フランコさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

フランコ

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トルチュ島の遭難者(1976年製作の映画)

4.0

2016/12/6 DVD

相変わらずアナーキーなバカンスもの。旅行代理店に勤める主人公の本編とは全く関係ない黒人女性とのロマンスに始まり、「とりあえず無人島っぽいとこに行ってサバイバルっぽいことし
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イニスフリー(1990年製作の映画)

4.6

2017/1/21 東京写真美術館

『静かなる男』が好きだったら感動せずにはいられない。序盤で泣いた。映画を観る限り中の人たちは生き続けるが、映画に関わった人たちの記憶は減衰していき、いずれ亡き者と
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静かなる男(1952年製作の映画)

4.4

2017/1/20 blu-ray

アイルランドの美しい情景が生々しいテクニカラーで映える。ラブコメとしては恋の馴れ初めや展開が短絡的だけど、これぞアクション映画の真髄とも言える画面の躍動が凄まじい
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男の敵(1935年製作の映画)

3.7

2017/1/19 blu-ray

初フォード。冒頭に娼婦の彼女が「Gypo!」と叫ぶことによって初めてトーキー映画だと知らされるまでのサイレント的なシーケンスが圧倒的。喋り始めると内容が今となって
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エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

4.2

邦題からはもっとチャラいラブストーリーを想像してたが、さすがにヤンは大人。儒教に明るくないと受け止めきれない気もするが、ざっくり言えば伝統的な儒教倫理と現代的な利己主義との対立の中での恋愛群像劇?キャ>>続きを読む

水の声を聞く(2013年製作の映画)

3.8

ヒョンリ目当てで。新興宗教ってのは飽くまでヒョンリが自身のルーツを活かして躍動するための小道具で、それについて語ろうって意図は特に感じない。今話題の電通マン、チェジュ島のドキュメンタリー、小津的な切り>>続きを読む

ホテルコパン(2014年製作の映画)

3.5

2017/1/11 DVD

ヒョンリ目当てで。無愛想なチェーンスモーカー従業員といった脇役でアップが少なくて不満だけど、画面の隅にいるだけでも秀麗。色彩とか野外の光とか、撮影は好み。群像劇なのは良い
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トロピカル・マラディ(2004年製作の映画)

4.6

2017/1/8 イメージフォーラム

アピチャッポン最新の2作ほどよりはストレートに観れる。第二部が第一部の装飾なのか、逆なのかはわからないけど、第二部のスリル、奇妙さ、ジャングルの湿度や虎の崇高さ
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

3.1

2017/1/7 DVD

全体的に演出とかが細やかで優しかったけど、前半のありがちな世間話とかが全く頭に入ってこないし、結構集中力を要する映画で、あまりノれなかった。『誰も知らない』でも思ったけど、
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.9

2016/1/6 DVD

悲惨なネグレクトの下にある子供たちを淡々と映す。柳楽優弥も段々と熱が入ってくる。画面の移動や運動が絶えず、未来に繋がっていることを示しているかのよう。実際の事件は遥かに悲惨
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花様年華(2000年製作の映画)

3.2

不倫の犯人ではなく被害者を追う、焦らしロマンス。反復される音楽とスローモーションがミュージックビデオ的でじれったい。リー・ピンビンとクリストファー・ドイルの撮影はさすがに鮮やか。

2017/1/3
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悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)

3.6

2016/1/2 blu-ray

黒澤ノワール。後味は悪いけど、ダンディ度マックスながら野性味あふれる三船がとりあえずカッコいい。

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.6

2017年初映画。これが遺作なのが実に遺憾。ヤンヤンがささやかながらにも求道的で、妖精みたいな存在自体が神話的でもある。

2回目の鑑賞はスクリーンで観れて、やはり映画はスクリーンで観るものだな、と実
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話の話(1979年製作の映画)

3.8

2016/12/26 イメージフォーラム

かわいいキャラとは裏腹に、記号的で難解で重かった。

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.4

2016/12/26 イメージフォーラム

オーケストラの効果音が格調高く実に贅沢。コグマくんのキャラがナイス。

アオサギとツル(1974年製作の映画)

3.4

2016/12/26 イメージフォーラム

めんどくさいカップルだな。霧の中で傘を差し出すシーンがよかった。

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

4.0

2016/12/26 イメージフォーラム

バラライカを弾いたり、とりあえずニンジンをモグモグするウサギがただかわいい。コマの使い方や移動も秀逸。オチはどう捉えていいのか少し戸惑う。

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.9

2016/12/26 イメージフォーラム

リムスキー=コルサコフ万歳。通常は完全に時が止まっているフレスコ画が活き活きと躍動していて、タイムトラベルのよう。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.5

