何を観てもローグワンを思いだすというわけでもないけどこれも哀戦士というかふたりスレッガーな感じで俺もジョーン・クロフォードのためなら死ねると思った。
約30年ぶりに観て記憶していたよりとくに中盤ややキツいところもあったけど当時の中高生に手持ちの乏しい経験からでも高尚な物語は語れると勘違いさせてくれた功績は大きいとあらためて思う。
農民が主人公ということもあって前半はとくに活劇的要素もないのにぐいぐい引きこまれてすごい。後半は親切な作りともいえるけどちょっともたつくというかくどい感じがある。森雅之サイドと小沢栄太郎サイドの主題が>>続きを読む
シュールでシニカルなユーモアが前半とくに空回りしていたけど全体としてはそれなりに面白かった。こういうテイストの作品はシリアスなトーンをいかに配分するかが肝だし難しくもあるのだなと思った。
ウェルメイドな青春映画でよかった。曲も上出来でそれらしくていいと思ったらメインの作曲は元ダニー・ウィルソンの人だったのか。バンド名が決まったあとのスローモーションのかっこいい感じのところでじっとしてい>>続きを読む
例の犬の場面が客も自分もいちばん笑いが大きかったのだけどそれがいちばんぞっとしたし、すごいと思った。
ジョン・ウェインとエドワード.G.ロビンソンどちらも好きなだけに双方の描かれ方が辛かった。ヘレン・ミレンが演じたせいか、あの記者にも悲哀を感じた。エル・ファニングがかわいい。
こちらのエドワード.G.ロビンソンは珍しくコミカルな&あまりに不憫な役柄で、話としては一昨日観た『港々に女あり』と似た感じの一人の女をめぐるバディもの。『港々』での指を引っ張る行為がここでは背中をかく>>続きを読む
19世紀半ば、ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコが舞台とのことで実際はどうだったか知らないけど本作もセットが素晴らしくて臨場感があった。エドワード.G.ロビンソンが派手ないでたちの悪漢として出てき>>続きを読む
最初の予告篇のグルーミーなトーンに抱いた期待をはるかに超える傑作でep6以来ずっとこんなスターウォーズを待っていたと思う。LIVEZOUNDは圧倒されるほどではないけど少なくとも音響に関してのストレス>>続きを読む
主演二人(モンローは助演)の息の合ったハチャメチャが最高なコメディ。「ジンジャーとケイリー」のコンビを生かした作品ももっと観たかった。
レーサー役のキャグニーが観られる映画なんてこれくらいだろうし、そのレースシーンも臨場感があってよかった。あとこんなに薄汚れたキャグもなかなか観れないと思うし、オチもうまい。
戦争と聖書は矛盾しないのだと山上で悟りをひらく1941年の映画なんてハワード・ホークスが撮ってゲイリー・クーパーが演じるのが最高(に馬鹿馬鹿しくて素晴らしい)に決まってる。ラスト30分あたりから第一次>>続きを読む
観ているあいだはかなり最高だったけど帰り道にわが身を省みてちょっと死にたくなった。日常系アニメみたいな、どこにもない/なかった日常。こんなふうに何のドラマもない映画がもっと観たいけど、内容的にも興行的>>続きを読む
続篇は森繁の無能さに拍車がかかって織田作風味もほとんどない中途半端な東宝娯楽シリーズという感じ。小池朝雄と森繁のコント風の絡みが新鮮でいい。正続とも小池とか山茶花究とかヒールのほうがまともにみえる。
憎めないダメ男系の話なんだろうけど森繁の役どころがあまりに無能でとくに何も思えるところのない作品だった。実際に森繁を支えているのは淡島千景というよりタイミングよく金を貸してくれるその友人だったりするし>>続きを読む
