nさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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好色一代男(1961年製作の映画)

4.0

京都の豪商の放蕩息子、どこまでも軽薄な女好きの雷蔵さん。きりりと寡黙な江戸の剣客を演じているところしか見たことがなかったのでまったく別人で驚いたけど、こちらが本領なのでは…という気がするぐらい最高だっ>>続きを読む

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

3.8

暴力とドラッグが蔓延するロサンゼルスはサウス・セントラル地区に育った黒人の少年たちが主人公。「あいつらと同じになるな、お前は王子様なんだ」と言われて厳しく躾けられてきたトレの物語、若くして刑務所に入り>>続きを読む

刺青(1966年製作の映画)

4.0

増村保造×谷崎潤一郎って絶対めちゃくちゃどぎついやつじゃん……気が進まねえよ……とレンタルしてきた自分に駄々をこねていたけど、面白かった。『刺青』って大人しい娘が背中に女郎蜘蛛を彫られて見る見るファム>>続きを読む

移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんかこのロンドン白人ばっかりでつまらんな…とぼんやり観ていたら満を持して姿を現したミス・ファン!!一人だけジョン・ウー映画のテンションのミス・ファン!!『ブレイド』のウェズリー・スナイプス感もある!>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

3.5

ファスビンダーみたいに生々しい小野家の不和・不幸と、白雪姫のごとく明るく溌溂としたファンタジックなヒロイン有子の取り合わせがちぐはぐで何だか変な映画だった。いびられる有子が「健気に耐えている」「気丈に>>続きを読む

The Way We Dance -狂舞派-(2013年製作の映画)

4.1

超絶技巧のダンスとアクションはもちろん、美術、照明、音楽のすべてがヒップホップでかっこいい。ハイローはこれも参照してるのかな?と思うぐらい。功夫もあります。のびのびとした魅力のある主役のチェリー・ナン>>続きを読む

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)

4.3

「こんなジェラルド・バトラーが見たい!」「ジェラルド・バトラーとパブロ・シュレイバーであの映画をやりたい!」「あの映画も入れちゃおう!」「このシーンも撮っちゃおう!」という足し算に足し算を重ねて作られ>>続きを読む

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

3.0

周りの評判が良かったのとキュートなジャケットに惹かれて観たけど、期待しすぎたのか全然いまいちだった。すべての男女が結婚する/しないの二進法で動く即物的にも程がある世界観、香港なのにあらゆる争いの決着を>>続きを読む

夜の珍客(2015年製作の映画)

3.6

自覚なき強者が振りかざす暴力的な自己責任論によってセーフティネットからこぼれ落ちていく弱者の姿を描く、思いのほか胸塞がれるような物語でそこが良かった。『ドリーム・ホーム』しかり、世知辛い現実の問題をそ>>続きを読む

夜明け(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

片田舎で小さな木工所を営む男やもめの哲郎。再婚を控え穏やかに暮らしていたが、ある日、死んだ息子と同じ名前を名乗る謎めいた若い男が現れたことで、静かに日常が狂い始める――。という筋立てだったことが途中か>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

4.0

この平山のような男、昭和の頑固親父なんていいますけど、今でもぎょうさんおりますやろ。あんなん一人前の大人やあらしまへん。日本の女の人がようお世話しはるもんやからなーんもせんとふんぞり返ってますけど、家>>続きを読む

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.0

全員が一、二発ずつ被弾して呻きながら地べたを這いつくばり続ける地味な銃撃戦映画。何だか全然のれなかった。たしかに現実はこんなもんなんだろうけど、たぶん、ジャンルもののお約束あえて外したった、みたいなや>>続きを読む

アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)

3.7

エイリアンVS南ロンドン公営団地のギャング団。たしかに地球外生命体侵略モノなのだが、ギャングスタ描写にも『ストレイト・アウタ・コンプトン』ぐらいの厚みがあってそのバランス配分が面白い。たしかに山王連合>>続きを読む

The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅡ(2015年製作の映画)

3.0

未公開シーンを交えた回想(前作のおさらい)が開始から延々1時間続くという驚愕の作り……本当は一本の映画にしたかったんだろうな……。というわけで上巻に比べてものすごく内容が薄いけれども、『悲情城市』を思>>続きを読む

The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅠ(2014年製作の映画)

3.8

恋愛パートが憤死レベルで小っ恥ずかしいとか、長澤まさみの衣装だけペラッペラすぎとか、のべつ幕なし劇伴鳴らしすぎとか、まあダメなところはあるものの、金城武とチャン・ツィイーと黄暁明とソン・ヘギョが出てい>>続きを読む

雪暴 白頭山の死闘(2018年製作の映画)

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雪山で猟銃ぶっ放すリャオ・ファンとか最高に決まってるやんという動機で観たけれども、面白いところが1秒もなかった。私の550ポイントを返してほしい(U-NEXTでレンタルした)。
どうにも似合ってる気が
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.9

佐藤泰志原作の映画を観て函館に行きたくなる日が来るとは…と驚いた。北国の夏の弱々しい陽光、人のいない広い道、青色の夜、オレンジ色の西日、どの風景も魅力的。なかんずく、佐知子が一人でいたカフェはぜひ訪れ>>続きを読む

ピンポン(2002年製作の映画)

3.0

口を開けばパワハラ発言かセクハラ発言であまつさえ体罰まで振るう教師、怪我をおしての出場を美談とする甲子園的根性論、中国人選手に浴びせられる直球のレイシズム等々、賞味期限切れというよりハナからアウトな価>>続きを読む

