なちゅんさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

パニック・フライト(2005年製作の映画)

3.2

サイコスリラー!!って感じ。
本当のことを言えば、ジャックの動機とかキーフ副長官の政治姿勢とかキャラクターなんかもはっきりさせて欲しいところではあるけど、90分以内にまとめたスリル満点のサスペンスって
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男ゴコロはマンガ模様(2015年製作の映画)

3.5

主人公を取り巻く人の関係が少しずつ、ゆっくり変わっていくのに合わせて、彼もまたゆっくりと解放されていく。

ウィルのことだけを思えば、前に進めてよかったねと言いたくなるんだけど、その不器用な実直さと内
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バスタブで死んだ私(2018年製作の映画)

3.3

悲しかった。
みんな無責任だ。SNSで推理する人間も、ジュリアをジャッジする人間も、ジュリアの周囲にいた人間も、みんな。
だからといって全面的にジュリアを擁護するわけでもない。彼女は彼女で自分を見捨て
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シングル・オール・ザ・ウェイ(2021年製作の映画)

4.0

仲良しすぎるからお節介も焼いちゃう、みたいな家族で、実際自分が中にいたら鬱陶しいかもしれないけど、すごく愛おしかった。ピーターも疎ましがらずに「大好き!」って表してて、それがまたかわいいんだよねえ。>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.3

ダンケルクの救出劇を描いた中で一番好き。
ノーラン作品らしい、臨場感のある撮り方とテンポ良く切り替わる視点、前後する時間の流れがすごく良くて、最終的に救出の瞬間や帰還にすべてが帰結していく流れが綺麗だ
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抱きたいカンケイ(2011年製作の映画)

4.2

えーーーーーん最高ーーーーー。゚(゚´ω`゚)゚。

ずっと避けてきた感情や痛みを受け入れていくエマが不器用でかわいい。
I lost himと言って涙をこぼすのは自分勝手なようにも見えるだろうけど、
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マグノリアの花たち/スティール・マグノリア(1989年製作の映画)

4.3

喧しくてお節介で、優しくて元気で、可愛くてたくましい女性たちの話。
年齢とか背景とか全部抜きにして、ただのご近所さんだったのかもしれないけど、強く結びついている彼女たちが本当に素敵で、なんかもうずっと
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.3

トーニャ・ハーディングとナンシー・ケリガン襲撃事件はよく知らない。でもトーニャがリンクの壁に右足を上げて靴紐が切れたと訴える映像は知ってた。何でみたのかは覚えていないけど。

可憐でタフな競技だから、
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アメリカの息子(2019年製作の映画)

3.7

舞台がベースになっているから、場面転換はなし。登場人物は最大で4人。会話劇と思って観れば理解し易いのでは?

いつも日付が変わる前には帰宅していた18歳の息子が帰ってこない、と警察署の待合室で取り乱す
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セレナ(1997年製作の映画)

3.7

J.Loが若いのに貫禄と存在感すごくてかっこいい。彼女の演じるセレーナは純粋で天真爛漫だけど父親譲りの頑固さもあって、すごく魅力的だった。

テハーノの地位と、テハーノの中での女性の地位を両方確立した
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.4

戦った女性たちに賞賛を。
闘っている女性たちに敬意を。

出てくるキャラクターの誰にも感情移入できなかったと言うのが正直なところではあるけど、少なくとも出てくる男性陣の中に一人としてマシなことを言う人
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マ・レイニーのブラックボトムが映画になるまで(2020年製作の映画)

3.3

映画「マ・レイニーのブラックボトム」behind the scenesなドキュメンタリー。

ヴィオラ・デイヴィスはじめ、それぞれのキャストや監督のデンゼル・ワシントン、衣装のアン・ロスが背景や裏話を
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.5

ストーリー展開がわかりやすい映画かというとそうでもない。
あくまでもマ・レイニーがブラックボトムとムーンシャインを録音する1日を切り取ったものだけど、そこには黒人と白人の主従関係や不平等さ、黒人の間に
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RENT/レント(2005年製作の映画)

4.7

ジョナサン・ラーソンな1日にした。
お陰様で数ヶ月分泣いた。tick, tick…と同様、どこをどう切り取っても全部音楽が素晴らしい。等身大の疑問と感情がまぜこぜに描かれていて美しい。なんて偉大な作家
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.6

エンドロールの間ずっと泣いてた。
才能のある、うつくしく、すこし寂しい人はどうして早逝してしまうんだろうね。

スーパービアに没頭するあまりに周囲を傷つけたジョナサンも、それでもなお彼を愛した周囲の人
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.2

途中までは面白かったんだけどなあ。
ロック様とライアン・レイノルズがバディを組むってだけで割と楽しいし、アクションもコメディも盛り込まれてて飽きんかった。

けどこのオチは好きじゃないな。ブースが用意
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.2

クロエ・ジャオの優勝でしかないでしょこんなの!
彼女の景色の写し方が美しすぎる。イカリスとセルシの思い出のバビロンの岩場も、セナとギルが隠遁生活を送るオーストラリアの砂漠も、ドルイグがコミューンを作っ
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ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語(2018年製作の映画)

