Krateさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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アメリカン・パイ(1999年製作の映画)

3.5

エロ系青春コメディ映画としては超有名作。90年代後半から2000年代にかけて下ネタ系映画が量産されるようになったが、その走りの一作。このジャンルの記念碑的作品として評価されてもいい映画。笑いのセンスは>>続きを読む

スイミング・プール(2003年製作の映画)

3.0

考えさせられる難解な映画。顔からして気難しそうな女性作家が巻き込まれるミステリーだが、フランスでの出来事が現実か妄想かが最重要ポイントになる。妄想派が多いようだが自分は全て現実にあった出来事で問題無い>>続きを読む

耳に残るは君の歌声(2000年製作の映画)

4.0

世間の評価が低いのが理解できないと思えるほど面白かった。民族差別上等のヨーロッパにおけるジプシーとユダヤ人の扱われ方の背景を知らないと、日本人には刺さらないのかもしれない。時代に翻弄されながら、父の写>>続きを読む

ジョニー・ハンサム(1989年製作の映画)

2.5

復讐劇としての筋書きは面白いが、ジョニーの中身が無い言動が映画をぶち壊している。出演している俳優陣は豪華。不幸を演出したかったかもしれないが、整形前のジョニーの特殊メイクは、どう考えてもやり過ぎ。スト>>続きを読む

パラダイム(1987年製作の映画)

1.5

前半は小難しい話が多くとにかく退屈。終末的オカルトとしてもホラーとしても中途半端。宇宙の素粒子がどうこうの話なんて、この映画には不要。個性の無い登場人物たちがキャラ立ちしていないので、誰にも感情移入で>>続きを読む

ダブルボーダー(1987年製作の映画)

3.5

主人公のジャックからして無表情で武骨なオーラを出しまくっているが、出てくる男たちが全員脂顔でギラついていて、とにかく男臭い映画。幼馴染の因縁を中心に、別の軸から謎の特殊部隊が絡んでくるストーリー。部隊>>続きを読む

ザ・ドライバー(1978年製作の映画)

3.5

人物描写や背景を極端に削ぎ落とし、独特で硬派な仕上がりになっている。主要登場人物全員が仕事に徹しているのは気持ちがいい。終盤の激しいカーアクションにもかかわらず、ピックアップトラックの助手席で帽子をか>>続きを読む

ブエノスアイレス 摂氏零度(1999年製作の映画)

3.0

出演している演者もスタッフも明るい表情が一つも無く、撮影がどれほど過酷だったかを物語っているドキュメンタリー。ウォン・カーウァイ監督の即興的撮影は現代では難しいのかなと感じさせられた。本編に無い映像が>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.5

LGBTQ系は拒否反応が出てしまう人も多く、そういった意味では最初から万人受けする映画ではない。香港とはまた違った色彩を帯びているブエノスアイレスの街並みと、個々のすれ違う思いが絶妙なバランスで独特な>>続きを読む

40歳の童貞男(2005年製作の映画)

2.5

下ネタ系コメディ映画としては40歳童貞の設定は面白いが、内容はオードソックスで特段目新しさを感じなかった。終盤もありがちで、どの年齢層に向けた映画なのか疑問に感じる。主人公の童貞という設定を活かすなら>>続きを読む

サブウェイ(1984年製作の映画)

3.0

当時のフランスの地下鉄はNYみたいに、結構バイオレンスな雰囲気を漂わせているのは新たな発見になった。ストーリはかなり雑で、観ている人に理解させようとする気はサラサラ無いと感じた。リュック・ベッソンは、>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

4.0

青春映画の傑作。淡い恋心なんかではなく、かなり特殊なので人を選ぶかもしれない。サイモン&ガーファンクルの曲が絶妙に哀愁を漂わせている。見た目からして挙動不審な金持ちボンボンのベンには、冒頭からいきなり>>続きを読む

最後の戦い(1983年製作の映画)

2.5

モノクロで台詞が無いなど、かなり尖った作品。世界観の構築という面で雰囲気は出ているけど、とにかく説明不足で理解が難しい。トランクに囚われた男とか何だったんだろうか?劇中に流れるBGMが安っぽく、確実に>>続きを読む

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.0

初見時はミッシェル・リーの美しさが強烈に印象に残った。「恋する惑星」から漏れたエピソードを長編にしているそうなので世界観は共通している。即興的な撮影方法は好き嫌いが分かれそうだが、90年代の香港を映し>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

ストーリーに深い意味は無く、即興的撮影を好むウォン・カーウァイ監督独特の雰囲気が人を選ぶ映画。返還前の熱気あふれるカオスっぽい香港と恋愛という一見すると相反しそうな二つの要素が、逆に化学反応を起こして>>続きを読む

ロリータ(1962年製作の映画)

4.0

映像からはキューブリック監督らしさは全く感じなかったが、世界観の構築は見事で冒頭から虜になった。劇中におけるロリータの存在感は強烈で、オジサンを魅了するオーラが凄まじい。ロリータの初登場シーンとBGM>>続きを読む

ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

3.0

いつの時代もイギリスは屑国家だということを再認識させてくれるような映画。多少アイルランド寄りな気もするが、事件を正確に再現しているなら、イギリスに言い訳の余地はないだろう。「ドキュメンタリータッチ」と>>続きを読む

2010年(1984年製作の映画)

3.0

「2001年宇宙の旅」は尖り過ぎていて自分には刺さらなかったが、この2010年はシンプルな作りで意外と楽しめた。米ソ対立の話が多く出てくるのは、時代を感じさせる上に、SF映画にいらない要素。終盤は木星>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.5

