ぼずごんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ぼずごん

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甲子園:フィールド・オブ・ドリームス(2020年製作の映画)

4.0

坊主頭、一糸乱れず並べられた靴や道具、動きを合わせたランニング、上下関係が象徴される挨拶...。軍隊のようなイメージに違和感を持ちつつも、興味を惹かれ感動してしまう、それが甲子園、高校野球の世界だと思>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

5.0

「音は感情を伝える」(ルーカス)、「音が瞬間を永遠にする」(スピルバーグ)。映画にとっての『音』を重要な要素とする巨匠の言葉が印象的だった。『音響デザイナー』というポジションが確固たるものとなるまでの>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

5.0

アルプススタンドのはしで「しょうがない」とあきらめていた4人が、最後は「前向きに」声援を送る。「あきらめる」ことなく努力し続けた選手を大きな声で応援する姿に感動した。野球の場面は一切写さず、バックヤー>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.0

邦題の失敗例。『しあわせへのまわり道』という別の作品があるし、映画の内容を方向づける意図があって好きではない。原題『A Beautiful Day in the Neighborhood』このままの方>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.0

詰め込みすぎず、物足りなさも感じさせず、程よいバランスで、46分という短い時間に相応しい作品だった。雨の日限定の逢瀬、万葉集の和歌による恋文、文学的な要素もあっていい。靴の採寸でのエロティックな描写も>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

4.0

雑誌の編集などは物語の舞台として多く目にしてきたが、「辞書」の編集というのは初めて見た気がする。長い時間をかけて一つの「辞書」を作り出す作業、そこにかける作り手の熱い想い。真摯な作業に、真摯な語り口で>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「レジェンド」と呼ばれる所以は戦果を上げたこと。国を守るためとはいえ人を殺めたことにより得た称号。この「レジェンド」という言葉はクリス・カイルを苦しめていたと思う。そして、この言葉が他の兵士の心をも蝕>>続きを読む

第9地区(2009年製作の映画)

4.0

エイリアンの描き方が独特で面白い。風貌はもちろん、その社会も、昆虫のアリやハチのよう。女王がいなくなれば、統率する者もなく、「働きバチ」ならぬ「働きエイリアン」たちは攻撃を仕掛けるでもなく、ただただゴ>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

5.0

宮崎作品で唯一映画館で観ていなかった“ナウシカ”。ようやくスクリーンで体感することができた。映画の醍醐味が詰まった傑作であると再認識、感動した。後に、声に俳優を多数起用、微妙なキャストもあった。が、本>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

親の教育をも凌駕する戦争がもたらす洗脳のおそろしさ。そんな狂気の中、ジョジョが自分で考えを変えていく姿に感動した。父親不在の中、盲目的にナチス思想にのめり込むジョジョを受け止め、いさめることなく、大き>>続きを読む

タイタニック(1997年製作の映画)

5.0

「いまさら」シリーズ。ようやく観賞しました。これぞ映画、という作品で感動しました。大作にありがちな、脚本の弱さもなく、骨のある傑作です。壮大な史実を、ラブストーリーをベースに、エピソードを散りばめ巧み>>続きを読む

鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

4.0

長男の死が、周りの家族みんなに、大きな悲しみを与える。それが自殺であれば、さらに大きな苦しみを伴う。家族それぞれが振り返り、受け止め、乗り越えていく様を真摯に見つめる姿勢に心動かされた。こんなに多くの>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.0

主役となる家族4人を演じる俳優が、同じ役を12年演じ続けて完成させた作品。各々が12年の間に様々な時を過ごしているのに、フィルム上には一つの家族として存在している。それが、スゴい。監督の演出、それに応>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

5.0

役所や企業などの問合せの電話。テープが流れ、番号を選ばされ、そして長時間待たされる。大量の回線を捌くため仕方ないのだろうが。そこに「やさしさ」はない。他人事ではないエピソードに共感させられた。日本より>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.0

片山慎三監督、お気に入りに登録した。
気になる、次回作が見たくなる映画作家の一人となった。個人的に共感が難しい内容だったが、画面に釘付けにされた。確固たる主張、それを実現させる演出、演技、カメラワーク
>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

まったくの前情報なしで観賞。圧倒された。半地下の貧しい一家と高台の大富豪一家。その設定に黒澤明の「天国と地獄」を思い出した。検索するとヒット。ポン・ジュノ監督自身、インスパイアされていたと。名作にイン>>続きを読む

男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

4.0

あのイントロと、あの字体のタイトル。キャストスタッフが続く。それだけで胸が熱くなった。寅さんファンみんなが同じ気持ちになっているオープニングこそ、渥美さんのオリジナル主題歌にしてほしかった。「人間は何>>続きを読む

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(2009年製作の映画)

3.0

心中未遂後、「今は責めないでくれないか。」という夫に、「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。」と一蹴する妻。このセリフは松さんでなければ成立しなかったと思う。放蕩の夫に尽く>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.0

