oさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.1

人類が別の生命体のペットとして支配されている、ある惑星の話。

動物や植物がそれぞれ独特のデザインでおもしろい。

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

3.9

気ままな旅を続けてきたやくざ者の時次郎の話。

渡世の義理によって行動を強いられる場面もあるけど、任侠映画的な義理と情の対立というより、惚れてはいけない女に抱いてしまう情とその気持ちを押し留めようとす
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青春群像(1953年製作の映画)

3.8

イタリアの田舎町、30歳前後で失業中の5人組の男たちの話。

同じ時期に他のイタリア映画が描いていた現実の困難とも違うしフェリーニ自身の後の『甘い生活』の退廃的な感覚とも違って、その中間のような、悲し
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最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

3.1

裕福な家の三兄弟と庶民的な家の三姉妹。
長男と長女、次男と次女がすでに結婚して、周囲は三男と三女の結婚も期待するが当人同士はその期待に気づきながらも反発する話。

会社でも家庭でも明確な性別役割分担が
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ながらえば(1982年製作の映画)

3.4

転勤が決まった息子夫妻と一緒に富山に来た老人が、名古屋に入院したままの妻を思う話。

男たちの粗雑さや暴力が受け入れられる昭和の家族。
老いて力を失った男が自分と妻の関係を振り返る。

「わたしは男な
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歴史は夜作られる(1937年製作の映画)

3.0

執着心の強い大富豪の夫、美しい妻、妻が偶然出会ったレストランの給仕長の三角関係の話。

手の落書きが人形代わりの腹話術をして本音を言い合う場面がとても素敵。
嫉妬に狂う夫は周囲を巻き込みながら破滅を望
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東京暮色(1957年製作の映画)

3.9

嫁ぎ先から戻ってきた長女、恋人との関係に悩む次女、姉妹を一人親で育ててきた父の話。

父は長女についても次女についても自分の過去の振る舞いを後悔している。
皆が善良なのに少しずつ噛み合わないことで不幸
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モデルカップル(1976年製作の映画)

2.9

1組の男女が最新の設備の整った住居を与えられ、そこでの暮らしを科学者たちに監視される話。

効率や数字を優先して、いつのまにか不幸になっていくという『四月』のようなテーマ。
新鮮さのないポップアートの
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

3.7

27歳の誕生日までに結婚することを条件に莫大な遺産を相続することになった男が急遽花嫁探しをする話。

男を愛していて一度は了承するけど遺産相続目当てと知って拒絶する女、男のことを知らないけど遺産を目的
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ロイドの要心無用(1923年製作の映画)

3.5

都会のデパートで働く男が故郷の恋人に見栄のためについた嘘を誤魔化しながら成功を目指す話。

家主、上司、警官から逃げ回るシーンがあってそれぞれ面白いけど、特に家賃の取立てに来た家主からの隠れ方が予想外
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周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.5

ある男が事件に巻き込まれ、その恋人と叔父が男のために奮闘する話。

気が強い恋人と頑固な叔父は最初は反発しあうが一つのきっかけで分かりあって協力する。
キャラクターやストーリーはとても単純。
複雑なリ
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あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

3.2

初老近い彫刻家と若いモデルの話。

ドイツ占領下1943年の映画。
真っ暗なパリの夜。
劇中、彫刻や絵画の多くの傑作が作られた1871年は普仏戦争敗戦の年だったと語られる。
失った後にも残るもの。
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.0

大富豪とその息子の話。
大邸宅とサーカス団。

サイレント+トーキー。
どの場面も端正にまとまった構図。
コミカルなシーンが続くけど個人的にはハマらなかった。
冒頭近くの邸宅内のダンスシーンはとても良
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有りがたうさん(1936年製作の映画)

3.6

天城街道を走るバスの運転手と乗り合わせた乗客たちの話。

バスに道を譲ってくれる通行人や動物にまで「ありがとう」と礼を言う運転手。
若い娘をいやらしい中年男から守ったり、他の乗客に酒を回し飲みさせる自
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劇場版 荒野に希望の灯をともす(2022年製作の映画)

3.7

35年にわたりアフガニスタンの復興に尽くした中村哲医師についてのドキュメンタリー。

序盤、中村医師の若い頃の日本では医療が高度化して延命治療が可能になり新たな課題に直面していた、という主旨のナレーシ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

聴覚に障碍のあるプロボクサー、ケイコの話。

作中でケイコの心中はほとんど明かされず、ケイコと他人の間のコミュニケーションが何重にも欠如していることが描かれる。
まずケイコの聴覚障碍を知らない人々。(
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えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋(2019年製作の映画)

3.1

脳性麻痺のある歌人と彼を介護する人々を撮ったドキュメンタリー。

冒頭近く、部屋のテレビに2016年に相模原市の施設で起きた事件に関するニュースが流れる。
「対抗をなしうる拠点いまだあらず 優生思想と
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.4

18歳のモナが片田舎を目的を持たず一人で放浪する話。

同じように放浪する女性の物語だった『ウェンディ&ルーシー』ではルーシーの勤労意欲はあるが居場所が得られない状況を描いていて、包摂性を欠いた社会の
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.2

