ちぐはぐさんの映画レビュー・感想・評価

ちぐはぐ

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となりのトトロ(1988年製作の映画)

5.0

宮崎作品を俯瞰すると、完成度では『千と千尋の神隠し』だと思う。だが、好みとしては『となりのトトロ』になる。この作品は極限的に異常な作品だと思う。

若い頃は、この映画の良さがよくわからなかった。子供っ
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.6

ポストモダン映画の傑作だとおもう。

『ビッグ・リボウスキ』は、要するに、カーペットに小便をかけられた男が、新しいカーペットを取り戻そうとするだけの映画である。そこから誘拐、身代金、富豪、戦争帰還兵、
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KNEECAP/ニーキャップ(2024年製作の映画)

4.3

『ニーキャップ』、かなり変わっていて面白い映画なのではないでしょうか。

はじめは単なる悪ガキ音楽映画に見えて少々だるい。けれど中盤以降、彼らの音楽活動が注目され始めるあたりから、俄然面白くなっていく
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ハムネット(2025年製作の映画)

5.0

詩的な言葉の意味を完全に理解できている感覚もないのに、何度も泣けてきた。私の左右も泣いていた。とても品があるのに情動的。大変レベルの高い作品でした。

この映画は、『物語』がどこから生まれるのか、そ
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.2

2000年代前半のおしゃれムービーといえば、まずウォン・カーウァイとソフィア・コッポラ。あとはヴィンセントギャロとか。彼らは、冷戦後の豊かな時代に漂っていた所在なさや、物語を失ったあとの宙づり感を、ス>>続きを読む

フューリー(2014年製作の映画)

4.9

個人的にベスト戦争映画の一つ。
『フューリー』は、戦車フェティッシュな血みどろの戦争映画というより、家族の物語なのである。

フューリーという鉄の箱の中で、男たちは家族になっていく。大事なのは、戦争と
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.7

『冷たい熱帯魚』は、僕が観てきた映画の中でも一番怖い映画の一本。単純な異常殺人鬼の話というより、自分たちの日常に普通に転がっていそうな人物や関係の延長で、信じられないくらい凶悪な世界が開いていく。その>>続きを読む

エミリア・ペレス(2024年製作の映画)

4.6

『エミリア・ペレス』、最初はトランスジェンダーの物語として見始めたのだけど、どっちかというとメキシコの麻薬カルテル、つまりアウトローの世界にポリコレ汁を垂らしたら何が起こるのか、というかなり無茶な化学>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.6

聴覚障害で音が失われたり変質したりすると、単に不便になるのではなく、世界のあり方そのものがガラッと変わってしまう。この映画はその変化を、説明ではなく追体験として観客に差し出す。音と画で構成される映画の>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.4

『すばらしき世界』のおもしろさは、映画的カタルシスの向きを反転させているところにある。普通の映画では、主人公が社会のルールや常識を破ってでも、自分の信じる正しさを貫くところに快楽がある。観客もまたそれ>>続きを読む

アイム・スティル・ヒア(2024年製作の映画)

4.5

『アイム・スティル・ヒア』は、1960年代後半以降20数年続いたブラジル軍政が、人権や文化をどう踏みにじっていったかを、ひとりの元政治家が軍に連れ去られ、家族の生活が崩れていく過程として描く作品だ。大>>続きを読む

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.0

西岸地区のある村で、パレスチナ人の家がほぼ毎週のように壊され続ける。
やっていること自体は、実はとても古典的な弾圧だ。

政治的理由によって住宅を破壊し、人を移動させ、入植者を送り込み、住民の「中身」
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

3.8

西洋の『もののけ姫』が見たい人はどうぞ、という作品。狼と人間の対立。近代化を進めたい人間から侵略を受ける自然。どちらも自然なあり方だけど、いつも通り人間が圧倒的に残酷。
話にもアニメの動きにも新しさは
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罪人たち(2025年製作の映画)

4.9

超面白くてマジ不気味な不思議エンタメ映画。

本作が突出して面白いと感じるのは、単なる「黒人文化の搾取」を告発する映画に留まっていない点にある。被害/加害というホラー的二項対立に回収されることなく、文
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.8

この映画は、何度見ても泣ける。
ただしそれは、誰にでも開かれた感動ではない。現在と回想の時間軸が複雑に絡み合いながら、一つのトラウマ的出来事へと遡行していく構成は、正直わかりにくく、展開も地味である。
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

4.7

最高!の一言
身体の欠損を強さ、美しさの象徴として描いた、身体欠損物の金字塔的な作品。主人公の顔のコンポジションと異様に大きな目が、最初は違和感を抱かせるものの、鑑賞していくうちに美しさに変わっていく
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.6

「皆は曲の着想を聞いてくる。でもその顔には別の問いが見える。なぜ自分には書けないのか。」

ディランが語るこのシーンが一番響いた。

映画の中で、ディランはセレブリティとして街を歩くたびに、うんざりし
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エターナルズ(2021年製作の映画)

2.6

新年一発目。
皆様今年もよろしくお願いします!

