ぼずごんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ぼずごん

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友罪(2017年製作の映画)

3.0

過去に罪を犯した人間の社会復帰、そして受け容れる周囲の人間。難しくも、身近な問題を、映画化し世に投げ掛けた、スタッフ陣の熱意と真摯な姿勢に拍手を送りたい。「自分が、もし、その立場になったら」と考える機>>続きを読む

あ、春(1998年製作の映画)

4.0

『春』『家族』を描いた傑作は、自分の中で、向田邦子の「春が来た」が断トツだったが、「あ、春」いい。傑作の仲間入りです。相米慎二監督、独特の長廻しも、過去作品のような『緊張』ではなく、『優しさ』が感じら>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.0

盗作してスターになっても意味のないこと。自分にとって大切なものは何か。仕事に恋に、王道のサクセスストーリーを「ビートルズが存在しない世界」という非現実世界で描くアイデアが斬新でおもしろい。『あの人』の>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「犠牲者のほとんどがホテルスタッフだった。また、彼らの多くは逃げずに人命救助に貢献していた。」この事実がエンドロールで記される。ならば、テロ事件の内側を描く本編では、その事実をもう少し色濃く描いてもよ>>続きを読む

よこがお(2019年製作の映画)

4.0

「淵に立つ」ほどの緊張感はなかったように思う。とはいえ、普通の暮らしをしていた人間が奈落の底に落とされていく描写は見事。そして、それをリアルにフィルムに再現した役者陣の演技が素晴らしかった。特に、複雑>>続きを読む

HELLO WORLD(2019年製作の映画)

4.0

難解、むずかしい、などのレビューが多かったので心配だったが、面白かった。詳細な設定は確かに困難だが、テンポ、音楽、映像が心地よく、一気に観られた。特に、背景の古都京都は、近未来の設定に独特な雰囲気を醸>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゲット アウト」が良かったので期待しすぎた。全員のクローンが存在、という展開からは“ゾンビ”的なホラー感が強くなり残念。前作の、得たいの知れぬ恐怖感の方が入り込めた。後々、解説・批評などから裏テーマ>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

DCも、バットマンも、見たことなかったけれど、充分楽しめた。一人の人間が『悪』と化していく姿。多くの人間が『悪』を創造してしまう恐れ。そして大衆が『悪』持ち上げてしまう怖さ。約2時間、画面に釘付けにな>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「Once upon a time...」(「むかしむかし...」)で始まるタランティーノ流「お伽噺」。悲しい事件も、映画愛でハッピーエンドに変えてしまう、超エンターテイメント。161分の長さを全く感>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

4.0

「ボヘミアン...」より、エルトンの内面がしっかり描かれていた。仕事・親の愛情・恋愛、それぞれの葛藤や苦悩を見事に演じきったタロン・エガートンにオスカーを。エルトンの人生をミュージカルタッチでテンポよ>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

5.0

見聞きしたことがある問題、そしてそれを闇に消す組織。ぐいぐい引き込まれる。自分の死をもって訴える官僚、命がけで暴こうとする官僚、記者。正義が報われない社会に虚しさを感じた。とは言え、闇に消すことで社会>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.0

130分があっという間に過ぎた。それくらい、画面に、ストーリーにひきつけられた。殊に、平山中将と櫂の1対1のシーン。衝撃を受けた。このシーンが、導入、エンディングとリンクし、複雑な感情を増幅させ、大き>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.0

映像と音楽、これに尽きる。繊細さと美しさに心動かされた。前作、今作と、作品の評価に「音楽」が寄与するウエイトが大きい。野田さんの楽曲は本当にすばらしい。ストーリー、設定にはやや突っ込みどころがあるが、>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.0

民の幸せを願い、自ら王位の継承を望む、そんな強い意思に裏打ちされた美しさ。ジャスミンの描き方に現代を反映させていて新鮮だった。とはいえ、名曲「ホール・ニュー・ワールド」は、やはり、ピーボ・ブライソン&>>続きを読む

長いお別れ(2019年製作の映画)

4.0

認知症を『長いお別(long goodbye)』ということを初めて知った。「少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行くから。」
ある家族の『長いお別れ』の記録。といっても介護奮闘記ではなく
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.0

淡々と、無駄に多くを語らない作品。見終わった後、みんなでたくさん語り合いたくなる映画。
子どものセリフや感情表現にリアリティーがあり共感てきる。叫んだり、涙流さなくても、悲しみが十分伝わってくる。ラス
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.0

前半と後半でまったくトーンが変わる、予想だにしていなかった展開に驚いた。そしてラスト、考えさせられた。スクラップのナレーションから始まるが、その相手がフランキーの娘であったことが最後にわかる構成が巧い>>続きを読む

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

3.0

この作品、レンタルショップで子どもコーナーにあった。が、他のディズニー作品とは雰囲気を異にする本作は、むしろ大人向きかもしれない。権力や差別、宗教など、考えさせられることが多い作品。ラスト、人によって>>続きを読む

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)