こちらはコメディ色つよめだけど『ブロンドの恋』同様、カワイ子ちゃんとキモいおっさんのシークエンスがマジにキモくて笑えなかった。とはいえ(あるいはそれゆえ)演出は全体におそろしく巧みで(底意地悪く)とり>>続きを読む
笑って泣けて栗島すみ子と市川春代の魅力にも存分に浴せる会心の一本でとりわけ少女の流し?が出てくる場面が素晴らしかった。あまり尺は取られてないけど主人公の少年と妹との関係(トイピアノの場面とか)が胸を打>>続きを読む
ほのぼの人情コメディ。7段目のビールのくだりと文法の苦手な妹のビキニスタイルがよかった。笑い屋の人って肝心なところできょとんとしてるね。
瑳峨三智子のメイクがほとんど塗装みたいですごいしこれといって中身のない話が逆に無駄に豪華な役者陣を生かしていたのもよかった。劇場できれいなプリントで観られて嬉しい。
まったくもって最高だった稲野和子にはもっと身も蓋もない思いをモノローグでぶちまけてほしかった気もするけど相当に好きな感じの映画だった。
第2部からは観ているほうも何をもって落としどころとするのかよくわからなくなってくるものの最後までそれなりに楽しめた。原案となった『聊斎志異』を読んでみたい。
幕間もなくて2部構成だったとは知らなかったけどここまではとにかく最高だった。『偽大学生』あたりの若尾文子とジェリー藤尾みたいな主人公ふたりも素晴らしく、藤木悠似(でもないか)の坊主のインチキ臭さもいい>>続きを読む
最高。ジュリエッタ・マッシーナ含めて『道』から入るとフェリーニを見誤る気がする。
デジタル上映
これも『無防備都市』同様、前にDVDで観たけどあまりよく覚えていなかった。ウトウトしながら観終わったのちようやくもしかして凄い作品だったのではと思うのも同様。
デジタル上映
全体にかなり最高でとりわけリンクレーター娘がよかったけど恵まれたクラスの悩めるリア充感はどこか電通好みな印象も。最後、何もしないまま歳をとったと嘆く母親はしかし作中でいうように学生時代に子を産んだとす>>続きを読む
馬鹿馬鹿しくも崇高な大衆演芸の世界。素朴さと計算高さの混じったヒロイン、デル・ポッジョの魅力もさることながら、これに翻弄されて『まぼろしの世界』のジャケ的な世界へと転がりゆく展開もいい。『道』が苦手な>>続きを読む
こちらは初見。いかにもデ・シーカ的な救いのなさ。主人公の爺さんはやっかいなだけだったけど蟻を焼き殺すたくましき女中がいい。
前にDVDで観たはずだけどまったく覚えてなくて驚いた。DVDのジャケ写のあたりからだんだん面白くなる。
原作未読。広島が舞台の戦時中の話として想像していた内容やトーンをいい意味で裏切ってくれる感じでよかった。声優としてののんさんも予告篇で想像したより3000倍よかったし、生で見るのんさんは想像より300>>続きを読む
長門裕之の(一座にとっての)存在価値も演出の才能もよくわからなくて話自体がぼんやりした感じだったけど第1作でこの完成度はやはりすごい。『西銀座駅前』でいらいらさせられた柳沢真一がここではすごくいい役。
西銀座ほとんど関係ないし出てこない。山岡久乃のビーチルックが観られてよかった。
話のディティールは最後までよくわからなかったけど戦争の悲惨さはよく伝わった。ほとんどモノクロの雪景色が美しい。ここでは塹壕がかりそめの聖堂となる。
素晴らしき松村達雄映画。画づらも最高でミッキー・ワンも加藤泰が撮ればよかったのにと思う。恐れていたほどヘヴィな話ではなく、ひたすら殺していくだけなのがある意味爽やか。企画に参加しているせいかキャスティ>>続きを読む
わりとすっきりまとまっていたように思えた三隅研次版に対して終盤無理矢理チャンバラにもっていった感のある本作だけど鶴屋南北原作に比較的忠実なのはこちらだとか。その原作と大きく異なるのが桜町弘子演じる袖の>>続きを読む