2016/12/26 イメージフォーラム

ショスタコカッコよし。十月革命の桁違いなスケールを切迫感溢れる画面移動から感じられる。突然の実写レーニンにもギョッとする。

一人息子(1936年製作の映画)

3.5

2016/12/20 blu-ray

小津初トーキー。時折ジャンプカットみたいになる。音声の状態も悪く、信州弁ってのもあり英語字幕に助けられた。無人カットとか構図とか、すでに誰がどう見ても小津ってわ
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

2.8

2016/12/19 ポレポレ東中野

河川敷でフリスビーがなくなり、俯瞰で固まってた人たちの時が少しずつ動き出すとことか、印象に残るシーンはいくつかあったけど、ノレないタイプのアブストラクトだった。
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.7

2016/12/19 ポレポレ東中野

ただ背中にゼッケンを貼り付けたようなハリスツイードの使い方が超雑な服だけど、ヒョンリがオールタイムベスト級にタイプ。笑いあり涙ありの新感覚幽霊ショート。

プージェー(2006年製作の映画)

4.0

2016/12/17 横浜シネマリン

陸路でアフリカに行く道中でモンゴルの遊牧民の一家を訪ねました、ってだけでこんなにドラマがあるものなのか。プージェーが登校する日に喜びを抑えきれずにはしゃぐ叔父さ
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玲玲(リンリン)の電影日記(2004年製作の映画)

3.8

2016/12/15 DVD

今でこそ世界の色々な映画を好きな時に観る自由はかなりあるけど、夜に野外でスクリーンを立ち見するって一大イベントがコミュニティで共有されているのは愛おしい。演出とか音楽の
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PASSION(2008年製作の映画)

4.1

2016/12/14 ポレポレ東中野

PASSIONとは「情熱」って意味ではなく、キリスト教的な「受難」という意味なのかなと思ったり。。小津映画では監督が徹底して役者に白々しい演技をさせてるのに対し
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工事中(2001年製作の映画)

4.6

2016/12/13 blu-ray
2017/1/14 東京写真美術館

人の手で作った建造物を人の手で壊す解体作業は無限にエモい。ジャ・ジャンクーの『長江哀歌』然り。でもむしろできてきた時のほうが
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影の列車(1997年製作の映画)

4.5

2016/12/11 blu-ray

セリフが全くないことはおろか、活字的な情報も冒頭の導入部分のみ。小津的な無機質ショットをひたすら繋いだり、人物も固まったりと静的だけど、光・影・音楽がダイナミッ
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ツバル(1999年製作の映画)

4.5

サイレント期へ回帰したかのようにシンプルに表情・動きなどの映像だけで伝える物語。会話として成立するようなセリフも、インタータイトルもない。場面ごとに違う単色に染められたモノクロだったり、常に鼓動のよう>>続きを読む

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.4

水中撮影がとにかく美しくて神秘的、夫が沈むシーンは鳥肌モノ。出血が毎度豪快でブシューブシュー音を立てて可笑しく、無双シーンは胃もたれ級。車の爆発性が高すぎて笑った。本多俊之のソプラノのタイムに自由なと>>続きを読む

彷徨える河(2015年製作の映画)

4.4

2016/12/3 イメージフォーラム
2017/1/7 横浜シネマリン

最初の方は壮大なジャングルをカラーで観たかったな、とか思ってたけど、KKKみたいな人たちに連行されて岸辺に着港するシーンとか
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ざくろの色(1971年製作の映画)

4.0

音と映像による詩的な詩人伝。意味は全く不明だけど問答無用で反復される動きや視線やジャンプカットに圧倒される。でも一応ストーリーというか、人の一生を追っている。切ない。キンザザの音響を思い出した。

2
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ターミナル(2004年製作の映画)

3.0

2016/12/2 blu-ray

公開当時は中学生で、大いにハマって六本木ヒルズで2、3回観に行った。今となっては色々あざとく感じてしまうけど、色彩はかわいらしくて、何よりトムハンクスのスラブ風訛
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インフェルノ(2016年製作の映画)

2.6

2016/12/1 TOHO日本橋

10月のSullyに続いて、1日の映画の日に人の命を救うトム・ハンクス。特に序盤は病的なまでに落ち着きがないカメラやカットの多さに目が回る。前評判最悪で挑んだけど
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神水の中のナイフ(2016年製作の映画)

3.6

2016/11/22 東京フィルメックス@TOHO日劇

妻を死後40日目の法事で弔うために、老いた牛を屠るまでの夫をただ粛々と映す。「この牛にはひどい扱いをしてきた」と言いながらしっかりと世話をして
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

あかりを灯すタイトルクレジットから始まり、序盤では目の不調を訴え電気を点けたり消したりする主人公が懐中電灯を見つけ、混沌とした青春(時には接吻する男女を、時には斬り付けられた屍を)を照らし、ミン(明)>>続きを読む