鮭茶漬けさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

主人公(1966年製作の映画)

4.2

サタジット・レイ監督

それまでFilmarksやWikipediaのフィルモグラフィーにも掲載されていなかったのだけれど、国立映画アーカイブでの上映を機にいつの間にやら追加されてる!
存在すら知らな
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バビロン(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

デイミアン・チャゼル監督

チャゼル全部盛りの圧倒的な3時間、見終わったらもうお腹いっぱいです。過去作品で培った技術をこれでもかと披露しつつ、シネフィルである監督の映画への多大なる憧憬に溢れていました
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.2

溝口健二監督遺作

売春防止法施行直前の吉原、様々な事情を抱え自らの身体を売る赤線地帯の娼婦を描いた群像劇。あまり日本映画を観ていない自分でも名前を知っている豪華俳優陣によって演じられています。小気味
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.6

溝口健二監督

とんでもないものを見てしまった…という感覚。
この奇跡的な妖美な世界での体験をいま全日本人は味わうべきなんじゃないだろうか、、誰が言ってんだという話ですが。鳥肌級のショット・演出多数。
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ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

4.3

ロベール・ブレッソン監督
貴婦人は男に別れ話を切り出すが、男は実は愛が冷めていたと告白する。そして女の強かな復讐が始まる…

未見のブレッソンの映画を劇場で見られる機会がここ数年多いので嬉しいですね、
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美女と野獣(1946年製作の映画)

4.3

ジャン・コクトー監督

これまで何度も映像化されてきたお話を初めて実写映画化したのがジャン・コクトーによる本作。
いいな〜 「大人のためのお伽噺」と冒頭述べられるように、映画的な美とファンタジーに心躍
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詩人の血(1930年製作の映画)

-

没後60年 ジャン・コクトー映画祭
初監督作品にして前衛映画の名作

工場の煙突が破壊される
女性の石像を破壊する
拳銃自殺を試みる
常に死の雰囲気が漂ってた
詩人は空間や時間、そして存在すら超越する
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

S・S・ラージャマウリ監督
Dolby Cinema at 新宿バルト9

クソおもろかったなあ、、
圧倒的な熱量とスケールで押し切られる爽快な3時間でした。上映後に自然と拍手が起こったのは、映画祭映
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.4

記録
アニエス・ヴァルダ監督

祭りのシーンで場内に笑いが起きたことを忘れない。だからこの映画が作られたのだと思う。

禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.7

ルネ・クレマン監督

あまりにも有名なテーマ曲”Romance de Amor”が哀愁を添える。
(知らなかったけれどこの曲は既に10年以上前に公開されていた「血と砂」という別の映画で使われた劇中曲だ
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.2

記録

オーソン・ウェルズ監督

恥ずかしながら初鑑賞です。。
素晴らしい撮影と見事な構成の脚本。現在と過去の同時進行。弱冠25歳でこれを完成せしめるのは才能の賜物。

当方アカデミックな映画史的な価
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ヒッチハイカーKAI:手斧のヒーロー、その光と影(2023年製作の映画)

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Netflixドキュメンタリー
2013年、女性を救った英雄としてバズり若者を中心に熱烈に支持された”Kai the Hatchet-Wielding Hitchhiker”について。ブームの最中、彼
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セールスマン(1969年製作の映画)

4.5

メイズルス兄弟

「ダイレクト・シネマ」の傑作として知られる本作。一昨年のアートハウスでの1日限りの上映を見逃してしまい、待望の公開。とても良かった。

「聖書のセールスマン」という、アメリカにおける
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

-

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督
カンヌ/ベルリン二冠の彼の代表作

疲れ過ぎて前半パートを爆睡してしまい、運び始めた場面のトラックの轟音から起きた。。後日見直します。

油田で起きた大規模火災の鎮
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

-

記録漏れ

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
突然現れた妖しげな美青年に魅了されたブルジョワ一家が辿る崩壊について

テレンス・スタンプの、美しさのなかにある絶妙な気持ち悪さ。
ラスト、思わず笑ってしま
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王女メディア(1969年製作の映画)

4.0

記録漏れ

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
オペラ歌手マリア・カラス唯一の主演作

大いなる省略。

ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.4

ピエール・エテックス特集

2023映画初め。正直「セールスマン」目当てでイメージフォーラムに寄ったついでに見たのですが、素晴らしかった!!監督の事前情報がゼロだっただけに、その軽妙洒脱さは相当刺激的
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ALIVEHOON アライブフーン(2022年製作の映画)

