nさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

1.0

モラトリアム的な「大人になりきれない」ではなく、「何らかの原因によって体だけが大人になってしまった」人たちが身を寄せ合って何とか生きている(ようにしか見えない)チームなので、思いのほか痛々しくて観るの>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.7

バディものから松坂桃李の単独主演作になり、村上虹郎くんもがっつり活躍して、なんか、一作目と比べて画面が美しくなったね……と映画館を出たところでしみじみ呟いてしまった。(いや、役所広司のガミさんに文句は>>続きを読む

とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

4.0

『東京リベンジャーズ』が良かったので観てみたら、また北村匠海が渋谷にいる!(2020年なので109は新ロゴになっている!)
とにかく揚げたてのとんかつが食べたくなる&道玄坂~円山町を散歩したくなってし
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るろうに剣心(2012年製作の映画)

1.0

映画館で見かけたシリーズ新作の予告編の真剣佑がかっこよかったし、アクション監督が谷垣健治さんだから観てみるか…と腰を上げてみたのだけどアクション以外の全てがなかなかにしんどかった。危うく日本映画不見の>>続きを読む

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

4.1

漫画もアニメも未履修だけど、原作のエピソードや登場人物の取捨選択および再構築が見事だと聞いてさもありなんと思った素晴らしい脚本。面白かったー!と心から言える喜びがあるし、それだけではなくて終盤は本当に>>続きを読む

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

SFが大の苦手科目なので単純に理解が追いついていない部分もかなりあるとは思うのだけど、一体全体どうしてこんな結末にしてしまったのか、どうにも納得がいかない。「君か、世界か――」の二択を迫られたら第三の>>続きを読む

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

3.0

リブートシリーズ一作目としての重圧や、観客にいろいろと説明する必要などもあって大変だったのだろうとお察しはしますが…ものすごくつまらない!!『KOM』を先に観ていたから特にそう思うのだろうけど、とにか>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.0

怪獣映画なんだけど感触としてはむしろ戦争映画…と思うぐらい、どこを切っても濃密な『地獄の黙示録』オマージュで最高。そのおかげもあるのか脚本もかなりちゃんとしているし、何といっても「カッコいい画を撮るん>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.3

ヨノイくん、君のそれは、恋やで…!と教えてあげたいけど、そんなこと言ったら卒倒しそう。下手すると刀で斬られそう。

戦時中から変わらないこの国の伝統芸「人命軽視」に現在進行形で脅かされている今この時、
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Vision(2017年製作の映画)

3.7

『朝が来る』を観たときは「河瀨直美っぽくないな…」と思ったけどこれはめちゃくちゃイメージどおりの河瀨直美でした。他には観たことないけど…。

内容はWhat the…?という感じだけど映像はさすがにき
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ガンマン大連合(1970年製作の映画)

4.0

突っ込みどころもたくさんあるが、バスコがアホかわいい、バスコとペンギンのド突き合いがアホかわいい、悪役のキャラがやたら濃い、ハヤブサと亀とモグラの活躍、などなど良いところもたくさんあるチャーミングな映>>続きを読む

真昼の用心棒(1966年製作の映画)

4.0

鞭使いのサディスティックファザコン坊っちゃんといい、アル中で使い物にならないかと思いきや酔拳(※ではない)の達人だったお兄ちゃんといい、終盤になって突然ブッ込まれる衝撃の事実といい、何から何まで濃すぎ>>続きを読む

続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

3.8

タランティーノがやりたいのってこれかー!!と完全に理解した。極限まで完成されたB級映画というか…。面白すぎる。色彩も画質もバキバキに決まったデジタルリマスター版で観たのもあり、『サスペリア』に通じるセ>>続きを読む

殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.3

伝説的なカルト・マカロニウエスタンらしい…と聞いてはいたけれど、たしかにこれは凄まじい。ほぼ何も知らずに観られて幸運だった。
哀愁漂うどこか叙事詩的なモリコーネ印のテーマ曲と、『レヴェナント』か『ウイ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.7

予想に反してかなり明るく楽しい気持ちになって帰ってきてしまった。無数の固有名詞と種々の「あるある」が列挙されているわりに、どこを切ってもびたいちリアルとは感じられなかったからかと思う。クライマックスの>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

現代文の設問だったら読みながら傍線を引くような、いかにも「作者の主張」という台詞はたとえ唐突でも説明的でも、というかそれゆえに好きになることが多いのだけど、今作で石橋静河さん演じる逸子が発した言葉には>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.7

このタイミングで!と鳥肌が立つオープニングクレジットにがっちり心をつかまれてしまった。(音楽・岩代太郎!)
傷だらけの狂犬・綾野剛、圧倒的オーラの親分・舘ひろし、屈託の二番手・北村有起哉、ギンギラギン
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名も無き世界のエンドロール(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

岩田剛典さんと幼馴染の仲間たちがインターネット上への情報公開によって政治的権力者の悪事を白日の下に晒し、爆破セレモニーを阻止するべく奔走する映画である。(言いたいだけ)

退職する従業員をさらっと裏社
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暗数殺人(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

