フランコさんの映画レビュー・感想・評価

フランコ

フランコ

小津『麥秋』で菅井一郎が掛けてるようなメガネ買いました。

好きな横綱は鶴竜です。引退の危機を脱するまでプロフ画像を変更して応援してます。長らくコルトレーンを神と崇めてましたが、最近はショーターもダライ・ラマ的な位置付けになってきました。

ベストムービーは今はとりあえずエドワード・ヤンです。
この頃mubiでもよく映画を観てます。

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.6

画面の運動量が全盛期の長友並みに圧倒的で、単純に人々の生命力に呆気にとられる。第二次世界大戦後間もない極東ソ連の喧騒や狂乱もけたたましい。1940年代の映画さながらのモノクロのボケ具合やデフォルメされ>>続きを読む

山の焚火(1985年製作の映画)

4.7

これはとんでもない映画に出会ってしまった。エリセ並みの崇高さすらあるが、雰囲気も話もえげつない。

穴を掘って始まり、穴を掘って終わる。大自然に囲まれてはいるものの、斜面という安定を許さぬ地形であり、
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SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.3

昔の映画を観ると、もうとっくに死んでる人も画面で躍動する限り不滅なのだが、この映画から感じる牛腸茂雄の死は気味が悪いくらい痛烈。ロケ撮影では人は一人も映らず、人物は完全に時が止まった白黒写真だけ。カリ>>続きを読む

夜明けの夢(2016年製作の映画)

3.9

10代の頃から親戚にレイプされる、子供を産む、親も自分もヤク中、盗みの対象はクルマ、父親殺し、など人生経験が壮絶な少女たちに迫り、なんの変哲もない少女のように明るく振舞う姿を映せば誰がどう撮っても響か>>続きを読む

激情の時(2017年製作の映画)

3.4

クリス・マルケル的な動画エッセイ。映像は全て参考資料のみで、編集によって劇を生み出すという手法はドキュメンタリーならではだったが、喋り通しのナレーションに疲れた。ポルトガル語は癒し系ではあるけれど。激>>続きを読む

機械(2016年製作の映画)

4.2

大スペクタクルアクション映画!
冒頭の音響からしてハリウッドのアクション映画が始まったかのよう。工場における作業というのはほとんどが反復だが、そういった所作はシンプルだからこそ美しくもあり、見入ってし
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ニンホアの家(2016年製作の映画)

3.5

冒頭の均質な風景の繋ぎ、室内の対称的な構図など小津要素高め。昼食直後の鑑賞であったこともあり、ぼそぼそ喋るの呪文のようなベトナム語が催す眠気は強力で、三行以上のセリフを聞いたら5秒は意識を飛ばす、とい>>続きを読む

孤独な存在(2016年製作の映画)

3.4

絶望して引きこもって死も直面した監督が、キャメラを通して世界を見ることによって生きる元気を取り戻す、みたいな実存主義的な話らしい。陕西省の雪深いのに坂道だらけでめっちゃバリアアリーな街の中、独りで天秤>>続きを読む

斑女(1961年製作の映画)

3.6

武満徹のポップで時折不穏な挿入歌!岡田茉莉子スーパー美人映画。『浮雲』ではアーチ状の眉毛で高飛車な印象だったのが平らに慣らされ、隙も生まれる。倍賞千恵子も初々しくてかわいいけど、窓ガラス舐めるのとか卑>>続きを読む

酔っぱらい天国(1962年製作の映画)

3.9

酔っぱらいのせいで天国へ行ってしまった、略して酔っぱらい天国。結構暗い話だが、歩くだけでもチャップリン級に面白い笠智衆が明るさを保っている。倍賞千恵子の登場が唐突すぎ、備えがなくてその可愛さに息を飲ん>>続きを読む

浪華悲歌(1936年製作の映画)