3.7

車好きの友人に誘われて、TOHO日本橋での復活上映にて。

「ドリフト走行」がこのような形で競技化されていると初めて知りました。観客のリピーター率も非常に高く人気がある作品であり、アジア各国でも興行的
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.3

マーティン・スコセッシ監督
第29回パルムドール
35mmフィルム@目黒シネマ

最終日に滑り込みで見に行きましたが、フィルムで見なければいけない映画でした。
冒頭クレジットがそれだけで泣けるくらい最
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

記録漏れ

スピルバーグ版ウエストサイドストーリー

かなり前(確か公開2週間後)に行ったけどTOHO日比谷のバカでかスクリーンは満員で大盛況だった記憶。
オリジナル版に現代的な要素を入れ込みすっかり
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オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

4.4

オーソン・ウェルズ監督
シェイクスピアの同名悲劇の映画化
監督がハリウッドを追われモロッコで4年かけて製作、第5回パルムドール

完璧主義者の徹底ぶり。あまりに凄すぎて笑えてくる。
知る限りほとんど原
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

ベン・アフレック監督・製作・主演
イスラム革命時の在イランアメリカ大使館人質事件における「カナダの策謀」を描いたサスペンス映画
不倫ゴシップや不評で低迷していたベン・アフレックがカムバックを果たした契
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インセプション(2010年製作の映画)

4.3

3度目
クリストファー・ノーラン監督

去年プロジェクター買ったのですが、届いた当日一発目に友人と見たのがこれ。
思い出補正もあるけれど、言わずもがな。やっぱり面白い!

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.2

2度目
レオス・カラックスが13年ぶりに文字通り覚醒する
演技とは、虚構とは、映画とは、そして人生とは。虚構の人生におけるとある1日、一人の男を乗せて車は様々なところへ進んでいく
行動自体を賛美する「
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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

4.0

濱口竜介監督
東京藝術大学と韓国国立映画アカデミーによる共同製作作品
韓国人カメラマンと日本人少年の男娼の物語

昨年の同監督の特集は「言葉と乗り物」というタイトルだったけれど、この作品にこそその主題
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

4.2

フリッツ・ラング監督
ナチス・ドイツ占領下のプラハにおけるハインリヒ暗殺事件をベースにした反ナチ映画
戦時中の1943年に作られながら、ただの記録映画や煽情的なプロパガンダではなく、ラング監督らしいノ
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.5

ヤスミン・アフマド監督

はい、泣きました。それはそれはボロボロと。こんなん泣いてしまうわ。

多国籍・多宗教な背景を下敷きにした様々な若者の青春模様を描いた分かりやすい構造になっており、ともすれば日
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.5

だいぶん前に、テアトル新宿にて
青山真治監督


「生きろとは言わん、ばってん、死なんでくれ。」

運転手・沢井と死に魅せられた兄と終末を待つ妹。喪失は何にも埋められないし、救われない。だから、すべて
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デュスティン 夜の狂騒(2020年製作の映画)

3.4

倉庫で開かれたテクノパーティに集う若者たち
デュスティンが過ごす一夜を切り取ったショートフィルム

ふとした瞬間に訪れるほのかな幸せで今日も生きていこうと思う。性的マイノリティか否かにかかわらずそれが
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リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

4.4

2度目:2022年11月
生誕100周年記念上映会にて。オリジナル16mmフィルムで見られる貴重な機会に参加できたことに感謝。。コトコトと音を立てる16mm映写機はかわいかった。

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コルチャック先生(1990年製作の映画)

4.4

アンジェイ・ワイダ監督
実在のユダヤ系ポーランド人医師であるヤヌシュ・コルチャック氏
ホロコースト最中のポーランドで孤児院の院長として子どもを守ることにその生命を捧げた彼の生涯を描く

常識無いので正
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

4.1

2度目
シャンタル・アケルマン監督

MUBIで見て以来2回目ということで落ち着いて見られました。
干からびた狂人の世界。一人娘への愛に偏執的に取り憑かれている白人の男。親の最後の娘思いの選択と最高の
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.6

シャンタル・アケルマン監督特集
プルースト「失われた時を求めて」の一編を大胆に映画化

見たのはだいぶ前ですが今更レビューを。
特集の中でも後期2作品は、初期のミニマルな作風からごろりと変わった文芸作
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ある女優の不在(2018年製作の映画)

3.8

ジャファル・パナヒ監督
カンヌ映画祭脚本賞
イランの女優ベーナズ・ジャファリのもとにとある動画メッセージが届く。それは人生に絶望したある少女が自殺する映像だった

ある時を境にこの作風がお決まりのパタ
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