KSatさんの映画レビュー・感想・評価

KSat

KSat

大阪の大学で映画を学んでいた。現在は都内に勤務。
よく、前に観た映画にレビューを書き加えたりします。

好きな監督:キューブリック、リンチ、ブレッソン、シュヴァンクマイエル、ハネケ、ヘルツォーク、アントニオーニ、ブニュエル、キェシロフスキ、ロメール、ルコント、タランティーノ、ゴダール、アルモドバル、コーエン兄弟、カーウァイ、ギドク、バートン、ウィーラセタクン

映画(1365)
ドラマ(0)

飢えたライオン(2017年製作の映画)

1.0

ハネケの「コード・アンノウン」のパクリ。しかし、こちらは台詞が死ぬほど陳腐で、何ら惹かれる場面がなく、適切に引いた画のメリハリがなく、不必要なカットが多く、SNSをモチーフとしながらもスマホが出てこな>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

2.1

ルイーズ・ブルジョワみたいな蜘蛛を出すことで、退屈な物語が一気に面白くなる、ということはない。

残念ながらメタファーとしての機能が充分に果たせていないため、思わせぶりなだけの、至極退屈な映画になって
>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

噂には伺っていたが、冒頭のレストランでの場面は、想像以上にカサヴェテスだった。いつまでも続くクローズアップの連続はしかし、必ずしも「喋っている人」を映し出してはいない。これは偉いと思った。もっとも、カ>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

すごく面白い。が、「お前、ホントはこういうのが撮りたいんだろ?」と濱口竜介に言われているようで、悔しい思いをさせられる一作。

スローで撮られた出会いの場面の癇癪玉の煙と切り返し、そこからのキスは、あ
>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

ぼんやりとしながらも時折暴力性を覗かせる柄本佑やボーっとしている染谷将太。

しかし、石橋静河の顔がとにかく好い。こんなにアップになった時の顔がすごい人は久しぶりに見た。

なんていうこともない噺だっ
>>続きを読む

ぼくの大切なともだち(2006年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ルコントの映画は不細工な中年と癖のある美女の奇妙な恋愛を描いたものと、男同士の友情を描いたものとに大別できるが、これは後者の極北だろう。

ダニエル・オートゥイユ演じる美術商フランソワがその傲慢な性格
>>続きを読む

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「マルホランド・ドライブ」や「仮面/ペルソナ」、「めまい」といった映画の系譜に連なるような、フランソワ・オゾンのスリラー。

螺旋や円、三毛猫、双子、臓器といった魔術的な要素が頻出するあたりがいかにも
>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

4.0

ハンガリーの食肉加工工場を舞台にした、片手が不自由で孤独な男と、コミュニケーションが取れない若い検査官の恋。

「アメリ」や「勝手にふるえてろ」に連なる、コミュニケーションが取れない自閉的な女性の恋と
>>続きを読む

PARKS パークス(2016年製作の映画)

3.1

相変わらず脱力しっぱなしの橋本愛の美貌やくちばしが最高すぎる永野芽郁、良いキャラしてるような気もするがやってることが最低な染谷将太が織り成す、井の頭公園を静かに讃えた映画。

よく考えたらいきなり知ら
>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

再見。以下、ネタバレ大量。

唐突に15年も監禁された男が解放され、監禁した人間を探し出し、真相を探る復讐劇。

長回しの横スクロール格闘シーン、イイダコの踊り食い、全力の犬真似、抜歯や舌の切断など、
>>続きを読む

日本脱出(1964年製作の映画)

4.3

東京オリンピックに湧く昭和39年の日本を舞台に、アメリカ行きを夢見るバンドボーイの青年が、危ないヤマに手を出したことがきっかけで意図せず次々に人を殺してゆく悲劇。

これだけだとよくある逃避行モノなの
>>続きを読む

路(みち)(1982年製作の映画)

1.7

無実の罪で投獄されたユルマズ・ギュネイが刑務所の中から助手を代理監督にして演出し、パルムドールまで獲っちゃった映画。かなり前から期待していたのだが、驚くほど退屈。

トルコの刑務所を仮出所した5人の囚
>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

-

たしかに面白かったけど、自主制あるあるが延々と続くのを見ると、色々と想うところがあるため、素直に笑えない。測定不能。

ただ、これが全国100館規模に拡大するほど異常に受けてるのはちょっと理解できない
>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一切の無駄がなく、二転三転するノワール映画としても一級ながら、その驚くべき結末により、一気に夢幻的な御伽噺と化す。ズルすぎる。

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたアニエス・ヴァルダの代表作にして、ヌーヴェルヴァーグを代表する一作として知られる名画。主人公のクレオがガン検査の結果を知るまでの2時間。

時間ごとに細かく章分けをしたり、カット割がフェ
>>続きを読む

ナイルの娘(1987年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

遠くからの部屋の撮り方、街の風景を挟むインサートの挿れ方、ネオン街など、小津的な要素はいくらかあるが、窓からの光や教室の黒板、電灯の色はまるっきり違う。そうか、これがホウ・シャオシェンか、とひと目で理>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.0

