都会的なスマートさといやらしさを併せもつ(後者多めの)うってつけのキャラを演じて前半は素晴らしき木村功の世界だったにもかかわらずようやく出てきたパリ帰りの画学生役の有馬稲子が売れっ子期の清張的ばりの雑>>続きを読む
梅田晴夫脚本のラジオドラマを和田夏十・市川崑が脚色して70分に膨らませたとのことだけどその脚色した部分がライトでモダンでよかった。同年の『結婚行進曲』はそのよかった部分だけで構成されている感じ。
『深夜の告白』と似たプロットというかよくある展開ではあるけど騒ぎが大きくなっていく描写が巧く、カーク・ダグラスもよかった。終盤もうひとひねり欲しい。
スクリーンで初鑑賞(テレビかビデオではたしか観た)。まあ文句なしに素晴らしかったけどまたこんな感じかと思ってパスした当時の気分はわかる気がする。
キャグニー映画のなかでもスコセッシがディカプリオで撮っていちばんはまりそうな上出来かついまやっても面白そうな脚本で、絶妙にユーモアが交えられている点もいい。キャグニー自身もまだまだキレがあって最高だっ>>続きを読む
くだらねーwと思いながら観てたけど最後に謎の感動があった。京都である意味が最高にない京都映画。
ひさびさに観たけどとくに前半これほどだったかというくらい完璧だった。鏡、鏡、鏡のマジックモダニスム。にしてもルグランは天才だな、演技も巧いし。
主役カップル至上主義。バーナード・ハーマンの音楽含めて劇中の音がまったくストレスを感じさせなさすぎてたびたび睡魔に襲われた。
息子とか秘書とか必要?とも思うけどレベッカの洗練と比べて隠し部屋とかのわかりやすいギミックが満載で面白かった。夫もいっそのことケーリー・グラントならという気もしたけどジョーン・ベネットは最高だった。
女秘書が出てきたあたりからそれがどういう役回りなのかいまいちわからず話もわかりにくくなってきたのでもういちど観たい気もするけどそれを措いてもノワールの理想形だと思う。巻きこまれ型の私立探偵ものはやはり>>続きを読む
原作がドランでないせいかいつもより淡白な感じだったけど相変わらず全体に好きな感じでよかった。錚々たる演者の皆さんもうまい。
偉大すぎる原作に拮抗(対抗?)しようと気負ったのかしらないけど気取った陰鬱な文芸映画になっていてわりとうんざりさせられた。
前にDVDで観た内容をぜんぜん覚えてなかったけどワイルダーうまいなーといちいち思わされて最高だった。エドワード.G.ロビンソンの演技も使い方も素晴らしい。
前半のスクリューボールサスペンスへと展開する流れの洗練ぐあいはヒッチコックも凌ぐ感じで最高だったけど肝心の後半がとくにひねりもなくとっちらかった印象。
スター女優を迎えての『修道女』のようなテクニカルな映画も撮れるとはいえ、思えばこの監督は高校生の自主制作感を(自分にとっては)作品の生命と考えてずっと大切にしてきたのかなと思った。
想像していたよりはるかに最高だったし皆川おさむと一緒に出てきたニッキニャッキの置鮎礼子の動く姿が観られただけでも大満足。ヤァヤァヤァから男性・女性、おニャン子危機イッパツまでアイドル映画にハズレなしと>>続きを読む
終盤、高校生の自主制作かと思った。あと主人公は全部ほったらかしてブリアリと適当につきあえばいいのに。
ジェームズ・スチュワートが出ずっぱりなだけでもすごいのにけもフレ大集合な動物スペクタクルも最高で素晴らしかった。ひとりブニュエル感を漂わせていたビッチな白人女もいい。どこまでが本物の雨でどこまでが野生>>続きを読む
さすが橋本忍というべきか思った以上に面白かったし『霧の旗』をもしのぎそうな最高の滝沢修映画でよかった。
このレビューはネタバレを含みます
満員御礼の客席の1/3ほどを占めていたトニーギャルズも思わずこれだけ?と苦笑する短い尺ながら最高の使われ方をされていた赤木圭一郎がよかったし終盤のサスペンスを際だたせる意味でもこの場面こそ本作の肝だと>>続きを読む
たしかにホウ・シャオシェンが村上春樹っぽい、というか村上春樹が演じる村上春樹の主人公っぽい。つねにその予感を漂わせている暴力の介入するタイミングがいつもながら絶妙で、そのあたりも村上春樹っぽい。
苦手めの戦場ロマンス、といえばな赤い天使以上に変な話。できるだけセットでやろうとするところは好き。
面白かった。ここではついに主人公自らがキリストになぞらえられて聖堂をつくる。
こちらは15年くらい前にNHK-BSで観て以来で当時こんなよく知らない監督の作品でさえこれほど面白いとはと昔の日本映画に興味をもつきっかけのひとつとなった一本。記憶どおりに最高だった。NFC版。
日本の劇画調サスペンスとしては話も画も文句なしの一本でとりわけ序盤のケレン味は最高のつかみとなっている。宍戸錠だからこそなりたつ馬鹿馬鹿しさと小林昭二の素晴らしき世界。
性癖にもよるだろうけど個人的にはロメール最高のエロさで教訓話らしくひたすら溜めてのトップギアな終盤、しかもその最終話らしい完成度に目眩がする。このシリーズはそこまでの展開がわりと淡白でじらされるところ>>続きを読む
ロケ、セットともこだわり抜かれた撮影による端正な画が素晴らしく、話は青春ロマンスの定型ながら執拗で生々しいキスシーンなどところどころにこの監督らしい逸脱もみられる。独特のカットの省略も面白い。チャゼル>>続きを読む
司葉子が素朴な天然キャラという珍しい役どころをうまく演じている。幕末太陽傳で最後にフランキーにつきまとう田舎の大尽役の俳優がここでも唯一フランキーより押しがつよい刑事役という同様のキャラで出てきて楽し>>続きを読む
マイク・ミルズらしいディレッタントな映画。年寄りほど意識して成長すべきという教訓か。エル・ファニングがいい。
話がかけらも響かないのは相性としても善人を殺したり子どもを殴ったりする粗雑さは耐えがたい。この監督は西部劇の何をみてきたのだろうか? IMAX
前近代的な物語の構造とか書割的なセットとか音楽(のケルティックなコーラスのおかげで飽きずに観られた)の合いの手とか含めて歌舞伎とか浄瑠璃みたいで面白かった。ロメールは本当に器用な監督だなと思う。
ロメールのなかでも相当好きな感じだったし巧さ炸裂という感じ。なにも中身を知らずに観たい。絵画的援用の多そうな撮影もきれいで楽しめたしデジリマもよかった。
原作は読んでないけど宇宙船の造形とプレゼンスからして映画化にあたっては『2001年』のフォーマットに手堅く落としこんだ感じだろうか。バベルというかはじめに言葉ありきというかな量子力学時代の創世記という>>続きを読む