『正欲』とか今やってる「不適切にもほどがある!」も似たものを目指していると思うんだけど、本作の方がずっと洗練されていると思う。要は、「多様性」とか「差別はよくない」というマイノリティへの配慮が、自分>>続きを読む
ガイ・リッチーらしくないドシリアスな戦争映画。持ち味の軽妙な会話とトリッキーな構成は鳴りを潜めている(とはいえ、端々にリッチー味のあるシーンはある)。代わりに、終始「いつ撃たれるか」という緊張感の漂>>続きを読む
マシュー・ヴォーンがまたまたスパイ映画を撮った。もう『キングスマン』があるんだからいいじゃんよ・・・と思ってたら、最後で「そういうことか!」となった。シャマランと同じく彼も「俺ユニバース」を構築して>>続きを読む
『ソナチネ』までが嘘のように、終始、漫画的な下らないギャグ、パロディが続く。どれもがこれまでの北野映画にあったような四コマ的なギャグの詰め合わせ。最初は戸惑ったものの、見ているうちにこれが癖になってき>>続きを読む
映画の出来としては間違いなくポンコツの部類で、ツッコミどころを挙げればキリがない。敵がよく分からないし、ミャンマーの下りいらんだろと思うしというか簡単に行きすぎだし、主人公はずっと盗んだタクシー使っ>>続きを読む
タイカ・ワイティティは『ジョジョ・ラビット』が大変良かったので少しは期待して見に行ったのだけど、これがまた何とも言えない微妙な映画だったものだから困る。
本作を見てまず思ったことは、タイカ・ワイ>>続きを読む
傑作。素晴らしい。これまで北野武が積み上げてきた要素が全て、高密度で詰まっている。「死」をここまで美しく描いた映画はあまり無いと思う。北野映画はここでひとつの完成形&頂点を極めた、のかな。
予告から、『氷の微笑』のような「怪物的」な女性の物語か、法廷を舞台にした重厚なサスペンスと思ったが、見てみると全く違う映画だった。
本作において、法廷は「真実を明らかにする場所」ではなく、あらゆ>>続きを読む
宮廷を舞台としたサスペンス。主人公が昼盲症であり、これが映画のテーマ的にも、ギミック的にもかなり上手く機能している。序盤はコミカルな点も描きつつ、ハンデを背負った主人公が成り上がっていく物語だが、中>>続きを読む
これも面白かった。日常にヤクザが入ってきたときの怖さみたいなのがある。前作と同じく、全体的に虚無的な印象を受けるも、所々笑える箇所がある。いちばん笑ったのはスナックのくだり。別の意味で笑ったのは若いト>>続きを読む
『ミツバチのささやき』と同じく少女の話。本作で焦点が当てられてるのは父親との関係で、父親を特別な存在ではなく、1人の人間だと認識するまでを描く。少女が大人への一歩を踏み出す瞬間を描いているという点は共>>続きを読む
最初から最後までアリ・アスターの映画。過去2作ともそうだっただろ!と言えばそうだけど、まだジャンル映画の皮を被っていた。しかし、本作はもはやアリ・アスターしかなく、これまで彼が描き、恐怖してきた「家>>続きを読む
映画芸術2023年年間ベスト映画(笑)を獲得した荒井晴彦大先生の映画。私は荒井晴彦の映画はそういえば見たことなかったなと思ったので鑑賞。ダラダラしてたら年が明けてしまった。余談だが、2023年の映画>>続きを読む
ele-kingで北村紗枝さんが「2024年期待の新作」として紹介していたので鑑賞。これがまた素晴らしい作品でしたよ。
冒頭、草原で寝転がっているコットが起き上がるショットから本作は始まる。ここ>>続きを読む
北野映画は『首』『HANA-BI』『アウトレイジ』くらいしか見たことがなかったので、とりあえずある程度のところまで見ようと思った。
監督第1作目にもかかわらず、既に完成されている。異様に長い歩行>>続きを読む
三宅唱監督だから見た。『瞳をとじて』と連続で見たのですが、『瞳をとじて』で提示された「映画にできることはまだあるかい?」という問いに真正面から答えた映画で、驚くとともに感嘆した。
本作は「優しい>>続きを読む
ビクトル・エリセ31年ぶりの新作。つまり、この監督は私が生まれてからこれまで1本も長編映画を撮っていなかったわけだ。エリセの名前は私にとってはもはや神話の域に達していて、よもや新作を見られる日が来る>>続きを読む
同名の人気原作漫画を実写映画化。原作は既読。実写化と聞いたときは色々な意味で不安だったのですが、ビジュアル的に良さそうだし、アクションが下村勇二さんで期待できたので鑑賞。
とても面白かったです。>>続きを読む
ライブ映画の金字塔的作品の4Kレストア版。良い機会なのでIMAXにて鑑賞したが、これが素晴らしかった。同じデヴィッド・バーンだと『アメリカン・ユートピア』があり、あちらはストーリーラインとメッセージ>>続きを読む