4.0

大林監督は初めて「長岡の花火」を見た時、涙がこぼれたという。山下画伯は「長岡の花火」がいちばん好きだった。そして、こんな言葉を残した。「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかりをつくっていたら>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

5.0

人種差別の難しい時代に、トニーとドンの友情が育まれていく姿に感動した。相反する性格の二人が、旅の中でお互いを認めていくストーリーが見事。クリスマスに結実する構成もいい。
脚本、演出、演技、そして音楽、
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バースデー・ワンダーランド(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

酷評が多く、そのどれもが言い得ているとは思う。重厚感にはやや欠けるかな、と。でも、個人的には充分楽しめた。特に音楽。盛り上がりでカットインするmilet の挿入歌はもちろん、ラスト近くバイオリンで挿入>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、玄関前を清掃、流す水に映る飛行機。エンドロールでは、実写の飛行機が生活音のみ流れる中、何度となく空を横切る。この間、淡々とした日常の描写の中に、大きな心の変化をしっかり訴えかけており、この「飛行>>続きを読む

メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

4.0

名作「メリー・ポピンズ」、何回見たことか。そんなオールドファンも納得、感動させる、傑作だった。『幸せのありか』『小さな灯りをさがせ』『想像してみる』『表紙にだまされるな』等々大事なテーマが音楽とともに>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.0

「ボヘミアラプソディー」の圧倒的なヒットに圧された感があるが、個人的には「アリー スター誕生」をぜひ推したい。ブラッドリー・クーパーの歌と演出が素晴らしい。レディー・ガガはアリーそのもので歌声も表情も>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

フレディの人生がクイーンの軌跡と並行して描かれる構成故に、若干、フレディと恋人(ジム)や家族とのエピソードや心情に説明不足を感じた。とはいえ、諸々の思いを抱えたラスト、ライブ・エイドのステージパフォー>>続きを読む

Last Wedding Dress(2014年製作の映画)

3.0

上田慎一郎ショートムービーコレクション4本立てのラスト。王道のストーリーを正攻法で描いた作品。しっかり涙を誘われたのは、そこに至るまでの家族、仕事仲間等々、たくさんの人たちの『愛』に溢れた奮闘を描いて>>続きを読む

テイク8(2015年製作の映画)

3.0

上田慎一郎ショートムービーコレクション、4本立ての3本め。
発想がおもしろい。セリフがいい。演技もいい。ラスト、終わり方がいまひとつだったけど、アイデアが素晴らしい。ドタバタの展開の中で、「愛」を語る
>>続きを読む

ナポリタン(2016年製作の映画)

3.0

上田慎一郎ショートムービーコレクション、4本立ての2本め。突飛な設定だけど、展開から目が離せなくさせる技は見事。結局、最後まで何を会話していたか明かされない演出もウマい。ふざけた話だけど、老若男女に受>>続きを読む

彼女の告白ランキング(2014年製作の映画)

3.0

イオンシネマにて、上田慎一郎ショートムービーコレクションを鑑賞。4本立ての1本め。「カメラを止めるな!」で完成された『小技』が見られて面白い。こういうオチだろうな、やっぱり、えっ?!そんな展開、と観客>>続きを読む

愛と法(2017年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリーの評価は対象の魅力をいかに引き出せるかだと思う。この作品は、同性婚の弁護士二人の魅力が存分に描かれている。涙する素の表情を通して二人の「弱さ」や「やさしさ」が伝わり、二人のことをもっと>>続きを読む

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

4.0

インド映画のように、観客参加型の興行を企画してほしい。みんなで一緒に踊ったら、もっと楽しめると思うから。て言うくらい、終始体でリズムをとりながら観ていました。「ダンシング・クイーン」は圧巻。気持ちは、>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

5.0

低予算、無名の役者でも、脚本次第で面白い作品が作れる!この驚きは「運命じゃない人」以来。最後のエンドロールに至るまで見逃せない、『愛にあふれた』傑作。その一つ、『映画愛』は「蒲田行進曲」を彷彿とさせる>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.0

未来の東京駅の異世界感が突き抜けていていい。細田監督の『挑戦』を感じられた、このシーンに★★★。「好きくない。」という、くんちゃんのセリフ。親がスルーしてるから繰り返す。可愛らしさは全く感じられず、た>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

犯罪のもとで繋がる血縁のない家族。映画は、感情を抑え、ドキュメンタリーのごとく淡々と生活を描き、観客に問いかける。「こんな家族があるけど、どう思いますか?」と。不正や犯罪は良くないが、5歳の少女ひとり>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.0

会話は噛み合わない、印象は悪い、そんなファーストコンタクトから、すでに西野のマインドコントロールが始まっていたのかもしれない。対象の「心の隙」を見つけ、入り込み、支配していく。そんな恐怖のサイコパスを>>続きを読む

ヒミズ(2011年製作の映画)

3.0

染谷将太と二階堂ふみの迫真の演技に最後まで惹き付けられた。ヴェネツィア国際映画祭の新人賞受賞も頷ける。この作品のテーマにもなっているヴィヨンの詩が見終わった後も心に残る。製作過程で震災があり、それを採>>続きを読む