非常に品のある映画だった。最近、この手の「映画愛」を語る作品が多いわけだけど、その中には監督の「映画愛」を過剰に押し付けてくる作品もある。それには辟易している私ですが、本作は監督の持つ「映画への愛」>>続きを読む
「物語」について描き続けてきたジョージ・ミラー監督が、満を持して「物語」そのものの映画を作った。ホテルの一室で基本的に進む、3000年にわたる歴史の物語など、『マッドマックス 怒りのデスロード』とは>>続きを読む
予告編を観て、真っ先に連想したのはリナ・ウェルトミューラーの『流されて・・・』だった。あの作品は無人島に漂着した金持ちのご婦人と使用人の立場が逆転していくコメディだったけど、本作は格差社会そのものと>>続きを読む
パク・チャヌクの新作ならそれは観ますよ。これまで、強烈な内容とビジュアルの映画を送り出してきた彼だけど、本作はこれまでの作品のような過激なシーンがない。暴力もエロもない。あるのは男女の少し変わった愛>>続きを読む
カニバリズムを主題とした映画ではあるけれど、内容は居場所のない男女の物語だった。本作におけるカニバリズムは、色んな読み解きができるけど、パンフの監督の発言から察するに、マイノリティのメタファーである>>続きを読む
900Mark目。
ヴァーホーベン監督の最新作。これがまた面白かった。本作の主人公ベネデッタは、彼のこれまでの作品のヒロインたちと同じく、男性が権威を握る社会でハッタリ(あるいは、真の神の言葉)と>>続きを読む
「進歩を妨げてはならない」と劇中でブラピが答えるシーンがあります。デイミアン・チャゼルは一貫している監督で、本作もそうでした。一貫しているのはいいのですが、何というか、私はあんまり好きじゃないです。>>続きを読む
キムタクは演じている役を全て「キムタク」にしてしまう。本作も例外ではない。織田信長という歴史上の人物だが、スクリーンにいるのは紛れもない「キムタク」である。流石である。
まぁ、それは予想していた>>続きを読む
アメリカの高校で起こった銃乱射事件の被害者遺族と加害者遺族が対話を通してお互いの傷を修復していく、修復的司法を題材とした映画。映画はほとんどが一室のみ、4人の会話のみで進む。
監督が現役の役者で>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
人は他者から認識されているからこそ、倫理を保っていられる。「男性が透明人間になったら何したい?」で第1位に来るのは「女湯除く」なわけですが、本作はそこを超>>続きを読む
パク・ソダム演じる何でも確実に届ける運び屋が、依頼主の子供と行動を供にすることになる。最初は子供を邪険に扱う運び屋だったが、情が移っていき…という、コテコテの『グロリア』の系譜にある映画。
劇中>>続きを読む
偉大なるマエストロに敬礼。
モリコーネの関わった作品は、レオーネやトルナトーレとの一連の作品、『アンタッチャブル』、『ヘイトフル・エイト』くらいしか観たことはなかった。本作は、一介のトランペット>>続きを読む
ハーヴェイ・ワイシュタインの性暴力を告発した女性たちの物語。話の軸はジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーの2人で、彼女たちが如何にしてNYに告発記事を載せたかを描く。原作は映画秘宝(この文脈で出>>続きを読む
『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督の最新作。今回は、突然絶交することとなったコリン・ファレルとブレンダン・グリーソン(『ハリポタ』のムーディ先生!)の2人の諍いを描く不条理な寓話。「>>続きを読む
「面白くなってきやがったぜ・・・」これは名言。今後、俺も使っていこうと思う。
藤ヶ谷太輔演じる祐一は本当にどうしようもない男で、観ていると、初めはイライラする。しかし、だんだんと笑えなくなる。「>>続きを読む
予告を見たとき、「めっちゃ「ヴィンランド・サガ」!」って思った人は多いと思う。私もそうです。公式でコラボしているのであながち間違いではないと思いますが、実際観てみると、全然違いました。下敷きは「ハム>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
ヴァーホーベンが描く、「宇宙の戦士」の映画化作品。普通に考えれば勧善懲悪のSF大作なんだけど、そこはさすが善悪の彼岸を描くヴァーホーベン。一筋縄では行かな>>続きを読む
韓国映画界のオールスターが結集した、パニック映画。形式は古典的なハリウッド映画のそれである。本作には何重にも危機的状況を作れる仕掛けがあり、事態が刻一刻と変化し、それ故に飽きさせない。そして、本作は>>続きを読む