「伝奇集」に収められたボルヘスの短編を、ベルトルッチが映画化した奇作。

ファシズムに対する抵抗運動の末、何者かに殺された父。その死の真相を探る、父と生き写しな息子の彷徨。つげ義春の「ゲンセンカン主人
>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

4.4

とにかくダッサい映画ではあるが、ここまでダサさを極めてしまうともはやカッコいい、という好例。さらに、前半のコメディタッチから後半の悲劇への移り変わりは純粋にスゴいとしか言い様がない。

スタッフ5人で
>>続きを読む

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

3.5

ヴァイオリニストとして自由に生きていた黒人が騙されて拉致され、奴隷として売り払われ、12年を生き抜いた理不尽すぎる噺。

夜闇のカットなどは絵画のようだが、「SHAME」同様、元が現代アートの人だから
>>続きを読む

あ、春(1998年製作の映画)

3.6

長回しは控えめだし、キャメラは人の動きをパンで追うだけであまり面白くない。

しかし、唐突に佐藤浩市の腹に吸い付く斉藤由貴や屋上の異様な患者達、異常な盛り上がりを見せる節分の情景、冒頭からたびたび現れ
>>続きを読む

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

黒沢清の「ニンゲン合格」の下敷きにもなった、サム・ペキンパーの怪作。

以下、ネタバレを含むが、両作を比較すると、以下のような共通したプロットが見られる。

・最後まで明確にされない主人公の過去
・主
>>続きを読む

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

3.4

90年代のサクセスストーリー系の映画を観ているかのよう。新作映画を観た気がしません。

タイトル詐欺かよ、と思うほど、松田龍平は泣かないし、全体的にかなり地味なつくり。最近の映画にありがちな後日談的な
>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

3.5

今見たら女の扱いが笑ってしまうほど酷いし、一から十までダッサい映画だけど、ここまで来たら逆に素敵、というタイプの映画。

松坂慶子はガチでべっぴんだし、なんだかんだでダレることがない。舞台みたいなオー
>>続きを読む

告白小説、その結末(2017年製作の映画)

3.4

ポランスキーの映画としての要素はもちろんあるが、ストーリーのテンポや時間の省略、虚実の曖昧さなどを見るに、朝安の色が強い印象。

とはいえ、「ミザリー」や「ユージュアル・サスペクツ」、あるいは「仮面/
>>続きを読む

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.2

試写会にて。

「焼肉ドラゴン」という空間の中に人が出たり入ったりする様子や動きの大袈裟さなんかを見ていると、完全に演劇。せっかく撮影が山崎裕なのに、どう撮ったらいいかわからない感じが強いし、部屋が狭
>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.0

今年一の期待外れ映画。

まず、アーミー・ハマーが明らかにおかしい。劇中で爺婆が言っていた通り、どう見てもバカなアメリカ人にしか見えず、知性も繊細さも奔放さも全く感じない。故に、なぜ主人公が彼に惹かれ
>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.9

PTA映画にしてはやや地味な印象。撮影がいつものロバート・エルスウィットやミハイ・マライメア・Jrではないからか、映像に棘がないのは少し残念(今回の映画にはDirector of photograph>>続きを読む

ルイ14世の死(2016年製作の映画)

4.1

映し出されるのはずっと寝床のまわりである。何も特別なことなど起きない。ただ、「王」がビスケットを食べ、帽子を脱いで挨拶をし、ワインを飲ませられ、水を欲し、そして死にゆくばかりである。

だが、驚いた。
>>続きを読む

一寸法師を記述する試み(1977年製作の映画)

4.0

一寸法師と呼ばれている小人が、派手な見た目の女に欲情する様を、「消しゴム」同様のビデオ加工で表現。

寺山の女性コンプレックスが凄まじすぎて、泣けてしまう。スクリーンを突き破ったり、箱を並べたりといっ
>>続きを読む

消ゴム(1977年製作の映画)

3.6

ビデオ映像の加工をして映画の新しい試みに挑んだ一作。

消しゴムの名の通り、あらゆるものが消されてゆく。忘却や死の悲しみと切なさ、暴力性が凄い。

迷宮譚(1975年製作の映画)

3.7

寺山版「どこでもドア」。最後には、ドラえもんのポケットを思わせる存在が登場している。

蒼いフィルターをかけたレンズで絞りを弄り、人や風景の細部が現れたり消えたりし、トリックによって現実の空間が迷宮と
>>続きを読む

草迷宮(1979年製作の映画)

3.7

大学の時に観たけど、あまり覚えてなくて再見。

寺山の女性コンプレックスのヤバさとエディプスコンプレックスが徹底的に表現されている。

前半の大人しさとは裏腹に、後半の見世物小屋的なブッ飛びが凄まじく
>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.3

一足先に試写会で鑑賞。

後半はかなり蛇足でダレるし、小さな役に高良健吾や池脇千鶴を配するような姑息さには呆れたのだが、その緻密な描写力はかつてない域に達したと言わざるを得ない。

明らかに汚い部屋で
>>続きを読む

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

それぞれの家族を失った元反政府軍の兵士と女性、少女が似非家族となり、フランスに難民として逃れてからの生活と「闘い」を描く。

暗闇の中からネオンカラーの猫耳がいくつも現れるタイトルが素晴らしい。

>>続きを読む

>|