4.4

溝口デビューしました。ドSな監督っぷりや、社会の不条理に立ち向かう女性ばっかり描いて、女性に恨みでもあるのか?ってイメージだったけど冷徹な女性賛歌と捉えた。画面の闇も深く、明暗のコントラストは抜群。金>>続きを読む

サーミの血(2016年製作の映画)

3.3

有無を言わさず大量虐殺やら民族浄化をするような人種差別よりは表面的には平和だが、あんなかわいい服着てる人たちが下等な生き物だと本気で信じ、「あなたたちの脳は文明に適応できない」って親切心で保護されなが>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.5

youtubeに "10 Sexiest British Accents with Ryan Gosling" て動画があり、「訛りのランキングを作る時、そもそも訛ってる人への好感度が訛り自体への好感>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.0

荘厳です!!て感じ。イーストウッド的な正義感や倫理観を厳かに描く。夜の撮影が素晴らしい。全体的に青みが掛かっていて不吉な雰囲気が出ている。

Mystic Riverって実在の名前なんだな。川はただ一
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浮雲(1955年製作の映画)

3.5

戦争前後という特異な時代でぬかるみにハマってしまった二人の報われないロマンス。暗くて長い。。ラスト屋久島の湿度と世の果て感が半端ない。岡田茉莉子はツンツンしてても華があるし、高峰秀子はとにかく気高い。>>続きを読む

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

3.8

結末はDV推奨映画のような気がしないでもないが、栗島すみ子(超キンキン声)の尻に敷かれる斎藤達雄のいかにも威厳のない感じが微笑ましい。最後のさり気なくムラムラしてる二人のシーケンスとかオトナ。港区出身>>続きを読む

学生ロマンス 若き日(1929年製作の映画)

3.5

初めて活弁付きで映画を観ました。現存する最古の小津映画。25歳の時の作品にして「若き日」とか呼ぶあたり、達観している。とはいえ作品は若々しく、だいぶ冗長な部分もあったが活弁のおかげで間が持った。笠智衆>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

4.6

小津の不倫モノ。『東京暮色』ほどではないがダーク小津。もちろん撮影も。あの妙に陽気な音楽も出てくる。

この前、有楽町のデパートのエレベーターでほろ酔いな背広のおじさんと居合わせて、扉が開くなり「あっ
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密使と番人(2017年製作の映画)

3.6

視覚より聴覚に訴える、息切れ+足音+爆音ヒップホップ映画。シンプルな運動を堅牢な音響で拡張する。楽曲めちゃカッコイイ。岡本喜八が生きてたら『ヒップホップ大名』とか作ってほしかったな。小屋で縛られるシー>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.5

このドロドロした大人の世界観にはマッチしてるのかもしれないが、ビブラフォンメインのミシェル・ルグランっぽくも気怠い音楽が全体的にあざとくてあまり好みでなかった。映画の雰囲気も重めで、ユーモア控えめでシ>>続きを読む

妻の心(1956年製作の映画)

4.3

喜代子(高峰秀子):「うっかり結婚したら大変」
30秒以上沈黙でぎこちなく視線を交わし合うカットの応酬。
健吉(三船敏郎):「喜代子さん」
ぽかんと見返す高峰秀子
高橋とよの入場によって中断される。
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驟雨(1956年製作の映画)

4.1

結婚四年にして倦怠期の妻を演じる原節子。 新聞の料理欄を切り抜いたりと世帯じみている。『愛情の決算』の重い倦怠期に対し、こちらは軽いタッチで普段のなんてことない些細なズレが蓄積していく様子を描く。ユー>>続きを読む

晩菊(1954年製作の映画)

4.2

成瀬デビューしました。好き。確かに家庭が主な舞台であること、人物の正面っぽいショット、室内の構図、人物が出入りする様子、などは時折小津っぽいけど、小津が私的・崇高で確固たる世界観を描くことに徹している>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.1

Somewhat funny and somewhat vulgar, this nostalgic sequel has considerably toned down to leave you f>>続きを読む

