昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

昼行灯

昼行灯

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シン・アナコンダ(2021年製作の映画)

2.0

冒頭から出し惜しみゼロで全身を見せてくれる大蛇。プレステ3くらいのCG感丸出しの大蛇なんてもはや絶滅危惧種だと思っていたが、元気に生きていたのね。良かった良かった。

遺跡調査で島に渡ったものの、引率
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

物心つくかつかないかの頃から見ているシリーズの新作を、まさか令和時代に見られるとは。

齢80手前で流石にくたびれてきたハリソン・フォードだが、あの帽子ひとつで一瞬でインディに。「こちとら足にボルト入
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

5.0

傑作揃いのシリーズだが、インディ・ジョーンズというキャラクターの持つ面白さは既に1作目から全開。何をするにも最優先は考古学で、そのためにはヒロインすらも後回し。頼りになりそうでいて脇が甘く、ハードボイ>>続きを読む

アクアスラッシュ(2019年製作の映画)

2.0

70分の短めスリラーなのに、惨劇開始までが長過ぎる。トミーがキムに惚れてるとか、プリシアが不動産屋と浮気してるとか、ハッキリ言ってどうでもいいよ。早いとこ誰か死んでくれ。

山場までの引き延ばしが凄い
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

4.0

ボロいテレビ塔とかけて、それに登ろうとする奴の頭と解きます。その心は、どちらもネジがぶっ飛んでいるでしょう。

世のなか色々あるけれど、やっぱり高いところは怖い。それ一本で100分持たせる演出の上手さ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

5.0

狭い島でのおっさん同士の仲違い。「お前の話はつまらん」という一方的な絶縁宣言。前触れもなく起こったように見える人間関係の破綻だが、実はそういうわけでもないらしい。人の気持ちは思った以上に分からない。>>続きを読む

幸せは、ここにある(2021年製作の映画)

3.5

ビリー・クリスタル20年ぶりの監督作(しかも主演)というのに日本ではまさかの劇場未公開。どうなってんだ。

新鮮味のあるストーリーではないし、センチメンタルで綺麗にまとめすぎてる感はあるが、作り手の誠
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

家に押し入ってきた不審者グループに「カレー味のウンコとウンコ味のカレー、食うならどっち?」みたいな究極の選択を迫られるという、毎度お馴染みシャマラン印の不条理サスペンス劇場。

不審者グループのリーダ
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

"ファースト・キル"なんて言ってるけど、「絶対初めてじゃないだろ!」としか思えない手際の良さ。

エスター版『ハンニバル』といったやりたい放題ストーリーかと思いきや、まさかの展開。そんなところに落とし
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.5

山奥のダムとかその辺で身内でごちゃごちゃ揉める2時間。親子経営の組織ってこうなりがちなのかな。大塚家具を思い出した。

仮面ライダーのビジュアルは歴代上位の格好良さながら、改造されたてのリアクションは
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

マルチバースで親子喧嘩。隅から隅まで破天荒。ビジュアルイメージや個々のシーンは結構グッとくるんだが、展開がやりたい放題過ぎてだんだんどうでもよくなってくる。盛り上がってる飲み会に途中参加したような気分>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

スピルバーグで育った世代にとって、ある種のご褒美映画。子供時代から光る映画監督としての小技の数々が楽しい。中学生くらいでもう『プライベート・ライアン』の原型みたいなのを撮ってたりするという末恐ろしさ。>>続きを読む

ファイナル・カウントダウン(1980年製作の映画)

3.0

現代の空母が真珠湾攻撃の日にタイムスリップするという、アメリカ海軍版『戦国自衛隊』 みたいな話。

「どうやらタイムスリップしたらしい」という事実に徐々に勘づいていくが、全体的にリアクションは薄め。肝
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.5

物理的な恐怖に超自然的な恐怖。最高過ぎる友達に最高過ぎる妹。いろんな要素を絶妙なバランスで詰め込んだジュブナイルホラーの傑作。

原作者はスティーブン・キングの息子らしいが、親父のエッセンスを程よく継
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二・二六事件 脱出(1962年製作の映画)

3.5

岡田首相の脱出劇に的を絞った二・二六事件映画。派手な演出こそないものの、徐々に高まる緊張感で後半は結構ハラハラさせられる。サスペンスとしても充分楽しめるクオリティ。

しかし、テレビのない時代とはいえ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.5

一つの政策を軸としたシンプルなディストピア。藤子・F・不二雄の短編に『定年退食』ってのがあったけど、あれをちょっと思い出した。

選択肢を与えるというのも捉え方によってはズルい話。責任者は本人だし、自
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運命のボタン(2009年製作の映画)

2.0

コレジャナイ感が凄い。起承転結の"起"だけでギリギリ形になったタイプの映画。

火傷のおっさんはおろか、この映画自体が悪徳商法みたいなもんだと思う。存在しない罪を作り出して戒めるって、どんだけ性格悪い
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

『ラ・ラ・ランド』と『雨に唄えば』にクソと小便とゲロをトッピングして強火で3時間煮込んだような映画。冒頭から客に向かって象のクソをぶちまけてくるという洗礼が凄い。デイミアン・チャゼルはこういうのがやり>>続きを読む

ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

3.0

再生回数稼ぐために他人を巻き込んで無茶するような奴はいっぺん死んでこい、というある種の道徳映画。

幽霊になると呼吸の必要がないので、水中というのはかなりのアドバンテージになるが、襲ってくる動きはあく
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

ベースはもろに『ニュー・シネマ・パラダイス』ながら、カースト制度やある種の輪廻思想が絡んでくる辺りがインドならでは。

映画を再現しようとする主人公の、我流とは思えない工夫の数々がまず面白いし、映画作
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

どこを切っても肉汁溢れるこってり濃厚な3時間。ひねりも詫び錆びもないが、ただひたすら前に向かう異常なまでのエネルギーに細かいことは全てどうでもよくなる。そして何より楽しい。3時間ずっと楽しい。

結構
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.5

軍服と背広の男たちが、延々ユダヤ人政策について話し合うという激シブ会議映画。スター俳優がいるわけでもなければ、エモーショナルな音響演出もない。静かなリアリズム。

シロアリ対策くらいのノリで淡々と進む
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ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

4.0

相手が泥棒とはいえ、ケビンのサディスティックな仕打ちが凄い。笑いながら高所からレンガを投げたりしてたが、死ぬぞ泥棒。ダミアンも驚く慈悲の無さ。

いくら打ちのめされてもめげずに起き上がる泥棒二人もまた
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異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

3.5

ストーリーも世界観も概ね原作に忠実なのはいいが、マルチェロ・マストロヤンニのキャスティングはちょっと違和感。最後までムルソーのイメージに結びつかなかった。年齢と体型のせいかな。

不条理な殺人は、被害
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.0

命がけの美味しんぼ。海原雄山もびっくりの"おもてなし"。「食べずに味わって下さい」とか「次はパンですが、皆さん上流階級は食べ飽きてるだろうからパンは出しません」とか、シェフから繰り出される斜め上すぎる>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.0

砂漠の真ん中のユートピア。ビジュアルイメージは50年代の古き良きアメリカ。料理を作って夫の帰りを待ち、週末はご近所みんなでパーティー。幸せ過ぎて怖い。というより幸せの圧が強すぎて気が滅入りそう。

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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.5

相変わらずこってりとした見応えのアルモドバル作品に、相変わらずこってりとした美しさのペネロペ・クルス。スペインが誇る黄金レシピ。

邦画でもあった"取り違え"モノだが、ストーリーの広げ方がしっかりアル
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

監督が小津安二郎ファンであることもあって、ちょいちょい感じる小津イズム。優しい光に定点構図。心地好いと取るか、眠くなると取るかの境界線。

ロボットがみんな人間になりたいなんて決めつけるのは人間側の驕
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悪魔の棲む家(2005年製作の映画)

3.0

こじんまりとした『シャイニング』。

どこを取ってもそれなりの水準の驚かせ系ホラー。全体的に忙しいが、満を持して現場入りした神父が、尻尾巻いて逃げ出すシーンはちょっと笑った。

あと、親二人は何の仕事
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ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

3.5

純粋なのは分かるけど、いくらなんでも不器用過ぎるぞ母。次々に繰り出される破天荒な行動。脳内のビートきよしの「よしなさい!」が止まらない。

どんどん話がややこしくなるが、母の希望は単に子供と誕生日会を
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キラーソファ(2019年製作の映画)

2.5

ちょうど同じようなサイズのソファを粗大ゴミに出したばかりだったので、思った以上に感情移入して見ることができた。(誰にだ)

「私には男性を魅了してしまう何かがあるの」とか真顔で言う主人公と、そんな主人
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

「あんたらばっかり驚いてないで、早よこっちにも見せてくれや」という悶々とした時間が40分。そんなに引っ張らなくてもいいのに。

異形のもの以上に厄介な、過去を捨てきれない人間。勝手に段取りして、勝手に
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イメージの本(2018年製作の映画)

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ゴダールの"映像の世紀"は、ゴダールの脳内コラージュ。

殆んど意味不明な映像の洪水にボコボコにされた。スクリーンの前で放心状態。正直寝かけた。でもたぶん、脳波だけは動いていた。

「1つの世紀が次の
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.5

4Kリマスターで画も音もクリアに。タイトルの出し方や曲の入れ方を変えてきているのは必ずしも良いとは言えないが、その新鮮味を含め、劇場で見る価値は充分にある。

クリストファー・ドイルの画作りは公開から
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地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年製作の映画)

3.0

ガイガンのデザインの秀逸さだけで成り立っているゴジラ映画。キングギドラも格好いいけど、過去作のフィルムの使い回しが多くて萎える。

黒幕の宇宙人(宇宙ゴキブリ)も、最終目的は地球征服なんだろうが、テー
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

相変わらず噛み応えのあるジョーダン・ピール印の奇っ怪なパニックホラー。スロースターターで前半はだいぶ焦らされるが、不安を募らせる演出の旨さで、右肩上がりに引き込まれる。

UFO映画でありつつ、実は映
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