原作既読。原作がそもそも良くできた話なので、堅実にやれば良作になる。そして原恵一監督はちゃんと仕事してた。つまりはちゃんとした良作ということ。『バースデー・ワンダーランド』があまりにも酷かったので、>>続きを読む
観始めて、まずは画面の色鮮やかさに感動した。今、配信などで観られる映像とは比べ物にならないくらいの鮮やかさ。
優れた怪獣映画は、怪獣が出てくる前から素晴らしい、という共通点があるが、本作もそれ。前半>>続きを読む
全編にわたり、クリスチャン・ベイルの心境を表現したような寒々とした画面が印象的だった。陸軍士官学校で起こった猟奇的殺人事件を追ったミステリ。クリスチャン・ベイルの相棒、エドガー・アラン・ポーを務める>>続きを読む
2023年の映画館初め。城定監督作品。とある男性の元カノと今カノが協力して、リベンジポルノを処分しようとする話。
城定監督の作品はそんなに観てはいないけれど、そんな観ていない中でも、らしさは健在>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
興行的にコケた上、ラジー賞を採りまくってしまって「最低の映画」呼ばわりされた作品だが、観てみると全然悪くない…どころか、良い映画じゃないか。
要は本作>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
シャロン・ストーンの足組み換えシーンが超有名な本作。あのシーンはめっちゃヴァーホーベンらしいなと思う。男だらけのあの取調室で、自身の性を堂々と発揮し、あの>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
ヴァーホーベンがハリウッドのヒットメーカーになってしまった1作。ポップコーンムービーかと思いきや、ヴァーホーベンは職人に徹しながらも自らの作家性を出してい>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
これ、話の内容的には、ならず者どもに囚われの身となった姫を王子が救い出すっていう王道の中世物語になりそうなんだけど、ヴァーホーベンが脚本をしたことで、クソ>>続きを読む
【監督特集25 ポール・ヴァーホーベン】
2月17日公開の『ベネデッタ』に合わせ、遂にヴァーホーベンだ!
年末にコロナ陽性になっちゃったので、年末年始を隔離で過ごすことになり、時間をもて余している>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『ナイブズ・アウト』の続篇。年末にピッタリの景気のいい映画でした。ちなみに、本当だったら後2本ほど映画館で観ようと思っていたのですが、コロナ陽性になっちゃって隔離状態になってしまったので、多分本作が>>続きを読む
TVアニメはずっと見てるので、付き合いで鑑賞。「ウルトラロマンティック」最終話のかぐやのやらかしから生じた、拗れまくった恋愛模様を描く。
特別上映、という触れ込みなので、多分、元々映画用に作ってたわ>>続きを読む
クリスマスに本作を観る!という最高の体験をした!『東京ゴッドファーザーズ』とどっちを観るかで悩みましたが、こちらにしました。観返すのは結構久しぶりだったんだけど、ここまで素晴らしい映画だったのか!と>>続きを読む
"奪われるのは目か、心か"
このキャッチコピーを借りるならば、「目は奪われたけど心はそんなに・・・」という感想です。ちなみに、IMAXレーザー3D字幕HFRで鑑賞しました。
本作の良かった点>>続きを読む
観終わって、何とも言えない、心地好い余韻に浸っております。映画が始まってから周囲の音がだんだんとリズムを刻み、岸井ゆきのと松浦慎一郎のコンビネーションミットがどんどん上手くなっていく冒頭で完璧に掴まれ>>続きを読む
怪物と戦う者は みずからも怪物にならないよう心せよ…なんてシリアスなコピーがついてるけど、英雄の叔父を持つも、自身は語るべき物語など何一つ無いボンクラ騎士の話で、一時のノリで首切りゲームに乗っかって緑>>続きを読む
デル·トロ先生の映画を家のTV画面で観てしまい、申し訳ない気持ちですよ。
誰もが知る「ピノキオ」の物語を、デル·トロ先生がアレンジして描く。デル·トロ先生なので、ピノキオは「異形」な存在である点が強>>続きを読む
脚本は割とノリで進む。バカ映画一歩手前だけど、悪くない。MCUに慣れすぎていたが、アメコミ映画とは、このように好き放題やるジャンルだったよなと思い出した。
本来、「ヒーロー」足り得ない存在が英雄にな>>続きを読む
公開前に公式がプロモーションで盛大にミスって炎上したせいで公開前からケチが付いてしまった本作ですが、実際に観てみたらこれが素晴らしい作品でした。私はジャンプは「ONE PIECE/NARUTO/BL>>続きを読む