皿と箸さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.7

すでに公開からかなり時間が経った渋谷での鑑賞でしたが、まさかの満席でびっくり。

総合芸術としての映画のクオリティには疑いようがなく、これだけ賛辞が集まるのも納得なのだけど、この映画が画期的なのは、ア
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

5.0


もしかしたらオールタイムベストかも。
面白すぎて2日に渡って3回半見た。

今はまだ自分の知識が未熟で、充分な読み解きには至らないけど、これはヒッピーと文明社会の対比を通じて自由の不自由性と可能性、
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

3.8

濃厚なソースのような映画。

明らかに吉田監督作の中では、
良い意味でも悪い意味でも突出しており、今までの作品である程度定形化した方法論やテーマ、テンションから逸脱せんとする気概を感じる一作。

吉田
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

社会から周辺化された他人同士が集まり、法の外側にある愛や真実を描こうとする物語。

是枝監督はずっと近代、つまり法治国家としての日本に定住を選択する人々がマジョリティになった事によって失われたものを映
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002年製作の映画)

4.0

クレしん映画で名作と呼ばれる、
オトナ帝国の逆襲と並び称される一本。

見直すと、クレしん映画というジャンルの枠を積極的に越境せんとする本格的な時代劇としても楽しめるし、タイムスリップものとしての過去
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

-

設定はすごく面白いなーとおもうんだけど、メッセージが好きになれない作品でした。

自分の固定化した価値観を他人に認めてもらえて良かったねって言うのが良い話とは個人的には思えない。

もっと多様な価値観
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.8

このシン・ゴジラが面白いと感じさせる映画になっている大きな要素は、終始続く膨大なセリフを淀みなく高速で喋ること自体のカタルシスというかコメディ感があると思う。
ただよくよく聞いてると量ほど中身はないと
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.3

冒頭のワンカットでシームレスにワイドな俯瞰ショットから寄っていく感じは、デヴィッドリンチのブルーベルベットを思い出したし、意図的にコントラストを低くして暗く潰れた画面の中をよく観るとおぞましいものが映>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

3.5

湯浅監督最新作ということで期待値上げて鑑賞。

前半45分くらいがもう、歯の浮くようなラブロマンスで正直嫁と見てて耐えられなくなる一歩手前くらいまでいきましたw

そこからの展開も話自体は特に突飛なこ
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.0

まず持ってアンブレイカブル、スプリット、ミスターガラス。この3部作通して、こんな映画観たことないよ。

設定といい、演出や構成などなど、作家性とはこういう事なのかと心底脱帽する。

今回はそれぞれの行
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.7

公開から19年経ちまさかの巨大な物語のプロローグという位置付けに文脈が読み替えられた本作。

まさか当時からこの続編を意識して作っていたのか…と思うほど話しのトーンは曇徴で、本当に最後のオチ一発で持っ
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葛城事件(2016年製作の映画)

3.4

ダイレクトに受け取ると、家庭環境が良くないと、子供は無差別殺人に走る可能性があるよという事なんだけども、敢えてステレオタイプな性格の4人を共同生活させる事で、核心のメッセージを際立たせる語り口は新鮮。>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.5

ラースフォントリアー 監督にしてはポップなパッケージと題材で新境地とも言える作品になっていると思う。

しかも最後は珍しく勧善懲悪的。

おそらく鑑賞のたびに印象が変わりそうな映画だなぁという印象だ
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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

2.0

こういうスポ魂ジャンルものって、
ノリとキャスティングで乗り切りすぎのものが多い気がする。

まず絶対的に技術的な部分には少しでも触れないと、何がすごいのかが全くわからないからこのチームが全米で優勝で
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ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

3.5

日常起き得る悲劇の上限を描くからこそ、
結構不快感なんだけど、だからこそ作り物感というかオーバーアクト、わざとらしく見えてしまう部分も多々。

あくまでもリアリティ路線で行くわけなのだから、細部の演出
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さんかく(2010年製作の映画)

4.5

吉田恵輔監督作は本当に面白いなぁ。

こういう映画を観るときほど幸せな時はないよ。

早く愛しのアイリーン観ないと。

吉田監督作は作中に物語のグラデーションがかかる瞬間にまずカタルシスがあり、
そこ
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.1

催眠術で直接的に殺す訳ではなく、抑圧されている衝動を解放する事で間接的に殺しへと向かわせるという部分が斬新。

その解放こそが救済であり、抑圧されている日常を生きている人々の方がある種異常な日常を生き
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

4.0

死人にハエを止まらせる演出はケレン味たっぷり。

後半は名言のオンパレードで、
ビジネス的に置き換えても胸熱。

前半の見せるところはキッチリ見せてるあたりが後半効いてくるのも上手い。

三池監督は今
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