昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

昼行灯

昼行灯

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地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年製作の映画)

3.0

ガイガンのデザインの秀逸さだけで成り立っているゴジラ映画。キングギドラも格好いいけど、過去作のフィルムの使い回しが多くて萎える。

黒幕の宇宙人(宇宙ゴキブリ)も、最終目的は地球征服なんだろうが、テー
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

相変わらず噛み応えのあるジョーダン・ピール印の奇っ怪なパニックホラー。スロースターターで前半はだいぶ焦らされるが、不安を募らせる演出の旨さで、右肩上がりに引き込まれる。

UFO映画でありつつ、実は映
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激怒(2022年製作の映画)

4.0

現実と地続きのディストピア。誇張された世界と思いきや、誇張のいくつかは既に現実世界で起きているという怖さ。不寛容が幅をきかせる世界は窮屈でしかない。

予算の関係もあってか、コミュニティの大きさが感じ
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パトリオット・ゲーム(1992年製作の映画)

3.0

スパイ映画と思いきや、蓋を開けるとショーン・ビーンが駄々っ子のように暴れまわるだけの映画。「身から出た錆」という言葉を教えてやりたい。

テロリストに恨みを買うと厄介なことになるので、真似しない方がい
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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

4.0

岡本喜八版にあったような暑苦しいまでのエネルギーや緊迫感と比べてしまうと、どうしても小綺麗で密度の薄い印象を受けてしまうが、それでも戦後70年時点で考えれば最良のキャストで良質な大作に仕上げられている>>続きを読む

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

4.0

初期のテレビシリーズをブラッシュアップさせたかのようなハードボイルド・ルパン。ちょっとアダルトな世界観に、ブルーのジャケットが実に映える。

標的を殺す前に墓場を用意するという律儀な殺し屋。『アイズ・
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.0

地球をぶっ壊すのが大好きなエメリッヒの新作は、やっぱり地球をぶっ壊す大味大作。地球に何か恨みでもあるのかね。もしくは逆に愛情の裏返しなのか。

月が地球に落っこちてくるという、絵本みたいなプロットにリ
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.5

謎の組織の追跡やら、基地への潜入やら、なんだかスパイ映画のようなシリーズ最終章。M:iシリーズに恐竜が迷い込んだかのよう。

「今まで倉庫に眠っていた恐竜全部出します!」といった感じの大盤振る舞いは素
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.5

恐竜と古い屋敷という訳のわからない食い合わせが意外にもイケていて、生まれて初めて生ハムとメロンを一緒に食べたときの感情「ありっちゃありだな」を思い出す。監督がJ・A・バヨナに代わって、悪夢的世界観もU>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

4.0

過去の3作品であれだけの被害を出したにも関わらず、ついに待望のパーク(ワールド?)開園。批判も多かったろうに、よくぞやってくれた。これぞ見たかった世界。

とはいえ案の定の束の間の平和。過去の反省もど
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キャラクター(2021年製作の映画)

3.5

殺人鬼を模倣した漫画家を模倣し返す殺人鬼。リアルとフィクションの関係性。卵が先か、鶏が先か、みたいな話。

ラストが足早で一部消化不良はあるものの、伏線やヒントの匂わせ、定期的に訪れる見せ場もあって、
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

人身売買という重過ぎる題材を扱っているのに、各キャラクターの面白さや、それぞれの思惑もあって、気がつくと彼らに肩入れして見てしまう。

追い詰められた母親。優しすぎるブローカー。ブローカー以上にブロー
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優駿 ORACION(1988年製作の映画)

2.5

前半の牧場のくだりは、なかなかの映像美で先の期待ができるが、途中から馬そっちのけで、人間サイドの割とどうでもいいドラマが展開していく。

腎臓病とか末期癌とか、そういうの入れないとドラマにならんのか?
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

『アニー・ホール』しかり『500日のサマー』しかり、時系列シャッフル系ラブストーリーに弱い。そこにジム・ジャームッシュをトッピングされるともうお手上げ。『ナイト・オン・ザ・プラネット』に帰りたくなる。>>続きを読む

ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

3.0

"泣く女"というか"叫ぶ女"。とにかくギャーギャーうるさい。

物理的な攻撃に徹した肉食系の幽霊っぷりは、完全に"動"のホラー。

主人公ファミリーの行動がいちいちバカなうえに、情報共有もしないので、
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

30年以上経っての続編ながら、前作からの地続き感をしっかり担保。

皺は増えたが目のキラキラ感はいまだ20代のトム・クルーズの凄まじさ。(相変わらず無茶をしては偉い人に怒られているのがいい)

若手を
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BEST GUY ベストガイ(1990年製作の映画)

2.5

バブル期のトップガンごっこ。

問題児だが天才パイロット。グラサンかけて、革ジャン着て、アメリカンなバーでナンパする。(赤面)

「ベストガイはトップガンの上に位置する!」という本家意識しまくりのセリ
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トップガン(1986年製作の映画)

3.5

「アメリカって強くてかっけーだろ!」の一言を2時間本気で叫ぶ一本。

教官と生徒の恋、からの挫折と再生。見ているこっちが恥ずかしくなるような展開を、一切の恥じらいもなく堂々と描ききる潔さ。

卒業課題
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

ウルトラQを入口としたオープニングから、もうワクワクが止まらない。惜し気もなく出現する怪獣の数々。随所に挟まれる懐かしの曲や効果音。いちいちツボを押さえている。腕のいい指圧師みたいな映画。

