フランコさんの映画レビュー・感想・評価

フランコ

フランコ

好きな横綱は鶴竜です。とりあえす引退の危機は脱したようで一安心です。長らくコルトレーンを神と崇めてましたが、最近はショーターもダライ・ラマ的な位置付けになってきました。

ベストムービーは今はとりあえずエドワード・ヤンです。2017年は古い邦画ばっかり観てたので、今年は国際的にいきたいと思います。

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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.9

Fake news時代における昔は良かったねノスタルジー。室内で引きのショットが多く、みんな一斉に喋ってたりと演劇っぽいが、Ben Bagdikian (Bob Odenkirk) が外へ踏み出すと、>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.7

スピルバーグの無邪気なオマージュ祭り。主人公のアバターがビジュアル系で軽々しい。アルテミスがリアルで会っても普通に美女、そんな美女と冷静に発展する主人公、という結局は夢物語。バーチャルも良いけどリアル>>続きを読む

稲妻(1952年製作の映画)

3.7

4人兄弟全員父親が違うという離散的な家族の中で気高く生きる、はとバスガイドの高峰秀子。ふどうの皮を時にオーバースロー、時にサイドスローで変幻自在に投げ捨てる姿が忘れ難い。タイトルにもなっている落雷がビ>>続きを読む

おかあさん(1952年製作の映画)

4.2

人がバッタバッタと死んで行くのにこの妙な明るさはなんだろう。。死の場面はおろか、死を悼む家族の姿すら映らない。運動からなる画面のテンポは元々抜群の成瀬だが、本作では時間もビュンビュン進み、感情の断絶に>>続きを読む

めし(1951年製作の映画)

4.6

冒頭で原節子が「ユリちゃん」と呼びかけているのが、子どもではなく猫って点から、所々で子どもの不在が不気味に漂う。倦怠期の夫婦が遠くから来た若い娘(島崎雪子)にかき乱され、結果持ち直すって話は久我美子が>>続きを読む

娘・妻・母(1960年製作の映画)

4.1

高峰秀子は出番少なめ。序盤でさらっと未亡人になる原節子の細やかな演技が光る。「それにあたし上手く喋れないでしょ?」の誠実さ。原節子にしては貴重なキスシーンwith仲代達矢!『浮草』の若尾文子と川口浩の>>続きを読む

女の座(1962年製作の映画)

3.9

安定の成瀬×薄幸な高峰秀子。『東京物語』で義父の笠智衆から実の子以上に暖かくされる原節子と同じシチュエーションの高峰秀子。いくら星由里子がかわいくて司葉子も美人とはいえ、少年が礫死し、その葬式で加東大>>続きを読む

河口(1961年製作の映画)

4.0

画商のマダム・岡田茉莉子が美女すぎて降参。日本映画史上ナンバーワン首すじに違いない。あらすじ読んでコメディかぁと思って挑んだら小津の名カメラマン、厚田雄春の神聖なライトワークによる画面で始まり、いきな>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.4

シンメトリカルな絵作りや劇っぽい語り口に没頭しているのは安定のウェスだが、感情が伴っていない感あり。感動の再会の場面でフラッシュバックが入るとこ、せっかくビルドしてきた感情を断ち切ってしまう。それ含め>>続きを読む

沈丁花(1966年製作の映画)

4.0

当時42歳ながら平然と32歳に扮する京マチ子がキレイ過ぎる。司葉子もぶっ飛びすぎてて『秋日和』と同じ人とは思えない。小津映画みたいなストイックなタイトルながら、ゆるくて幸せなコメディ。と思ってると「本>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.0

ホラー映画監督としてのセンスを感じさせる一品。戦後の苦しい生活という成瀬的なテーマで、序盤の佐野周二の不在、禍々しい階段のショット、通奏低音のように鳴り響くインダストリアルなノイズ、佐野周二のカオスな>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.9

遊び心あるサイケな視覚効果の中、寒過ぎないストーリー、クド過ぎない脚本、程よい熱量、クリーンな言葉遣い、リュック・ベッソンだけあって並みのハリウッドSF映画とは一味違う品格を感じた。ボウイで始まり、荘>>続きを読む

東京の瞳(1958年製作の映画)

3.9

市川崑『日本橋』と同じようなメンツで、似たようなべったりした大映カラー。明らかに光量不足と思われるような室内でも黒が映える。人物が悲しんでうつ向くとき、決まりごとのように顔が影で見えなくなるのが素晴ら>>続きを読む

馬を放つ(2017年製作の映画)

3.5

雄大なキルギスの自然美は目にやさしく、贅沢なロングショットや長回しが優美。主人公(監督)と露店の女が夕方に仲良く小道を歩いていると、女の愛人らしき人物(顔は映らないので正体はここでは明かされない)が馬>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

2.5

ここまで黒人と女性が主役な映画がアメリカにおいては意義深いとは思うけど、まぁ緊張感のないこと。決闘シーンの空とか天気良過ぎて、空も青過ぎて決闘というよりピクニック日和だったな。照明もグラビア撮影かって>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.4

題名からはてっきりBruce Leeの伝説の名言、”Be formless.. shapeless.. like water. Now you put water in a cup, it becom>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.9

字幕版。初ピクサー映画。時には実写の背景にCGを乗せてるのかと見間違うような技術力に感心。原題で十分良かった、というかあのほぼセリフがなくて記号的な役割の強いMama Cocoがその朧げな記憶のみでこ>>続きを読む

アナと雪の女王/家族の思い出(2017年製作の映画)

2.0

字幕版。楽曲は古き良きブロードウェイミュージカル感があり、歌唱力もあり聞き応えはあったが薄暗い画面は冴えなく、長ったらしい22分。『リメンバー・ミー』には不要な前座。