アーサー王の甥であるガウェインが、緑の騎士から挑発を受けて試練の旅に出る話。

クリスマスから始まってクリスマスに終わる冒険。
緑の騎士や聖ウィニフレッドのように斬首の後も死なず偉大な存在になって王冠
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安藤昇のわが逃亡とSEXの記録(1976年製作の映画)

3.5

警察の追跡を逃れるため組織の手下に指示を与えながら愛人宅を転々とする男の話。
実際のニュース映像が使用され本人が主演。

男の動機が理解できなかった。
結末は最高。役者の表情も素晴らしい。

バーフバリ 伝説誕生<完全版>(2015年製作の映画)

3.4

青年シヴドゥが祖国に帰り、自分の生い立ちと国で起きた内紛を知る話。

俳優が美しくて神話そのままのような映像。

小魚や綺麗な蛇に気を取られている女戦士アヴァンティカ。
死角に隠れて悪戯っぽくそっとタ
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オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

2.8

政治の腐敗を批判していた男が汚職塗れの政治家になってしまう話。

実在のルイジアナ州知事ヒューイ・ロングがモデル。
主人公に魅力を感じなかった。

街の灯(1931年製作の映画)

3.3

盲目の娘のために奮闘する浮浪者の話。

若くて美しい盲目の女。
妻に逃げられた不幸な資産家。
何も持たない浮浪者の贈り物。

モラン神父(1961年製作の映画)

3.1

戦時下で洗礼を受けた女の恋の話。

エマニュエル・リヴァは『ヒロシマ・モナムール』でも同じように、第二次世界大戦中(ヌヴェールの少女時代)の恋を演じていた。

女にとって好ましくさえあったかもしれない
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飼葉の種/にぎやか雑貨店(1919年製作の映画)

3.3

郵便配達人ロスコー・アーバックル。
通常サイズの手紙は離れた所からポストに簡単に投げ入れる。大きくてポストに入らないサイズの郵便物の配達の仕方が衝撃的。

海辺の恋人たち(1915年製作の映画)

3.3

ロスコー・アーバックルがバカンスに来たお金持ち一家の娘を演じている。

横縞模様のゆったりした女性用水着を着てチャーミング。

ノックアウト(1914年製作の映画)

3.4

「デブ君」の愛称を持つロスコー・アーバックルがボクサー役を演じている。
マフィアに脅されて絶対に試合に勝たなければいけなくなったアーバックルの行動が奇想天外。
弁士の山崎バニラさんがお話しされていたけ
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のらくろ二等兵 教練の巻(1933年製作の映画)

3.3

教練の巻
教練中、のらくろを先頭にした新兵達は中隊長から直進の指示を受けて、中隊長がその場を離れた後も命令を守るために直進を続ける。
鉄棒や馬小屋に突き当たる直進行軍。

演習の巻
白軍と黒軍に分かれ
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オアシス(2002年製作の映画)

3.3

身体に障碍のある女が家にこもって暮らしていて、ある時出会った男の前で姫として振る舞い、周囲には理解されない関係を深めていく。

筋書きは『ジョゼと虎と魚たち』に似ているけど、余計な美化や配慮なく描かれ
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続清水港/清水港代参夢道中(1940年製作の映画)

3.2

「森の石松」を上演する偏屈な演出家がある時目を覚ますとタイムスリップして森の石松本人になっていて、石松の最後の旅に出発することになる話。

「馬鹿は死ななきゃなおらない」という唄にもなった森の石松。
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次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊(1954年製作の映画)

3.3

次郎長の代参で金刀比羅詣での旅に出た石松が色街の女に初めての恋をする話。

森繁久彌演じる石松の寂しげな表情とセリフ。
監督助手岡本喜八。

天一坊と伊賀之亮(1933年製作の映画)

3.1

吉宗の隠し子を名乗る天一坊と、その嘘を暴こうとする大岡越前の話。
次第に追い詰められて動揺する天一坊、市川猿之助。

弁天小僧(1928年製作の映画)

3.3

万引きの冤罪を掛けられたことを口実にして、呉服屋から示談金を得ようとする弁天小僧の話。
女装がバレて居直る美しい林長二郎。

月形半平太(1925年製作の映画)

3.3

勤王の志士、月形半平太の話。

講武所風といわれる髪が印象的。
名セリフも。
春雨じゃ。濡れて参ろう。
死して護国の鬼とならん。

狂った一頁(1926年製作の映画)

3.4

妻を精神病院に収容された男が病院の小間使いとして働くうちに、自分自身も幻想に囚われていく話。

縦縞の患者服、雨の線、床の木目、鉄格子。
幻想の視覚化。開始から30分程の場面、独房のような部屋で激しく
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血煙高田の馬場(1937年製作の映画)

4.0

堀部安兵衛が叔父の決闘に助太刀する話。

冒頭から素晴らしい。
広場を埋める見物の群衆。
睨み合いを始めた二つの集団のあいだに次第に無人の空間が生まれるが、そこに酔って千鳥足の堀部安兵衛(阪東妻三郎)
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