女であること(1958年製作の映画)

3.6

オープニングの歌詞からして「肥り過ぎた子羊」(香川京子)、「エレガントなブタ」(原節子)、「帽子が好きなキツネ」(久我美子)と性別以前の隠喩から入り、「女であること」なんて千差万別。何よりそれについて>>続きを読む

愛情の決算(1956年製作の映画)

3.5

恐らく5本くらいしかない、原節子と三船敏郎の共演作。情熱的に不倫をする原節子もなかなか貴重。三船とのスローダンスとか実にありがたい。三船が出てるシーンのBGMがやたら黄金時代のハリウッドっぽい。
戦場
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東京の恋人(1952年製作の映画)

4.5

タイトルは結局釈然としない。原節子がここまでつっけんどんなのも珍しいし、三船敏郎がタジタジしてるのも良い。あと原節子のグラマラスさが目立つ。水中でのゆるふわ舞踊などふざけ具合も絶妙で、その他の細かい演>>続きを読む

河内山宗俊(1936年製作の映画)

4.4

音声の状態が悪く、字幕付きで見たかった。それでも古臭さは微塵もない時代劇であり、人間模様が巧みに描かれた群像劇。ユーモアも冴え渡る。画面の奥行きが立体的で、運動量も豊富。

ダメ弟・広太郎のせいで溺死
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あした晴れるか(1960年製作の映画)

3.8

初・石原裕次郎。冒頭の競りのシーンで異常にダイコン感出てたがそれ以降はそこまで気にならない。 序盤の芦川いづみはメガネといい紺色の人民服みたいな装いといい、ニクソン大統領訪中時の毛沢東夫人みたいだけど>>続きを読む

霧笛が俺を呼んでいる(1960年製作の映画)

3.7

念願の初・芦川いづみ。薄暗い明かりの中、画面の端に後ろ姿から登場させる演出にシビれる。ヘッドスカーフといい顔立ちといい、『東京暮色』の有馬稲子を思い出さずにはいられない。吉永小百合はピチピチで、歯並び>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

『時計仕掛けのオレンジ』を先に観てしまったのが悔やまれる。このジーン・ケリーの異常なまでのニタつき具合や全体的なテンションの高さの行き着く先は『オレンジ』の狂乱なのではないかとさえ考えてしまう。とはい>>続きを読む

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.0

演奏は全体的に良かった。でもそこまでガッツリMVみたいに「チェット風」の演奏シーンとか流さなくてもチェット見たくなったらユーチューブで観るわ、とは思う。マイルスとディズも顔だけじゃなくてプレイも真似て>>続きを読む

カップルズ(1996年製作の映画)

5.0

ヤン映画で一番好き。(デビュー作『海辺の一日』は未見)
所々で可愛い女優が出てくものの、決定的なヒロインに乏しいヤン映画でこれだけのフレンチ美少女が参加したら当然最高ですね。青年ギャング、大人ギャング
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

3.8

まだ二作目ということもあってヤン作品の中ではパンチは弱め。『クーリンチェ』ほどの緊迫感はなく、『恐怖分子』ほどの不穏さはないものの、すでに暗闇でのドラマ作りは確立されている。ホウ・シャオシェン、役者と>>続きを読む

Ulzhan(原題)(2007年製作の映画)

4.2

主人公のフランス人、シャルル(フィリップ・トレトン)が車でカザフスタンに入国するところから物語は始まり、壮大なステップをただ突き進む。彼の目的は何なのか?シャルルは寡黙で厭世的であるが、決意に満ちてい>>続きを読む

Psychohydrography(原題)(2010年製作の映画)

4.0

水が主人公で、山に雪が降り、雪が解け、川となり、街中を通り、海に還る。という流れ。人も台詞も音楽も一切排し、カットごとにその場の録音を流しながら高画質な連続写真をひたすら写すという気の遠くなる、いかに>>続きを読む

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