より早く終わり、教えることが見当たらなくなった先生が暇つぶしにみんなに観せてくれた映画が、なぜかこれだった。

ヒッチハイクで屋久杉を見に行く引きこもり少年の噺だったが
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愛すべき女・女(め・め)たち(1967年製作の映画)

3.0

人類の歴史と娼婦の関係性を題材に、伊・仏・独の監督たちが作った、艶笑オムニバス。いわゆる「イタリア式コメディ」を、ドイツのプロデューサーが真似したもの。

どう考えても最後のゴダール篇が浮いてる。他の
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

4.4

いやはやこんなのアリかよ、っていう映画。前に観て映画館出た時、どう評価すべきかわからなかったのを覚えてる。

ハチャメチャながらも背筋が凍るような、凄まじい噺で、他のどのアルモドバルの映画ともまた違う
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しらんぷり(2012年製作の映画)

2.5

だいぶ前に観た。
個人的にこの絵本のファンなので、オリジナルの絵をそのまま生かしたこのアニメを期待して観たわけだが、あの独特な、厭な、不気味な感じが見事に消えていたのが残念。

With a Little Patience(2007年製作の映画)

2.5

この人がホロコーストやアウシュヴィッツから離れて撮ったものを、早く観てみたい。

東京家族(2012年製作の映画)

2.2

「東京物語」のオマージュなのか知らんが、中途半端に小津を意識しすぎた結果、アホみたいなことになってる。
そういう作品なんだといえばそれまでだが、いっそ小津から離れた方が良かったのでは?

特に、必死に
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スティル・アライヴ(2006年製作の映画)

2.4

キェシロフスキの教え子が作った、キェシロフスキについてのドキュメンタリー。

色々な出演者や友人、スタッフへのインタビューと、生前のキェシロフスキの様子を組み合わせたもので、ドキュメンタリーとしては至
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.9

琥珀色の画面に映える、イレーヌ・ジャコブの美貌が放つ、この世のものとは思えぬ幻想性。

改めて観ると、かなり主観的な画面が多く、解り易い画作りなんだが、物語自体は何度観ても簡単には飲み込めない作りにな
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苺とチョコレート(1993年製作の映画)

4.3

だいぶ前に母の友人に勧められて観た。今のところ唯一観たキューバ映画。社会主義者の学生とゲイの芸術家との交流。

なんてこともない噺だし、90年代とは思えぬハバナの風景は美しいとはいえないが、ホルヘ・ペ
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サウルの息子(2015年製作の映画)

3.6

結局のところ、悲劇的なことはフォーカスの外にある。
この映画は極めて狭いアスペクト比の、それも被写界深度の浅い窓の外に何があるか、何が聴こえるか、ということに徹した映画であって、それ以上でもそれ以下で
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.3

いつ観ても、何言ってんのかわかんねえよ松田優作。

浮草(1959年製作の映画)

4.2

小津が撮った唯一の大映映画。故に、撮影はいつもの厚田雄春ではなく、あの宮川一夫。

なので、いつもは見られない雨の場面や俯瞰のカットがある。更にいうと、泣きの場面や殴る場面、キスシーンなどもあり、小津
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お早よう(1959年製作の映画)

4.3

ある意味、アントニオーニの映画に通じる、ついに何も起こらない映画。

「お早よう」という題からして、なんだか凄いんだけど、長屋の人のさもない日常をここまで面白くやるわけだから、凄い。
ユーモアといえば
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東京物語(1953年製作の映画)

4.3

原節子の嗚咽、淡々となだめる笠智衆。

「東京物語」という明るい題名とは裏腹に、描かれている噺は残酷極まりなく、空恐ろしい。

晩春(1949年製作の映画)

4.1

この時代の鎌倉〜茅ヶ崎迄何にもないんだなっていうことに吃驚。

笠智衆と原節子の父娘関係が、しかしながら意味深。

悪の華(2003年製作の映画)

4.0

ダミアの「Un souvenir」が流れる中、ゆっくりと階段を昇るカメラ。これだけでも見事。

主人公の従姉妹で恋人のメラニー・ドゥテが、ブス可愛い。

最後の賭け(1997年製作の映画)

3.7

「トスカ」のクライマックス部をやたら大音量で流すマフィアのくだりが凄まじいが、それ以外はアホ。ヒッチコックらしくはあるが。

引き裂かれた女(2007年製作の映画)

4.3

リュディヴィーヌ・サニエがただひたすらにアホっぽいが、ブノワ・マジメルも負けじと、アホ。

終わり方が意味不明すぎて映画館で爆笑した記憶。