ササキさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ササキ

ササキ

映画(850)
ドラマ(0)
アニメ(0)

今宵かぎりは…(1972年製作の映画)

-

舞台となる屋敷を捉えた最初の全景ショットから何だかおかしく、続く室内のシーンでは意思を持たないゾンビの様な人間達が他の者を全く気にすることなくすれ違い徘徊している。訳が分からないがもう1度見たくなる。

溺れるナイフ(2016年製作の映画)

4.2

かつて相米慎二が子供が普通歌わない様な大人の歌謡曲を子供達に歌わせ、その本来の意味をずらして新しい叙情性を演出したように、大友役の重岡大毅は吉幾三の『俺ら東京さ行くだ』を歌うことで、小松菜奈に別れを切>>続きを読む

大地を受け継ぐ(2015年製作の映画)

4.3

被災者も非被災者もお互いが震災後をどのように過ごしてきたかをまだまだ知らない。当事者には震災後から闘ってきたという自負、不条理なものに耐えて乗り越えてきた経験があって、それを外の人達が単に「いつもと違>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

2.0

『シンゴジラ』も『君の名は。』も震災を「物語」にできた、その1歩を讃えたいと映画を見たその日は思っていたが、日常に戻った今、そこで描かれていた景色や人物、関係性、宇宙全体が実は現実逃避でしかなかったの>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.0

英雄と呼ばれる男の哲学を慎ましく描く、こういうアメリカ映画をもっと観たい。155。155。155。ひとりひとりの生がそこにある。

鏡、ガラス窓、あるいはテレビの画面を前にして主人公が悪夢を見るという
>>続きを読む

氷の花火 山口小夜子(2015年製作の映画)

4.0

山口小夜子を愛さずにはいられない人々が彼女を現世に甦らせる感動的な瞬間がある。

女は女である(1961年製作の映画)

4.5

子供が欲しくてたまらず、枕でお腹を真っ赤なバルーンのようにしてしまうアンナ・カリーナが最高にキュートだった。

団地の奥さん、同窓会に行く(2004年製作の映画)

4.2

「映画ってそんなもんなんですか?」ピンク映画の現場に留まりながらも役者としての矜持を強く持つ川瀬陽太が素晴らしかった。映画を撮る人には1度見てほしい。こんなに熱くて美しい映画とは思わなかった。

FAKE(2016年製作の映画)

4.0

ただひとつ、これはFAKEではないと信じきったものがあって、それが言葉として飛んできた瞬間に、思わず泣きそうになった。

ドキュメント 路上(1964年製作の映画)

3.5

走行車から都市の景観を映し取り、その車体や車輪の隣接ショットが随所に挟まれるという点で『カメラを持った男』に代表されるロシア・アヴァンギャルド映画を連想したが、本作はタクシー運転手の事故と隣り合わせの>>続きを読む

わが街わが青春 石川さゆり水俣熱唱(1978年製作の映画)

3.8

胎児性水俣病患者の若者達が水俣市で石川さゆりコンサートを企画し実現させる。大人に近づき、何か大きなことを成し遂げたいと思ったのは、普通に訪れるはずであった青春を自分達の手で呼び起こそうとしたからなのだ>>続きを読む

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.6

上の句で苦手だった漫画のキャラクター、台詞をそのまま映画でやっている感じが下の句ではあまり気にせず見れた気がする。野村周平の作り笑いが相変わらずひどかったりするが、それよりも、艶やかな京都弁を話し圧倒>>続きを読む

幕間(1924年製作の映画)

-

当時のフランスの芸術家達が作った、前衛的でかつ映画それ以外では表現しえない「純粋映画」なるものを意識して作られた短編で提示されるイメージひとつひとつが新鮮だった。
初めはスローモーションで映されていた
>>続きを読む