ひろぱげさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ひろぱげ

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犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.9

セリフ、構図、カット割り、色彩、衣装、音楽、タイトルデザイン・・・なんたる様式美!
何度見ても面白いし、飽きない、不朽の名作。これはもはや歌舞伎やオペラの域だと思う。

トリックや謎解きの詳細や辻褄合
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.9

素晴らしい!
映像、音楽、役者、全部素晴らしい。

粗野で曲者の兄フィル、心優しい常識人の弟ジョージ、ジョージに見初められた未亡人のローズと、彼女の息子で女性的なピーター、4人の寡黙な駆け引き、絶妙。
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.7

ストーリーおもろい、テンポ良い。主演のキム・ダミのしょぼ顔も良い。

特殊能力を備えた子供を育てる謎の組織とその被験者たちの戦い、みたいな設定(「AKIRA」的なやつ)だと思わせておいて、なかなか捻っ
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.3

どこまで夢(記憶書き換えによる仮想現実)か?現実か?みたいなテーマのプロットもよく出来てるし、ひっくり返ってまた裏返ってみたいな展開は素直に面白いし、ロブ・ボッティンによる目ん玉飛び出放題の特殊メイク>>続きを読む

影武者(1980年製作の映画)

3.0

映像(冒頭の三人の引きの画とか、城の窓からの雪景色や湖の風景とか)もストーリー運び(前半のみ)も良いのに、なんかイマイチなのはなんでだろ?それは、主役も音楽も「影武者」がやったから?(当初主演予定の勝>>続きを読む

犬神家の一族 4Kデジタル修復版(1976年製作の映画)

4.8

セリフ、構図、カット割り、色彩、衣装、音楽、タイトルデザイン・・・なんたる様式美!
何度見ても面白いし、飽きない、不朽の名作。これはもはや歌舞伎やオペラの域。

トリックや謎解きの詳細や辻褄合わせは、
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.2

高校時代の仲間が10何年ぶりに集まって、あの頃みたいにバカな事やって、「あー、これこれ、この感じ。懐かしいなー」と思うけど、みんなそれぞれ大人になっちゃってて、あの頃のままにはいられない。あーあ、なん>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.6

スティーヴン・スピルバーグの名を世に知らしめた作品。
こんなシンプルなネタ、たった一つのテーマで、こんなに面白いものが作れるんだ!という見本のような映画だ。

仕事に間に合うためにマイカーで田舎道を飛
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火まつり(1985年製作の映画)

3.0

短髪&身体ムチムチの北大路欣也(当時42歳)の雄の色気ムンムン!
山の神さん(性別=女)に好かれていると豪語し、閉鎖的な熊野の町で、山野に海に暮らす男を文字通り体を張って演じている。

土着的、土俗的
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この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)

2.9

成人の日記念(?)観賞。

サイコな岸田今日子が針でブスブス写真や野菜を刺してるのも怖いけど、それを凌駕するのが岩下志麻のセーラー服写真。写真だけであの破壊力!
(あれ絶対堅気じゃないよね?スケバンよ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.4

タクシー車内での親友同士の女子会話も、オフィスに二人きりで行われる絶妙な痴話喧嘩の応酬も、そしてラストのカフェでのやり取りも、よくこんなセリフ思いつくなあという驚きが満載の第一話。(あのズームアップが>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

3.6

演劇、映画、音楽、文学・・・カルチャーの街、そして近年駅前が急激に変わった街、下北沢を舞台に、男と女の微妙な心の動きを絶妙に描いた青春ドラマ。今泉力哉監督作品の中では「愛がなんだ」と同じくらい好き。(>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

4.4

4Kリマスター版にて再見。冒頭の、夕日を浴びながら浜辺で「砂の器」を作るシーンの美しさに思わず息を呑む。

前半は、刑事による茹だるような暑さの中の捜査の旅。
後半は、本浦親子による酷寒の中の巡礼の旅
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無法松の一生(1943年製作の映画)

3.7

これまで4度も映画化された小説「富島松五郎伝」の最初の映画。戦前は内務省による検閲のため、戦後はGHQのお達しによって、それぞれ肝心な場面を含む大幅なカットを余儀なくされた不幸を背負っている。(三船敏>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.8

とにかく、「男のカッコイイ」を全部ぶちこんだ超娯楽映画。
オープニングの、ハードボイルドな音楽から「THE UNTOUCHABLES」のタイトルばーーん!アル・カポネの髭剃り上からショットばーーん!の
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悪い種子(たね)(1956年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

うーん・・・なんてオチなの・・・。

小学生のローダは利口でおしゃまな女の子。ある日、遠足で同級生の男子が溺死するという事件が起こるが、ローダはあっけらかんとしていて冷血でさえある。実は、その子とロー
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

3.5

ワーナーと21世紀フォックスの共同制作、スティーヴ・マックイーンとポール・ニューマンのW主演(他にも豪華キャスト大勢)という超大作パニック映画。今ではこんなゴージャスな映画は作れないだろうなあ。

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「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

3.5

「にっぽん昆虫記」の左幸子に匹敵する小沢昭一の素晴らしさ。この、一筋縄ではいかないスブやんという人物は、彼無しではあり得ない。

8ミリでエロフィルムを作って売りさばいたり、おっさん達に女を斡旋したり
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

