がくさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.7

未来の話をしよう。

母校の通学路が出てきてびっくりした。どうやら千葉県内各地で撮影していたらしい。

3組のクセあり男女が織り成す儚くも不器用な恋愛模様。序盤は退屈だが、終盤にかけての畳み掛けがすご
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.4

サブリミナルやテロリズムと、暴力的で血の気のある作品だが、これはただの暴力映画ではない。
格闘場での闘いは、まさに「生きる高揚感」を知ることが出来るイベントであり、不思議と活力が湧いてくるから不思議で
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

4.0

待望の3作目

複雑で洗練された脚本であるにも関わらず、肩が凝らずわかりやすく見せてくれる技術が相変わらず凄い。騙されるとわかっていても、そう騙してきたか〜と楽しめるのは数ある映画の中でも本シリーズ特
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.0

The biggest risk is not taking any risk.
(最大のリスクは、リスクを取らないことだ)

世界最大のSNS「Facebook」の誕生譚。
apacheやwgetな
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僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(2019年製作の映画)

3.7

ヒロアカ劇場版2作目

劇場版1作目とは異なり、1年A組生徒全員に魅せ場があるのはよかった。特に強大な敵を前にし、自分を曲げてまでデクと共闘する勝っちゃんに感激した。また最後のシナリオは作者が最終話で
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僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄(ヒーロー)~(2018年製作の映画)

3.3

ヒロアカ劇場版1作目

主人公であるデク達は海外の巨大人口都市I・アイランドに集結する。A組全員が集結するという辻褄合わせはかなり強引だが、海外という舞台は映画らしくて良かった。
しかし実際に戦闘する
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.4

ピーター・パーカー

事前情報なしで鑑賞したが歴史を覆す名作だった。こんな荒業やっていいの?と言わんばかりのサプライズと演出に涙。色々な大人事情に振り回されてきたスパイダーマンであるが、本作は間違いな
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

TVアニメ版の1年前を描いた呪術廻戦0

今回、主人公である乙骨くんには声優の緒方さんが起用され、当初はその声、セリフ、性格、ストーリー全てがエヴァにしか見えなかった。しかし話が進むにつれ、乙骨の苦悩
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.7

キングスマンの誕生譚

1年半の延期を経てようやく公開された本作。大好きなシリーズであるため、期待を込めて鑑賞。しかしそこに投影されたのは、シリアスmaxな第一次世界大戦。戦争の恐ろしさと無意味さと描
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

音楽×ファッション×ホラーという異色の作品

舞台は'60年代のロンドン、ネオンの鮮やかな色彩とレコードをかけて踊る人々が印象的であった。おそらく'60年代のオマージュが多くあったのだろうが、知見が乏
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.4

エディとヴェノムの絆が更に深まった作品

ヴェノムは意外にも絵が上手い。触手を活かして同時に複数の料理もできるため、家政婦としても優秀だ。しかし本作では主であるエディと盛大な痴話喧嘩をしてしまう。離婚
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.1

うつ病と社交不安障害を抱える少年がついた1つの嘘

本作はグレイテストショーマンとラ・ラ・ランドの音楽Tmが手がける作品ということで期待を込めて鑑賞。
まず、予告のストーリーと本編のストーリーに大きな
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.6

初登場のキャラクターが大勢いるため、当初はキャラ渋滞で内容が薄くなると懸念していたが、そこはバランスよく描けていて良かった。1キャラ1スキルのため、その個性的な能力を活かした戦い方は飽きずに楽しめたが>>続きを読む

私たちの永遠の夏(2021年製作の映画)

1.6

第34回東京国際映画祭 2作目

一夏の事故をきっかけに彼らの関係は変わっていく。彼らはどうしてずっとタバコをふかしているのだろう。ストレスか、何かを忘れるためか、いずれにせよ彼らの行動は共感できず、
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.7

スマホ禁止

ゲットアウトとアスが好きだったので期待を込めて鑑賞。
中盤まで全く展開が読めずに物語は進み、どこか違和感のある不穏な空気は最後に1つになる。この演出はゲットアウトやアスと一緒だが、今回も
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

第34回東京国際映画祭1作目

若い二人の恋愛模様を、逆行する時間軸で描いた作品

まず第一に、演出の技術力が高い。誰しもが経験のある恋人同士の会話、やりとり、ふざけ合い、どのカットも自然かつ繊細に描
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

3.5

老美術商と職業体験の孫という面白い構図

これまで人生を歩んできた者と、これから人生を歩みゆく者をテーマにしたのだろう。両者が助け合い、ついに名画を証明できた暁には確かなカタルシスがあった。

また、
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ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)

3.1

邦題が残念すぎる

予知能力を持つ2人の闘い、序盤から中盤にかけて一気に惹き込まれる上質なサスペンス。アンソニー・ホプキンスの絶妙な貫禄が役に適していた。
一方で、"未来を見る"という能力を活かしきれ
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ゴールデンスランバー(2017年製作の映画)

