フランコさんの映画レビュー・感想・評価

フランコ

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呪詛(2022年製作の映画)

2.0

「今までで一番怖い」ってマーケティングの誇張甚だしい。。注意欠如の人でも飽きずに見れるように配慮でもしたのか?ってくらいとにかく脈略度外視の忙しなさ。闇動画シリーズ的な素人ビデオ感を、予算掛けて凝縮し>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.6

さすがにバーンスタインの天才的なアイディア溢れる音楽がただただ最高なので、それだけで大満足。1961年版がすでに素晴らしい作品で、本作もだいぶ旧作へのリスペクトを感じるが、せっかく60年も経っているの>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.4

2022年初スクリーン。濱口監督の肩の力が抜けた感じのオリジナル脚本が素晴らしい。③が一番好き。唐突なズームイン、場面の巻き戻しからの分岐、音楽がピアノ曲だけってところなどホン・サンスを感じる要素がい>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

カンヌで脚本賞取っただけあり、作品をドライブする理知的なプロットは3時間の長尺をそこまで感じさせなかったけど、反面これまでのハマリューのキレキレな画面や、えも言われぬ不穏さが身を潜めている印象。車の中>>続きを読む

カツベン!(2019年製作の映画)

4.0

今話題の黒島結菜x高良健吾の発端はここか。。高良健吾はヒールだし、大根感強いけど映画と現実は違うなというレッスン 笑

セットの雰囲気とか、朝ドラにしても面白くなりそうなテーマ。映画史への愛が溢れる前
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カゾクデッサン(2019年製作の映画)

3.0

引き締まった夜の街、爽快な河川敷の緑と空、鏡・窓の鏡像、フォグフィルター?の柔らかい光に下から照らされる水橋研二など、画は見応えある。説明的なセリフが多く、大友一生はまぁこういうエモい年頃の男子もいな>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.2

ジャームッシュだし、真っ当なゾンビ映画ではなくゆるいコメディなのは予想通りだったが、環境問題、トランプ政権、消費社会への警鐘ってほどではないがグチが前面に出てたのは意外。そういったグチのためのメタファ>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

3.0

Along with the dull cinematography and claustrophobic blocking in the frames, people incessantly tal>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.5

冒頭のアニメーションの花が出てきたり、チャリのEllieを走って追うPaulが俊足になったり、"is this really the boldest stroke you can make”ってセリフ>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

2.0

話自体は史実として興味深いしおじじトリオも安定感あって良かったが壮大な話を3時間半ダラダラと語るくらいならドラマで良い。物騒おじいさんモノならアウトレイジ最終章みたいによぼよぼなりに威勢が欲しい。クラ>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.5

内容はとにかく凄惨なのだが、ド迫力のアップの応酬にも負けない人々の躍動に釘付けになった。タルコフスキーといいソクーロフといい、このへんの作家は距離感の平衡を乱してくる音響センスが抜群に優れている。悲痛>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

3.5

前情報ゼロでなんとなく観に行ったらタイトルとのギャップが激しめ。ヤクザ抗争のドロドロした相関図に巻き込まれて翻弄する窪田正孝、クールそうで荒ぶる染谷将太など良い。
コメディも豊富で、電車で幻覚を観る小
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.7

『ロマンスドール』が素晴らしかったのでタナダユキx蒼井優タッグ前作を観たくて。ひょんなことから前科持ちとなり、海、山、地方都市へと転々とする蒼井優。そんなポンポン100万円貯まらないだろとは思いつつ程>>続きを読む

37セカンズ(2019年製作の映画)

3.2

Diversity & Inclusion的な観点では、このような障がいを持つ人が映画で主演をすることに大いに意義はあると思うし、ユマちゃんを演じる佳山明の声や自立心を強調した演技も素晴らしかった。突>>続きを読む

樹の詩(2018年製作の映画)

2.4

キルギス語初のミュージカル映画ということだが、民族音楽色は薄く、いかにもロシアで学んできましたみたいな曲調でバッキングもチャカチャカしていて面白味はない。こんなに美しいロケ地や、豪華絢爛な衣装があって>>続きを読む

白い豹の影(1984年製作の映画)

3.9

登場人物たちがキルギズ語を喋り、時差がありロシア語のオーバーダブが入るバージョンで観たので、通訳スルーすることあったり声優も男女一人ずつ?なので誰が喋ってるのかとかわかりづらいところはあったがキルギズ>>続きを読む

白い汽船(1976年製作の映画)

4.2

ローマの建国神話で狼に育てられたロムルスとレムスのように、祖先は鹿に育てられた戦争孤児だと伝える祖父とそれを信じる7歳の孫ヌルガズィ。多重露光などの撮影技法を駆使し、身の回りに同世代の遊び相手がいない>>続きを読む

赤いりんご(1975年製作の映画)

3.0

辛気臭いビブラフォン多めのBGMが流れ、画面は基本薄暗い。今では陰気な結婚生活を送り、青春時代のストーカー的な恋にしょっちゅうフラッシュバックするおっさんにノれなかった。テレビに映る叙情詩マナスの語り>>続きを読む

ロマンスドール(2019年製作の映画)