コロナ禍真っ只中の2021年、小口投資家たちがゲームストップ株を買いまくり、空売りで荒稼ぎをしていた大手ヘッジファンドをギャフンと言わせたゲームストップ株闘争をもとにした実録映画。監督が『アイ、トー>>続きを読む
「仮面ライダー555」の20年ぶりの続編。監督は田崎竜太、脚本はもちろん井上敏樹。平成1期世代として、見ない理由は無いので鑑賞。
「555」には複雑な思い入れがある。実は、唯一、リアタイをリタイ>>続きを読む
ヨルゴス・ランティモス監督の最新作は、「フランケンシュタイン」を想起させる、アラスター・グレイの小説。エマ・ストーンと再タッグを組む。
ベラは「フランケンシュタイン」における怪物だが、本作では彼>>続きを読む
制作発表から10数年の時を超え、遂に公開された「SEED」劇場版。正直、公開決定の報を聞くまで色々な事情から企画は頓挫したのだろうと思っていた。だから、公開決定の報は非常に驚いた。「SEED劇場版・>>続きを読む
原作既読。正直、あの原作は和山やま先生のあの絵柄と独特のテンポによって成立しているので、実写映画化を聞いたときは不安がよぎった。しかし、脚本に原作の翻案の天才・野木亜紀子、監督には山下敦弘というガチ>>続きを読む
前作と比べると肩透かしで、凡庸な出来。話はとっ散らかってて、『ブラックパンサー』みたいな話がやりたいのかと思いきや、そこはそこそこに、結局家族の物語という小さい話に終始している。普通に考えれば、あり>>続きを読む
過去に3部作として制作された「傷物語」を再構築し、1本の映画にした作品。正直、制作発表を聞いたときは「3部作作っといて1本にまとめなおすとか、アニプレ商法か!許さん!」と思っていたのだが、尾石監督の>>続きを読む
大災害が起こり、壊滅した世界の中で唯一残ったコンクリート団地。そこで起こる人々の悲喜こもごもを描いた映画。災害前は平凡な存在だった団地の住民が特権的な力を有してしまったことで生まれてしまう負の感情を>>続きを読む
「あれ・・・?俺の知ってる『エクスペンダブルズ』じゃない・・・??」見終わってまず出てきたのがこの感想。キャストも過去3作と比べるとちょっと物足りないし(失礼!)、CGのクオリティも実にチープ。ホモ>>続きを読む
カウリスマキ先生が引退を撤回して作った本作は、しみじみ良い映画でした。この現実には本当にロクでもないことばっかりだけど、カウリスマキはそれを背景にしつつ、市井の人々の心の交流を描く。それは決して目を>>続きを読む
この前、「今年はロバ映画の年だったなぁ」という話をしたのですが、本作は牛映画。西部開拓時代、最初にやってきた牛からミルクを奪い、一獲千金を狙う男性2人の物語。ちなみに、ライカートの映画を見るのは初め>>続きを読む
ファスビンダーの映画を初めて見ました。これがまた凄かった。82年に作られたにも拘らずモノクロで撮影され、映画は光と影であると喝破する。その言葉通り、本作は光と影の映画であり、ベロニカ・フォスの栄光と>>続きを読む
高校を卒業しながらも、「大人」になれないイーニドとレベッカの話。自立していくレベッカに対し、「普通」になれないイーニドが見ててどんどん辛くなる。自分がちょっかい出したオタクのシーモアに彼女ができたら>>続きを読む
「SPY×FAMILY」遂に劇場版。しかしてその内容は、『鬼滅の刃』以降、質的にも興収的にもインフレしまくったジャンプアニメの劇場版について、「いやいや、元々こういうもんだったでしょ」と諭してくれる>>続きを読む
アメリカでは、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』、『AKIRA』と並び、ジャパニメーション(死語)の代表的な傑作と言われている作品。ずっと見たかったのですが、レンタルも配信もされて>>続きを読む
新年1本目。現役のYoutuberが監督し、北米で大ヒットしたホラー。降霊術の話だけど、若者がハイになっている様子は完全に麻薬で、降霊をトリップとして描いているのが新鮮だなと思った。
本作はホラ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今年最後に見た映画。『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督作。しれっとアマプラに来ていた。バリー・キオガン無双映画です。
言ってしまえば、本作はダークな『君の名前で僕を呼ん>>続きを読む