禁酒法時代を舞台にしたマフィア映画の名作。勧善懲悪のストーリーは痛快で、とにかくカッコいいケヴィン・コスナーが完全にはまり役になっている。出番が少ないアル・カポネ役のデ・ニーロもインパクトは強く、アル>>続きを読む

バタリアン リターンズ(1993年製作の映画)

2.0

バタリアンのタイトルが付いているけど、バタリアンぽっくない普通のゾンビ映画。そもそもバタリアンは噛まれてもゾンビ化する設定は無かったのに、今作からシレっと追加されている。もう、それは普通にゾンビです。>>続きを読む

バタリアン2(1987年製作の映画)

2.0

前作はホラーとコメディ要素のバランスが良い名作だったが、今作は笑いに振り過ぎて失敗しまっている。ストーリーの流れが前作とほぼ同じで、単に焼き直しをしているだけ。テンポも悪くダラダラした印象を受けた。と>>続きを読む

バタリアン(1985年製作の映画)

3.5

コメディに分類されるゾンビ映画。たしかに全く怖くないが、かと言って笑いに振り切っているわけでもない不思議な映画。タールマンの造形などは素晴らしく、人によってはこれだけでも厳しいかもしれない。一番驚いた>>続きを読む

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.0

詐欺みたいな邦題が酷すぎる、どこが続なんだろうか。反体制的で主人公が悲劇的な最期を迎えるなど、アメリカン・ニューシネマのテンプレみたいな展開。スピルバーグがこんな映画を撮っていたなんて知らなかった。ロ>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.0

シンプルイズベスト的な作品。理不尽に追いかけられる展開や、正体不明のドライバーなど、後の派生作品の多さを見れば、この作品がどれだけ影響力があったのかが分かる。主人公に同情はするが、あまり利口なタイプで>>続きを読む

ジョーズ'87/復讐篇(1987年製作の映画)

2.0

前作3が無かったかのような展開。アミティ島では話の広がりは期待できないと思ったのか、今回の舞台はバハマ。ブロディ一家に復讐を企むサメがバハマまで追ってくる陳腐な流れには、大いに失望させられた。尺が足り>>続きを読む

ジョーズ3(1983年製作の映画)

1.5

前2作の続編としてブロディ署長の長男マイクが主人公になっているが、前作までの経験を活かすとかが全くないので意味が無い。弟のショーンも登場しているが、こちらに至っては全く不必要なキャラで理解に苦しむ。海>>続きを読む

JAWS/ジョーズ2(1978年製作の映画)

2.0

歴史に名を残す前作と比較するのは酷だが、物語の前半は1の焼き直しなんじゃないかと感じるほど展開が一緒。舞台となる島も登場人物もほぼ同じだから、あれ以上の話を作るのは難しいのは理解できるが、もう一工夫欲>>続きを読む

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.0

サメ映画の元祖かつ金字塔の名作映画。この映画以降の模倣された作品の多さを見れば、どれだけこの映画が影響力あったのかが分かる。70年代に製作されたことを考えれば、サメのハリボテ感や、緩い感じのBGMは許>>続きを読む

スパルタカス(1960年製作の映画)

2.0

キューブリック監督が雇われとして撮った古代ローマを舞台にした作品。監督自身が作品を気に入っていないみたいだが、全編を通してキューブリックらしさは全く無い。冒頭から過酷な奴隷労働の実態、剣闘士の練習風景>>続きを読む

ザ・デプス(1989年製作の映画)

2.0

ノリもストーリーも完全にB級映画。舞台が深海ということで、辛うじて緊張感を保てている。焦らしまくった後に、モンスターのビジュアルがあれでは大半の人が肩透かしをくらうだろう。ショッキングなシーンを適度に>>続きを読む

突撃(1957年製作の映画)

2.5

突撃シーンの迫力が凄まじく60年以上前に撮られたことを全く感じさせない素晴らしさ。あの状況で突撃させられる一般兵が躊躇している姿などは妙にリアル。兵士をゲームの駒のように扱う、軍隊上層部の非人道的な態>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.5

実際にあった銃乱射事件を追体験するかのような映画。校内で銃を乱射するシーンの緊張感は凄まじく、静と動の使い分けが上手いと感じた。犯人のフェミニストに対する憎悪の根底にあるものの説明が殆ど無いので、映画>>続きを読む

預言者(2009年製作の映画)

2.5

気の弱い青年が刑務所の中で出世していく成り上がり系の映画。全体的に対立構造や人物相関が複雑な上に、それに対する説明も必要最小限で、ストーリーを追うだけで疲れる。出所の時のマリクは大物感が漂っていたが、>>続きを読む

活きる(1994年製作の映画)

3.5

激動の中国を舞台にしたある家族の物語。ギャンブルに嵌って全財産を失ったことは結果的には良かったが、とにかく福貴の行動が裏目に出て子供二人を失う悲劇になったのは残酷だ。内戦、大躍進、文化大革命に翻弄され>>続きを読む

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.0

見るからに寒そうなスウェーデンの景色と、少年と少女の淡い恋心が完全に調和している素晴らしい作品。エリの中性的な雰囲気が、物語に不安定さを醸し出し、突然に現れる残酷描写との絶妙なバランスになっている。エ>>続きを読む

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

3.5

複数の時間軸で展開される映画は混乱することが多いが、この映画は少年期、青年期、老年期と分かりやすくなっているので、すんなり受け入れられた。隣に住むアルフレッドに対する劣等感から抜け出すことなく、人生を>>続きを読む