ベラボーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

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余命幾ばくかのシングルファーザーの幼き息子との最期の日々。
働き保育園送り向かいし一緒に遊びご飯食べ絵本を読む。そして新しい家族を探す。
死をどう分かってもらえばいいのか。
父も若すぎて胸詰まる。
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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宿痾や業、多様性、内心の自由…勝手に期待しましたが…
食人のメタファー、それで描かんとしただろうものが個人的に合わなかったし、じゃないにしても発見がない凡庸。
食人で飾ったコギレイな青春映画でした。
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別れる決心(2022年製作の映画)

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夫転落事故死の被疑者の中国人妻と韓国人刑事のラブサスペンス&メロドラマ…を超絶技巧凝らしまくったおもしろ美しい撮影とパク・チャヌク印な歪な展開で描く”やはり”怪作そして傑作!
これまでの人工的箱庭感突
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

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価値観合わなさそうな男女が旅の過程で…
何気なさそうなエピソードの数々は通り一辺倒ではない濃淡の描き方で距離感と感情の変化もランダムでユニーク。
後味は海越え男はつらいよのサッドハッピーもありいとをか
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#マンホール(2023年製作の映画)

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結婚式前日に穴に堕ちた高スペック男の脱出スリラー。
このシンプルなプロットをほぼほぼ一人芝居快/怪演と強引さも込み込み承知のサービス盛り沢山な作劇と撮影演出創意工夫でこんなにもおもしろく👏
想定超え嬉
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

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中国辺境この世界の片隅に。
家族から厄介払いされた何も持たない2人の結婚。周囲から善意まで搾取されながらも互いに不器用に気遣い思い遣り合いながらロバと一緒に大地に麦を育て家を作り愛を育んでいく。
力強
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

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人生に負けたことある者たちの前向きな諦観と希望そして優しさが沁み。
自身も重ねながら。
佳いエピ満載も渋滞起きず”湿度管理”も絶妙。
そして。
時代の空気、キャストのリアル人生もドキュメンタルに撮り映
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対峙(2021年製作の映画)

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銃乱射事件被害者遺族と加害者遺族の対峙ではなく、それぞれが映画体感者それぞれが対峙したもの。
人の親でもない信仰身近でもない我なりに。
聞きたくない話したくない知りたくない感じたくないけど聴き口に出分
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茶飲友達(2022年製作の映画)

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客もキャストも高齢者限定の会員制売春クラブ。経営するのは若者たち。
煉獄の老いと地獄の若さが連帯する寂しい灰色家族が追う幸福の先にあるものは…
想像力も感情も揺らされまくりの社会派ピカレスクファンタジ
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

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若くして乳癌になってしまった少女だけでなく周りの人々それぞれみんなの”ままならなさ”とそれらを救えないかもだけど和らげようとするそれぞれみんなの優しさ。
切実さ実直さをカラッとユーモアで柔らかく包み描
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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1923年内戦最中🇮🇪の田舎離島。親友に突然子どもみたいな絶交をされた中年男のハの字眉毛がやがて…
悪意や狂気をこんな出来事と語り口で描けるのか!な驚きと”諍い”は得手してこういうことなのかもな妙な納
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

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聖女?ペテン師?聖なる幻視?コックリさん?どっちかじゃなくどちらもそのまま。
ペスト猛威振るう17世紀イタリア。修道女たちの虚実愛憎をヴァーホーベンがアケスケ露わに描いたパワフル怪作。
和蘭版”東映異
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

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安楽死を決めた父と最期の願いを託された2人の娘との攻防を哀しみ可笑しみ入り混じりで描くラブサスペンス。
”含み”ある人物造形と挿話が後味残しながら、題材から想像していた読後感と違う感情が生まれてきて戸
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そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

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ブニュエル皆殺しの天使や泳ぐひとや太宰治や夏目漱石やら想起しつつザ・三浦大輔な秀作人間ドラマ。
虫のように描かれる一寸の人間の五分の魂。
その残光に照らされる逃避行は温く温かい。
映画時間外の彼の人生
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スモールワールド(2021年製作の映画)

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4才で性的人身売買の被害者になった少女と彼女を救出しようとする刑事の地獄を巡りのたうつ12年間🇵🇱
「タクシードライバー」「レオン」という時代超える名作たちを乗り越えんとする、踏み込まんとする新たな傑
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扉を閉めた女教師(2021年製作の映画)

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21年城定秀夫監督作品。
同僚と不倫中の女教師と彼女に憧れるいじめられっ子男子高校生が体育倉庫に閉じ込められるお話。
何でこんな面白く書けるんだろ撮れるんだろと驚きの70分。
空気吸うみたいに無駄なく
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ファミリア(2023年製作の映画)

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想像超えの大力作👏
役所さんとブラジル人カップルに「ユリイカ」の3人重ねながら。
想像力だからこそ描ける喜怒哀楽と願い。それは現実でこそ持つべき。その強さ優しさの一抹でも忘れず離さない。
隣人を愛せよ
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恋のいばら(2023年製作の映画)

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傑作!
全カットスクリプト起こしたい。
今カノと元カノの極秘ミッションを巧みが過ぎる撮影・動作・演出・話法で描き私的城定秀夫監督最高更新。
ウォシャウスキーのバウンドやチャヌクのお嬢さんも想起。
が緩
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20世紀のキミ(2022年製作の映画)