3.7

わざと粗いフィルムのような画質で切り取られた、なんでもない日常とアゼルバイジャンの美しい自然に魅了される。

裏庭スレスレ、玄関ギリギリを走る電車にうっかり引っかかった、水色のブラ。運転士を退職した老
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.5

何これ………死ぬほど面白い…
まだ見てない人は絶対にネタバレ踏まずに見るべきだし、映画的というよりはむしろ小説を読むようなストーリー展開だし……最高。とにかく最高。どんどんのめり込んでしまうし、焦らし
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15年後のラブソング(2018年製作の映画)

3.7

レーベルの倉庫から発掘されたデモ盤が時計のネジを巻き直したというだけ。

アニーはなんで15年も耐えられたんだろうと不思議だけど、それはサンドクリフの時が止まったような街で同じ暮らしを送り続けていたか
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.7

エターナルズを見る前に見ておきたかったノマドランド。
フランシス・マクドーマンドの抑えた、体当たりの演技が静かで重みがあった。

ノマドという生き方はおそらくアメリカだからできることなのだけど、非正規
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.1

貧困の反対は、富ではなく正義だ。

こんな奇跡のようなことが起こったなんて、こんな奇跡を起こした人がいるなんてと胸が打ち震えると同時に、クレジットを見ながら、そうそう完璧にはならないよねと少し悲しくな
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.6

シャン・チー、こんなに格好良いヒーローとは思わなかった…
VE技術が毎度毎度上がるから、やっぱりMCUの新作はもう映画館行かなきゃな。ター・ローの村があまりにも桃源郷だし幻の生き物たちがかわいすぎる。
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

夢でよかったと思ったのも束の間、ありとあらゆるプロセスで、警官によって死に至らしめられるカーターの終わりなき悪夢の話。
30分なのにものすごく中身が詰まっていて苦しかった。

ジョージ・フロイド殺害事
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エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)

3.9

電流戦争の詳細は無学ゆえによくわかってないのだけど、ヒューマンドラマとしてすごく面白かった。

エジソンは稀代の発明家でありながら、そのプライドの高さゆえにこれといった財産は得られていない。ある意味テ
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浮き草たち(2016年製作の映画)

3.8

あー、なんかいいなあ。
結構突拍子もない巻き込まれ方だけど、こういうことでもないと、案外人は環境を変えようとしない。ダニーにはいい経験だったのかもしれない。
頼りなげでいまいちパリッとしないダニーのキ
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.8

決してお上品な映画じゃない。ある点で言えばどうしようもなく下品かもしれない。
でもバカみたいに一生懸命に人生にしがみついて生きてる女性たちの綺麗じゃない格好良さがぎゅうぎゅうに詰まっていて、ギラギラし
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ショウタイム(2002年製作の映画)

3.1

どう考えても凸凹なコンビのバディもの。
刑事モノあるあるだけど、ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーだから凸凹具合が半端ない。そしてそれ故に愉快。

アルパチーノのポスター貼ってあるのちょっと笑っ
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.1

この手の役をやらせたらノートンの右に出るものはいないんじゃないかと思う。真実の行方とかさ。
気の弱い善人を具現化したような風貌と、淡々と飄々とした風情に騙される。「これは振り回されてるだけ、かわいそう
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.1

実話だけど、かなりドラマティックな作り。この劇的さが本当にその時の空気にあったものなら、1960年代は何て人間臭いことか。
でもそれと同時に、今のアメリカもそう大きく変わってはないのかもしれないとも思
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.3

なにこれ最高!!!!
ゲームの中のモブキャラが自我を持つって、結構オチのつけようのない突飛な発想だと思ったのだけど、外界と結びつけてリンクさせていくことでちゃんとハッピーエンドも用意されててすごくよか
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ティーンスピリット(2018年製作の映画)

3.9

音楽モノは百発百中で泣くからわかりきってたけど、最後のパフォーマンスシーンで泣いちゃった。
エル・ファニングの華やかさと孤独感が同居した佇まいが本当に大好き。あと彼女の歌声や歌い方がmiletちゃんと
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.2

エミリー・ブラントが観たい+ヴィルヌーヴ祭って感じで観たはいいものの、めちゃくちゃ置いて行かれてしまった……
カットごとに善悪が入れ替わっていくというか、敵と味方の境目がどんどんなくなっていく感じ。そ
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.6

ある映画人の、ある作品の、その裏側にあった人間劇を描く物語。
市民ケーンを見てなくて、かつマンクという人物も知らなかったのでその辺は不勉強。ここが分からなければこの映画の面白さは本当の意味では分からな
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.8

ベンジャミンは幸せだっただろうか。
最期はきっとそうだったと信じたいけれど、やっぱりなんとも言えない。聡明で優しい彼だったから、「一緒に歳をとりたかった」と思ったかもしれない。

老いることを恐れてな
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マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

3.5

難解な割にあんまりパリッとしなくて、なんかもの悲しい。
でもエンディングは好き。

エドワード・ノートンの演技には見るたび魅了されてしまう。
飄々としていてやわらかい印象がいつも彼にはあるけど、真の通
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