鮭茶漬けさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

パシフィクション(2022年製作の映画)

4.0

アルベルト・セラ監督の最新作
東京国際映画祭
仏領ポリネシアの仏人高等弁務官デ・ロールは現地の人々と交流していくうちに良からぬ噂を聞く

人々と交流していくうちに次第に陰謀が明らかになっていくという題
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アヘン(2022年製作の映画)

4.0

アマン・サフデワ監督
東京国際映画祭 ワールドプレミア

5話の短編からなるオムニバス
インドにおける宗教の信仰に対してディストピアSFやコメディなど様々なジャンルで疑問を問いかける。
最近のインド映
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ポネット(1996年製作の映画)

4.3

ジャック・ドワイヨン監督
愛する母を事故で亡くした4才の少女・ポネットは”死”のことを未だ理解できていない。ただひたすらに母の帰りを信じ、ひとり待ち続ける

意外とfilmarksの点数低くて驚き。素
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.8

濱口竜介の中編
染谷将太 x 石田法嗣

巧さというか感覚が冴え渡っている。

FLOODSはいつ公開されるんだろう?

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.4

タイカ・ワイティティ監督

ヒトラー信奉者でヒトラーのイマジナリー・フレンドが心の綱である少年が、ある日自宅に匿われたユダヤ人少女を発見する
周囲から虐げられるラビット同士が出会い心を通わせ世界を直視
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月世界旅行(1902年製作の映画)

-

ジョルジュ・メリエス
マジカルな月旅行

上映時間が思ったより長くて驚きました。
全編フィックスショットで舞台劇風だけれど、豊かな技巧が施されていたりテンポも小気味良かったです。月にロケットが突き刺さ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

クレジットされているタル・ベーラが不憫、、冒頭の時点で『サタンタンゴ』の美しく秀逸な冒頭のショットの足下にも及ばないと感じました。
外界からの弟の投入によって実質何も起こらないというのは一周回って斬新
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.3

ジャン=リュック・ゴダール監督
2回目

訃報に際して映画館で。
8-9割埋まってました。
ゴダール作品の中では比較的プロットが分かりやすく、アンナ・カリーナの魅力も伝わる作品なのでゴダール見たことな
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

-

グランドシネマサンシャインの民度が終わっていたのでいずれもう一度見なければならない。

ホームワーク(1989年製作の映画)

3.7

アッバス・キアロスタミ監督
カヌーン時代に撮られた、宿題をテーマとしたドキュメンタリー
イランでは教育者は皆見るよう推奨されているらしい

キアロスタミの暴力性と計算高さが垣間見える作品でした。キタノ
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.5

宮崎駿監督

子どもの頃、親に「ポケモンの映画行こう」と言われ映画館に連れて行かれたら実はこの作品で、怖すぎて号泣して以来、今になるまでトラウマで観れなかった作品。。ようやく見られた。何故親は騙そうと
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TOKYO!(2008年製作の映画)

3.7

「「「「糞」」」」


メルド目当てに。
前情報の通りあんまり一貫性のないオムニバスになってますが、3人の監督について知っていると各々のフィルモグラフィーとして楽しめました
海外から見た日本ってこんな
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死者からの手紙(1986年製作の映画)

4.1

コンスタンティン・ロプシャンスキー
人為ミスが招いた核戦争後の荒廃した世界を描くディストピアSF

中盤からの巻き返しがえぐい。。
あの瞬間、老科学者の断末魔の叫び、希望などない閉塞感、荒天を進む孤児
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.3

2回目

観客を真に殺しに来る映画。傑作。
周辺作を見ると『ペニーズ・ビデオ』の辺りからアイデアはあったんだろうと思ったり。

Bonehead / Naked City (John Zorn)
いつ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

言いたいことは皆言ってくれているので割愛。完璧な続編。(親父からの軽いネタバレさえなければ…)

23区内どこもIMAXは満席だったけど町田のIMAXは空いていて素晴らしかった

狂った一頁(1926年製作の映画)

3.7

染色版+79分の完全版 @国立映画アーカイブ
衣笠貞之助の初期の代表作であり前衛的な作品

1ヶ月前の鑑賞記録。もろにカリガリ博士に影響受けてるんだろうなという印象。笑
一方でただのオマージュや技術の
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トゥキ・ブキ ハイエナの旅(1973年製作の映画)

4.4

Paris, Paris, Paris…


だいぶ前の鑑賞記録。いやーまさかこの映画を日本語字幕付きで映画館で見られるとは、、GWあたりの渋谷の映画館は本気出してましたね、、笑
『アトランティック』
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

バットマンシリーズは最早古典の演目かのように色んな監督によって色んなアプローチで映像化されてきたわけで、最近の「JOKER」では原作を無視して設定を付け加えてたりしてあまり好きじゃないんですが、本作は>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

