村山さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

村山

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PLAN 75(2022年製作の映画)

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首尾一貫して救いがなかった。
75歳以上になると本人が生死を選択できる制度がある以外、作中の肌感覚は現代と同じだ。なのに、寄る辺もない絶望がどこまでも広がっている。

未来を守るためとか、快く送り出す
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

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豪華キャストに加えてアニメーションもぬかりなしの作品でした。
作品のためには寝る間も惜しんで仕事しろ、みたいに見えるのは時代と合わない気もするけれど、天才でも努力家でも、1つずつ足下を確かめながらチー
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東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

東京オリンピックを2時間の映画にする。
そんな仕事のオファーがあったら、自分なら挑戦しない。なぜか。
五輪の器は果てしなく大きく、どこを映し出しても恣意的な切り取りになるからだ。どの側面をとっても、そ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

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これまでのMCUにないような血塗られたアレや、怖がらせるコレやが登場するし、閉じ込めておいて解除できないってなんじゃそりゃとか、この能力ってこんなんだったっけ、とかケチつけようと思えばつけられるんです>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

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青春映画の傑作。自分も学生時代には佐々木的なものを持っていたし、佐々木みたいなヤツには憧れもあった。今、あの頃を振り返るなら「なんの根拠もない自信とエネルギーに満ち溢れていた時期」と言えるのではないだ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

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この物語に登場する人は、みんな優しい。入管庁の人も、申し訳なさそうに対応しながら、難民申請は不許可となりましたと伝える。結論の理由、責任の所在は明らかにならない。やり場のない怒りだけがくすぶる。
身の
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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なぜウルトラマンはM78星雲からやってきた外星人でありながら、地球人のために身を挺して闘ってくれるのかという疑問に対するひとつの回答なのではないだろうか。
なんか全体的にGoProで撮ったぽい映像が多
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英雄の証明(2021年製作の映画)

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どこまでも淡々と、気持ちの行き違いを見せていく。この物語の登場人物に悪い人はいない。差別意識を持っていると自覚する人もいない。しかし、事態は遅々としてうまくいかない。各々の正義の代償を精算するための社>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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受け継いだ牧場を守るために弱さを捨て、周りを率いるために強く生きろと育てられたフィルには、質実剛健な男性像がつきまとう。マッチョイズムの中では、伝統を愚直に守り求道する姿こそをよしとする。軟弱なものは>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

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現代のベルファストから1969年に誘っていくオープニングでもうすでに最高がはじまっていました。
いたいけな子どもの目線を通して、大人たちの諍いの無意味さ、惨めさを浮かび上がらせる手法は、お見事です。ア
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カモン カモン(2021年製作の映画)

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どんなに振り回されても、子どもと向き合う時、感情的にならないこと。奔放な行動に悩みながら、ジョニーはジェシーと向き合う。
今のジェシーのしんどさを想像すると、他者がとことん付き合って伴走することが大事
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

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パフォーマンスすばらしい!最初からプリンス♪レッツ・ゴー・クレイジーでアガる。そのあとの楽曲も盛り上がる盛り上がる!!
日本語吹き替えで拝見しましたが、みなさん本業ではないながら声優も違和感なかったで
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映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021(2021年製作の映画)

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なんと冒頭の主題歌をカット!でも、セリフを被せたり、場面でさっさと物語を進めたり、ストーリーテリングをテンポよくこなそうという気概が見えます。ドラえもんの行きあたりばったりだけど上手くいくのはご愛嬌で>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

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落語を見ているような、一対一で話を進めていく美しさ。一本一本の満足感がいっぱいで、幸せになりました。
3話のオムニバスに通底するのは、自分がそこにいない他者を想う時間を育てることではないだろうか。
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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やたらめったら分かりやすい作りで、画としてこれがやりたい!っていう見せたいものがハッキリしてるシーンが多くて楽しいです!
バットマンは、もうお馴染みのお約束事も多いので出すときに大見得を切って登場させ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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見ていてもちろん楽しいけれど、胸中は複雑になってくる。なんて不謹慎極まりない!と憤る気持ちもわかるし、バカバカしくわかってるねー!とアガってしまう気持ちもわかる。どこまでも、最低で最悪で最高なのだ。メ>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

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マフィアなのに、やることが杜撰だよ!というツッコミはあると思うけど、楽しかった!
いつも男は脅すだけで、実際に事を起こしたのは二人だけってセリフが格好良くってサイコー!