3.3

小説や邦画は見ず、予備知識なしで鑑賞

主演が邦画の主人公である堺雅人と似ているのは偶然なのか狙っているのか。いずれにせよ、今回の主演、カン・ドンウォンの演技もよかった。困り顔が可愛らしい。
韓国らし
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劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(2021年製作の映画)

3.7

10年の到達点

ソードアート・オンラインの世界を、ヒロインであるアスナ視点でリブートされた作品。最近はキャラも設定も能力も膨れ上がっていたため、改めて能力が初期化されることで懐かしさやハラハラさもリ
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.6

重く暗くずっしりとしたサスペンス

生々しい映像と生々しい音に拘っているような印象を受けた。VODで見たからいいものの、映画館で見るリストカットのシーンは想像したくないなと。肉を裂く音が凄まじい。
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.5

統合失調症と闘う数学者ジョン・ナッシュ

ゲーム理論やナッシュ均衡で有名な彼の実話だが、幻覚と現実の区別のつかない恐怖がとてもよく描かれている。幻覚にもがき苦しんだラッセル・クロウの演技は一流だ。
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ミスト(2007年製作の映画)

2.0

噂通り、とてつもなく後味の悪いパニックホラーであった

正直二度と見たくないのだが、優秀な面も多いのが本作の特徴。特に人間の弱さがよく描かれていた。
登場人物は皆、恐怖を前にして自我を失い、神に祈り、
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きみがくれた物語(2016年製作の映画)

3.1

ノースカロライナを舞台にした恋愛映画

設定やストーリーはよくあるもの。主人公もヒロインも美形で舞台も美しいため恋に落ちない方がおかしい。「一生俺をイラつかせてくれ」ってセリフいいなと。
とはいえ休暇
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プレステージ(2006年製作の映画)

2.5

プレステージ(偉業)

ライバル関係にある2人の天才マジシャンが火花を散らす。時系列が入り乱れ、かつ巧妙な伏線も多い本作。最後には全ての謎が明かされ、観客を驚かせるノーランらしい作品。映画としての完成
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.4

僕は時々、ビニールハウスを焼くんです

パワーワードすぎる。この一言で本作を手に取ったといっても過言ではない。

さて主題だが、本作は村上春樹の「納屋を焼く」を原作とした韓国映画である。150分の長尺
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祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

3.7

見所豊富の刑事ミステリー

よく練られた脚本と演出、交差し捻れる設定、巧みなミスリードが光る良作であった。同時に、要所要所で相関図を用いた事件の説明があり、観客にとって非常に親切な構成であるとも感じた
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.3

老人で生まれ若返る男の物語

当然そんな病気はないのだが、もしあるとしたらそれは奇跡で、愉快で、残酷な物語になるのだろう。ベンジャミンが会う様々な人々、寓話のような実話のような冒険譚が面白かった。とい
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.2

海外の遊園地特有のノスタルジックさがいい。

しかし本作の脚本には遊園地のような華やかさは一切なかった。良心の呵責もないヒロイン、何食わぬ顔で二股する男、放火癖のある息子とまあ登場人物は問題児しかいな
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.7

これぞサイバースリラー。
ハッカーの気分が味わえる良作。鍵なしのSSIDには接続しないようにしよう。

教育的側面もありながら、メタファーが多く、ストーリーもゴリゴリに作られていて驚かされた。まさか最
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

3.3

自閉症の少女が、執筆した500頁の脚本を遠く離れた提出先に届ける物語。
自閉症という障害を抱える人の生き方や自立に迫る良作。
自閉症ならではの思考や行動が繊細に表現できており、順風満帆にいかない旅路が
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

少女の失踪事件からはじまるサスペンス

153分という長尺に耐えられるか不安だったが、緊迫した空気感と予想を裏切る展開で、すぐにそれは杞憂と悟る。
宗教要素が強いが、最後まで展開が読めない&オチに意外
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鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

3.7

ガチガチにストーリー組んだコメディで完成度が高い。堺、香川、広末というキャストの使い方も非常に上手いなと。胸きゅんの効果音が過剰すぎる演出もツボである。

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.7

健常者に比べ5%の視力しか持たない青年がホテルマンを目指す

ハートウォーミングな実話で後味のいい作品である。
作中頻繁に切り替わるサリー視点のピンボケ映像が強烈で、弱視の恐ろしさを痛感した。そんな主
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.4

人間界と天界と悪魔界の話

日本のアニメのような世界観で、宗教用語が多く出てくる本作品は好みが分かれるだろう。設定も複雑で理解するのに時間がかかるが、VFXのクオリティの高さはハリウッド大作に引けを取
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.5

死神が取り憑いたかのような恋愛。
真面目で大人しく見える女性のズルさが生々しい。
これは映画祭で見たかった。この映画全体が帯びている不穏感や虚構感が気持ち悪く、加えて後味も悪い作品なのだが、それら悪玉
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