ザ・ファイター(2010年製作の映画)

3.9

家族が寄ってたかってミッキーを押さえつけ食い物にする(としか思えなかった)構図の何ともいえないリアルさに気持ちが重く重く沈み、ミッキーいいからベガスに行くんだ…家を出るんだ…と画面に向かって全力で念を>>続きを読む

レッドクリフ Part I(2008年製作の映画)

3.5

駄作だな…という印象しかなかったけど、原作をかじってみるとこれはこれでかなり良かったのかもしれないという気がしてきた。何よりキャスティングが。
製作当時、配役が確定するまでに相次ぐ降板また再登板など一
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燃えよ剣(1966年製作の映画)

2.0

およそランタイム90分とは思われないほど退屈だった上に、調べてみるといや架空の人物なのかよ!こっちも架空かよ!と見終わってから突っ込みが止まらない。
新撰組って要するに田舎のヤンキー集団なんだな…とい
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空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

3.6

予想に違わず話はトンデモ系だったけど、渋い色合いの唐代の衣装と、テーマパークかリゾートホテルかというような豪華絢爛な美術が素晴らしくて、それだけでも観た甲斐があった。黄軒の白楽天は立ち振る舞いから何か>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

4.1

エモい話と思い込んでいたら存外に軽快なコメディで、特に染谷くんにはだいぶ笑かしてもらったけれど、それでも窪田くんが画面に映るだけで有無を言わさぬエモが生まれるのですごい。歌舞伎町路上に佇む見返りボクサ>>続きを読む

プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2018年製作の映画)

4.3

これは絶対あの有名作のあれだな…という大ネタはキャスティングからもすぐわかってしまうのだけど、それでも今年観た新作ミステリー映画の中では群を抜いて面白かった。伏線でもヒントでもミスリードでもない描写の>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

出ました、観客の後頭部を鈍器でぶん殴って奈落の底に叩き落とす韓国映画。編集も脚本も全体に粗くて出来がよくはないだけに、このジャンル(?)の筆頭格『チェイサー』、次点『マイ・ブラザー』ほどの衝撃はないも>>続きを読む

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

4.4

キュートで賢いナオミ・スコット、クールな武闘派エラ・バリンスカ、おもしろハンサムなクリステン・スチュワートのスパイ大作戦。こんなにずっと楽しくて幸せな映画があるかよ!!アクションもプロットもゆるいけど>>続きを読む

十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.6

特に「師弟」や「兄弟分」といったような関係性を見せることで十三人の顔と名前が覚えやすくなっていたところはオリジナルより良かったけれど、最終盤の一騎打ちからの急激な失速は残念。役所広司と松方弘樹は絶対逆>>続きを読む

十三人の刺客(1963年製作の映画)

4.3

面白かった!『七人の侍』ありきの作品なのかもしれないけど、個人的にはコンパクトかつシンプルなワンミッションものであるこちらのほうが好み。何といっても相手方に話の分かる好敵手として半兵衛さんがいるのが良>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ああ、「朝日のあたる家」って映画の中で聴くとなんでこんなにかっこいいんだろうか。あの場面で一気にこの映画が好きになってしまった。
「美しすぎる殺人者」みたいなコピーに反して劇中ではカルリートスが偶像化
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

4.0

良かったんだけど、『ハスラーズ』後の世界に来てしまったせいか男がしゃしゃり出すぎだろと思えて仕方ない。怒鳴った時点で夫の気持ちを汲む気が失せた。

それにしてもレイチェル・ワイズはかっこいい。将来はレ
>>続きを読む

ハスラーズ(2019年製作の映画)

4.5

映画の登場人物の気持ちがこれほどまでに「手に取るようにわかる」と感じたことがあったかしら?と思うぐらい、ずっとコンスタンス・ウー演じるディスティニーに感情移入していた。この鑑賞体験を経てようやく、女性>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

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自分でもびっくりするほど退屈してしまったのでやはり私はミステリ映画に向いていないのかもしれない。ただ「続編にドーナル・グリーソンを出してほしい」という要望がファンから出ているらしくて、それは実現したら>>続きを読む

AI崩壊(2020年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

ジェンダーバランスが最悪すぎて話が頭に入ってこない。なんで大沢たかおが死んで松嶋菜々子が逃走する展開じゃないんですかね、社長もデータセンター長も病院の医者もみんな男で女は秘書や助手や受付係ばっかりって>>続きを読む

キャッツ(2019年製作の映画)

4.0

全米酷評、ミュージカルファンにも概ね大不評とのことだけど、これが正真正銘人生初キャッツの私は名曲の数々と詩的な台詞を存分に堪能して普通に大満足してしまった。推し猫はマジカルキャットのミストーフェレスで>>続きを読む

私が神(2018年製作の映画)

4.1

世界各地の宗教をおちょくった低俗不謹慎コメディ…の後に待ち受ける恐ろしい展開がかなり面白く、また真摯で好感を持った。さすがに名優マルゲリータ・ブイさんが出演しているだけのことはあるのだ。(完全にお笑い>>続きを読む

ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)

4.4

力強く温かい原作に忠実な、素晴らしい映画化だった。「トークン○○」(白人ばかりの集団にエクスキューズとして一人だけ投入されている人種的マイノリティーの登場人物)の視点に立つとアメリカ映画はこう見える、>>続きを読む