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出会い、誤解、和解、別れ。
1999年から始まる恋と友情。
心臓患う親友の初恋を手伝う主人公の女子高生と親友の想い人とその親友と。
定番要素・ド直球な筋立てだが細部のヒネりと俳優陣の魅力でとってもキュ
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おひとりさま族(2021年製作の映画)

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カード会社電話対応成績1位、団地でひとり暮らし。他人との関わり避ける孤高の女が亡き母の相続問題や隣人の死、新人教育任される中...
涼やか端正に描かれる物語は“あるある“には陥らない。
死、妄想、想像
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終末の探偵(2022年製作の映画)

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22年映画館〆は #シネマート新宿 でこの作品って決めていました。好きに決まっている!のですが大好きでした✌︎
これくらいでええねんこれくらいだからええねんな物語テーマ描きぶり。
余白を素晴らしい役者
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

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オールタイム、未来へも届くだろう願いを平易だけど練度高いストーリーと語り口で紡いだ秀作アニメ。
辻村深月原作/原恵一監督。
年間ベスト級。
堪え堪えたけどエンドロールで涙腺決壊。とてもとても善かったで
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

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時代は10世紀。北欧のとある王国の血族の争いから物語は始まる…
ロバート・エーガス監督と何このキャスティング⁉︎な魅惑の俳優陣で届ける幻想的な復讐活劇。
超シンプル。
ひたすら野蛮でひたすら美しい。そ
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理大囲城(2020年製作の映画)

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19年香港民主化デモ。
武装警官隊により香港理工大学に追い詰めらたデモ参加者と学生を四面楚歌内部から命懸けで記録した証。
圧倒的な映像とともに登場する全員一人ひとりの思い想像しながら。
それぞれに平和
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

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ずっと昔クリスマスシーズンにTVで見たアニメとは少し違う感覚。
昔見た時よりも彼らの過ごした時間が短く感じたのは何故だろう?
俺が大人になったからかな?
教訓よりも戦争の影や相互受容、死生観を手掘りし
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渇いた鉢(2022年製作の映画)

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最愛の妻子を犯人に、顔無き“世間”によって奪われた、奪われ続けている“被害者遺族”である夫の理不尽さと遣り切れなさ(の一端)を体感する。
はずが“ドラマ/作為”あり過ぎなせいで「厭さ」が立ってしまい。
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啄む嘴(2022年製作の映画)

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日常に膿んでいる電子煙草を喫う長髪女と傷だらけ支離滅裂な裸足の短髪女の真夜中のドライブ。
宝石の夜景、朝車体に映る冬枯れ、光る煙吐く口などなど、などなど。
ナンカイイが幾つ現れる1時間。 池袋の夜、シ
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ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦(2022年製作の映画)

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火山研究に魂奪われたソウルメイト夫婦の記録。 変態(敬称)万歳🌋羨ましい生涯です。
時に美しく時に恐ろしく時にお茶目なレッド&グレーな2人。
夫婦の生きた証=映像頼りじゃなく、ナレーションはじめ演出も
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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むちゃくちゃ良かった…
心ブルっブルです。
傑作!

22.12.6鑑賞

TVアニメ未視聴。
連載リアルタイムで読んでいた以来。
ドキュメンタリー観ているようであり会場で試合体感しているようでもあり
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IDOL NEVER DiES(2022年製作の映画)

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井口昇印創意工夫のライブアイドル版「君の名は。」(?)な快作!
新しいアイドルライフスタイルが模索され続け10年選手も出てくる中、それでも離合集散が日常な世界。
誰かの犠牲ではなく“私が””今を生きる
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泥の子と狭い家の物語(2022年製作の映画)

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崩壊寸前家族の元を訪れた女性ヘルパーは救世主か悪魔か…
90年代Jホラーや某ATG作品も想起される家族劇。
ナイスな哀愁大阪ロケーションと懐かしくナマい家屋で繰り広げられる禍々しい世界は制約された制作
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光復(2021年製作の映画)

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認知症患う母と長野で暮らす42才女性が求めた幸福の涯は…
ラース・フォン・トリアーやキム・ギドクにも通じる”何か”を感じつつ #深川栄洋 監督 #宮澤美保 さんの”何か”をぶつけられ唖然。
傑作とか秀
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42-50 火光(2022年製作の映画)

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50才の脚本家と42才かつての売れっ子子役の女優は2年前に結婚した新婚。
仕事、不妊治療、両親、夫婦…男目線からのこんな体感型の映画って今まであったっけ?生々しく切実で温かくて怖くてフッて笑ってしまっ
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そばかす(2022年製作の映画)

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他者に恋愛感情も性的欲求も感じないアセクシャル女性が30迎え、今まで以上に社会的規範に縛られ、逃れようと足掻く中…
”お互い”理解しようにも「分からない」。が理解しようと想像するからこその本能超える優
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RRR(2022年製作の映画)

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イギリス植民地時代に実在した独立運動の英雄2人を出会わせ叙事詩も重ねて描く「インド”仁義しかなき”戦い」は「北斗の拳」も想起。
映画数本分もの見せ場うねり情動を濃縮した3時間の友情大河活劇は危うさギリ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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劇的音楽と照明に突き刺されながらロバさんの煉獄流転ロードムービーは緩やかで。
脚よりもヒッチハイク的な旅路。
時にCM的”乗り物”風に。
擬人化されずとも漆黒の瞳でもの言いたげ。だけど語らずいななく。
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