まず、デトロイトである。
かつてはGMで栄えたが、今やそれが破綻し、失業者であぶれ、治安が悪化し続け、人口流出が止まない。そんな中、カリフォルニアに脱出する資金を貯めるため、空き巣を繰り返す主人公た>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
妙に面白い。
前半と後半で大きく違うと聞いていたし、オープニングに有名なファンファーレは鳴らないし、あのオープニングクロールはなかったが、そこまで違和感はなかった。
前半は前半で、時間や場所、状況説>>続きを読む
ヒッチコックを1本も観たことがない中学生の弟がこの映画を観た後、ヒッチコックが観たくて観たくてしょうがなくなってしまっていたので、成功しているんじゃなかろうか。
トリュフォーのインタビューに一週間も>>続きを読む
嫌だなあ、こんな旅行。
つげが原作という触れ込みだが、実際はちょっと触りだけ真似ただけで、完全に山下敦弘の映画。近藤龍人による寒くて湿度が高い日本の冬景色が、本当に観ていて寒い。
男二人に女ひとり>>続きを読む
アントニオーニの映画の中でも、その表現が極致に達した、逸品。
冒頭の長い「無言」と、伝説的なラスト10分の「不在」に挟まれた二人の関係はしかし、「永遠の愛」などというようなものでは決してなく、アント>>続きを読む
田舎って怖いよね、っていう普遍的な前提が根底にあり、最初の方で不気味なジジイが何かしらの警告をしてくるし、イチャつくカップルが割と始めの方で殺されるし、なんやかんやで女が生き残るあたり、今観るとベッタ>>続きを読む
ゴミ。もし「ライフ・おっ・ぱい」っていうavがあったなら、そっちのが面白いに違いない。
映像美を追求したんだか知らんが、一周回って、NHKのEテレでやってる海外のティーン向けのドラマとかドキュメント>>続きを読む
全くわからない各人物の設定と関係性、空間内での動きなど、ある種の舞台らしい抽象性が強いが、物凄くストレートな、容赦ない愛の表現が見られる。正気の沙汰とは思えない無茶苦茶な噺。
ブリュノ・ニュイッテン>>続きを読む
これは子供向けじゃないよなあ。
シュヴァンクマイエルといい、トルンカといい、チェコの人は体制批判をいかにメタファーを用いて描くか、という点で本当に長けていると思う。
親子の確執を北京の発展と重ねて描いた奥深い一作。
画家になる人生を息子に強要する父を、人々をがんじがらめにし続けた中国共産党に重ねる合わせることも出来るかもしれないが、結局、最後には、ジャン・シャオ>>続きを読む
当時16歳とは思えぬピーターの美貌、突き刺すようなモンタージュや鈴木達夫の撮影、合間合間のインタビューによるメタ表現や唐突な淀川長治など、アングラらしいアングラを地で行くような、安心して観れるアングラ>>続きを読む
再見。
社会主義と資本主義に挟まれた冷戦下のベルリンで昏睡状態になった母が再び目覚めた時、ベルリンは資本主義で統一されていた...という、あながち有り得なくもない噺。
そもそもお母さんが倒れたのっ>>続きを読む
若い頃のグレン・ミラーも関わりがあった実在のコルネット奏者・レッド・ニコルズの成功と家族との不和、復活を描いた伝記映画だが、良い意味で物語を音楽が凌駕しており、見応えがある。もはや「ファンタジア」のよ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
三角形の食卓に始まるこの映画は、田畑智子のデビュー作だ。本作での彼女は、今と全く変わらないその可愛らしい見た目とは裏腹に、何をしでかすかわからない恐ろしさを秘めた、爆弾のような存在である。この時点で、>>続きを読む
前半、タルコフスキーもスウェーデンで映画撮るとやたらベルイマンみたいに舞台っぽく、雄弁になるんだな、と思いきや、いざミルクがバシャンとこぼれ落ちた途端、とんでもない映画になる。
ヨーロッパの古地図を>>続きを読む
台湾人のスイカ好きを描いた夏らしい映画かと思ったら、そんなことはなかった。