4.2

あまりパッとしない青白いポスター、ラブドール職人という卑猥そうな題材だったので半信半疑だったが、すぐさま画面の丁寧さに目を奪われた。半開きのシャッターの向こうから首から下だけ写る蒼井優のスターエントラ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.4

決して笑える状況ではない話でもコメディタッチで通すワイティティの芸人魂が一貫しているが、室内会話劇が多く撮り方にもあまり工夫や緩急がないのがやや退屈ではある。印象に残るショットは屋外のほうが多い。パス>>続きを読む

ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語(2018年製作の映画)

3.7

チュルパン様とドニの『ツバル』の黄金コンビが観れるだけでも嬉しいし、共通の言語を持たないグローバルなキャストを集め、言葉を使わないという意気込みも良い。やっぱドニ・ラヴァンは歩いてるだけで鮮烈。アゼル>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.3

車が並ぶ度に視線をぶつけ合うとか、脱帽するエンツォ・フェラーリとか、説明的なセリフは省いて人々の一挙一動にフォーカスしていてテンポが良い。ライバルのバンディーニに至ってはほぼ無言である。

ベイルがゴ
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無法松の一生(1958年製作の映画)

4.5

三倍速くらいで動く三船敏郎のダイナミックなモーションに釘付け。成瀬巳喜男『妻の心』と同じく、高峰秀子と三船敏郎が同じ画面に写っているだけでありがたくて終始うるんでしまったが、極め付けは夜の縁側のシーン>>続きを読む

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.0

主人公がやったことは罪深く、特に戒めのないぬるいラストには肩透かしをくらうものの、ところどころで挿入されるグルーブ軽めのジャズピアノトリオが味付けするコミカルさの中に良い塩梅でサスペンスが盛り込まれて>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.8

やや中盤スローな感はあるものの、田園風景を活かした奥行きのある画面、人物のフレームの出入りの滑らかさ、観客の注意の誘導など巧みである。特に大人数がフレームに収められた中での多層的な振り付けが見応え充分>>続きを読む

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.5

サクッと現れ、サクッと街に潜伏する。カットもサバサバしていて必要以上の逼迫感がなくてスッキリしている。怪物とは変に意思疎通とかもしないし、シンプルに怪物やっててエンタメ性を高めている。

原題は『怪物
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母なる証明(2009年製作の映画)

2.7

『殺人の追憶』みたいに韓国ののどかな田園風景の中で繰り広げられるサスペンスフルな展開は面白いが、『パラサイト』までのポン・ジュノ作では一番合わなかった。母のギラギラした目つきは息子への狂信的なまでの愛>>続きを読む

スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.6

ポン・ジュノの映画はツバを吐く人が目立つが、この映画でも漏れなく第1出演者の兵士がツバを吐いて始まる。デビュー作『ほえる犬は噛まない』のおばさん、『殺人の追憶』のソン・ガンホ、『パラサイト』でも家庭教>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.6

初めてネトフリオリジナルを観たけどCGもさることながら全体的に大手ハリウッド制作会社並みのクオリティに驚いた。少女が元気に山を都会をオクジャと縦横無尽に駆け回っていたり、ティルダとギンレイホールの抜群>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

ひねりの効いた脚本は面白く、社会問題についても十分リアルに織り込めていて時事性がある。人物の動線や絡みのために設計されたようで普通にオシャレな家も見事!『スノーピアサー』と同じく社会の分断がポイントだ>>続きを読む

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

4.3

ドキュメンタリー的な等身大の距離感で被写体に迫り、その場でファンタジーなあらすじを紡ぎあげて行くという気ままさは長編デビュー作にしてさすがの風格。女性のスカートから物体が転げ落ち、少年の脚が不自由なの>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

5.0

冒頭で新婚の2人が手を組んで長々と歩いているショットからして多幸の極み。全てのアクションが歓喜に満ち溢れている。チェロのテーマソングも泣ける。ミシェル・シモンの髪がいきなり短くなってるのとかただ犬用の>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

4.0

ド級な学級崩壊を目の当たりにしても夕飯何食べようかなくらいの表情しかしてない強靭な教師陣。仕切りがあるとはいえ、寮で生徒に囲まれながら寝る教師も大変。。タイトル通り映像の運びにも操行がなく、平和だけど>>続きを読む

競泳選手ジャン・タリス(1931年製作の映画)

3.7

サメ泳ぎや横泳ぎといったレアな泳法が見れる。飛び込みの逆再生でタリスがプールサイドに立ち、ディゾルブで瞬く間にロングコートを着た紳士になり、爽やか笑顔を絶やさず多重露光の水上歩行で夜の街に消えて行くラ>>続きを読む

ニースについて(1930年製作の映画)

4.0

楽しそうな街で人々が楽しそうにやっているだけではあるのだが、編集のリズムの小気味よさといい、遊び心といいデビュー作からヴィゴの天才性発揮されている。まさかのヌード。下から高々としたヤシの木はフラハティ>>続きを読む

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

2.3

身近な平手さん推しについて理解を深めるべく鑑賞。原作知らないけど合ってる感はあった。記者の部屋に乗り込むシーンでは、入って左側にある水槽が光源となっており、黒沢清『アカルイミライ』を彷彿とさせ緊張感が>>続きを読む