濱口竜介監督待望の新作は、超長編「ハッピーアワー」や前作「寝ても覚めても」の延長線上にある。
劇中劇というか、他ジャンルの取り込み&本編への共振。「ハッピーアワー」では重心ワークショップや小説朗読会、
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.3

人間に寄生したエイリアンと宿主になったおっさんによるバディもの。その「おれたち」が、マッドサイエンティストっぽいエリート富豪(演じるのがパキスタン系イギリス人ってとこが良き。なんか天才っぽいじゃん?)>>続きを読む

華氏451(1966年製作の映画)

3.5

Eテレ「100分de名著」で原作が取り上げられていたので再見。

レイ・ブラッドベリのディストピア小説をフランソワ・トリュフォーが映画化した異色作である。
読書が犯罪とされている近未来の某国、消防士・
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

まず二人のキャラクター、心理描写の細かい事に驚く。最初の事務所での出会いのシーン、親を待つ子どものように手持ち無沙汰なイニス(ヒース・レジャー)に対し、彼をサイドミラー越しに「狙っている」ジャック(ジ>>続きを読む

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)

3.4

谷崎潤一郎の名作の3度目の映画化。
女たちの美しさと情け深さ、男たちの思惑と情けなさに、四季の移ろいと、着物の豪華さを重ね、失われゆく古き良き日本の風情を切り取って詰め合わせた壮大なイメージビデオであ
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.4

加計学園問題、伊藤詩織さん事件、公文書改竄問題・・・様々な政治事件を元ネタに、サスペンス仕立ての社会派ドラマになってる。

松坂桃李演じる官僚が勤務する「内閣情報調査室」(通称「内調」)の場面は、オー
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mellow(2020年製作の映画)

3.4

「あの頃。」を見たので、今泉力哉監督の旧作を見てみたくなった。(ここ数年、凄いペースで映画撮ってるよね、この人。ちょうど1年前も、映画館で「his」を見た後「愛がなんだ」を見たんだっけなあ。)

オシ
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.5

行き詰まって冴えない日々を過ごしていた青年が、ハロプロ(彼の場合はあやや)と出会い、ハロオタたちと出会い、毎日が楽しくなっていくお話。

「中学10年生」とは、なんと天才的に素晴らしい表現だろうか?!
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女系家族(1963年製作の映画)

4.0

大阪船場の大店、矢島商店。代々女系の家で、主は婿養子が継いできた。死んだ3代目主人 嘉蔵の遺産を巡って、出戻りの長女、婿を取って家を継ぐ次女、奔放で現代っ子の三女が争う。そこに、嘉蔵の妾 文乃が現れ、>>続きを読む

飢餓海峡(1965年製作の映画)

4.9

「戻る道ないぞ〜〜、帰る道ないぞ〜〜」
激動の体験をしてしまった一人の男に、戻るべき過去も振り返るべき思い出もない。全て消し去ったから。しかし、10年後その「欠片」を携えて訪ねてきた者がいたら?

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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

3.8

やはり何事も「元祖」は偉いと思う。
ゾンビというフォーマット(蘇る死者、人を襲って喰う、喰われた人もゾンビ化し増殖、知能は低く動きも遅い、しかし集団で来られるとヤバイ、など)を確立した点において、歴史
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

3.9

監督:深作欣二、脚本:笠原和夫、主演:菅原文太、「仁義なき戦い」のゴールデントリオが再集結!しかし今作での文太兄貴の役どころは刑事である。
刑事とは言っても、ヤクザ者と持ちつ持たれつ懇意にしているダー
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仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)

3.4

シリーズ完結編。とは言うものの、実質、前作「頂上作戦」で一連の物語は終わっていたはずで、今作は東映社長 岡田茂の「まだまだ売れるけぇ、もう一本作ってくれや」の一言で無理矢理決まったのだそうだ。(そのた>>続きを読む

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

3.3

シリーズ第4作。
うーん、前作までの面白さはどこに行ってしまったのか・・・。動き出してしまった戦争は、ヒーロー不在で下っ端だけがドンパチを繰り返す不毛なものに。ま、「実録」なので、これが本当の話の流れ
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仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

3.7

シリーズ第3作。2作目「広島死闘編」は北大路欣也が主役の「外伝」だったので、第1作に続く続編というのは本作なのだ。

それにしても、シリーズが当たったからなのか、キャストの豪華さが半端ない!
頑固一徹
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.5

シリーズ第2作。主人公は、文太じゃなくて、欣也。

野犬のようなギラついた目の北大路欣也。
狂犬のようなブッ飛んだパワーの千葉真一。
薄幸な女の哀れを圧巻の慟哭で体現した梶芽衣子。
素晴らしいキャステ
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

3.8

東映実録ヤクザものの記念すべき第一作。
とにかく、泥臭く、血生臭く、エネルギッシュで、おもしろい!!

主人公 菅原文太や、その兄貴分である梅宮辰夫の侠気・義理人情と、金子信雄や田中邦衛、松方弘樹らの
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ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ゴッドファーザー Part III」公開30周年を記念して、映像と音声をリマスターし、シーンのカットや追加、順序変更など、コッポラ監督が色々と手を入れた完全版、だそうだ。

オリジナル版と大きく違う
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