『職業訓練校』という校門が映るまで、刑務所?!と思いながら見てしまった。それくらい「閉塞感」「倦怠感」が見事に描写されていた。訓練校の外の世界との関わり、自分の過去や価値観を越えること。「フェンス」を>>続きを読む

アーティスト(2011年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

モノクロ、サイレントの魅力に溢れた、古いけど新しい映画。セットの壁越しのステップの掛け合い。ジョージの服に腕を通して自身を抱きしめるペピー。ジョージが唯一燃やさなかったフィルム。ジャックの名演技も含め>>続きを読む

雪に願うこと(2005年製作の映画)

3.0

早朝の訓練。朝日の光。馬の体からわき上がる湯気。吐く白い息。「生命力」の描写が美しく、力強い。すべて失った主人公の心の再生に大きな力を与える、「生命力」の描写が見事。主人公の「意地」を解していくテツヲ>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「怖い」と思いながら見ていた。看護師の指示がなければ気胸の措置もできない。勉強して癌治療にあたる姿には「怖さ」しかなかった。ラストも、「なんでここまで...」と恐怖。が、八千草さんの一瞬怪訝そうなリア>>続きを読む

アラジン(1992年製作の映画)

4.0

アカデミー歌曲賞を受賞した主題歌「A Whole New World」は本当に名曲。物語にぴったりマッチしていて、主題歌にふさわしい。グラミー賞で最優秀歌曲賞を受賞したの頷ける。アラジンとジャスミンの>>続きを読む

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『殺ってくれる?』娘と彼氏の意味深な会話。タイトル。そして、主人公のナレーション『1年たたぬうちに僕は死ぬ。』殺されるのか?不治の病なのか?観客に想像させる導入と構成が巧い。家族の闇は、アメリカだけで>>続きを読む

同胞(はらから)(1975年製作の映画)

5.0

『ふるさと~ふるさと~♪』というメロディとともに、青年団の面々の生き生きとした表情が頭から離れない。忙殺の日々、閉塞感の中もがく若者たち。団結して、劇団の芝居興行を成し遂げる姿に感動する。『生命力』に>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.0

「桜花抄」がいい。第1話で、この作品のテーマである『スピード』『時間』『距離』が、じっくり描かれており、引き込まれた。インストゥルメンタルで小さく流れていた「One more time one mor>>続きを読む

空中庭園(2005年製作の映画)

2.0

「思い込み」は本当のことを見えなくする。考えさせられるテーマだった。ただ、ぐるぐる回る、ゆれる、などのカメラワークはいただけない。長回し、アングル、色調などは時に必要だと思う。が、『回す』『揺らす』と>>続きを読む

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

4.0

舞台劇を創作したシェイクスピア自身の恋愛を描き、それが作品に反映されていく設定が新鮮。エリザベス女王の絶対的存在、女性は舞台に立てない。当時の時代背景がしっかり考証されており、舞台劇と実恋愛の「悲恋さ>>続きを読む

モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.0

山崎さん、希林さんが主演。それだけで、淡々と日常を描いても、充分に『ドラマチック』であり『ファンタジー』にもなりうる。だから、過度な宇宙人?!やタライなどの演出は必要なかった。
「また、かあちゃんが疲
>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

心を大きく動かされた作品。見終わったあと、あれもこれもと、たくさん話してシェアしたくなる。そんな作品は久しぶり。「受け容れる」ということが大きなテーマ。それを、12歳のおっこが実践している姿に胸を打た>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

監禁された母子が脱出するまでの話かと思いきや、早々に外界へ。むしろ、この作品の主旨はここから。「ルーム」で、二人だけで過ごしてきた母子が、様々な人々との関わりの中で困惑、苦悩。やがて社会に順応していく>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

借金のある主を捨て、殺害を依頼。彼が殺害されている最中に、普通にご飯を食べている家族が恐かった。酷い事を、と思いながらも、一つ歯車が狂えば入り込んでしまう、隣り合わせの世界なのかもしれない。ラスト、「>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

オリビアの「カントリーロード」で始まり、オリジナルの「カントリーロード」で終わる構成。聖蹟桜ヶ丘の街を幻想的な世界に変えてしまう演出。学校、恋愛、進路、夢、等身大の中学生をリアルに描いたストーリー。傑>>続きを読む

小さいおうち(2013年製作の映画)

4.0

黒木さん、松さん、片岡さん、山田組の常連でない役者のみなさんがすばらしかった。個人的には、当時いたであろう世の『ご主人』をリアルに再現された片岡さんの演技は秀逸だと思う。山田監督の今までの作品とは趣を>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.0

かつて一世を風靡した主人公が再起を賭けてブロードウェイに挑む。その、リハーサルから本番まで、という時間を切り取った設定がいい。ストーリーはほぼ劇場内で展開。長回しやドラム音楽の演出。それらが、現実と幻>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

4.0

「斜行エレベーターが到着します」という機械の声。繰り返しインサートされるこのシーン。機械的な日常がより強調されて巧いと思った。斜行で家まで上がっていく、というロケーションも、主人公の心情を反映するかの>>続きを読む