過去鑑賞未レビュー分 (2021年12月)

濱口竜介監督の短編集
ベルリン映画祭銀熊賞 審査員グランプリ

濱口監督作品の中でもかなり軽やかでかつ大胆な作品だなあと感じました、監督自身も楽しんで撮っ
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ホワイト・ホット アバクロンビー&フィッチの盛衰(2022年製作の映画)

3.6

90-00年代に若者の間で流行したファッションブランド・アバクロンビー&フィッチ (A&F) に関するドキュメンタリー

私自身はこの時代を生きておらず「昔流行ってた」くらいしか事前に知らなかったので
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.7

シャンタル・アケルマン監督

自らの作品のプロモーションのためにヨーロッパ各都市を忙しく巡る女性映画監督を追う。心中孤独な旅路の中で様々な人と出会い、話し、そしてまた離れていく。

これもまたアケルマ
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.4

シャンタル・アケルマン監督特集
彼女の代表作、やっと見れた


高校生の息子を持つある主婦の3日間を描く。ジャガイモを剥いたり、息子のベッドの片付けをしたり、カフェのお気に入りの席でコーヒーを飲んだり
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.2

この監督の特集を日本でやる(そして大盛況になる)とは思いもしなかったです、関係者の方々ありがたや。

当時24歳のシャンタル・アケルマン自身が”私”を演じた初期の長編


(以下内容に触れています)
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天使の復讐(1981年製作の映画)

4.5

拗らせ男子の皆さんはお酒を飲みながらこれを見よう!
その他の皆さんは見ないでおこう!



アベル・フェラーラ監督のカルト的作品。
発話障がいを持つ少女が、男に襲われたことをきっかけに頭の中で何かが爆
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(1990年製作の映画)

4.1

ブルキナファソのイドリッサ・ウエドラオゴ監督
90年のカンヌで高く評価され審査員グランプリを獲得した作品

ある青年が旅の末に帰郷すると、かつての恋人が村長命令によって青年の父親の第二夫人になっている
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サイクリスト(1989年製作の映画)

4.0

イラン国民全員が見たとすら云われるモフセン・マフマルバフ監督の代表作
病床の妻の医療費を稼ぐために興行師との賭けに乗ってしまうナシム。賭けとは、七日間休まず自転車を漕ぎ続けるというもの。
至極単純なテ
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

4.4

ダンデルヌ兄弟の長編3作目

これは良い…罪悪感なく不法を犯していた少年・イゴールがある出来事をきっかけに意志に芽生え自らの人生を選択する。毒親というのはどの国にもいるよねえ。。

ドキュメンタリーで
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.1

過去鑑賞記録
カール・th・ドライヤーの代表作
「女と男のいる舗道」に登場することでも知られる

聖女ジャンヌ・ダルクの異端審問をあくまで人間の受苦として描いたサイレント期の作品。魔女だと決め付け嘲笑
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.0

過去鑑賞記録
室内劇に徹したカール・th・ドライヤーの遺作。視線も愛も一向に交差しない状態を、お得意の空間設計を土台に素晴らしい構図で描ききった作品。
「奇跡」の後に見たのもあり、リアリズムの先にある
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

クローネンバーグの『クラッシュ』は自動車の衝突事故にエクスタシーを覚える人々 = 自動車「で」性交をする人々を描いた作品ですが、本作『チタン』はそれに留まらず、自動車「と」性交し子どもまで孕ませ誕生さ>>続きを読む

メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

4.1

連日大盛況だと聞いていたけれど、この日も満席で驚きです。
自分は初リヴェットでした。

不思議な作品。荒削りの中に繊細さが同居しているようで自分は好きでした。
ベンがバスでホテルに向かっている時には思
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やさしい女(1969年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ロベール・ブレッソン監督
初のカラーにして権利問題上未ソフト化である作品

籠の中で飼殺しにされた鳥。本当の声を求めて羽ばたこうとする女に対して、籠の中に閉じ込めては足に執着する男。

ドミニク・サン
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奇跡(1954年製作の映画)

4.7

オールタイムベスト級
我々の目の前で奇跡は起こってしまう…

どうしてここまで心揺さぶられるのか、無教養な自分には分からない…分かるまでこれから何度も見てしまうのでしょう

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.5

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
頭内爆発音恐怖症

周囲の絶賛の中で恐縮だけれども、苦手すぎた…超絶ビビりな自分にとってはこれはただのホラー映画になってしまい…

待望の新作ということで全く前情
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余命10年(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観客を生かすために死ぬ。何度も登場する小松菜奈の泣きの演技には、(普段こうした映画を冷めた目で見てしまう自分を初めて映画館で泣かせてしまうような)単なる「御涙頂戴」演出の帰結ではない不思議な力があった>>続きを読む