テレビシ
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エイリアンVSジョーズ(2020年製作の映画)

1.5

変わらぬ品質のマーク・ポロニア作品。

毎度のことながら出演者の省エネ演技が凄い。鮫が出ようが宇宙人が出ようが、想像の遥か上を行くリアクションの薄さ。シケた表情に全身から漂うダルさ加減。出演者、全員失
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.0

パン屋の優しいおじさんが連続殺人鬼でした!というギャップ萌え映画。そこに阿部サダヲを当て込んだ時点で概ね成功。

笑顔でパンを売りつつ、常連の若者をなぶり殺して「相手との信頼関係が大事」とか真っ直ぐな
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.5

モノクロで捉えたアメリカ都市郡の画作りにうっとり。

伯父と甥っ子の生活は、近すぎず遠すぎずの距離感。相手が子供でも、パーソナルスペースを尊重するあたりがアメリカらしい。

思いもよらぬことばかり起こ
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魔女の宅急便(2014年製作の映画)

2.5

嵐のなか、病気のカバをゴムボートに乗せてほうきで運ぶキキ。(カバより医者を運んできたほうが楽だと思うが…)

弱ったカバの尻尾にリボンを巻いて「もう心配要らない」とか言い出す謎過ぎる医者。(浅野忠信!
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.0

大人をアゴで使う小僧っぷりに拍車がかかる劇場版コナン。

浮世離れもなんのその。トリックなんてどうでもいい。振り切りすぎた爆走の先にある大スペクタクルは、いっそ清々しい。

それにしてもみんな丈夫。真
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スノーシャーク 悪魔のフカヒレ(2011年製作の映画)

2.0

地震の影響で太古の眠りから目覚めたという雪ザメ。(寿司屋の変わり種メニューみたいだ)

近所の林と公民館で日帰りで撮ったような低予算っぷりだが、雪上を右往左往するサメの背びれは、なかなか風情があって良
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

ギレルモ・デル・トロの見世物小屋。

いつものダークファンタジーが、現実世界に一歩足を踏み入れてきたような2時間半。(ちょっと長い)

こってりとした映像に、こってりとしたキャスト。悪夢に迷い混む下地
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アンソニー・ホプキンスのリア王(2018年製作の映画)

3.0

待望のアンソニー・ホプキンス版リア王だが、架空の現代を舞台にしていることに、予算削減くらいのメリットしか感じられないのが残念。台詞と世界観がどうにも合ってないし、壮大な話も大富豪の相続問題くらいにしか>>続きを読む

貞子(2019年製作の映画)

1.5

わざわざ作る必要のない新作。しかも中田秀夫が撮っていることで"お墨付き感"が増しちゃっているのがタチが悪い。

終始眠いが、主人公が弟を貞子と引っ張りあうシーンだけはちょっと笑った。

とりあえず"立
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

フィルム・ノワール感強めの探偵バットマン。シリーズにハードボイルドの風を取り入れたあたりが見所だが、尾行したキャットウーマンの生着替えを双眼鏡で覗くバットマンの姿は、殆んど変質者のそれだ。

そして何
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

4.0

フランスらしいエスプリに溢れた、オーダーメイドの『ウエストワールド』。

金と手間をかけることでファンタジーを実現させるという贅沢遊びではあるが、それ以上にフランス人の"愛の手練れっぷり"に「こりゃ敵
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

認知症の追体験。小説でも舞台劇でもない、映画ならではの表現。最近見た映画で一番怖かった。

点と点が線にならない。バグった世界に一人閉じ込められたような孤独感。家族に相談しても話が通じない。取り合って
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十戒(1956年製作の映画)

3.0

大仰で芝居がかった古典大作だが、一つ一つを映像と台詞で説明してくれるので、4時間近い長尺もそれほど感じさせない。

旧約聖書にあれこれ言っても仕方がないが、神のお墨付きを得たモーセは厄介この上ない。何
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

2.5

他人が書いた原稿噛まずに読めました!って言われてもね。

歴史映画ではなく、一個人のコンプレックス克服映画と言われればそれまでかもしれないが、ベートーヴェンで盛るスピーチシーンのカタルシスは原稿ありき
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劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族(2021年製作の映画)

4.0

うちの猫が食い入るように見ていた。なので猫目線でも評価高め。(だと思う)

広い空の下で猫と暮らす人々。静かな日常のなかに感じる生命力。猫人間の岩合光昭だからこそ撮り得た、心地好い瞬間のオンパレード。
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

赤の他人同士が狭い密室で過ごすシチュエーションはタクシーならでは。客も運転手も、お互いを選べないからこそ生まれる面白さ。

通り過ぎる街灯。照らされる路面。夜中の3時にダラダラ見るのに最高の映画。いつ
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

ドイツ軍の捕虜になったソ連兵が、無理矢理参加させられた戦闘演習に乗じて、白昼堂々戦車で大脱走。なんとも豪気。エンタメに振り切った戦争映画の成功例。

ドイツ軍は間抜けばかりだが、一番の敵役の大佐のキャ
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