mimosaさんの映画レビュー・感想・評価

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ひとつの太陽(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

夜明け前、まだ太陽が登る時間には早く、暗く影が濃い時間。水がめも日陰もなく、日の光を浴びることしかできなかった彼はようやく安息の地を得たのかもしれない。

朝早くに家を出て、夜遅くに帰って。どこで何を
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弱くて強い女たち(2020年製作の映画)

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生きることはままならなくて、息が詰まることも多いけれど、誰かの肩を借りたり貸したりしながら何とか大丈夫になって、日常は積み重なっていくものなのかもしれない。ふと振り返った時に、全てが良かったわけではな>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

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人と関わるのには境界線や壁が必ずあって、わたしの世界とあなたの世界は半分に隔てられているけれど、そこから一歩踏み込んでみたり逆に殻を出てみて、次第に繋がっていくことはどういう形をしていても愛には変わり>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

坂を登り、階段を登り上に上に行ってもそれは本来の居場所ではなくて、適正や能力があっても発揮する場所すらなくて。雨が降り、色んなものが地下に流れて溜まるように今度は下へ下へ坂を下っていく。

半地下、完
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アレックス・ストレンジラブ(2018年製作の映画)

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「クレアとのことは残念だ。けど時間の問題だった。」きっと、人生は選択と混乱の連続で。言ってはいけない言葉、行動をしてしまうこともあるし、心は移ろい揺らぐ時もあるかもしれない。

今まで曖昧だったことが
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明日へ(2014年製作の映画)

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果たしてその光景がニュースで流れた時に、きちんと知ろうとして耳を傾けることが出来るのか。彼女ら、彼らの背景を知ると深く共感できる部分もあるけれど、きっと私は他人事だからと気にも留めないだろうと思えて仕>>続きを読む

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

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何かを失って、何かを得て、きっと生きていくということは小さな選択の積み重ねで。何かを決めた時点で、いや決めなくてももうそこから後には戻れず、記憶だけがいつまでも鮮明で美化されて、「もしも」も奇跡もそう>>続きを読む

#生きている(2020年製作の映画)

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ある日突然未知のウイルスが蔓延して、ゾンビだらけになった時、孤立して1人で耐え凌がなければいけないのが凄く現実的。前半は殆ど部屋の中でユ・アインが孤独に戦う姿で、一人で間を持たせられるのも、チラッとし>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

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何か大きな事が起きるわけでも、劇的な展開になるわけでもないけれど、ただ今の瞬間、目の前にある風景や人を切り取っていて。特別ではないけど思い返すと特別だった日々の誰かの思い出を見させてもらってるような変>>続きを読む

ミスミソウ(2017年製作の映画)

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登場人物の気持ちが一切見えないし、分かりたいとも思わないけれど、誰の心の中にもある濁った感情を、全てろ過して純度を高めたらこういう感じなのかもしれない。

鮮烈な赤、雪の白、学生の象徴である制服の黒。
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キスから始まるものがたり(2018年製作の映画)

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ノアに好意を持ってる子にエルが意地悪されるとか、リーの恋人の存在で揉めるとかそういうありがちな展開が一切なくて、ひたすらエルとリー、エルとノアについて描かれているのが良かった。

誰かの車に乗せてもら
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ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

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映画を観るというか、言葉を映像を感情をただひたすらに浴びる感覚で、見終わった後は伝えたいであろう全てのことを全然受け止めれていない気がした。

皆が「今」「この瞬間」の為だけに、生きていて揺らいでいて
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シークレット・スーパースター(2017年製作の映画)

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アーミル・カーンが出演作を"脚本を心から愛せるかどうか"で決めると知ってから、作品を見る多くの人の意識が変わることで、少しずつ世界が良くなって欲しいと思うようになった。

インシア、ナズマ、アーパ。フ
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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華やかな中の退屈と虚無。空っぽで語ることのない日々。泡が弾けるような幸せな時間は束の間であっという間に過ぎ去って、また淡々とした刺激のない日常に戻ってしまう。

そしてここではない「どこか」へ。

恋風恋歌(1999年製作の映画)

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旅先での出会い。思い出を持ち帰る人と、思い出の中に残る人。 派手さはないけれど、とても穏やかで 心地よい時間が過ぎ去っていった。

人が人に惹かれる瞬間なんて、案外取り留めもないことなのかもしれない。

星の王子ニューヨークへ行く(1988年製作の映画)

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お金か愛。どちらが大切かなんてきっと誰にも分からない。それでも彼女には星の王子の誰にも「見えないもの」が見えていた。

全てを投げうってでも傍にいてほしい人がいるということは、想像できないけれどきっと
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花様年華(2000年製作の映画)

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1962年、香港。
英題ではIn The Mood For Love。「Mood」こそがこの映画の総てだと思う。

薄靄のようにぼんやりして 掴めない幻を見ているように。2人だけが知っている瞬間を傍か
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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外から見た奇妙な日本。日本というよりJAPANが正しいかもしれない。

