昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

昼行灯

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20世紀少年<最終章> ぼくらの旗(2009年製作の映画)

1.5

大風呂敷を広げるだけ広げて、最後まで回収されない伏線たち。

「散らかしたおもちゃはちゃんと片付けなさい!」という親の気分が味わえる。(味わいたくはない)

"ともだちの正体とは?"の一点張りでここま
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20世紀少年<第2章> 最後の希望(2008年製作の映画)

2.0

いろんな奴が出てきていろんなことが起こるけど、全部投げっぱなしで回収しない。いい加減にモヤモヤが溜まる。

そもそも、顔も出さないあんな胡散臭い男が、あれほど世界中で信奉されている理由がさっぱりわから
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20世紀少年 <第1章> 終わりの始まり(2008年製作の映画)

2.0

プロットだけ見ると面白くなりそうな要素が溢れているのに、どうしてこんなに間延びした映画になるんだか。ひたすら長いのにダイジェストを見てるみたいだ。

3部作かけてミステリー仕立てにしてるけど、単に出て
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バンディッツ(2001年製作の映画)

3.5

各地を逃げ回る銀行強盗の話ながら、悪い奴も鋭い奴も出てこないというのが珍しい。しかも何をするにも行き当たりばったりなのに大概の事はうまくいく。

リアリティも緊張感もないが、ありそうでなかった心地好さ
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呪われた死霊館(2018年製作の映画)

2.5

邦題がクドい。『呪われた死霊館』っていうけど、呪われてない死霊館なんて逆にあるのか?呪われてるからこその死霊館だろう。

インチキお祓いで稼いでいた若者たちが酷い目に合うという、ある種の道徳映画。真面
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.5

死体を探す少年たちの冒険。そんな薄気味の悪い粗筋ながら、ジュブナイルものとしての輝きと、取り戻せない時間を顧みるような寂しげな視点が絶妙に混在。

赤の他人の思い出を、自分の記憶のように感じられる映画
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雄呂血(1925年製作の映画)

4.0

この世で一番要領の悪い侍。嘘がつけない。駆け引きもできない。己の感情をそのまま放出するだけ。短気は損気。これじゃあ社会生活がうまくいかないのも頷ける。

でも、そんな要領の悪さ故に、最後は図らずもヒー
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ネイキッド(2017年製作の映画)

3.5

『恋とデジャ・ブ』と『ハングオーバー!』を合わせたようなタイムループものだが、全裸スタートというのが非常に厄介。文字通り裸一貫でのスタート。服がないと自由に動くことすらままならない。服って大切だな。>>続きを読む

どですかでん(1970年製作の映画)

4.0

全編に溢れる無国籍感。荒廃した未来にも思える、SFレベルのスラム街。

ダメなやつも、嫌なやつも、機能を停止するまで、同じような日常を繰り返す。生きているだけの話だけど、それが一番大変。ちょっとずつ狂
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クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

3.0

『不思議惑星キン・ザ・ザ』がまさかのアニメ化。嬉しいけど、考えた奴どうかしてるぞ。

◆実写版に比べてクーな点
・テンポが良くなった。
・脱力感が減った。
・洗練されたビジュアル。

◆実写版に比べて
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

ヤクザが堅気の暮らしに溶け込むことの難しさ。ヤクザを排除する仕組みはあっても、元ヤクザを受け入れる仕組みは少ない。居場所が欲しいだけなのに、もがいても沈む一方。

どんな狂犬も絶滅危惧種になると同情を
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ウォール・ストリート(2010年製作の映画)

2.5

冷酷な投資マシーンが、家族泣かせの投資依存症オヤジになっちゃった。

規模は違えど、やってることはパチンコ依存症の下町のオヤジが、娘の財布から金を抜き取るのとたいして変わらない。

どんな奴でも老いと
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ウォール街(1987年製作の映画)

3.0

誰かに電話して「株を買い占めろ!」とか「弁護士に買付書類を作らせろ!」とか言いたくなる映画。企業買収の仕組みはよく分からないが、なんとなく血が騒ぎ肉が踊る。

「全ては金だ。それ以外はたわ言だ。」とか
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.5

オープニングタイトルが出るまでの5分間で早くもこみ上げる没入感。

自由を掲げる国のくせに、やってることはナチスの裁判と変わらない。あの裁判長の憎たらしさたるや。手元に卵があったら、画面に投げつけてい
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.0

映像も音響も40年代仕様。『市民ケーン』同様、ディテールに一分の隙もない。なめらかなモノクロ。部屋に差し込む光が美しい。

新聞王ハーストの城でのパーティで、ベロベロに酔っぱらってハーストに絡んでゲロ
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彼女(2021年製作の映画)

3.0

映画的な台詞。映画的な展開。無添加の感情をぶつけてくれれば、体裁は後回しでもいいんだけどな。

全てレイの妄想だったんじゃないかと思えば、映画的な匂いに憧れているかのような展開も頷けるけど。

主要キ
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.5

相変わらず凄まじい殺陣。切っ先だけじゃない、全身を使った肉弾戦はずっと見ていられそうな迫力。町や建物も80年代のバラエティ番組みたいに次々に爆発炎上する。

それだけに脚本の粗さが残念。今回の肝である
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.5

ティーンホラー版の『フェイス/オフ』みたいな映画だが、女子高生が小汚ないおっさん殺人鬼と入れ替わるって、過去に類を見ないレベルで不平等な入れ替わりだと思う。仮に殺人鬼じゃなくても、おっさんとの入れ替わ>>続きを読む