2018/3/16 TOHO六
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.6

無人のスチルを等間隔で繋ぐ、まるで小津なシーケンスからの静かに看板を眺めるマクドーマンドのスリリングなオープニングは掴み抜群。キャラも濃くて演技も魅力的だし、話も常にサスペンスを維持して面白い。ただい>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

1.7

いくら当の本人たちが嬉しそうにしてるとはいえ、見世物にすること自体がまず倫理的に悪趣味なので不愉快。時間に対する敬意を全く欠くような省略っぷりも残念。このご時世なのでミュージカル映画なのに音楽に魅力が>>続きを読む

苦い銭(2016年製作の映画)

4.2

相変わらずカメラが環境に溶け込んでいて、超越者の眼差しを体験しているかのよう。かと思いきや、人びとがカメラ(ワン・ビン)に話しかけてくる場面もちらほらあり、中でもリンリン(DV夫の妻)が夜道の中で振り>>続きを読む

少年たち(1962年製作の映画)

4.0

『動くな、死ね、甦れ!』のような戦時中の生々しさがあるフィンランド版『スタンド・バイ・ミー』といったところ。

砲弾落っことして天を仰ぐ悪童のカットx2 → どっかーん → マザコンのヤッケの家にてお
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.6

ポップなジャンプカットや効果音が溢れる中、表情豊かな松岡茉優の魅力が炸裂する。しかし男子校育ちの身としてはあんな可愛い松岡茉優がいくらオタクだからって中学時代・同窓会で無下にされるってことが信じられな>>続きを読む

コルトレーンを追いかけて(2016年製作の映画)

3.0

コルトレーンのスピリチャルっぷりにしっかりと着目している。 BGMの選曲もナイス。来日エピソードも普通に泣ける。映像としてはもう散々見たコルトレーンの数少ないライブ映像の抜粋と、ビッグなゲストがインタ>>続きを読む

ファンさん(2017年製作の映画)

2.9

アルツハイマーに伏した老婆の無表情のどアップを大人数で静かに見上げて眺める、というなかなかシュールな経験をした。電流イライラ棒みたいな謎の釣り具が気になる。

2017/11/23 フィルメックス

夕暮れのとき(1957年製作の映画)

3.7

大金入ったカバン間違えるとか、雪山で落とすとか、みんなしっかり!ゴルゴ13のようなイカツい体格で声も枯れてる自称絵描きのアルド・レイがうっかり美女と道中共になり、追手を気にしながら田舎へ繰り出すって流>>続きを読む

私はゾンビと歩いた!(1943年製作の映画)

4.0

近頃のゾンビときたら目玉が垂れてて、体中腐敗していて、ってグロい死体を想像するが、この頃のゾンビは無表情で無言でまばたきをしないこと以外、普通の人。本作は純白のドレスをまとった美しいゾンビJessic>>続きを読む

MR.LONG/ミスター・ロン(2017年製作の映画)

3.4

凶器から調理道具になった刃物によって繰り出される美食が国籍を超えて人を繋ぐ、笑いあり涙ありのキャッチーな犯罪映画。結局、美男美女は黙っていれば良いのでずるい。そんな寡黙なチャン・チェン感情をさらけ出す>>続きを読む

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)

3.0

「身体性」がキーワードとなっているとおり、趣里は文字通り踊り続け、身体は躍動している。映画の三分の一は歌番組。さすがにプロのバンドだし聴き応えはあるけど、もじゃもじゃ頭で両頬を一文字で繋ぐピンクのグリ>>続きを読む

溺れるナイフ(2016年製作の映画)

2.7

大長編ドラえもんかってくらい挿入歌が頻出してミュージックビデオを観てるようだし、全体的に音楽が押し付けがましく、電車で音漏れしてる人みたい。ロングショットにおける人物の移動は魅力的!いくつかある大友と>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.4

新幹線という閉塞的かつ直線的な空間‎の中、ゾンビの群れを振り払って前進しなければならないというお題は面白く、戦闘までの間はRPGでボス戦の前に装備を整える感覚に近い。描写はマイルドでグロも皆無でも、序>>続きを読む

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.6

画面の運動量が全盛期の長友並みに圧倒的で、単純に人々の生命力に呆気にとられる。第二次世界大戦後間もない極東ソ連の喧騒や狂乱もけたたましい。1940年代の映画さながらのモノクロのボケ具合やデフォルメされ>>続きを読む

山の焚火(1985年製作の映画)

4.7

アルプスの雄大な自然の中、エリセ並みの崇高さすらあるが、雰囲気も話も禍々しい。

穴を掘って始まり、穴を掘って終わる。大自然に囲まれてはいるものの、斜面という安定を許さぬ地形であり、家族以外の人との関
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SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.3

昔の映画を観ると、もうとっくに死んでる人も画面で躍動する限り不滅なのだが、この映画から感じる牛腸茂雄の死は気味が悪いくらい痛烈。ロケ撮影では人は一人も映らず、人物は完全に時が止まった白黒写真だけ。カリ>>続きを読む

夜明けの夢(2016年製作の映画)

3.9

10代の頃から親戚にレイプされる、子供を産む、親も自分もヤク中、盗みの対象はクルマ、父親殺し、など人生経験が壮絶な少女たちに迫り、なんの変哲もない少女のように明るく振舞う姿を映せば誰がどう撮っても響か>>続きを読む

激情の時(2017年製作の映画)

3.4

クリス・マルケル的な動画エッセイ。映像は全て参考資料のみで、編集によって劇を生み出すという手法はドキュメンタリーならではだったが、喋り通しのナレーションに疲れた。ポルトガル語は癒し系ではあるけれど。激>>続きを読む

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