静かでしんみりとした固定カメラで描かれる淡々とした室内の情景は、広角レンズで長々と撮られ、ひんやりとしている。
だが、そこ>>続きを読む
再見。
確かに恐るべき一作ではある。
繰り返される火、雨、海のイメージ、バッハのコラール「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」、静謐な空間描写、ルネサンス絵画を思わせるようなナタリヤ・ボンダル>>続きを読む
ジョン・ウォーターズもびっくり。鮮烈なイメージと驚異的な美しい映像で綴られる親子三代の性癖、そこから見える、社会主義とコレステロールの国・ハンガリーの姿。
シュヴァンクマイエルほどのメタファーや幻想>>続きを読む
実に不可思議で、ジワジワくる怪奇映画である。この手の物質的に何も不足ない閉ざされた空間での恐怖や絶望というのは様々な種類の映画で扱われているが、これはその中でもかなり厭な類のものではないだろうか。>>続きを読む
再見。
ヌーヴェルヴァーグへのオマージュと60年代的なフリーセックスについての映画。
姉弟の住むアパートの部屋が廊下が長くて奥まっていて、子宮を連想させる。半ば子供みたいに振る舞いながらそこから出>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
あのロッシ・デ・パルマが「家政婦のおばさん」になっていることにショックを受けたが、相変わらず鼻はデカく、ピカソの絵のようだった。
正確には、「ジュリエッタ」でなく、「フリエタ」なのは周知の通りだ。>>続きを読む
噂には聞いていたし、うちの大学の教授がベタ褒めしてたし、生まれて初めて来た浜松であまりにも暇だったから、どんなかと思って観てみた。
要するに、「インターステラー」みたいにめちゃくちゃ壮大な「転校生」>>続きを読む
個人的な話だが、若い頃の父親が少しダスティン・ホフマンに似てるので、この映画には必要以上に感情移入してしまう。
なんやかんやでいい映画でしょこれは。
確かに90年代に量産されたヒューマンドラマらしいヒューマンドラマで、臭さがあるのは否めないが、フォレストをアメリカそのものとして見ると、なかなか巧いおとぎ話では>>続きを読む
観終わってから考えると、主人公があくまで「ゴースト」である点が徹底されているところは凄いが、結局何もわかりやしない。「チャイナタウン」と同じだ。
ベルリンで賞を取るほどの映画だとは思わないが、宙を舞>>続きを読む
ブチ切れすぎて鶏みたいになっているジョディ・フォスター、もはやトロールにしか見えないジョン・C・ライリー、フランシス・ベーコンの画集にゲロをかけることでより新しい抽象絵画の手法を編み出したケイト・ウィ>>続きを読む
だいぶ前に観たが、全体的に悪くはない。
次作「ニューヨーク、アイラブユー」がつまらないのに比べると、かなり粒ぞろいではある。
グリンダ・チャーダ、コーエン兄弟、クリストファー・ドイル、イザベル・コイ>>続きを読む
観ていてしんどくなるタイプのガス・ヴァン・サント映画。
相変わらず若い男の子を扱うのは巧いが、なんでフェリーニのサントラやたら使うの?
スラブ人特有の単純明快なバカ騒ぎだが、それで片付けるにはあまりにも面白い!
犬や猫、鶏が出てきて、やたら大口開けて笑う金髪のお姉ちゃんがヒロインで、おじいちゃんおばあちゃんから孫までみんな出てきて、>>続きを読む
レコードを使ったやり取り、道路を逃げ回る子供たち、国境地帯のフェンス、霧、バス、詩人、アコーディオン、空、海。
幾度となく頭に流れる旋律、室内からバルコニーを通りゆっくりと浜辺に降りてゆくキャメラ、>>続きを読む
テンポよく、鮮やかに展開されるサスペンスは、なんていうことはないが、ロンドンの雰囲気や風俗、あるいは顔を生かしてこうも皮肉で、厭な噺が書けるんだから、ウディ・アレンはなかなか器用だ。
ユアン・マクレ>>続きを読む
スコセッシ、コッポラ、ウディ・アレンの三人がニューヨークをモチーフに作ったオムニバス。
それぞれがアルメンドロス、ストラーロ、ニクヴィストという名カメラマンと組んでいるのに、映像は特に印象に残るわけ>>続きを読む