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

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ブラックボックスだけでどうやって展開するんだろう…と思ってたら、音声分析官の役割は、あっさり超越していきました。
スマホが一般化して描けなくなった展開が山のように増えたと言われますが、いやいや、新たな
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

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91歳で映画監督やるだけで十分なのに、主演までやったらもう完成した時点で誉められて然るべき偉業なんですが、加えて映画としての神々しいまでの純度を保った作品なので恐れ入る。
過去の栄華にすり寄って、大き
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

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意外にも印象に残るのは、のちにルビーの恋人となる男性が、レストランで見かけたルッソ一家をどう見ていたかという話だ。
傍から見れば、健常者であるルビーがろうあ者である父、母、兄貴を支える家族愛に満ちた一
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香川1区(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

小川淳也氏が立候補を決めた香川一区には、平井卓也氏がいる。
菅内閣では、デジタル庁担当大臣を担当し、四国新聞の社長を弟に持つ平井一家の地盤の強さで、無敵の横綱相撲を展開してきた。その選挙区が2021年
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ジョディ・フォスター演じるナンシーは、被告であるモハメドゥに「あなたが無罪だと信じている」と伝えることはなく、ベネディクト・カンバーバッチ演じるスチュアート中佐は、「今回の案件に関しては、自分に責があ>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

グッチのお家騒動話。伝統堅持、自信過剰、浪費家、嫉妬、などなど、名家のあるあるがてんこもり。お金は人を狂わせるが、それもまた富の象徴だともいうべきか。まったくもってブルシットでござんした。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

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大団円を迎えたことに拍手。ただ、映画の面白さとはまた別の話かも。

浅草キッド(2021年製作の映画)

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現代の北野武の再現具合がものすごい。おそらく本人に断られたのだろうけど、だったら特殊メイクで再現すればいいじゃないか!という気概はさすがNetflixですね。ちなみにビートたけしに薫陶を受けたことでも>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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身体的な症状を体験できる映画で、実際の音とルーベンが体感してる音が聴感レベルで判断できるのが感覚的にフレッシュで、耳に焼き付く。人として大事なのは、無理強いをしてでもマジョリティとしてふるまうことでは>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

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国家は、様々な利権を守るために、あの手この手を使って都合の悪いことをひた隠しにする。巨大な組織はよほどのことがない限り続く。自らが責任を取らずともよかろう。組織の陰に隠れ、時が過ぎるのを待つ。質問に答>>続きを読む

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

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小室圭さんと眞子さんの結婚に批判的な人は見ればいいと思います。

エターナルズ(2021年製作の映画)

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クロエジャオ、ほんと大変だったろうね…。登場人物が10人とか多いし、設定もややこしいし、成長しないっていいながら、スプライトは現実世界では成長するから時間がないし、ってほんと何回も頭抱えたんじゃないか>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

砂漠と突き抜けるような青空しかないショットは、異世界の画作りが出来ていてとてもいい。音もやっていることと「ドン!」って音が重ねられていていいなと。ただ、SFの古典だとはいえ人種の配役がかなり気になる。>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ジャンは曲がったことが嫌いで、己を貫き、愛する妻のために、太く強く逞しくその身を捧げる。
ジャックは封建社会によりかかった、独善的な思考を持つ。
そしてマルグリットは、2人が体現するヒロイズムとマチズ
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

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正論が最善とは限らない。とは、劇中のセリフだけど、まさにこの作品の根っこを捕らえたような一言だ。

人間いつだって身綺麗でありたいし、踏み外した人間を軽蔑さえするけれど、いざ我が身にふりかかった時に正
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空白(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

心に空いた喪失をどうやって埋めるのか。怒りで当たり散らそうとも、謝罪を尽くそうとも、奉仕活動に身を委ねようとも、進展もなければ反応もない日々に、心はいつまでも満たされない。報われないことに苛立ちばかり>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

どんなに大事な人でも、自分のことをどれほど分かってくれているかなんて分からない。むしろ、分からないから補おうと努力する。
韓国語の通訳をしていた先生は、相手のことが知りたくて、韓国の手話を学んだと言う
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マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

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豪華キャストが複雑に絡み合う相関図の中で、殺人事件の真犯人に迫る話を想像してたら、互いのお仕事の矜持を開陳し合ってバディの関係性を築きあげる、ヒューマンドラマの要素がかなり強かったです。タレントさんが>>続きを読む