TIME/タイム(2011年製作の映画)

3.5

自分の残り時間(=余命)が通貨になった世界。"時間は誰にでも平等"という概念が失われたことで、余計に貧富の差がエグいことになっているのが面白い。

貧乏人が金持ちに一泡ふかせて体制を揺るがす話だが、概
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6デイズ/7ナイツ(1998年製作の映画)

3.0

一言でいうと、ハリソン・フォード版『アフリカの女王』。

インディ系統の冒険モノを期待すると肩透かしを食らうし、ラブストーリーとして見てもちょっと薄味。

でも、草むらに八つ当たりするハリソン・フォー
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ドアロック(2018年製作の映画)

3.5

やっぱりベッドの下に隠れるってのは基本なんだな。

ベタなストーカースリラーながら、安定した見せ方で常時ハラハラさせられる。いろいろ対策は取っているのに、うまくいかない主人公が不憫でならない。クズみた
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.5

冒頭から占い師に「結婚できない」とか「病気になる」とか「何もかもうまくいかない」とか、とにかくボロクソに言われる不憫なクレオ。(細木数子だってもうちょっとオブラートに包むぞ。)

そんなクレオが、癌の
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ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

2.5

終始一定の見せ場はあるものの、どのシーンも既視感に溢れている。『ベイブ』と『パイレーツ・オブ・カリビアン』を合わせたようなコミカルな冒険。「ほらほら愉快でしょう?」という感じ。2020年の作品ながら、>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

冒頭から、広大な大地で用を足すフランシス・マクドーマンドに仰天。ワイルドが過ぎる。

家を持たず、定職に就かず、車で旅をしながら、空と大地の間で生きる人生。旅はいつか終わるから旅なのに、この人たちの旅
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.0

北京出身の女性監督が撮った、アメリカのカウボーイの話。(ブラジル人女性が武士道の映画を撮った!くらいトリッキーな組み合わせだと思う。)

それなのに、気取りも嘘臭さも一切感じない。住む世界は違っても、
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.5

子育てって大変だな。あんな気味の悪い子供だったら、自分で育てたくなくなるのも分かるけど。

張りぼてのような世界で作られる、張りぼてのような家族の映画。

居心地の悪い謎めいた展開には引き込まれるもの
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ジェイソンX 13日の金曜日(2001年製作の映画)

3.5

10作目にして、ついに宇宙へ飛び出すジェイソン。25世紀の宇宙船を舞台にしても、やることといえば、いちゃついてるカップルをナタで惨殺すること。これを宇宙でやる必要性は全く感じないが、環境を選ばずにライ>>続きを読む

13日の金曜日/ジェイソンの命日(1993年製作の映画)

2.5

冒頭からSWATみたいな人たちに木っ端微塵にされるジェイソン。その後検死をしていた科学者が、いきなりジェイソンの心臓にかぶりついたかと思いきや、ジェイソンの魂(?)が乗り移るというトリッキーな展開。>>続きを読む

13日の金曜日PART8/ジェイソンN.Y.へ(1989年製作の映画)

3.5

いつものことながら、前作の攻防をあっさり翻すように、冒頭から簡単に蘇るジェイソン。今回は地元クリスタルレイクを離れ、卒業旅行でニューヨークへ向かう高校生ご一行の客船に無賃乗車し、手当たり次第に殺戮を開>>続きを読む

13日の金曜日PART7/新しい恐怖(1988年製作の映画)

3.0

超能力を持つ少女が、湖で死んだ父親を生き返らせよう念じたところ、間違えてジェイソンが生き返っちゃったというバカみたいな幕開け。

その後はいつも通り、キャンプ場に来た人たちをバカスカ殺し始める。しかし
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13日の金曜日PART6/ジェイソンは生きていた!(1986年製作の映画)

3.0

前作の興業的失敗から、「やっぱりこのシリーズに必要なのはジェイソンだ!」と作り手が気づいた6作目。

土葬されているジェイソンが復活しないように、わざわざ墓を掘りおこして死体を燃やそうとしたところ、ち
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新・13日の金曜日(1985年製作の映画)

2.5

前作で"完結編"(原題も"final")と謳っていながら、舌の根も乾かぬうちに(翌年に)作られた5作目。

精神病院(といっても森の中の家)を舞台に、1作目以来のミステリー仕立て(?)で話が展開する異
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13日の金曜日・完結編(1984年製作の映画)

3.5

毎度10人近い人たちが惨殺されている場所なのに、そんなことは気にせずにクリスタルレイクに向かう新たな若者たち。みんなそんなにキャンプ場が好きなのかね。

ホッケーマスクがすっかりお気に召したジェイソン
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13日の金曜日PART3(1982年製作の映画)

3.0

公開時は3D上映だったので、やたら飛び出すことを意識したカットが満載の3作目。(大半は果物とかポップコーンとか、わりとどうでもいいものが飛び出す。)

人んちの納屋を拠点にしたジェイソンだが、登場人物
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13日の金曜日PART2(1981年製作の映画)

2.5

ジェイソン本格始動の2作目だが、お馴染みのホッケーマスクはまだ無し。ズタ袋被ってオーバーホールでうろうろするジェイソンはなんだか貧乏臭い。体格もわりと華奢だし、金的蹴りされてうずくまったりと、成長期な>>続きを読む

13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.0

花形シリーズの入口としては、派手さのない1作目だが、田舎にバカ騒ぎに来た若者グループが次々に殺されていくという、王道スリラーの骨格は既に出来上がっているし、登場人物の減らし方(=殺し方)も丁寧。

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