翻訳する上で意味が失われる。「Lost In translation」言葉の意味やニュアンスを丸っと理解はできなくて、 推し量る
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

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少しずつだけど確かに歯車が狂っていく。 その狂った歯車が時間をかけて、少しずつ元どおりになっていく。

誰もが抱える全部のことを上手くやりたいのに 自分がそれをできない苦しさ。やるせなさ。辛さ。しん
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サマリア(2004年製作の映画)

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聖母のような微笑み。わかりそうでわからない、共犯関係に、常識や倫理観を飛び越えることができず、俯瞰し見つめることしかできない。

ラストシーンにかけての純度の高い澄み切った空気。あの川の青が目に焼き付
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四月物語(1998年製作の映画)

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一生のうちのほんの短い一瞬の四月。その一瞬のクローズアップ。

淡い光に照らされて、期待と不安が入り混じるあの春独特の空気がふわっと蘇ってきた。何でもない日常が何故こんなにも、輝きに溢れているのだろう
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

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青で埋め尽くされた世界。通過儀礼の恋なのか。初めて知った愛なのか。

育った環境は関係ないと人はいうけれど色濃く出てしまう違い。時間を共有すればするほどに、その違いが溝を深めていってしまう。全ての人が
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

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生き別れた父との約束で、家長として 自分を犠牲にしながらも家族を守っていくということ。ずっと時代だから、で済ませられてきたことなのかもしれない。

きっと戦争で苦しい思いをした人は、数えきれないほどい
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永い言い訳(2016年製作の映画)

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長い長い言い訳は 誰かが亡くなってからは 永遠に届かない「永い言い訳」に。

あの時こうしていれば、だって私は、だって僕は、人は生きているうちにたくさんの言い訳を重ねていく。誰かが亡くなっても 髪は
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自由が丘で(2014年製作の映画)

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バラバラになった手紙のように、時間をゆらゆら行ったり来たり。 色んな出来事は瞬間なのに、つい時間の流れを無意識に探してしまった。

みんながみんな母国語ではない言葉を話す、ちょっとの違和感と不思議な魅
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Laundry ランドリー(2001年製作の映画)

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コインランドリー。赤い旗。白い鳩。水溜まり。靴紐。ニットの帽子。純度が高くて 混じり気のない淡い青。

純粋でまっすぐ故に、ほんの少し心が痛んだ。「想像して」これからの未来のことを。いつか、それから、
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王の男(2006年製作の映画)

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狂気の渦に飲み込まれ、溺れていく人の姿。母がいないまま育った幼い心。 女よりも美しい男と呼ばれるコンギルへ向けた 愛ではない、執着。

流されて流されて、振り回し振り回されて、やっと少しだけラストで本
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青い春(2001年製作の映画)

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熱く感情をぶちまけようと喧嘩して血が出ようと、赤ではない。つきまとう影やスプレーの、黒ではない。やっぱりこの作品は青が1番記憶に残ると思った。

刹那的な一瞬、狭い世界の閉塞感、やりきれない虚無感。決
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神のゆらぎ(2014年製作の映画)

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神とは信仰とは。静かさゆえに、何が起こる前触れに 眼を凝らし耳を澄ませ、心が騒いだ。

神は全能ではない。全能ではないからこそ、その存在はゆらぐ。神の気まぐれで起こるゆらぎ。 信仰する者の心のゆらぎ
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ワンドゥギ(2011年製作の映画)

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劇的な何かがある訳ではなく、そこにあるのは日常なのに、小さな棘が刺さって抜けない。

生まれた環境は関係ないという人もいるけど、今でもそうは思わない。貧しいより豊かに越したことはない。でも全てを人のせ
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台風クラブ(1985年製作の映画)

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どうしようもない鬱屈さも、押さえきれない衝動も、そこはかとない悲しさも。 全部、全部 台風のように渦を巻いていく。台風の目にいる本人たちは気づかぬうちに 右も左も何もかも分からなくなって、 狂気に飲>>続きを読む

若葉のころ(2015年製作の映画)

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ビージーズの「First of May」がすべて。

幼い頃 クリスマスツリーは とても大きく見えた 周りが ただ遊んでいる時 僕らは愛を知っていた 理由はないんだ ただ 時が僕らを 通り過ぎただけ
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悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

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一度でも赤に染まったら純白にはどうあがいても戻れない。暗闇を知ってしまったら、その黒さの中でしか輝くことができない。

愛と裏切り。運命に手繰り寄せられて復讐に燃え、命を燃やし戦う、見る人の目に映る彼
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

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生物のすべては多かれ少なかれ不完全であるということ。物語のプリンセスは いつも笑顔で綺麗なドレスを着ている。物語の王子はいつもかっこよくて 呪いや魔法もキスで目覚めさせる。でも、そうではない物語があっ>>続きを読む

最愛の子(2014年製作の映画)

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年間20万人の子どもが行方不明になる中国。居なくなってから24時間経たないと
事件として扱えず警察が動くこともできない。

生みの親も育ての親も間違いなく「親」で、どちらの親にとっても子は「最愛の
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