組織での出世に背を向け、事なかれ主義の同僚に煙たがられつつ、弱き者たちのために誰より高潔な職業倫理を全うするキム・ヒョンミン刑事の姿が『プリースト』のキム神父にそっくりで、キム・ユンソク役のキム・ユン>>続きを読む

ディヴァイン・フューリー/使者(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

孤児院でいじめられてた子供が悪魔に取り憑かれたあげく殺されてしまう展開、何なの?何考えてるの?と呆気にとられたけど特に何も考えてなさそうだったので、その後は真面目に観るのをやめてパク・ソジュンによるM>>続きを読む

バッグにはクリプトナイト(2011年製作の映画)

3.0

息子を引っ叩いた母親は反省するが妹を平手打ちした兄は開き直っている、浮気した夫は結局最後まできちんと謝罪しないが浮気した妻は実母に脅される、等々の(無自覚っぽい)男女非対称な描写がどうにも引っかかり、>>続きを読む

幸せの椅子(2013年製作の映画)

3.6

イザベッラ・ラゴネーゼのファッション(エステティシャンの制服も、H&M風の普段着もめちゃくちゃ似合ってて可愛い)ぐらいしか見るべきところがないな…と鑑賞中は退屈していたのだが、追い詰められた二人組が一>>続きを読む

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

男だけがヒロイックにゾンビと戦う、とか親が子供のために自分の命を差し出す行為を美談として描く、といった前作『釜山行き』の前時代的に感じられたところが全部なくなっている、というかその反省と刷新のために作>>続きを読む

トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして(2020年製作の映画)

4.0

従来の映画やドラマのトランス表象にはどのような問題があったか?トランス女性をシス男性が演じることの何が問題か?といった基本的な問いの答えを知ることができて大変勉強になると同時に、自分がここまで無知のま>>続きを読む

エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

4.1

題材も語り方も面白いし俳優も最高…あとは映像さえ良ければ言うことなし…と思っていたパブロ・ララインが奇抜なイメージをバシバシ打ち出してきたのでもう大喜びするよりほかなかった。地形とか街並みは普段ぼんや>>続きを読む

君の心に刻んだ名前(2020年製作の映画)

4.0

同性愛を描いた台湾映画は『GF*BF』『花蓮の夏』『僕の恋、彼の秘密』『Tatoo 刺青』『藍色夏恋』『ウェディング・バンケット』『先に愛した人』など多数あるけれど、セクシュアリティをめぐる彼らの「苦>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

大変に良く出来ているのだと思うけれど、完璧にコントロールされた画面と極限まで言葉数を減らしたダイアローグが窮屈に感じられてしまって、個人的な好みからは外れる。

サバハ(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

チャン・ジェヒョン監督の、めちゃくちゃ力強く人間性を肯定するところ、登場人物に対して優しいところが本当に本当に好きだな…と特に終盤で噛み締めた。仏教、キリスト教、巫俗、新興カルトと種々の宗教が入り乱れ>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

数年ぶり二回目。ほとんどの場面を忘れていたし、初めて観たときと同様どうも散漫に感じられてしまったのだが、時間が経てば面白さというか良さがわかるのではないかという予感がするので、引き続き待ってみようと思>>続きを読む

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

たしかにボーイ・ミーツ・ボーイだけど…まだ何も始まってないじゃん…と終幕ですっかり打ちのめされてしまった。考えてみればそれこそ古典的な筋立てで、予想できそうな展開であったのにもかかわらず(『ジュリエッ>>続きを読む

ラ・パッショーネ(2010年製作の映画)

4.0

もう5年も新作を撮れていない映画監督が、ひょんなことからトスカーナ地方の田舎町で聖金曜日の降誕劇を演出することになるが…というお話。コメディというにはあまりに憂鬱だけれど、好みの映画だった。
シルヴィ
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幸運の女神(2019年製作の映画)

4.0

ステファノ・アコルシとエドアルド・レオのカップル、長年連れ添ってきたがゆえの関係の危機というのが伝わってくる雰囲気が良かった。突然『副王家の一族』が始まる終盤といい、いろいろと歪なところや突っ込みどこ>>続きを読む

きっと大丈夫(2020年製作の映画)

4.0

女医をコケにし、仕事仲間のオフィスに怒鳴り込み、別れた妻にぐちぐちと嫌味を言う「らしくない」姿に、なんやキムロッシ……あんたまでその辺のおっさんと同じになることないやないか……と最初こそ悄気げていたも>>続きを読む

考えてもムダさ(2007年製作の映画)

4.0

懐かしのClap Your Hands Say Yeah~!!
イタリアで人気を博してTVシリーズ化もされたと聞き、ずっと観てみたいと思っていた作品。(TV版はどんなストーリーなんだろう…?)
大枠と
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罪の声(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いや、永田町に切り込まんのかい!と盛大にズッコケた。顔面力の強いおじさんが次々と登場するところなど、随所に韓国映画っぽい雰囲気を感じたけど、韓国映画だったら絶対、国家権力に立ち向かってたよな…。仮にも>>続きを読む

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

4.2

どんな話かと聞かれたら上手く説明できないし、どうも語り手のメッセージを見誤ってたっぽいぞということにも途中で気づいたのだけど、それでも語り口といい映像といいすごく好きな映画。建物としての「家」にまつわ>>続きを読む