1931年から1932年にかけて撮影され未完成のまま放棄されたが、当時助監督だったグリゴリー・アレクサンドルフが1979年に編集して完成させた作品。
4章からなるオムニバス。
『イワン雷帝』の得体の>>続きを読む
粗野な花売り娘が言語学の教授に出会い、上品な淑女に変わっていく話。
設定は面白いし、いろいろな外見や振る舞い方を見せるオードリー・ヘプバーンがいつも美しい。
再編集版を観たい。
I can do >>続きを読む
モスクワから来た女ニノチカとパリの男レオンが対立しながらも惹かれあう話。
ニノチカを演じるグレタ・ガルボの無表情も憂い顔も笑顔もそれぞれ魅力的。
1939年アメリカの映画。
宝くじが当たった若い男女の話。
ボートに乗るアントワネットの表情が良かった。
内容に驚くような新鮮さはないけど最後まで飽きずに楽しい。
2人で夢を語るところは『素晴らしき日曜日』(1947年)に似>>続きを読む
第一次大戦、中東の砂漠にいるイギリス軍偵察隊。
隊の任務や目的地をただ1人知る中尉が敵に突然狙撃され、残りの10人余りの隊員が見えない敵の狙撃に脅えながら行くあてもなく砂漠をさまよう話。
地平線まで>>続きを読む
子どもの頃の出来事の後それぞれ不運な境遇にはまり込んだ3兄妹が、20数年ぶりに再会してその出来事や自分達の過去に向き合い再出発する話。
地方のまちの閉塞的な空気の耐えがたさ、いつまでもつきまとう過去>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
高校の吹奏楽部のメンバー2人の話。
童話『リズと青い鳥』の物語に重なりながら展開する。
強い感情。
アニメーションと実写の長所を両方追求したような細やかな表現。
進路選択やコンクールなどの状況の変化>>続きを読む
利己的な国内貴族や外敵の脅威に対抗するために、強権的な専制君主として堅固な統一国家を建設したイワン雷帝の話。
「全3部構成で制作される予定であったが、第1部は時の権力者ヨシフ・スターリンから高く評価>>続きを読む
旅の一夜に未亡人の家に泊まった若い僧が帰りに迎えに来ると嘘をつき、恨みに思った未亡人が僧を追う話。
コマ撮りによるアニメだから全体として静的な印象だけど、
裏切りを知り必死に追う女の着物と髪、
鐘を>>続きを読む
2人の男に求愛されて悩んだ末に死んだ女ウナイオトメを供養する僧の話。
火宅のような世界。
「ウナイオトメに何の罪がありましょうか?」
経営陣を批判して工場を解雇された青年と、糸を紡ぐ内職をする母の話。
白い雪と赤くなった"ジャケツ"。
「やれやれ、
私は〈綿〉のように疲れてしまった。」
住職の留守中、境内の桜の見張りをする小坊主の話。
誘惑に弱い小坊主。
キャラクターが滑稽で可愛らしい。
このレビューはネタバレを含みます
自分の父の横領や兄の授業料の金を工面するために、社長の愛人になり、知人から金を詐取する女の話。
すべてが明るみに出た時、会社の金を横領した過去のある父、授業料の恩があるはずの兄でさえ女に冷淡になる。>>続きを読む
情を大切にする姉梅吉(梅村蓉子)と金銭のために打算的に行動する妹おもちゃ(山田五十鈴)の話。
対照的な姉妹はそれぞれの仕方で男に関わるけれど、2人とも男に裏切られ、男に敗れていく。
「男はんちゅう男>>続きを読む
自作プロモーションのため各地を旅する女性映画監督アンナの話。
監督シャンタル・アケルマン自身と重なる。
最初の『街をぶっ飛ばせ』以来、故郷の閉塞感が語られてきたけど、この作品では他の都市に出て、多く>>続きを読む
恋人に強い嫉妬を感じる男の話。
外からいつも波の音が聞こえる海辺のホテルの夜の不安な雰囲気が良かった。
「あなたはすべてを知ろうとする」
愛し合う夫婦と子どもたち、その家庭外の人々との関係の話。
神懸かり的な傑作。
夫と妻のそれぞれの視線、表情、感情の乗った声、会話のあいだの空気。
その一つひとつに今にも壊れそうな不安定さがある。
そ>>続きを読む
息子と暮らす女の日常の話。
女は息子がいない時、自宅で売春をしている。
女が毎日のさまざまな家事を丁寧に行なう様子をうつした場面がこの作品の大部分だから、『私、君、彼、彼女』で部屋にこもって袋に入っ>>続きを読む
ブリュッセルからパリに家出した2人の少女の話。
食事と、暖かく眠れる場所を探す。
『ブリュッセル1080〜』などに似た閉塞感があるけど、別の場所に移動し続けることで違う展開になっている。