クロエ・ジャオは『ザ・ライダー』が素晴らしすぎて、個人的にはとても好きな作家。マーベルとミスマッチなのも承知の上で、だからこそ面白い事故が起きるのでは
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ジェイ・ケリー(2025年製作の映画)

3.9

ジョージ・クルーニーの演技のクオリティの高さは過去一レベル。
ビジュアルエフェクトを使わず、徹底して作り込まれたセットによるオールドスクールな撮影手法が興味深くて、「それCGで良くない?」みたいなジェ
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スーパーマン(2025年製作の映画)

3.6

犬好きには至高の映画、ジェームズ・ガン好きには不完全燃焼のやや駄作。

本作は完全にガーディアン・オブ・『スーパーマン』だったのだが、ジェームズ・ガンの“異常なチャラさ”とスーパーマンの“重さ”が、全
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フランケンシュタイン(2025年製作の映画)

4.0

最近見た映画の中で美術がぶっちぎりで美しかった。塔の建物にインセットした実験室やミアゴスの服装のデザインは凄まじいの一言…
なのに、緩くお家でふんわり見てしまったので異常に細かいディテールの造形がそこ
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

4.1

デヴィッド・リンチの映画の中で最も穏やかで、そして最も異質な作品。物語としても成立しているが、リンチの映画を思い起こせば、やはりその奥に“意識”をめぐる一連の作品との関連性を感じずにはいられない。>>続きを読む

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ(2000年製作の映画)

4.9

個人的には最も好きな部類の映画。ジョン・ウォーターズが自らの異端精神を総括するような作品で、痛快で完全に映画讃歌への狂気が純粋に映画化されている。もっと評価されるべきと思う一方で、こんな映画が評価され>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

1.9

期待はずれ。整形や美の暴力を描く映画は多いが、本作はその延長線上にとどまる。ジョン・ウォーターズ的な汚辱のカーニバルを再演しようとして、倫理的にも造形的にも中途半端に終わった作品。ユーモアが弱かったの>>続きを読む

ハウス・オブ・ダイナマイト(2025年製作の映画)

4.0

キャスリン・ビゲローの新作は終末が訪れる時は一瞬だってことを検証するような3部構成の映画。20分しかないなか、分析するチーム、戦略を練るチーム、決断を強いられる大統領の3部構成。

ずっと集中力、緊張
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.6

『教皇選挙』が教会という巨大組織の倫理や制度の複雑さを真正面から描いたのに対し、『2人のローマ教皇』は“教皇も一人の人間だ”というテーマに絞り込んだ結果、かなり物足りない。

教皇の弱さや葛藤、許しと
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.7

メキシコシティのローマ地区(Colonia Roma)に3日ほど滞在した勢いで、アルフォンソ・キュアロン監督の『ローマ』を再鑑賞した。初見のときは「美しくて不思議」「水たまりが印象的」くらいの手触りだ>>続きを読む

ワン・バトル・アフター・アナザー(2025年製作の映画)

5.0

久しぶりに現代進行形のアメリカを描いたポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の新作。めちゃくちゃ笑えて面白い。完璧なエンタメの形式を纏いながら、彼らしい底なしの曖昧さを保っている。
本作が今年もっと
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

最高の評価!
本作は、タランティーノが「オタク最上級職」へジョブチェンジした記念碑のような映画。マンソン事件をB級パロディにしたような発想ながら、ブラッド・ピットやディカプリオという大スターを前に置く
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

2.4

私個人はAIの反乱を本当に信じているので、なんの情報もなく期待してワクワクして観た分、大変ガッカリ。AIの進化と脅威が現実的に語られ始めている今日にもかかわらず、その現代的な状況を全く活かせなかった大>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.8

個人的な名作ノア・バウムバックによる『イカとクジラ』は、1980年代ブルックリンを舞台にした家族の瓦解劇。センスの塊みたいな音楽群をバックに多くは語らない詩的な作品。

知識人を気取るプライド過剰な父
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

個人的な想いも客観的な分析もごった煮になってしまう大好きすぎる作品だから、これまでなかなか言葉にできなかったシンエヴァ。

エヴァンゲリオンというシリーズは、人型ロボットというジャンルを借りながら、実
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.5

普遍的なストーリーにセリフがないのはめちゃくちゃ卑怯。突き刺さる余白に、気づけば自分を丸ごと投影してしまうよ。

優しいストーリーなのに、やさしさゆえにめちゃくちゃ残酷で、でも確かにそこにあった2人の
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

『あの夏、いちばん静かな海。』北野の芸術家としてのセンスが爆発した三作目。

聾唖者の主人公と恋人は手話すらあまり使わず、視線や動きだけで静かに気持ちを伝えあう。健常者のサーファーたちは意味の薄い会話
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ミッキー17(2025年製作の映画)

4.0

わりと好きだった。
アニメの実写化って、だいたいつまらない。この『Mickey 17』も、過剰に誇張された権力者の醜悪な振る舞いと、寓話としての階級構造を分かりやすく見せる演出がとても記号的で、それに
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.2

極めて政治的な映画だと感じた。
キリスト教の教皇選出(コンクラーベ)を、神や信仰の場ではなく、人間臭い政治空間として描くこと。それ自体が宗教に対してすでに政治的な行為。加えて、カトリック教会内に横たわ
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