2人で話>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
若い女が1人の部屋にこもって砂糖だけの食事をしながら誰かに宛てた長い手紙を書き、部屋を出て親切そうなトラック運転手の男と偶然出会い、その後、関係の終わりつつある親しい女友達と会う話。
男と過ごす時間>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
男性同性愛者だけのパーティに異性愛者の男アランが偶然参加する話。
互いを告発しあう辛辣なパーティ。
アランの旧友でカトリック信者のマイケルは同性愛者のパーティであることをアランに隠そうとするが、ア>>続きを読む
30代後半の4人の女性の話。
この監督の他の多くの作品のように真実と嘘がテーマ。
『PASSION』では本音とは自分の外側から訪れる不確かなものだと捉えられていたのに対して、『ハッピーアワー』では本>>続きを読む
2人の男と1人の女が盗んだ金を持って警察から逃走する話。
知らずに巻き込まれた女メリーの、気の強さから逃走を妨害をするキャラクターがおもしろい。
ヘリコプターがダッジ・チャージャーに接触して強引に停>>続きを読む
古着屋で働く青年とその周囲の人々の話。
後には残らなくても確かに存在していた何か。
「街も凄くないですか?変わっても無くなってもあったことは事実だから」
本筋よりもパトロールの警官と姪のその後のほ>>続きを読む
アルゼンチンの苛酷な軍事政権時代を中心に、ベルゴリオという名の青年、後の現法王の異色な半生を描いた話。
軍人「ご理解ください。私は任務を遂行しているだけです。あなたと同様に命令は絶対です」
ベルゴリ>>続きを読む
2002年のボストン、多くの神父による児童への性的虐待と教会による長年の隠蔽というスキャンダルを調査した新聞記者達の話。
記者「誰かに告白したことは?」
被害者「たとえば神父に?」
他の目的のため>>続きを読む
内戦中のリベリア。
日常を奪われた少女と反政府軍の少年兵の話。
武器と薬物を与えられて市民を襲撃する少年兵たち。
暴力が溢れていてその本当の原因は見えない。
実際の元少年兵たちが出演。
面会に訪れた拘置所で出会った男女のラブストーリー。
増村保造の初監督作品。
疎外感を抱く2人、拘置所、くちづけなど、設定は万田邦敏監督の傑作『接吻』に少し共通しているけど内容は対照的。
希望があって>>続きを読む
情熱のない結婚生活を送る姉夫婦に疑問を感じて、理想的な結婚の形を探し求める若い女(雪村いづみ)の話。
岡本喜八の初監督作品。コメディ。
伝統的な価値観に従った結婚、期限を決めた契約結婚、欲求に充分に>>続きを読む
1910年代のイギリス、夫と息子と暮らしながら劣悪な待遇の工場で働く女(キャリー・マリガン)が女性参政権を求める過激な活動に共感して身を投じていく話。
活動を続ければ大切な息子を奪われるかもしれない>>続きを読む
法律を無視しても街の治安を守ろうとする刑事(松坂桃李)と、その刑事に恨みを持つ出所したばかりの男(鈴木亮平)の話。
この2人だけではなく、松坂桃李の相棒(中村梅雀)、県警本部の管理官(滝藤賢一)、鈴>>続きを読む
2002年に発覚した警察組織の大規模な不祥事、いわゆる稲葉事件の話。
特に前半部、北野武監督作品のように暴力と笑いが絡まり合う展開がおもしろい。たとえば不正に出頭させる男と警察署前で銃を構えて笑顔で>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
複数の男女がすれ違うラブストーリー。
暴力には自分の内側からの暴力と外側からの暴力の2種類があると話す教師役の河合青葉に対して、内側からの暴力も衝動でありパッションなのだから自分ではコントロールでき>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
袴田事件の話。
不当な取り調べと証拠により死刑判決を受けて45年以上も拘禁された男、
その無罪を確信しながら他2名の裁判官との合議に敗れて死刑判決文を書いた主任判事。
「その不条理に気付きながらも>>続きを読む
60歳代の作家とその妻、作家の力を信じながら同時にその妻に惹かれる編集者。
「書いてる人間は鉛筆。内側の芯を磨り減らして書く」
「鉛筆になるってことはその鉛筆を使って自分じゃない誰かが書いてるってこ>>続きを読む